何かをすれば何かが変わる

すぐに結論なんて出なくていい、でも考え続ける。流され続けていくのではなくて。
そして行動を起こし、何かを生み出す。

部下の「やる気」は上司で決まる

2008-04-29 13:50:31 | Book Reviews
前段に引き続いて)

p.134-6 仕事の意味づけは「抽象のはしご」で。例えば求人広告営業に対して、広告を掲載する仕事<社会に紹介する仕事<人材を通じて企業成長を手伝う仕事<転職者の選択肢を広げる仕事、というふうに。
 上のレベルで言われたら、魅力あふれる仕事、使命感にあふれた仕事となる。

p.170 マネジャーの言動の背景にある動機が、部下に納得できるかどうか。
 「自分の部隊を強くすることで、上司が出世できるかどうか決まるために、俺にいろいろと言ってきているんだろう」と感じた場合は、絶対に人は動かない。「自分の出世の道具ぐらいにしか、部下を思っていないんだろう」としか考えない。動機に不純なものを感じとったら、上司を信頼しなくなる。

p.172 メンバーを活性化するには、日々のコミュニケーションを通じて、本人の「やりたいこと」を把握し、本人に「やるべきこと」を理解させ、本人の「やれること」を見極め、本人に「伝えてあげる」ことであり、もう一つは、「やる気」を高める機会を創り出してあげること。
 まず第一に、さまざまな意思決定の場面に参加できる機会である。

p.186-7 企業は、顧客満足を実現しなければ、熾烈な競争を生き残っていくことはできない。
 これまで企業は、従業員のモチベーションの問題を真剣に考えては来なかった。人材の流動化が進んでいる昨今では、「働く場」としての「従業員満足度」が問われる時代に入っている。

 成果主義の導入は、かえって従業員のモチベーション・ダウンを招いている。
 成果主義を強めれば強めるほど、職場の雰囲気がギスギスしたものになり、セクショナリズムが横行していく。そして、職場全体が「行き過ぎた個人主義」と「機械的人間」の蔓延する場に変質してしまう。

p.190 人事の世界では、T字型人間が求められるようになっている。それは、マネジメントもできて、専門性も深いという人間になれと言っている。
 大事なのは、職場全体でT字型になること。
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部下の「やる気」は上司で決まる

2008-04-29 12:49:35 | Book Reviews
「部下の「やる気」は上司で決まる モチベーション・クリエーターが企業の命運を握る 小笹芳央・著、実業之日本社、2001年12月15日

p.11 企業で行われているビジネスモデルがなぜうまくいかないか。実行する側の従業員に、「お客様にもっといいサービスを提供して喜ばれたい」おお客様の期待にもっと迅速に応えたい」「自分自身のパフォーマンスを高めたい」「会社がいい商品を開発できるように現場からいいアイデアを打ち出したい」というようなモチベーションが与えられていないから。
 これなくして、効率化による高コスト体質からの脱却や、新しい分野への進出をトップダウンで実行しようとしても、一向に成果に結びつかない。

p.12 ビジネスモデルを実際に遂行し、それを実効性のあるものに仕立てていくのは、従業員であることが忘れ去られている。顧客接点を担う従業員の「モチベーション」こそが企業の命運を握る最も重要なファクターである。

p.14 「やる気」とは「ワーク・モチベーション」のことで、「お客様の要望に応えたい」、「自分の個性を発揮したい」、「自分の市場価値を高めたい」といった「前向きな意欲」である。

p.18 企業が競争して生き残っていくためには、顧客との接点を担う従業員に、いかに「顧客に対して貢献したい」とか「自社の強みをもっと明確に築きたい」、「顧客との問題解決を通じて、もっと自分自身を高めていきたい」というモチベーションを持たせるかが、最大の課題である。

p.20 顧客蔑視、顧客軽視、会社の都合を押し付けることに、若い従業員たちは辟易とし始めている。

p.26 モチベーションの高い企業というのは、「あの人の下ならやる気が出る」とか「あの人の一言で目が覚めた」とか「あの人がいる限り、僕はこの会社で頑張ろう。あの人に認められたい」というマネジャーがいる会社なのです。

p.28 「ソリューション(顧客の問題解決)」は、顧客との設置面=接点の面積を増やさなければ実現できないことである。
 組織の「フラット」化というのは、企業が顧客との設置面を増やしたい、そのために管理職に対して「もう管理するだけの人材は不要だ。もう一度現場に下りて、直接顧客を担当しなさい」と言うこと。

p.44-5 人材流動化の時代にあって、企業は成長していく人材を確保し続けなければならない。ところが、採った人間は逃げないという前提のもとに、「こうしろ、ああしろ」という押しつけ方でマネジメントが行われている。部下に対して常に採用活動をするかのごとく接していかなければならない。

p.61 若手社員は直感的に「違うな」と思ったら、もう話を聞かなくなる。
 「この上司を通じて技術を学びたい」、「働くことの意義を感じたい」、「この上司についていけば自分にスキルがつく」「もっとこうしろと教えてくれれば、自分の成果が期待できるのに」ということを期待している。

p.63 部下のモチベーションを下げる上司。イソップの「北風と太陽」に出てくる北風的な上司は、部下の恐怖心をあおる。「言うことを聞かないとこうなるぞ」とか「給料が下がるぞ」とやる。このアプローチは、部下のあきらめ(や反発)を呼ぶ。
 権限で人は動くと思っている上司、「自分がやっと手にいれた権限」と思って上司ほど陥りがちである。
こういう上司ほど、部下のモチベーションの閉塞を生んでいる。

p.88-9 ルールを細かく決めすぎてしまうと、逆に非効率になる。人間がルールに縛られてしまい、すべてルールに従わざるを得ないという形になっていく。
 ルール作りはある程度のところで止めておき、あえて「あいまいな」部分を残しておく。あいまいな部分は、ルールではなくて、マネジャーが部下から信頼されることで補う。

p.93  ある程度のルールは有効であるが、それ以上の行きすぎたルールでは、逆に複雑性が増して、意味のないものになってしまう。ルールである程度まで制御できるものの、残りの部分はマネジャーが、いかにメンバーと信頼関係を築けるかがポイントになる。

p.96 「あの人と仕事をしても、手柄を持っていかれるだけだ」「あと10年、この会社で我慢しても、自分があんなふうになると思ったら、ぞっとする」「顔を合わせれば、数字の話ばかりでやる気を失ってしまう」「自分の出世の道具に使われるだけなので、やる気がしない」「過去の経験ばかり語られるので、うんざりしてしまう」・・・・・、「モチベーション・ブレーカー」。

p.106 「やりたいこと」と「やるべきこと」「やれること」の3つの輪が重なっていることに対しては、何のストレスも感じることなく、そのことに取り組むことができる。

p.126 目標設定の技術で言うと、7割前後の人間が達成できる水準に目標を設定するのがコツ。

続く
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生活保護者は「ジェネリック」を

2008-04-29 10:15:11 | くすり雑感
ジェネリック使わないと生活保護ダメ 厚労省通知 朝日新聞 2008.4.29

生活保護を受けている人に価格の安い後発医薬品(ジェネリック)を使わせるため、先発品を使い続ける場合は保護の停止を検討するよう、厚生労働省が各都道府県への通知で求めていたことが明らかになった。しかし、批判を受けて厚労省は28日、通知を撤回する方向で検討に入った。

厚労省は医療費の抑制のため、後発品の使用を促進している。今月1日付の通知で、「(生活保護の)受給者は医療費の自己負担がないため、後発品を選択するインセンティブが働きにくい」と指摘。医薬品の使用状況を調べ、正当な理由なく価格の高い先発品を使い、後発品への変更指示に従わなかった場合は「保護の停止または廃止を検討する」としている。

舛添厚労相は28日の参院決算委で「とにかく生活保護の方、後発品にしなさい、ととれる文章使いがあった。書き換えさせている」と表明。厚労省は通知を撤回し、受給者にも先発品の使用を認める通知を出し直す方向だ。

 文章の表現が不適切で誤解を招くとしているが、厚労省の文書ほど上手に、ときに巧妙に、用意周到に作られているものではない。有無を言わさずジェネリックに変えさせるという本音があり、強硬に、強制的にするものではない、そう受け取られるのは本意ではないと言いたいのだろうが、事実上の強硬、強制にほかならない。

 医療機関や薬局に対しても使用促進策の実施に協力を依頼。さらに、実際に受給者が後発品を使っているかチェックする体制も整えた。まず、福祉事務所が受給者のレセプトから、慢性疾患などで継続して先発品を使用している受給者を抽出。薬局に依頼して処方せんのコピーを送ってもらい、医師が後発品への「変更不可」としていたかどうか調べる。薬局にはコピーを送る際、後発品への対応が可能だったかを記載してもらう。これらのチェックで、受給者が理由なく後発品を避けているケースを見つけ、後発品を使うよう再度指導する。

政府は後発品の使用促進により、08年度予算で220億円の国庫負担削減をめざす。ただ、医療扶助の受給者は国民の1%程度(126万人)のため、保護課は「財政効果は限定的だろう。むしろ、低所得者が経済的理由で後発品を使わざるを得ない一方で、生活保護受給者がタダだからと先発品を選ぶことはおかしい」と制度的矛盾の是正を取り組み理由に挙げている。 以上、RISFAX 2008.4.25

 最低限度の保障をしているものの、低所得者層ではやむをえずジェネリックを使用していれば、生活保護者は無条件にジェネリックにするべきだ、という。
 
 国の財政的負担、医療費削減のもとには、国民の健康的な生活に影響が及ぶこともやむをえないとする考えは後期高齢者医療制度でも見られる。

 つい先頃まで先発品を使ってきたのに、問題がないから突然ジェネリックにしろと言われても、受け入れるにはそのための時間も必要だ。健康への影響はもちろん、個人の意思や権利にまで踏み込むやりかたは理解が得られないだろう。生活保護者であれば、医療以外でも国のいいなりの生活をしなさい、という論理で次々と生活に制約を課せられかねないという恐怖感もあるのではないだろうか。

 小児でも医療費助成を受けている世帯がある。難病に対する公費助成も含まれるのかもしれないが、生保でこの考え方を適用できれば、今後そういうところにも同様の圧力が及ぶ可能性はないとはいえないだろう。

 ジェネリックに変更しないと生保を停止または廃止させるというのはまさに脅し。理解を求めるにあたり、ジェネリックに変更して浮いた医療費の一部を生活保護者に還元するといったインセンティブを設けるのはどうだろうか。事務処理費を考えると、かえって高くついてしまうのだろうか。

 それにしてもこのくらいジェネリックの使用促進は躍起になって行われていることは改めてわかった。ジェネリックの使用促進に寄与できない薬局や薬剤師は、保険では面倒をみない、免許をはく奪されても仕方ない、とも言われている。国民の健康を守れないからではない。健康を守ることを前提に、ジェネリックの使用促進を支援してもらいたいと思う。
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