何かをすれば何かが変わる

すぐに結論なんて出なくていい、でも考え続ける。流され続けていくのではなくて。
そして行動を起こし、何かを生み出す。

すべきことは、主体的に動くこと

2007-04-27 20:31:55 | 薬害は人災だ
 サリドマイド薬害において、日本ではレンツ警告を軽視して発売中止が遅れ、多くの被害者を出してしまった。回収は、国の指示ではなく、メーカーの自主的な対応に任せられていた時代だったようだ。

 当時の薬局では、新聞報道等によりレンツ警告をはじめ、サリドマイドに大きな疑いがあることを知っていた。大日本製薬も因果関係に否定的だったようだから、メーカーに尋ねたところで十分な解答は得られなかったかもしれない。インターネットもない時代であり、新聞報道以外にどこまでどうやって薬局や薬剤師はその疑いを独自に調査できたのだろうか。大学病院にでも尋ねて、雑誌を調べるくらいだろうか。

 入手できる範囲で調べて、疑いが濃いと思えば、その段階で国がなんと言おうとも、メーカーがどういう姿勢であろうとも、薬局が判断し、何らかの行動をとることができたのかもしれない(今になっているから言えるのかもしれないが)。

 今ふうに言えば「妊娠中のかたは、服用を控えてください」と注意喚起しながら販売を継続するという方法をとることもあろう。しかし疑いがかなりクロに近いのであれば、自主的な行動をとれるかどうかが、薬局薬剤師ができる薬害の拡大防止のための行動ではないかと思う。

 こんなことにこだわるのは、サリドマイドのことを回想したかったからではない。タミフルでも、国の見解がまとまってからその陰に隠れるように追随的に動くのでなく、自らの行動を起こそうということは述べた。今後も、何かあったときにあたふたして時を過ごさないために確認しているのだ。

 国の見解がまとまるのを待っていると、その悶々と経過していく間にさらなる被害者を生むことになる。まさに避けることができた事例だ。あたふたしているのは、まさに「沈黙の加担」にほかならない。薬局も事態を一刻も早く調査し(情報を入手し)、どこかで決断し、主体的に行動を起こすことが、患者さんを守ることにつながることを、今日、サリドマイド被害者のかたと話をして、再確認した 
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