何かをすれば何かが変わる

すぐに結論なんて出なくていい、でも考え続ける。流され続けていくのではなくて。
そして行動を起こし、何かを生み出す。

薬局は今がターニングポイント

2006-03-20 10:53:52 | 薬局経営
 調剤報酬改定の時期を迎え、今後の医薬分業がどうなるか、どのような方向に向かおうとしているのか。前から徐々に処方料と処方せん料の格差が減少傾向を見せており、診療報酬上、分業推進から“次の時代”への転換が求められていた。

 分業率も高まり、単純に推進する理由が減ってきたことも大きい。100%でなくても、もう分業が後戻りしないところまで引き上げれば、あとは国の後押しで生きていくのではなく、いいかげん薬局も自立しなさい、ということだ。

 量の拡大の先は、質の拡大しかない。量の拡大が始まったときに、質の拡大の時代が遅かれ早かれやってくると、薬剤師はどこまで気づいていたのだろうか。いまだに出店こそ命なんて言っているところは、まだぼんやりしているのではないか。

 今春の調剤報酬の改定は、例年になく改定項目の乏しいものだ。医療費削減をするといって、あちこち削っているので、マイナスを補填する項目などないと言ってもよい。マイナスを埋めるがごとく、とれるものをとろうとしても、業務内容は領収書によって「公開」されるのだから、気づかないうちに取ってしまったり、後から説明のつかない形で進めるわけにはいかない。

 フィー=単価×枚数 であることを思えば、国は単価を下げるといっているんだから、残るは枚数を増やさざるを得ない。中身を充実させて、患者さんの“奪い合い”にならざるをえないのではないか。中身を充実させる競争が激化するのではないか。国民からすれば、薬局同士が切磋琢磨して、質的平均レベルが底上げされるのは歓迎だろう。店舗数も今はオーバーストア状態だから、淘汰されて規模も適正化される。

 このことは「指導管理料」が、「薬学管理料」に文言が変わることにも関係する。単に診療報酬の「医学管理料」に呼応させただけではないだろう。ここに我々の進むべき道が隠れているのではないかと思う。薬学をベースにした、専門性を含む業務に今後、フィーがついていくことと思われる。

 今は、それが何かは具体的に示されていない。新年度になって、もがくのもいいが、医療の本質を外さずに、これまでの自分たちの行動を転換し、薬局の体質改善、土壌改革を含めて、医療機関、医療提供施設にふさわしい機能、資質を蓄える時期ではないかと思う。その猶予期間は、最長6年間(長いかな?)。6年制を経て、新しい時代の医療従事者が世の中に出てくるまでに、その環境を整えておくことで、将来が違ってくるのではないだろうか。

 くれぐれも枚数稼ぎも、あらぬ方向に行ってはならない。患者さんの意向を無視して、施設の意向を盾に患者さんの弱みにつけこんで処方せんを奪い取るような、施設調剤には、進んではならない。 
Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする