スターアニスの 『大和路 里の光彩』

アーカイブ中心の風景写真、趣味の書・刻字など・・いろいろと楽しんでおります。

吉野の「本葛」について  ④

2007-09-25 20:31:43 | 奈良県のモノづくり探訪記
先日、訪れた吉野・中井春風堂の軒先に「葛の根」が置いてあった。木の根っ子のようだ。
「葛」について、店の方にいろいろ聞いてみた。

葛は豆科の植物で、茎は篭などの工芸品に、そして地中深くにある根が葛粉の原料となるのです。

「吉野本葛」と「吉野葛」とは、違うという。 本葛は高価だ。根を繊維状に粉砕して水と混ぜ、根に含まれる澱粉をもみだし、吉野晒という吉野地方独自の製法で精製したものが吉野本葛と呼ばれるという。

では、吉野葛とは? と疑問が残るが・・・・詳しくは聞かなかったが、本葛にいくらか別の澱粉が入っているのかなぁ?

冬の冷たい空気と水で仕上げる吉野本葛は、美しい白色。1kgの葛根から作れる葛粉は、約100gといわれている。

秋から春にかけて葛の根を掘り起こし、板状かサイコロ状に切って、天日で乾燥させたものを葛根(かっこん)と呼ぶとか。
風邪薬として有名な「葛根湯」には、この葛根が用いられている。葛の根には発汗、解熱、鎮痙作用があるのです。

ちょうど、今朝から「葛羊羹」を作ったとか。まだ型枠に入ったままで、作業場においてあった。

その手前には、葛で作った桜の花を型どった「葛菓子」が作業台の上で干されていた。

葛菓子は、葛粉を「寒の水」と混ぜて型に入れ、炭火にかけて乾燥させて作るそうだ。
冬場の12月~2月に1年分を一度に作っておくという。

吉野山は、冬場は雪山となり観光客も無いため、この期間は店を閉めて「葛菓子づくり」をするという。
寒風の中でしか作ることが出来ないのかもしれない。

買い求めた葛餅を、冷やして食べた。ホンモノの柿の葉っぱに乗った葛に包まれた葛餅。アンコは甘すぎず、上品な味で・・・やはりホンモノの葛は美味かった。


葛根だ。この根を繊維状に粉砕して水と混ぜ、根に含まれる澱粉を取り出すのだ。


葛の説明が店頭に・・・。


葛の製品はいろいろだ。


葛菓子の作業場には「葛羊羹」(奥)が、まだ型に入ったままだが・・・手前には桜の花の形をした葛菓子が・・・。


桜の花の形をした葛菓子。


これが、教えて貰った「葛の花」。この茎の下に「葛根」が・・・。


葛餅だぁ。


吉野山・金峯山寺の山門。

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4 コメント

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Unknown ()
2007-09-26 01:30:18
葛餅大好きです。美味しそうですねえ。
本葛は本当にお値段が高いですねえ。

昔は葛の繊維で葛布という布を織ったそうです。
ハカマの生地だったそうですね。
カッコントウといい、葛は有用植物だったんですね。
今では野山の木々や草を覆うほどにはびこって邪魔者扱いされているのに!
葛粉を作る作業が大変なのでしょうね。
特に寒晒しはキツイ仕事ですからね。
紙といい布といい、そして食べるものも、寒仕事はつらいですよね。京料理の葛あんなどは上品でとろりと優しい味で、片栗粉とは違う美味しさ、やっぱり少々お高くても食べたいです。
吉野と言えば桜と葛!桜の葛菓子、美しいですね。
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Unknown (のび太)
2007-09-26 12:15:11
のび太は、葛=ジャガイモの澱粉としか思ってませんでしたが、まったく違うもので我家のDoramiに「有名な吉野の葛を知らないなんて・・・」と笑われました。 葛自体に知識がないのですが、聞くところによると漢方薬の「葛根湯」がそうですとか、写真を見たら河原や野原で他の木などにからみついて繁茂しているつる性の草が、葛(マメ科)のようですが・・・・そうなのかなぁ。

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Unknown (なりちゃんじいじ)
2007-09-26 22:43:55
写真を撮っていながら、クズのこと良く知りませんでした、葛根湯は聞いたことありますが
お菓子は食べたことあるような??
花はきれいだということが今回分かりました。皆さんからの情報でいろんなこと分かってきます、でもすぐ忘れていくところが情けないところです
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Unknown (ヒキノ)
2007-09-27 10:33:22
子供のころ風邪をひくと葛湯を飲まされました。アレは本葛だったのでしょうかね。
葛なんて困るほどアチコチにはびこっているのに葛粉を作っている人は少ないのですね。
葛餅は甘みが少なく黄粉と一緒に食べるのが好きですが本葛のはずがありませんね。
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