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20240518 土 カムイエロキ (追記)

2024年05月18日 15時20分36秒 | 読書・考察・思索録
昼食をとりながら、NHK Eテレの心の時代の再放送「カムイエロキ」を見た。
2度目である。
以前からアイヌの宗教と日本の神道の類似性が気になっていた。
国立民族学博物館のアイヌに関連した講演会にも参加したことがある。
常設展示されているアイヌの展示物も見た。
日本の神道もアイヌの宗教も万物に霊が存在するという考えだ。
事実、ヤマト(日本)では、人形に限らず何々の神(火 水 風 木 土地 山 川 道祖神 かまど 家 車 船 針 酒 米 漁 ・・・)として祀ることが多い。
アイヌも、ヤマト(日本)以上にすべてのものを精霊として祀っている。
依り代に霊が取りつくとか霊を送るといった考えも同じだ。(日本では磐座<いわくら>や依り代・神木・御神体<山・滝>  神社は浮遊する霊=神を社<やしろ>閉じ込めて、みんなを守護してもらうための施設という言説もある。)
更に驚いたのは、祭祀儀礼で、神聖な場所に皆集合して神とともに共飲共食を行うことだ。
その際参加者は、高坏(器台)にお椀に酒を入れて、飲んでいる。
このスタイルは、日本の前方後円墳やその他古墳の墳丘上で多く発見されている祭祀遺跡の状態と似ている。
ただし、1500年以上前の古墳の祭祀遺跡と、現在の地域も時代も全く違うアイヌの祭祀を比較しても、学問的根拠はなく意味はないと考えられる、というより科学的には危険な比較に見える。(アイヌの祭祀が1500年以上前の祭祀と同じとは言えない。)
祭祀文化の共通性を考える場合、北海道にも日本の縄文時代から古墳時代に該当する年代の遺跡があるので、そうした遺跡の祭祀と比較すべきだろう。
それでも、哲学者の梅原猛氏の唱える、アイヌ文化と日本文化の関わりの研究には注目している。
機会があれば彼の本を読んでみたいと思う。

参考追記
日本は地理的に極東の吹き溜まりに位置し、旧石器人、縄文人、アイヌ等の先住民に加え、弥生時代以降(それ以前からも交流し渡来していた)大陸や韓半島や南方からのいろんな民族が渡来混血し今の日本人が形成されたといわれている。
平安時代、東北の蝦夷阿弖流為(アテルイ)の反乱に対し、798年に官軍が対応し敗退したが、801年に征夷大将軍坂上田村麻呂が4万の官軍を率い岩手県の胆振沢の戦いで勝利し、蝦夷の族長アテルイを捕虜とし、都へ連行した。
その後アテルイは処刑された。
大阪府の枚方市にアテルイの首塚なるものがあるが、それは官民一体で作った虚構の伝承という指摘もある。
『伝 阿弖流為 母禮之塚』-由緒不詳の首塚に生まれた虚構の伝承(https://note.com/ksmt_el/n/nf79503a9b1c6)

アテルイの住んでいた地域(青森 岩手 秋田)は、アイヌ語の地名が多くあるという。
蝦夷とアイヌの関係については、強い関係性はあるようだが、明らかにはなっていない。



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