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常識を揺さぶる快作!『生命式』by村田沙耶香

2021年04月11日 | 小説レビュー

『生命式』by村田沙耶香

~文学史上、最も危険な短編集。自身がセレクトした、脳そのものを揺さぶる12篇。「BOOK」データベースより

 

村田沙耶香ファンと言っても過言ではない私にとって、『殺人出産』『コンビニ人間』で、今回の『生命式』が、三作目となります。

本の帯にも書いてある通り、「文学史上、最も危険な短編集。脳そのものを揺さぶる12篇」で、まさに、アナタの頭の常識について、強く揺さぶられることでしょう。

「村田沙耶香さんって、どんな人なんかな?」と思ってネットで調べてみると

とても上品な感じの普通の女性ですよね。でも頭の中の構造はキレッキレ!の先駆的天才異端者です!※誉め言葉として受け取って下さい。

色々な方のレビューにも、『この作者は徹底して「普通とはなにか?常識とはなにか?」という問いを続けているのだと思う。』、『自分の価値観が根底から覆る衝撃の短編集。』、『価値観は誰が決めているのか』などなど、村田沙耶香さんの作品が、すごく高い評価を受けていること自体が、『多様性の社会』と言われている昨今の世界情勢を映しているのかも知れません。

私自分は、いわゆる常識的な普通の人間だと思っています。しかしながら、その『常識的』や『普通』などは、そもそも誰が決めているんでしょうか?

日本国民全員にアンケートをとって、6割以上の人が賛同する意見が果たして「普通」と言えるのか?多数派とは、いつ、どのようにして構成されるのか?

あまり深く考えることなく、「それが普通やろ?」と言って生きていると、チコちゃんに

「ボーっと生きてんじゃねえよ!」って、叱られそうですね。

いずれにしても、年々、世間の常識というやつに脳が凝り固まっていく年齢になってきた私にとって、村田沙耶香さんの作品は、とても良い刺激になります。

★★★☆3.5です!


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