~死ぬも生きるも運まかせ。たった一騎で戦場に斬り込み、朱柄の槍を振り回す―。
戦国時代末期、無類のいくさ人として、また、茶の湯を好む風流人として、何よりもまた「天下のかぶき者」として知られた男、前田慶次郎。
乱世を風に舞う花びらのように、美しく自由に生きたその一生を描く、第2回柴田錬三郎賞受賞の話題作。「BOOK」データベースより
言わずと知れた『花の慶次』の原作本です。
少年ジャンプで連載され、マンガの世界ではもちろんのこと、パチンコ『花の慶次』シリーズは、2009年の登場以来、現在に至るまでの間、30種類のバージョンが世に出され、パチンコファンを熱狂させてきました。私もお世話になった一人です。※あのボタンを何度叩いたことか・・・
さて、本作ですが、前田慶次郎が活躍する544頁の快作です!とっても面白く、マンガのストーリーやキャラクターとかぶせて想像し、思い出しながら楽しく読めました。
男にも女にも惚れられる快男児『前田慶次郎』ですが、史実にはほとんど登場することがなく、ある意味では無名の武将とも言えます。
よって、本作の前田慶次郎の本当に男らしい言動、洗練された所作は、知識、膂力、潔さなどは隆慶一郎氏の創造による人物像なのですが、とても格好よく描かれています。
敵として現れた者が、ことごとく慶次の魅力に憑りつかれ、味方となり、付き従っていく様は気持ちいいです。
痛快!爽快!男の生き様!『死ぬことと見つけたり(上・下巻)』by隆 慶一郎でも書きましたが、隆氏は男の生き様を描くのが本当に秀逸で素晴らしいです。
是非、読んで欲しい一冊です。
★★★☆3.5です。