ちょっとマンネリですが・・・

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「人生観が変わった椅子」に座りに来た。

2010年03月24日 | Weblog
『「買いたい!」のスイッチを押す方法』小阪祐司著より。

これだけ取り出してみても何のことかわからない。これは地方のある家具屋さんで、毎年1脚か2脚しか売れなかった椅子が大量に売れるようになった話からのフレーズだった。

その家具屋の店主は、顧客に対して動機づけを考えたのだ。まず自店の顧客名簿をもとにDMを送ることにしたのだが、問題はそこに何を書くかだった。「人間工学を駆使した椅子。座ってみませんか?」や「特別に2割引き」と書いても関心は持ってもらえない。

店主は次のように書き始めたのだ。「いやぁ~、もう、読書するならこの椅子やと思いましたね!」椅子のことよりも読書の話を中心に持ってきた。主な内容は次のようなことだった。

1、誰にも邪魔されずに大好きな本をじっくり読むことが至福の時間。2、ここでの邪魔とはお尻や背中が痛くなってくるという不快感のことだった。3、それを解決できるのがこの椅子かもしれない。4、自分がこの椅子で五木寛之の『林住期』を読んだときがいかに至福の時だったか。

商品の機能についての説明はしていない。するとこのDMを読んだ顧客が多く来店して「あの読書の椅子はどれ?」といって座ったのだ。そして、実際にその心地よさを実感した人が購入したのだ。まずは来店して座って試してもらうことがスタートだった。

購入者は感動して「人生観が変わったよ!」と電話をしてきたという。すると店主は今度はそのフレーズを入れたDMを作成して再度顧客に送ったのだ。お客さんの生の声は説得力があるらしく、また多くの来店があり購買に結びついたという。

つまり、「人生観が変わった椅子」に座りに来たからこそ、買う気になったということになる。購買行動を作りだすマーケティングはちょっとした工夫から始まっていることがわかる。実はそのちょっとしたことは意外に思いつかないものだが。

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