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「使われなかった人生」・・・

2008年04月20日 | Weblog
『世界は「使われなかった人生」であふれてる』沢木耕太郎著より。

いささか長いこのタイトル自体が気になった。内容は30本以上の映画の評論のようなものだった。“使われなかった人生”という表現が面白いが、要するに若い頃思い描いていたが選択しなかった方の自分の夢や希望に近いものだろう。

人生にはいくつかの節目があって、そのつど決断をしなければならない。その時「もしあのとき、こうしていたら~~」というように思い振り返ってみることもあるもの。

著者が映画評論家の淀川長治さんと対談した時のことが述べられていた。その中で「淀川さんから映画を引いたら何が残るのですか?」と訊ねていた。すると淀川さんは「あんたやさしい顔してずいぶん残酷な質問をするね」と笑いながら答えたという。

こんな一言からも淀川さんの笑顔を想像してしまう。「わたしから映画を引いたら、教師をやりたかった、という夢が残るかな」と答えている。それは沢木氏にとっては意外だったようだ。

また筆者が別の機会の対談で女優の吉永小百合さんに「もし女優になっていなかったら、どんな職業についたと思いますか?」と質問したことがあった。すると「学校の先生でしょうか」と答えている。さらに「姉たちも教師になっているので、小学校か中学校の教師になるのが一番自然だったと思います」と付け加えている。

きっとそのようなことが使われなかった人生ということなのだろう。人は社会に出るときその時点でとりあえずその後何をやるか、どうやって生きていくかを決めなければならない。しかし、場合によっては別の選択肢もあったかもしれない・・・のだな。。。。。