素浪人旅日記

2009年3月31日に35年の教師生活を終え、無職の身となって歩む毎日の中で、心に浮かぶさまざまなことを綴っていきたい。

なでしこジャパン・女子アジア杯優勝

2014年05月25日 | 日記
 久しぶりにサッカーをゆっくりテレビ観戦した。予選リーグ1回戦のオーストラリア戦とは違い、チームとして連動していて面白い戦いをしていたので腰を据えて観ることにした。私にとってのストレスのたまらない試合運びとは、攻撃に関していえば果敢に攻める思い切りの良さである。その点では川澄のプレーは群を抜いていた。ワンタッチコントロールの精度の高さとドリブルの切れ味は見ているだけで楽しくなる。宮間の狙いのあるボールがピンポイントに入っていくキックの精度にもあらためて感心した。左右の足で自在に蹴ることができる技術はたいしたものである。パスによる組み立て重視の従来の攻撃から緩急混じったスピード感のある攻撃が加わり進化を感じた。もっと早いタイミングでグラウンダーでのアーリークロスが出ていれば高瀬の位置取りが活きてくるのにというシーンが何度かあった。これが加わると相手ディフェンスにとっては守りにくさが倍増するだろう。

 守備に関していえば、相手に合わせるのではなく、パスコースを限定しながら囲い込んで奪うという組織だった積極的な守りである。決勝戦はずい分チームとして成長したと感じた。宇津木の存在が大きかった。安定感があり状況判断にすぐれていた。岩清水の読みもさすがである。このことで川村が自信を持って果敢にプレーできていたように思う。キーパー福元も飛び出すところじっと我慢して待つところの見極めができていて守護神にふさわしかった。宇津木と岩清水のホットラインで決勝点をもぎとったのもDF陣の好調さを象徴していたように思った。

 後半、澤に替わった菅澤の決定的なシュートが決まっていれば、もう少し楽に逃げ切れたかもしれないが、あのボレーシュートがバーにはじき返された瞬間、「これがサッカーなんだな」と思った。あのゴール枠、高さ2.44m、ゴールポスト間7.32m、太さ12cmは絶妙の大きさでドラマを生み出す。審判をしていても非常に判定が難しい部分である。私のチームの経験では、菅澤よりももっと有利な状況、キーパーもかわし2m前のネットにころがせばゴールというところで、喜び勇んで叩き入れようとしたために、蹴れといわれても決して再現できない蹴り方になりクロスバーにはね返されたということもあった。結局、PK戦にもつれ10人目で負けてしまった。テレビを見ていて、天国から地獄というあのゲームのシーンが蘇ってきた。なでしこはゴールポストに助けられ地獄に堕ちなくて良かった。

 どのスポーツでも、頂点を極めた後にその力を維持、発展させることが難しいと言われている。その点でも2011年のFIFA女子ワールドカップで初優勝した後も堅実に力をつけていることが評価できる。男子のワールドカップへのはずみになればいいのだが。

 6月からの大会、代表チームうんぬんよりもブラジルの準備の方が心配。「ブラジル=サッカー大国」というステレオタイプの思い込みはまちがいだったということを認識したことは良かったが、それにしてもという感がある。

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