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素浪人旅日記

2009年3月31日に35年の教師生活を終え、無職の身となって歩む毎日の中で、心に浮かぶさまざまなことを綴っていきたい。

全国高校ラグビー東福岡高校優勝

2010年01月09日 | 日記
 今年の高校ラグビーは東福岡高校が圧倒的な強さで優勝した。こんなに圧勝したのは近年なかったように思う。監督の谷崎さんは、磯部町出身で、父方の遠い親戚筋にあたる。志摩高校から法大にすすみ、東福岡高校に赴任された。

 年末に帰った時、ラグビーの話になった時、中日新聞の志摩版に載っていた谷崎監督へのインタビュー記事の切り抜きを父が見せてくれた。それによれば、赴任した頃の東福岡はなかなか勝てないチームだったそうだ。今日のように常勝チームになるまでには監督として何度か転機があったという。

 赴任した当初は「俺について来い」式で厳しく指導されたみたいである。1回目の転機は3年間あまり勝利を手にすることがなかったチームの主将が、引退の時、後輩に「先生は俺たちのことをよく考えてくれている。決して溝をつくらず、信じてついていってほしい」というようなことを訴えているのを聞いた時だそうだ。

 「自分は本当に生徒たちの思いをわかっていただろうか」と考えたそうだ。そこから一方的に指示する姿勢を改め、生徒の疑問、思い、悩みを汲み取る努力をされたそうだ。そこから新しい発見も数多くあったそうだ。

 2回目の転機は、病気で奥様を亡くされた時。その時、小学生を頭に3人の子供がいて、家事、学校、クラブの3つをこなしながら「自分はずい分支えられていた」ということを痛感したそうだ。学校側の配慮で、3年間ニュージーランドへ留学し、3人の子供と一緒にゆったり生活しながら本場のラグビーにじっくり接することができた。

 ニュージーランドでは、大人の指導者は「プレーする子供たちが主役で、自分たちは活動しやすいようにサポートをする」という基本的な立場が徹底されている。「ミスはチャレンジしている証」と考え決して叱責しない。むしろ称える。

 そのような環境でもう一度自分の指導方法を見直し、生徒一人ひとりの判断を大切にし、ある局面で誰かが判断をしたら、残りのメンバーはそれを生かせるように連携、カバーしていく。結果として、その判断がうまくいかなくても責めずに、また新たな判断のもとに局面を打開していくというチームづくりを目指した。

 私も長年サッカー指導をおこなってきたが、最終的には同じような思いを持っていた。ただ、そのようなチームは口で言うほど簡単ではない。個人個人が心技体でレベルの高いものを持っていないとできない。社会人、プロと違って、2年半ぐらいでメンバーは入れ替わっていく。限られた時間と条件の中では厳しい面がある。

 そういう点で見れば、今回の東福岡は完成度の高いチームだと思う。次は、このレベルがどう継続されていくのかを注目しておきたい。
 
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