かどの煙草屋までの旅 

路上散策で見つけた気になるものたち…
ちょっと昔の近代の風景に心惹かれます

大門観光/旧大門百貨店(三重県津市)

2015-07-04 | 三重の近代建築

百五銀行大門出張所のすぐ北側、一階にパチンコ屋さんの店舗が入った見るからにレトロなビルがあります。ちょっと見はどこにでもある年代物のビルですが、タイルに覆われた隅丸の外観からは昭和戦前期の近代建築が持つ独特のオーラがビンビン伝わってきます。

このビルは昭和11年に大門百貨店として建てられたもので、設計者丹羽英二建築事務所のHPによると、開店初日から3日間の入場者が実に20万人を超えるという大盛況ぶりでした。(ちなみに当時の津市の人口7万人)
丹羽英二の作品としては、下呂湯之島館や瀬戸陶磁器会館が現存しており、現在も丹羽英二建築事務所として数多くの設計を手がけています。
丹羽英二建築事務所ホームページ→http://www.niwa-ae.com/ourworks/old_daimon.htm

戦災でも焼け残った建物は、戦後も津市唯一の百貨店として多くの市民に親しまれ、昭和38年百貨店移転後も大門観光ビルとして存続しました。現在は1階のパチンコ店のみが営業、2階~4階は全く使用されておらず、今後いつまでこのビルが生き長らえるか、予断を許さないところです。


■建物外観は昭和戦前期に見られる直線を基調とし装飾を排したモダンデザイン



■タイル張りの外壁に各階を区切る水平線、コーナーは丸みを持たせ屋上に塔屋、ああ昭和モダンここにあり



■昭和のモダニズム建築に過ぎ去った時代を偲ぶ





◆大門観光(旧大門百貨店)/三重県津市大門18-11
 竣工:昭和11年(1936)
 設計:丹羽英二
 構造:RC造地上4階地下1階塔屋付
 撮影:2015/05/03

 



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