かどの煙草屋までの旅 

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反射率0.39/ヴァンゲリス(1976年)

2013-11-08 | 音楽・オーディオ

ヴァンゲリスと聞いてすぐピンとくる人は少ないだろうが、1980年~90年代、映画『炎のランナー』や『ブレードランナー』、『南極物語』などのサントラを手がけた音楽家と聞けば、たいていの人は思い当たるに違いない。特に『炎のランナー』は名曲で、ビルボードのアルバム/シングルチャートの1位を獲得しているのだが、全編インスト曲のアルバムで全米1位になったのはこのアルバムだけである。

ぼくが初めてヴァンゲリスを知ったのは1975年頃、イエスのリック・ウエイクマンの後任として取りざたされた時で、イエスの大好きだったぼくは、それをきっかけにマルチキーボード奏者の彼の音楽に興味を持つようになった。今回紹介するアルバムのタイトル反射率(Albedo)とは、「惑星や非発行体の反射力」のことで、『Albedo 0.39』とは地球のことを指す。このタイトルとジャケット写真を見ればヴァンゲリスの指向する音楽性はおおよそ想像がつき、その当時のぼくはイエスと同じプログレとしてこのアルバムを聴いていた。

ヴァンゲリスの音楽の特徴は、シンセサイザー、キーボード、ピアノはもちろん、ドラムス、パーカッションなど多彩な楽器をすべて一人で演奏し、スタジオでの多重録音で一枚のアルバムつくりあげてしまうことで、ひとつのテーマを基に緻密に構成した、シンフォニックで壮大なスケールの作品が展開される。
現在は喜多郎やエンヤ、エニグマなどと同じニューエイジミュージックとして認知されているようだが、もともとロック、ジャズ、クラッシク、ポップスなど様々な要素を取り入れたノンジャンルな音楽性が特徴で、76年にリリースされた当時、このアルバムはぼくにとってまさにプログレッシブな一枚だった。


■反射率0.39/ヴァンゲリス(1976年)
ヴァンゲリスのアルバムの中では最も印象に残るジャケット。ソリッドでSF的なデザインは出色のでき。




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