かどの煙草屋までの旅 

路上散策で見つけた気になるものたち…
ちょっと昔の近代の風景に心惹かれます

郡上八幡楽藝館/旧林療院本館・旧レントゲン棟・旧看護婦棟(岐阜県郡上市)

2012-09-21 | 中濃の近代建築

旧郡上八幡役場の南西にある旧林療院は、明治37年に建てられた医院で、北側に大正期に増築された県下で最も早く設置されたレントゲン棟が、向かって左東側には、江戸末期に建てられた足軽長屋を改造した看護婦棟が現存しています。
外観は木造2階建の明治期特有の擬洋風建築で、木造に漆喰を塗って洋風に仕上げています。
正面から見てまず目に入るのが、玄関ポーチのイオニア式オーダーの円柱ですが、これは丸太に縄を巻き漆喰で固めたもの。
建物の隅や腰壁はモルタルを厚く塗り石造り風に見せ、窓も洋風建築の定番の「上げ下げ窓」で、上部には三角形のペディメントが載ります。

建物は平成10年に国の登録有形文化財に指定され、現在は郡上八幡楽藝館として郡上八幡の文化伝達、交流、情報発信の場として保存活用されています。

◆郡上八幡楽藝館(旧林療院本館・旧レントゲン棟・旧看護婦棟)/岐阜県郡上市八幡町島谷789-1
 竣工:本館/明治37年(1904)・レントゲン棟/大正初期・看護婦棟/江戸末期
 構造:木造2階建一部地下
 撮影:2012/09/16
 ※国指定登録有形文化財


■本館東側に付属する建物は江戸末期に建てられた元足軽長屋で、看護婦棟として使われた



■本館の後ろ南側に白とグリーンのレントゲン棟が見えます     


■軒下のブラケットや隅の柱、窓枠やペディメントは漆喰を盛り上げ洋風に仕上げています
  


■本館の裏手にある大正期に増築されたレントゲン棟~2階軒下には軒板飾りを設ける
  


■玄関ポーチのイオニア式円柱
  


■玄関を入ると左手に受付窓口、右手に旧リハビリ室があります
  


■当時の医院の木製看板~右書きが時代を語ります



■受付と投薬窓口


  
■廊下を挟んで向かって左側にある旧外科室~当時使用していた医療器具などを展示
  


■外科室の隣の旧診察室~歴代の院長を紹介したパネルなどを展示



■薬品戸棚も当時のものでアールデコ調の装飾があります
  


■本館裏手にあるレントゲン室~渡り廊下でつながっています
  


■本館東側展示室につながる渡り廊下には、当時実際に使われていた便器や洗面台、タイルが展示されています





■リハビリ室の奥にある階段。2階は病室として使われていましたが、現在は郷土出身の芸術家や市民の作品を展示するギャラリーとして使用。
 病室で実際に使われた家具なども展示されています。
  






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