かどの煙草屋までの旅 

路上散策で見つけた気になるものたち…
ちょっと昔の近代の風景に心惹かれます

新元湯(名古屋市中川区)

2012-10-23 | 名古屋の近代建築

下之一色の南端、新川の堤防道路の脇に、この地域で唯一営業する昔ながらの戦前の銭湯が残っています。大正13年創業の新元湯で、多くの銭湯が廃業するなか、下之一色の最後のボイラーの火を今も守っています。 

元々下之一色には戦前から銭湯が多く、最盛期には町内だけで7軒の銭湯があり、どこの銭湯も漁のあとで汗を流す漁師で大盛況だったそうです。当時銭湯は漁師たちの社交場でもあり、風呂に入って疲れを癒しながら、その日の漁獲高など漁の情報交換の場として、銭湯は欠かせないものでした。

現在はほとんどの銭湯が廃業し、ここ10年ほどで、延命湯(明治34年)、栄湯(大正14年)、アルプス湯(昭和9年)など、戦前の銭湯もすべて取り壊されました。新元湯のほかには、本町通にあるエビス湯が廃業後も取り壊されず、かろうじて往時の姿をとどめています。
 

◆新元湯/愛知県名古屋市中川区下之一色町南ノ切54-1
 竣工:大正13年(1924)
 構造:RC造平屋建
 撮影:2012/09/22


■洋風の外観の新元湯。名古屋でも初期のRC建築の一つで、アールデコ風の意匠の装飾が見られます。









■建物上部の装飾





■営業日が決まっていますので、入浴希望の方はあらかじめ確認してからお出かけください。
 

今回は営業時間外の訪問だったため、入浴できず内部の見学はかないませんでした。
新元湯は銭湯マニアには有名な銭湯らしく、検索をかけるとたくさんの訪問記事がヒットします。
内部のレトロな下駄箱、脱衣場、タイル装飾なども紹介されていますので、興味のある方は「新元湯」で検索してみてください。 



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