若宮大通とJR中央本線が交差する北東の一角には、現在イオンタウン千種と高層マンションが建ち並んでいますが、かつてここには大正期から操業していたサッポロビール名古屋工場がありました。ビール工場の東側には浩養園(昭和6年開業)が設けられ、工場出来立ての生ビールが楽しめるビアガーデンとして長年多くの人々に親しまれてきました。(浩養園は現在も引き続き営業中)
その浩養園とイオンタウンに挟まれた一画に高松南公園があります。その小さな公園の中央には、かつてサッポロビール名古屋工場でビール醸造に使われていた仕込み槽が残されています。そのかたわらには、大正13年竣工の工場の醸造棟の壁面の一部もレリーフとして保存されていますが、現在は生い茂る草に覆われ、かろうじて装飾が施された丸窓が確認できる状態です。
かつてこの地で、大正~平成まで操業を続けてきたビール工場の記憶のかけらは、公園の片隅で静かに時を刻んでいます。
■公園の一画に残された銅製の仕込み槽
■現在はステンレス鋼製に変わり、銅製の仕込み槽は姿を消しました
■初期のRC造工場建築で、当時流行の表現主義風の丸窓のある壁面が保存されています
撮影:2016/05/01
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