かどの煙草屋までの旅 

路上散策で見つけた気になるものたち…
ちょっと昔の近代の風景に心惹かれます

扶桑中央公民館(愛知県丹羽郡扶桑町)

2011-02-14 | 失われた建物の記憶

このところめっきり取り壊された建物の紹介が増えてきました。

古い建物との出会いはまさに「一期一会」、偶然通りかかった路地裏にひっそり建つ西洋館を発見した時の喜びはひとしおで、恋人に会った時のように胸がときめきます。(注:決してアブナイ人ではありません)
数年後に現地を訪れその建物の現存が確認できた時はもちろん嬉しいのですが、取り壊され駐車場(このケースが多い)や新築物件に変わっていた時の喪失感はかなり大きいものがあります。
歴史的文化財として保護される近代建築は近年増加傾向にありますが、そんな運のいい建物はほんの一握り、街の片隅の個人所有の無名の建物は、遅かれ早かれいつかは取り壊される運命にあります。

そこで物好きなおっさんは、それこそどこの町にでもあるちょっと古い建物たちをカメラに収め、かつてこの町にこんな建物があったという事実を、皆さんの「記憶の片隅にでも小さくメモして」もらおうと東奔西走している次第です。
まあただ単に「とにかく近代建築が好きだ!」というだけなんですが、大好きな古い建物をひとりでも多くの人に見ていただければ、それだけで幸せでございます。

そこで今回は、自転車で散策中偶然見つけた古い公民館の紹介です。道から奥まったところにあったので車で前を通っても気づかなかったのですが、やはり建築探訪には徒歩か自転車が一番です。

木造下見板貼りの公民館としてはかなり立派な建物で、かつてわたしの母校の中学にあった古い講堂に良く似ていて、見つけた時は前にも来たことがあるような不思議な懐かしさを覚えました。
先日久しぶりに車で通りかかると、きれいさっぱり取り壊され更地になっていました。

◆旧扶桑中央公民館/丹羽郡扶桑町(扶桑中学隣)
竣工:昭和初?
構造:木造
撮影:2006/05/05

 

 

 


◆かつてはどこの町にもあった下見板貼りの公民館建築~正面車寄の装飾が見所




◆この時にはすでに使われている様子は無くひっそりとしていました




◆玄関車寄の上に装飾用の豆タイルが貼ってあります