塩哲の色不異空

日々の思いを気の向くままに

ミュージアム巡り 競い合う武士たち 埆力

2020-07-08 05:41:58 | ミュージアム巡り_2020
 来年、2021年に東京オリンピックが開催される。それに合わせ
て国立公文書館では、日本の近代スポーツの前史として“武芸”を取
り上げ、その歴史を古代まで遡って資料を「競い合う武士たち武芸 
からスポーツへ」と題した展示が開催。そこには戦場での武芸や儀
式、魅せる武芸、戦うことのなくなった江戸時代の武芸などが、時
代とともに紹介されていた。

 武芸といえば、弓術、剣術、槍術、柔術といった技術が浮かび、
これらは元来、狩猟や戦闘のための技術が始まりで起源も古代まで
遡る。
 そこでまずは「日本書紀」に掲載されている「埆力」(すまい)。
 書記は神代から始まり神武から持統天皇までの時代について記載
された勅撰歴史書。展示されていた資料は、永正10年(1513)頃の
写本を慶長年間に転写された書で、全30巻を完備された書記とし
ては現存最古の写本。撰者の舎人親王(676〜735)は天武天皇の皇
子。全10冊、紅葉山文庫旧蔵。

 日本の相撲の起源は野見宿禰と当麻蹴速の「埆力」と言われてお
り、展示頁は次の通り。“野見は当麻の肋骨と腰の骨を踏み折った”。
 垂仁天皇7年(前23)7月7日、出雲国の野見と大和国の当麻が
同天皇の天覧のもとで「埆力」をし、野見が当麻の脇腹を蹴り折っ
て勝利した場面が描かれている。互いに足技を繰り出し、負けた当
麻が命を落とすといった荒々しい取り組みだったことが伺える。
(国立公文書館:千代田区北の丸公園3-2)

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