二葉鍼灸療院 院長のドタバタ活動日記

私が日頃行っている活動や、日々の鍼灸臨床で感じたことなどを綴っていきたいと思います。

第5回 中央学術研修会  「変形徒手矯正術」 参加

2011年03月10日 | 鍼灸
2月27日(日)、臨時総会終了後、石川県鍼灸マッサージ師会の第5回中央学術研修会が開催されましたので参加しました。

☆ 第5回中央学術研修会 ☆
 
  日 時:平成23年2月27日(日)  午前11時~午後5時
                   (正午から午後1時まで休憩)
  会 場:石川県社会福祉会館 4階 中ホール
  講 師:木村喜三郎 先生  関西医療学園
  演 題:足関節と足部及び膝関節および所謂肩関節の変形徒手矯正術
                        (多くは実技指導の時間にあてる)



 司会の中田先生  (前夜祭ではNKH先生 

木村先生は、はり、きゅう、あん摩・マッサージ・指圧師の免許に加え、柔道整復師、理学療法士の免許を持つ先生です。今回の話は鍼灸ではなく、木村先生がメインでやっているあん摩・マッサージ・指圧・リハビリのお話でした。


 講師の木村先生  大阪のオッチャン(失礼なこと言ってます)って感じ

ようは、あん摩・マッサージ・指圧は、最高の治療法なんですよということを言いたかった研修会です。あまりにも簡単すぎるかな。

あん摩・マッサージ・指圧、そして関節運動を主にした研修会というのは少ないのであるが、今回、臨時総会の後ということもあって40名ほどの参加者でした。多いほうですね。こんな計画にでもしないと皆さん勉強会や講習会に参加されないのかもしれません。残念なことですが、これが鍼灸師、あん摩・マッサージ・指圧師の現状です。資質の向上を図るため暇を惜しんで勉強されている先生もいます。これも真実です。

どこの世界や業界でも一緒なのかもしれませんね。

まず、気づきのたくさんある研修会でした。基本的な解剖学的な説明などで復習もできましたが、骨格、関節の相互作用や、変形徒手矯正術といいますが、あん摩・マッサージ・指圧の歴史も勉強になりました。

体を診る時は、鍼灸もあん摩も関係ありません。またあん摩の感覚が鍼灸にも活かされるのです。これは修業時代に師匠に身を持って教えられましたので、言葉ではなく実感として分かるのです。

技術的ものは別として、研修会の中で勉強になったことを書いておきましょう。私の考えなども交えてですけど。



●奈良時代初期、大宝律令(701年)の医事制度の中に按摩博士、按摩師、按摩生が存在し、医療の一分科として位置付けられていた。その際には、骨折学や包帯学も学んでいた。そんなことを考えると、現在のあん摩・マッサージ・指圧師の意識はどうか?医療をやっているという自覚と責任はあるのか?

●大阪の太田晋斎が文政10年に記した『按腹図解』には、解釈の術(現在の揉捏法)、調摩の術(現在の軽擦法)、利関の術(現在の関節運動法)の三術を持って施術していたことが分かり、その記載の中には、筋肉を三味線の弦に例えていることが多いという。筋線維を三味線の弦のように直角にはじくことによって緊張していた筋が緩むことが分かっているので、それを例えて言っていたのではないかということ。

●明治20年、リハビリを最初に取り入れた病院は広島の博愛病院であり、フランス流マッサージを後療法として取り入れる。そこから医大病院や総合病院が応用するようになった。その時の従事者は、あん摩・マッサージ・指圧師であった。しかし、現在では総合病院には、あん摩・マッサージ・指圧師が皆無であるのが現状である。

●総合病院などでチームの一員として働くには、①医療を共通言語で話すことができ、②皆に理解できる仕事内容であること、③治療の原理を説明できること、などがあげられる。

●あん摩・マッサージ・指圧、関節運動を行うには、関節の名称、関節の動き、役目、筋肉の構造、起始・停止などを知る機能解剖学が必須である。活きた筋肉を知ることが重要。酔耀会の勉強方針に間違いはないということですね。

●木村先生の言葉「免許を持っている人間が免許にあぐらをかいているから、無免許者が氾濫し、職域が狭くなってくるんよ」すべて自分たちの責任である。行動しないと何も始まらない。まずは資質向上のため勉強しに歩くこと。

●これも木村先生の言葉「だんだんと学ぶ姿勢がなくなる。素直に学ぶ時は学ぶことが大事やで」学ぶ時は、自分の柱はドンと揺るがさないことが大切ですが、素直にこんなこともあるんかと勉強する姿勢が大切。

●上肢の症状、肩こりの時など肩や腕に症状がある時は、必ず握力を検査する。握力は左右差をみる時、筋の状態だけではなく、大脳の状態などを知る時も大切なんだよね~。

●病気=病+気。病は医療者が手を施してあげ、気は患者さまが自身で治すもの。お互いの協力関係が大切。

●また木村先生の言葉「一日3・4人施術するのも院長先生、一日120人施術するのも院長先生なんよ。どっちがええ」木村先生のところは多くの従業員を雇い、120名の患者さんがご来院されているということ。ということは、商売上手を差し引いても、それだけの患者さまが信頼して来院されるということは、勉強、勉強、そして人間作りなんだろう。志を持つというか、目的意識をどこに置くかということなんだろう。


 実技の様子

その他、実技では多くの手技を指導して頂いた。明日の臨床から役立てて頂きたいということで真剣に指導して頂いた。そんなすぐに明日役立つもんなんてあるんかと思うのですが、日頃から努力している人には、明日から利用できる気づきが満載なんですな~。

本日も忙しい一日でしたが、充実した、実り多い一日であったので~す

二葉鍼灸療院 田中良和

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