三回目のインドに行く前から、日本を離れる前に友達には「桜の咲く頃に会おう」というのが自分も口癖のようなものだった。
なぜか、その言葉が好きだった。
亡くなっていく人や死体を毎日見てきた日々から戻ってくると、桜の咲く頃、ほっとする平和な日本の春の日々がいつでも自分を待っていてくれていたように感じたからだろうか。どれほど自分を癒してくれただろうか。
ぽっかりと空いたところにあたたかな日差しと桜の花がどれほど自分を守ってくれてきたことを思い出している。
桜の木を家の建て替えのため伐らなくてはならない。
何人の友達がこの桜を見てくれただろうか。
その思い出は記憶の先まである。
家のまわりをゆっくりと歩き、伐られてしまう木たちに今日も別れを伝えていった。
感謝の意を伝えていった。
自分はどのように心で木たちとの別れの折り合いをつけていけるのだろうか。
毎日、桜の木のしたに自転車を止めるその時に、桜に手を合わせている。想いを通わせるようにして。
いつかは地に帰る自分も。そう伝えてたりもしている。
申し訳ない思いで一杯なるが、どうすることも出来ない。他の木たち、花たちにも申し訳ない気持ちで一杯になる。
時は待ってはくれない。その時はすぐに来てしまう。別れの準備など、時間があってもなくても同じように思えてしまう。ただ残念な思いだけ残る。
昨日は部屋での飲みながら寝てしまった。
この部屋は自分の声をあともう少しで聞けなくなる。
何人の友達を呼んだだろうか。たくさんの友達を迎えてくれたこの部屋との別れも近い。
いまはただ大好きだった自分の部屋との会話をしていく。
丁寧に、大切に、ただそうしていく。
桜がなくなってからも、自分はきっと思い出す。その優しい花たちを、守っていてくれたものたちを。
胸をあたたくして、きっと思い出す。
いま、胸をあたたくして、その感じ思っている。
なぜか、その言葉が好きだった。
亡くなっていく人や死体を毎日見てきた日々から戻ってくると、桜の咲く頃、ほっとする平和な日本の春の日々がいつでも自分を待っていてくれていたように感じたからだろうか。どれほど自分を癒してくれただろうか。
ぽっかりと空いたところにあたたかな日差しと桜の花がどれほど自分を守ってくれてきたことを思い出している。
桜の木を家の建て替えのため伐らなくてはならない。
何人の友達がこの桜を見てくれただろうか。
その思い出は記憶の先まである。
家のまわりをゆっくりと歩き、伐られてしまう木たちに今日も別れを伝えていった。
感謝の意を伝えていった。
自分はどのように心で木たちとの別れの折り合いをつけていけるのだろうか。
毎日、桜の木のしたに自転車を止めるその時に、桜に手を合わせている。想いを通わせるようにして。
いつかは地に帰る自分も。そう伝えてたりもしている。
申し訳ない思いで一杯なるが、どうすることも出来ない。他の木たち、花たちにも申し訳ない気持ちで一杯になる。
時は待ってはくれない。その時はすぐに来てしまう。別れの準備など、時間があってもなくても同じように思えてしまう。ただ残念な思いだけ残る。
昨日は部屋での飲みながら寝てしまった。
この部屋は自分の声をあともう少しで聞けなくなる。
何人の友達を呼んだだろうか。たくさんの友達を迎えてくれたこの部屋との別れも近い。
いまはただ大好きだった自分の部屋との会話をしていく。
丁寧に、大切に、ただそうしていく。
桜がなくなってからも、自分はきっと思い出す。その優しい花たちを、守っていてくれたものたちを。
胸をあたたくして、きっと思い出す。
いま、胸をあたたくして、その感じ思っている。