フリージア工房 国道723号店

ハロプロメンバーを応援してアイドル音楽を愛するエッセイブログ

アイドル横丁祭を観て

2011-12-06 22:46:10 | アイドル etc

 先日、渋谷公会堂で行われた「アイドル横丁祭」というコンサートに行ってきました。アイドル横丁というのは秋葉原ソフマップにあるアイドルグッズショップで、この日出演したアイドルは勿論、いろんなアイドルグループのグッズやCD、DVDを売っています。簡単に言うと、ハロプロとAKB以外のグループのグッズを売っているという感じ(簡単に言うとなので、取り扱っていないグループは色々とあります)。

(BARKSによるアイドル横丁祭の記事)
http://www.barks.jp/news/?id=1000074570
 出演者の中では私的には、東京女子流、ドロシーリトルハッピー、LinQが特に楽しみでした。

 会場は満員。16:00スタートという随分と早い開演時間と出演グループ数で予想はしていましたが、終了した時間は八時半頃。途中休憩時間は特になく、四時間半という長丁場なコンサートでしたが、それぞれのグループ毎に色があり楽しめました。
 30分ノンストップで歌い踊ったぱすぽ☆。しなやかなダンスで会場を魅了した東京女子流。ふわっとした独特の世界観で会場を包んだバニラビーンズなど、大手系のアイドルはさすがと言えるステージでした。それはまあそれとして、私の心にもっと印象を刻んでくれたアイドル達は地方アイドルでした。

 別に観る時に地方アイドルであるからと構えて観た訳ではなく、結果的にそうなった。それは本編前に前座として登場した二組のグループの内のひとつ「B♭」(ビーフラット)がいきなりインパクトを与えてくれた事が大きかったです。
 B♭と言ってもピンと来ないアイドルヲタも多いと思うのですが、以前にこのブログでも紹介したとおり、ドロシーリトルハッピーと同じ事務所に所属し、宮城県仙台市を中心に活動するアイドルグループです。

Bb NO:ID


 このB♭が前座でいきなり私にインパクトをくれた。二曲しか歌わなかったけれど、その鋭い歌とダンスは二曲あれば何かを残せ、何かを伝える事が出来た。
 歌とダンスで魅せるアイドルグループと言えばハロプロのセールスポイントですが、ハロプロだけのセールスポイントではないのです。それを改めて確認させてもらえたコンサートがこのアイドル横丁祭でした。
 「でも前座なんでしょう?」と言われそうですが、B♭には少し前までに石田亜祐美ちゃんが在籍していました。新生モーニング娘。のダンス部門の期待の星なメンバーです。メジャーアイドルであるモーニング娘。に加入していきなりダンススキルの高さを評価されるほどのメンバーが在籍していたという事実。そこには「地方アイドルだから」とか「メジャーデビューしていないから」というカタチはとりあえず評価とは直結しません。

 会場全体の盛り上がりで言えばトリを飾ったぱすぽ☆や、その前に登場した東京女子流の方が遥かに盛り上がりました。しかし私はもっと別な方向に想いを巡らせ、前座で踊るB♭の姿を観ながら、今のアイドルムーブメントは非常に深く、裾野も広がっているのではないか?と。そう強く感じました。そして、その想いはその後のドロシーリトルハッピーのステージや、そのドロシーのバックで踊るB♭の姿。想像以上にスキルがありアイデアもあったLinQのステージを観て、私の中で確信となっていくのでした。

 ハロプロが今後もパフォーマンス至上主義で輝くためには更なるレベルアップが必要であり、モーニング娘。やスマイレージに新人が多数加入した現在、それは平坦な道のりではないと思うのです。でも、その平坦ではない道のりだからこそ、先に見えてくるものは面白いとも思います。特にスマイレージは今後、こういうアイドルフェスティバル的なステージには積極的に参加してみてほしい。ハロプロには詳しくないがスマイレージは好きという若いアイドルファンもよく聞きます。スマイレージだからこそ絡めるのではないでしょうか。
 という感じに、結局はハロプロの事も思い出しながら会場を後にするのでした。そして、出口にはぱすぽ☆のメンバーが観客とハイタッチをするために待機しているのでした。

(今回のコンサートで私が一番印象に残ったナンバー。映像は別な公演のものです)

LinQ - チャイムが終われば (新宿LOFT)


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三億円少女 そして

2011-12-03 13:14:27 | ハロプロ(ベリ)

 回Berryz工房の「三億円少女」の事を書いた。書いたのだけれど、「作品としてはどうなんだ?」という事には触れていないような気がするのでもう少し書きます。

 この作品のテーマは「時の流れと変わりゆく想い」であると思う訳です。昔ちょっとしたすれ違いで結ばれなかった二人(梨沙子と旅館の男)。しかし、想いはどこかに重く強くしまったまま、その偽白バイ警官梨沙子は生きていく。そして、男もずっと一人であの頃を引きずって生きていく。
 実生活の中ではこのような悲哀、いや悲愛とも言えそうな恋愛はいくらでもある。本当はお互いが心から好きであっても結ばれないという事はある。

 アイドルがそういう悲愛を演じるというのは、演者とファン、双方からの思い入れも持てる訳で、お互いが決して通じ合えない関係性の中で、どこまで、いつまで、想いを持ち続けていられるか?作り手側からの質問状のようにも思えました。
 それを菅谷梨沙子が主役を演じた回をDVDとしてパッケージした事への意味。

 いを帯びた梨沙子の表情が昭和と平成のどちらの女性をも映し出せていた事が、この舞台の大発見であります。彼女は表情で魅せられるアイドルであり演者でありました。
 それに対して他のメンバーは普段我々が親しんでいるBerryz工房のキャラクターそのものであり、そのキャラクターを生かした配役がされ、その姿には昭和も平成もありません。たとえば、雅ちゃんは昭和の時代の登場人物でしたが、そんな時代背景はあまり見えず「夏焼雅」がそこにいました。おそらく監督から求められていたものも、夏焼雅を役柄に同化させる事であったのではないかとも思います。
 あっ、カリンちゃんとななみんは昭和の女の子風でありました(苦笑)。

 Berryz工房の舞台の強みは、このキャラクターの強さを舞台に生かせるという事でして、今までの舞台もあまりイメージを離れる事なく、Berryz工房がBerryz工房らしさを発揮するBerryz工房の舞台を作り上げていました。
 今年の戦国自衛隊では、そのあたりからの脱却もテーマとしてあったのではないかと思います。そう考えれば、三億円少女はBerryz工房らしさ溢れる舞台の集大成であり、次のステップ、つまりキャラクターに依存しない役作りに向けたトレーニング(と言っては語弊があるけど)としてのレインボー主演でもあったのかもしれません。
 そこが見所なのだとすれば、全員それぞれの主役回、あるいはせめて好きなメンバーの主役回を観なければ語れないのかもしれません。しかし、舞台としての本質はそこではなく、時間や立ち位置を超えた深く長い愛情を観る事が作り手からのメッセージであるような気もします。
 勿論、推しの演じるキャラクターを楽しむだけでも良いけれど、物語に織り込まれたテーマについて考えながら、なぜこういうストーリーなのか?なぜこのメンバーがこの役を演じるのか?を考えながら観る事も出来る作品。それが三億円少女であるように思います。そして、その「推しの姿を楽しむ」と「物語とアイドルの関係性」のどちらも味わえるのが戦国自衛隊なのでしょう。
 その「考える部分」は各自観た人の数だけ答えを用意してほしいと作り手が言っているようにも思える。それはアイドルの舞台として正しい在り方でもあります。だから、前回や今回私が書いた事と同じ意見は、一年前のベリヲタさんたちのブログには存在しないかもしれません。それでいいのです。感想もレインボーなのです。

 人の気持ちは移ろいやすいもので、一年前に三億円少女を観て感動した人が今もBerryz工房を応援しているとは限らない。しかし、時間が駆け足で流れていく現代であっても、三億円事件のあった昭和の二人のような永く深い愛情は成立するはずだと、私はDVDを見終えて思うのでした。

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一年後の三億円少女

2011-12-01 22:12:46 | ハロプロ(ベリ)

 少し前にBerryz工房が一年前に演じていた舞台「三億円少女」のDVDを見た。実際に起きた三億円事件という偽白バイ警官による現金輸送車からの現金強奪事件は昭和最大のミステリーと言われ、これまでも様々な考察本が出版されてきたが、それらの仮説を根底から揺らがす物語をベリが作り上げた。と言っては大げさかもしれないけれど、少なくとも見終えたあとに「そんな事があったとしても不思議ではない」と思わせるものがあった。それは脚本や構成のリアリティが優れていたという訳ではなく、演者が放つリアリズムとその空気が成せる説得力であったのかもしれない。

 この舞台はメンバー七人が日替わり交代で主役を務める「レインボー主演」という舞台だったけれど、DVDでは梨沙子主演の回が収録されている。梨沙子ヲタではない人からすれば、その事実にガッカリするところではあるけれど、開始数分でそんなヲタ的感情は変化をするだろう。白バイ警官の恰好をする梨沙子があまりに自然体なのだ。
 同様に、テレビレポーター役の茉麻も、旅館の仲居な桃子も、セーラー服姿のキャプテンも、とにかくみんな役にフィットしている。そんな中で梨沙子の存在感がリアリティを帯びて迫ってくる。普通の女性を演じる熊井ちゃんや千奈美のあまりに普通過ぎる存在感の出し方も素晴らしいが、梨沙子のそれは存在感と本人の内面が見事にシンクロしていて、他のメンバーの主役回をイメージしにくくするほどだ。単にフィット感というなら、犯人グループの主犯役の恋人役の雅ちゃんのやさぐれ感も程よい感じのリアリティではあるけれど。

 現代にタイムスリップしてきた(という事にしている)白バイ警官姿の梨沙子の登場シーンでの目の演技。戸惑う心理をまばたきと瞳の動かし方だけで表現し、物語が事件当時の回想シーンになると突如、田舎(広島という設定)から上京してきた純朴で働き者な女の子の姿に変わる。
 ちゃんと事件前と事件後。過去と現代で、同じ人物の心理的変化による人間性の変化を表現している。

 梨沙子という人はパッと見の印象で多くのヲタ人気を掴んできたが、魅力の本質はパッと見では伝わりにくいところにあるのだ。アイドルとして売っていくには損なパーソナリティだ。
 私はこの舞台を残念ながら観る事が出来なかったが、こうしてDVDで見ているからこそ細かい点も見えて、彼女が放っている繊細な変化にも気づいて、その演技をこんな風にレビューしているのだけれど、客席からではそこまではわかるまい。
 ふと思う。「戦国自衛隊」もそうではなかったか?

 「戦国自衛隊」で梨沙子は着物を着て現れ、優雅な舞いも見せた。戦車が置かれた舞台にはおよそ似つかわない柔らかな舞いを見せる梨沙子の姿は、今彼女が存在する場所への微妙なフィット感のズレでさえも内包しながら、美しくも少し悲しい調べを奏でているようにも見えた。
 それはきっと、これは現在を表現しているものであり、季節が変わっていくほどに同じものは見られなくなっていくという現実を写し出すものであるし、DVDという映像はそれを真空パックして後世に残していくツールでしかないという事も物語っている。
 だからと言って、一年前の舞台のDVDを今観る事は無意味な筈はなく、もっと言えば今週発売になった「戦国自衛隊」DVDを見る事にも意味はある。
 アイドルがアイドルとして輝いている瞬間を映像として残している事実に、私たちアイドルヲタは感謝をしながら、過去と現在をモニター越しにタイムスリップしていくのである。ベリキュー舞台にタイムスリップものが多いのは必然なんだとも感じる。

コメント (2)
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