フリージア工房 国道723号店

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撤退メーカーのカメラが気になる日々

2007-12-28 20:43:29 | 写真とカメラ
 先週、荒川区にて撮影したフィルムの現像が上がってきました。昭和二十年代のスプリングカメラであるミハマシックスSのレンズが写す平成の荒川区は、曇り空の色をも幾重に表現されたパキッとした情景で写っていました。想像以上の写りに大満足です。

 私はカメラに限らず、昭和二十年代~三十年代の文化が好きです。この時代に創られたもの、例えば映画や音楽には強いエネルギーを感じます。スポーツの世界でも個性的で力強さを持った選手が多数出現し、また乗り物のデザインも非常に個性豊かな時代です。鉄道や車のデザインが、各社毎に色のある個性的なデザインに溢れた時代とも言えましょう。

 この時代のカメラも、デザイン・特徴が各社毎に確立されています。オートバイがそうであるように、今の何倍もの数のメーカーがあった時代。野心に燃えた人々の思いが、一機種毎に感じられるのが嬉しい。
 当時たくさんあったメーカーの中には、小さな町工場で作っているようなメーカーもあったようで、そういうメーカーを指して「四畳半メーカー」と呼び、昔の二眼レフは機種名の頭文字がAからZまで揃うほど(?)会社があった言われたりするほどです。そんな小さなメーカーから、輸出を行なうくらいの規模を持つ中堅メーカーまで、撤退や倒産などで「今は無きメーカー」がいくつもあります。ミハマもその一つですが、最近はそういった「今は無きメーカー」にとても興味があります。元々のいわゆるレトロ好きもあり、今後その手のカメラが増えそうな気がしています。本や専門のサイトなどを見ていると、次々と惹かれるカメラに出会います。欲しい機種を絞っても、物欲はとどまりません。
 アイレス、アルコ、サモカ、トプコン、ネオカ、ビューティー、ペトリ、ミランダ、ワルツ… 今、自分の中で欲しいカメラがリストアップされている、撤退あるいは倒産した日本のメーカーです。

 最近のデジカメが、合理化が過ぎて個性を失いつつあるように感じられる昨今、フィルムカメラに注目する人は中高年に限らず、若い男女が案外多いと聞きます。デジカメから写真趣味に入って、飽きたらずにクラシックカメラに興味が向かう人もそれなりにいるようで、書店に並ぶ主に女性ユーザーを対象とした写真雑誌には、デジカメやトイカメラに混ざってクラシックカメラも紹介されていたりします。それは、(私もそうですが)生まれ育っていない時代に対する、憧れにも似た羨望の眼差しが映し出す想いが募ったものだと思える今日この頃です。それはノスタルジーとは違う感覚で、知らない時代だからこその新しさであるようにも思います。

 不思議なもので、中高年の場合はクラシックカメラに興味が向かった人は、高価なカメラに走る人が多いような気もします。

 昔の車に興味があっても、それを複数持つのは何かと困難。でも、カメラなら複数所有してもそれほど場所は取らない。我が家に次々と増えていきそうなクラシックカメラです。

 今日のBGM クラシック / JUDY AND MARY
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