ロマンスの途中 - Juice=Juice
新人グループがデビューする時って、フレッシュでまだ色が付き過ぎていないまっさらな感じがいい。最近はデビューの時点で各自にキャラが充てがわれていたりするけれど、それでも話す言葉の隙間から新人らしき初々しさが見えてきたりする。歌う声の隙間から新人らしいおぼつかなさが感じれる。それがアイドルの新人グループであります。
Juice=Juiceはそんな新人の定形を打ち破って送り出された。歌っている姿にハラハラさせられたりしない新人離れした新人。強いて言えば、全体的に優等生的に集団でまとまっちゃっているのが初々しいと言えるのかもしれないくらいで、そんな完成度の中にまっさら感を探し出すのは困難。
でも、今アイドル界がハロプロの新人に求める姿は、まさにこの玄人っぽい新人である事なんだろうなとも感じる。アイドル界が細分化された今、わざわざハロプロから素人的なフレッシュ新人を出しても親近感と共感は得られないもの。親近感に繋がるいわゆる親しみやすさは、地下な方面には敵わないのだから。
そんな流れで、研修生から飛び出したこの5人。大塚ちゃんがこれから!という時にいなくなったのは痛いけれど、この5人が一人残らず強力な磁場を持っているから、宣伝次第でこれから大きく化ける可能性があると言い切りたい。
エースと思われる宮本佳林の出来過ぎたちょっとサイボーグな感じ。金澤朋子のハロプロにはあまりいなかったタイプの色気と存在感。雑誌のグラビアに一人で掲載されるとCM美少女みたいな佇まいに変身出来るビジュアルを持つ植村あかり。正統ハロ系ロリ担当な爽やかな女の子高木紗友希。落ち着いた雰囲気と垢抜けないながらもそれがどこかホッとさせる空気を生み出している最年長宮崎由加。キャラが被っていないのが素晴らしい。
あとは楽曲だと思えば、つんくPが素敵な曲を提供してきた。新人グループの曲の音をここまで作るのは危険かもしれないけれど、そんな音に埋没しないだけのものをメンバーは持っているからこそ、そうしたのでありましょう。
アイドルは未熟なところからスタートして、そこからの成長をゆっくりと見守るのが醍醐味ではあるけれど、スタートからある程度の高さにいるのも、それはそれで楽しい。どこまで伸びるのかを見守る楽しみ、それもまたアイドルならでは。