名南将棋大会ブログ 名古屋

名南将棋大会告知や結果のほか、
将棋が強くなるための記事を書きます。
まずは将棋上達法則を見てください。

大山将棋問題集 20180424

2018-04-24 | 大山将棋研究
先手番大山先生の手を考えます。

第1問


ここではこの一手です。
A 66銀 B 22角成 C 88飛

第2問


強気の後手25歩が疑問手でした。
A 25同歩 B 66歩 C 54歩

第3問


勝負手を与えないように応対します。
A 45同桂 B 25歩 C 95歩

第4問


いろいろ見えますが、後手陣の形を乱してからです。
A 22角成 B 24歩 C 44歩

第5問


厳しい返し手がありました。
A 14銀 B 14歩 C 33歩

第6問


王手よりも詰めろです。どれも有力ですが。
A 32銀 B 51角 C 22角
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大山将棋研究(864);四間飛車に玉頭位取り(米長邦雄)

2018-04-24 | 大山将棋研究
昭和61年7月、米長邦雄先生と第45期A級順位戦です。

大山先生の四間飛車に米長先生は玉頭位取りです。

大山先生は右銀で3筋の歩を交換しましたが

位の奪還まではいかないです。44銀右を強制したという効果はあります。

米長先生は銀を戻して2手損です。後手番なのに2手損では作戦負けの元です。44銀を生かして引き角から固めたいと思うのですが。

角筋を通したまま戦おうということなのでしょうが

55歩対策で(55同歩とはできなくて、54歩同銀の後で43銀と引く意味)44歩を突くのでは失敗でしょう。

86歩と空き捨ててから金を寄るというのはかなり苦労している感じです。

大山先生は模様が良いのでおとなしめです。中央を押さえて88飛。

米長先生は6筋で飛車を使います。

あちこち歩を突き捨てて桂を跳ね

歩を合わせて

一度位を取っておきます。

44銀が浮いているので、54歩同飛65金というのが大山先生の好手。米長先生はこの筋に備えねばならないところでした。

飛車の必至です。こうなれば暴れるしかないのですが

歩を突きだして桂馬を跳ね

交換して36桂。大山先生は玉を端にかわしました。

さてここからの数手をかわし切れば勝ちが見えます。飛車取りで角をぶつけられました。

24歩に13玉だったので(12玉ならば23銀と打ち込めば王手になる)、飛車を切って33歩。厳しい反撃です。

25桂から角を取れました。

先手玉が広いので余裕があります。25歩から44歩を決め

角を切って51角、この詰めろが受けにくいです。

米長先生は玉を逃げ出しましたが、平凡に追いかけられて受けがなく

投了図。

序盤が下手だと自称(他称も)する米長先生ですが、中盤以降に力を発揮するので位取りの将棋は棋風にあっています。でも形勢が良くないと苦労が多いわけで、ちょっと盛り返したかなあというところに隙がありました。飛車を封じ込まれては挽回できません。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.40 棋譜ファイル ----
手合割:平手  
先手:大山十五世名人
後手:米長邦雄十段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 7八銀(79)
4 3四歩(33)
5 6六歩(67)
6 6二銀(71)
7 6八飛(28)
8 4二玉(51)
9 4八玉(59)
10 3二玉(42)
11 3八玉(48)
12 1四歩(13)
13 1六歩(17)
14 5二金(61)
15 2八玉(38)
16 5四歩(53)
17 3八銀(39)
18 4二銀(31)
19 6七銀(78)
20 3五歩(34)
21 4六歩(47)
22 3三銀(42)
23 4七銀(38)
24 5三銀(62)
25 3六歩(37)
26 同 歩(35)
27 同 銀(47)
28 8五歩(84)
29 7七角(88)
30 4四銀(53)
31 5八金(69)
32 3五歩打
33 4七銀(36)
34 3四銀(33)
35 3八金(49)
36 2四歩(23)
37 6五歩(66)
38 7四歩(73)
39 3七桂(29)
40 5三銀(44)
41 6六銀(67)
42 2三玉(32)
43 5六歩(57)
44 3二金(41)
45 2六歩(27)
46 4四歩(43)
47 5五歩(56)
48 8六歩(85)
49 同 歩(87)
50 4二金(52)
51 5四歩(55)
52 同 銀(53)
53 5五歩打
54 4三銀(54)
55 8八飛(68)
56 6二飛(82)
57 6七金(58)
58 6四歩(63)
59 同 歩(65)
60 6五歩打
61 5七銀(66)
62 6四飛(62)
63 8五歩(86)
64 7五歩(74)
65 同 歩(76)
66 4五歩(44)
67 同 歩(46)
68 3三桂(21)
69 5六金(67)
70 4四歩打
71 同 歩(45)
72 同 銀(43)
73 8六飛(88)
74 4五歩打
75 4八銀(57)
76 2五歩(24)
77 5四歩(55)
78 同 飛(64)
79 6五金(56)
80 9四飛(54)
81 7四歩(75)
82 4三金(42)
83 9六歩(97)
84 4六歩(45)
85 同 飛(86)
86 4五桂(33)
87 2五歩(26)
88 3七桂成(45)
89 同 銀(48)
90 3六桂打
91 1八玉(28)
92 1五歩(14)
93 同 歩(16)
94 1七歩打
95 同 玉(18)
96 4五銀(44)
97 2四歩(25)
98 1三玉(23)
99 4五飛(46)
100 同 銀(34)
101 3三歩打
102 同 角(22)
103 2五桂打
104 2四玉(13)
105 3三桂成(25)
106 1六歩打
107 2七玉(17)
108 3三金(32)
109 2五歩打
110 3四玉(24)
111 4四歩打
112 同 金(33)
113 同 角(77)
114 2六歩打
115 1六玉(27)
116 4四金(43)
117 5一角打
118 4三玉(34)
119 3三金打
120 5二玉(43)
121 4二金(33)
122 6三玉(52)
123 6四銀打
124 7二玉(63)
125 7三歩成(74)
126 同 桂(81)
127 同 銀成(64)
128 8一玉(72)
129 6二角成(51)
130 2四桂打
131 2六玉(16)
132 2九飛打
133 2七桂打
134 投了
まで133手で先手の勝ち

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20180424今日の一手(その682);戦線拡大?

2018-04-24 | 今日の一手

20180424今日の一手

2月18日の名南将棋大会から、SさんとSさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。


一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。

駒の損得はありません。
玉の堅さは先手のほうが堅いです。
先手の攻め駒は95香1枚ですが、99飛も入れて良いでしょう。合わせて2枚。
後手の攻め駒はありません。21飛を使おうとしているところです。

総合すれば先手が指しやすいです。

☆ 大局観として

元は後手の右玉に先手がミレニアムというか菊水矢倉で対抗していました。後手は向い飛車にして木村美濃へ、先手は銀冠にして地下鉄飛車から端を攻めました。
端で1歩手に入れて、継続の攻めがあるかどうかという問題です。ゆっくりしていると後手は25歩~26歩~27歩成と2筋を突破していきます。形勢は良さそうですがちょっと忙しいというところです。
攻める筋はどこでしょうか。9筋をこじ開けるか、8筋に広げるか。あとは後手の桂頭ですね。2筋を逆用するというのもあるかもしれません。持ち歩を生かす手があれば形勢が良くなりそうです。


× 9筋を破れれば良いのですが、93同香成

93同香94歩同香95歩同香同飛91香

飛車を取られないように歩を使って取り返してみても、歩切れになるとだめです。もう1歩あればうまくいくのですが。(だから後手から94歩とされるのは大丈夫だということです。)


○ 35歩として桂頭を攻めてみます。

先手の桂頭でもあるのですが、35同歩34歩36歩33歩成37歩成

取り合ったとしたら、32と81飛37銀

先手だけ と金が残って後手の2筋攻めがとん挫します。

あるいは と金を払い合っても45桂

先手だけ両取りがあるのです。

後手としては34歩に25桂

と逃げることができるのですが、33歩成もありますし、45桂

中央に跳ね違えて33歩成があるのですから先手が十分です。


△ 55歩同歩として

35歩と攻めるつもりならばこれでも良いです。後で54歩と打てるから、先手の得かもしれません。


△か○ 実戦は85歩。8筋に手を広げました。

85同歩96銀83金57角72玉65歩

角を移動して使い、攻め駒が増えます。65同歩84歩82金85桂同桂同銀62玉75歩94歩

後手玉は逃げ出したので先手だけの玉頭で戦っていることになり、攻めると反動が大きいです。66桂や86桂の傷があるので強い戦いにしにくいのが難点です。ここで94同香は98歩同飛86桂(それでも飛車を逃げて指せなくはない)、
あるいは86桂と打って95歩74桂同銀同銀96歩、有力な手があるのですが、どうも今一つのようです。
実戦では74銀87歩79玉95歩

と進めたのですが、香損で66桂や66香があり、飛角も活躍できていないのでは苦戦です。

先手としては戦線を広げ過ぎたようで、角を使わないで単に65桂

としておくくらいでした。84歩73桂成同玉

手堅く守られても、先手番で桂歩歩と手持ちにしていますから35歩から攻めればよいです。

後手としては85桂には同桂

同銀84歩で追い返して手番を握りたいのですが、94歩

と合わせて端を攻める手があります。85歩には93歩成同香84歩

として駒損を取り返せます。

94歩に同歩ならば

94同銀同香同香93歩同香成同金98香

歩切れなので受けにくく、83金93歩72玉93歩成

銀と歩2枚の交換ですが、と金を使えば取り返せます。
この端攻めで形勢が良くなっているかどうかは微妙なところですが、攻めは続いています。


△か○ 2筋を応待したらどうなるかを見てみます。24歩は自然な手ではありますが、24同飛で後手の飛車が働いてきますから自然な手だとは言えません。

45桂や45銀も効果がないでしょう。25歩で追い返すことはできて(25同桂29飛は先手が指しやすい)29飛94歩24歩25歩

25同桂24飛26歩では今一つ。95香を取られる以上の戦果はありません。

やはり25歩21飛くらいのところで35歩

を考えるしかないようです。25桂45桂同銀同銀37桂成34歩28飛成61銀

飛車は成られても先手の銀冠が堅いので、後手の金を剥がして33歩成から攻めていくほうが確実です。

あるいは25桂の時に29飛として

24歩を打たせて45桂同銀同銀37桂成34歩のほうが得に見えるのですが、94歩

とされるとちょっと忙しいです。先手の飛車は9筋に置いたままのほうが良さそうです。


× 29飛だと

2筋は破られないですが、後手から94歩が残るので何か戦果がないとまずいです。
25歩24歩同飛に45銀

35歩44銀同角61銀94歩

金を剥がすよりも香を取られる方が大きいです。

45桂から行っても

45同桂同銀21飛44銀同角

銀桂を交換し合っただけで歩切れではつまりません。


☆ まとめ

将棋の場合は「不利な時には戦線拡大」、その命題の裏で「有利な時には戦線縮小」というのですが、先手が悪くない形勢ですから戦線は拡大しない方が良いです。
また不利なのだったら手を広げないほうが傷が浅いものなのですが、逆転の可能性としては高くなります。相手に間違えてもらえるかもしれませんから。

日中戦争だけでも大変だったのに、太平洋戦争にまで手を広げたのは賢明だとは思えませんよね。ということは不利な時にも手を広げないで我慢するというほうが良い戦略なのかもしれません。我慢しておいてから違うところで有利にならないか考えます。

あれこれ考えてみると、戦力は集中したほうが敵陣突破しやすいものなのです。むやみに手を広げてはいけませんが、必要なとき(一点突破が有効ではない時)だけ盤面を広く見て手を探すということです。


9筋だけで攻め切れれば理想的ですが、残念ながらうまくいきません。

1歩手に入れたので35歩同歩34歩、というのが後手陣の弱点を突いた手です。元は後手が右玉だったので、3筋を攻められても困らないことが多いから44銀33桂の形になったのですが、本来は良い形ではありません。先手も46銀37桂で同じ形なのですが、後手だけ53角の位置で、45桂が角取りになるというのが目のつけどころでした。桂の跳ね違い手筋がさく裂します。

実戦では8筋に目をつけ、桂交換くらいで収めておけば悪くはない(その後で3筋を攻める)、あるいは棒銀で端を攻める、という順につながれば結構指せたはずです。
角を移動して6筋まで戦線拡大してしまったために、傷が増えてしまいました。

どこかの局地戦で優位に立ったら、そこから突破していけばよいです。(優勢が見えたら左右挟撃を狙うというのはあります。)
局地戦で劣勢になったら、他の戦線でカバーします。だから後手は玉を8筋から逃げ出して損失を抑え、広げてもらった6筋から反撃して勝ちにつなげたのでした。

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