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名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
みなさんの棋力向上のための記事を毎日投稿しています。

SS4-13 ゴキゲン中飛車(108)

2025-05-03 | 基本定跡の研究

先手が居飛車穴熊を目指した指し方をみてきましたが、後手も穴熊を目指したらどうなるでしょうか。

77角91玉88玉82銀98香

相穴熊です。42角99玉51金左88銀71金79金61金左

相穴熊では玉の堅さを重視します。これは後手の穴熊のほうが堅いですね。評価値は+33の互角ですが、先手居飛車としては失敗でしょう。実戦例だと65歩74歩86角

角をぶつけたのですが、86同角同歩33桂37桂72金左96歩54角

角を打たれる前に24歩同歩同飛は、58角~47角成があるのでした。この図の評価値は-161の後手ペースです。

相穴熊は後手に分があるようです。AIに聞くと、98香とするところで86角

後手の金の動きをけん制しておくのが正しいようです。71金37桂22飛78銀

後手が動こうとすれば、居飛車穴熊にこだわらずに左美濃へ。というのが一例です。それでもこの図の評価値は+164しかなく、せっかく先手は超速を選んだのですから、急戦にこだわりたいところです。

 


SS4-13 ゴキゲン中飛車(107)

2025-05-02 | 基本定跡の研究

後手が早くに「銀対抗」にする作戦の続きです。

78玉62玉58金右72玉66歩

56歩同歩同飛55歩・・・は謎の定跡で先手有利にはなったのですが、先手は55歩を打たないで駒組すれば。それはともかく先手のねらいとしては、82玉67金72銀77角64歩

64歩は65歩の位取りを避けたもの。88玉32飛78金52金左98香

穴熊にするのが先手のねらいでした。74歩99玉63金88銀94歩96歩84歩59角83銀16歩14歩26角

先手は四手角へ (3手で移動していますが) 。72金37桂51角

中村先生の解説 (多分実戦例) では58飛52飛56歩と進んで

先手満足とされているのですが、この図の評価値は+33しかありません。56歩同歩同飛に55歩同金同銀同銀・・・の前に62角が正しく

これでは55金同銀同銀と攻める筋ができません。59飛55歩57金35歩同歩24歩同歩22飛

こんな展開で評価値は0近辺の互角です。

途中の図で

58飛とするのが間違いのようです。すぐに45銀と攻めて、62角44銀同歩46歩

こんなところで評価値は+203です。先手の作戦勝ちではあるのですが、それほど高くはありません。AIは穴熊を重視しないことが多く、組んだら評価値が上がるという場合は限られます。

 


SS4-13 ゴキゲン中飛車(106)

2025-05-01 | 基本定跡の研究

後手の選択肢として、玉の移動よりも「銀対抗」を優先することはできます。

先手の速攻 (後手玉を移動したら35歩や45銀の攻めがあった) を警戒しているわけですが、78玉~68銀~77銀とされると合流します。先手が違いを生かそうと、78玉62玉58金右72玉66歩

持久戦模様に切り替えることはできます。後手が56歩同歩と動くのは最善ではないのですが、先手が55歩

飛を捕獲するよ、というのも (AIに聞くと) 最善ではないようです。67金などから駒組するほうが優ります。さて互いに最善ではないので意味不明の定跡ですが、55銀67金66飛

66同金同銀68金56歩53飛

中村先生は先手優勢だとしています。でも評価値は+173、どちらが正しいでしょうか。AIの読みを追いかけてみましょう。57金43飛成68金同銀57歩成

57同銀引同銀成33角成52銀

人間的には最善かどうかもわからないのですが、AIはほぼ必然だと考えています。41竜33桂32竜

68成銀同飛57銀18飛27金

67金18金57金45桂

激しいやり取りですが、駒の損得は消えています。67金56歩58歩28飛68金打

先手玉の守りは修復されて、57歩成同歩19金55角29飛成54銀

ここまで来れば評価値は+552の先手有利となるのですが、最初のあたりではAIも読み切れていません。

ちょっと不思議な定跡ですが、結果が知られたら出てくることはないでしょう。


SS4-13 ゴキゲン中飛車(105)

2025-04-30 | 基本定跡の研究

後手が穴熊を固めようと思えば、51飛とするところで51金左くらいでしょうか。(中村先生の本には書いていない~前例がなかったのですが) 先手は96歩を突いて

分岐です。62金上には97角32飛45桂51角65銀

54銀~43銀成があるのですが、52飛31角成では主張がないので、52金上54銀35歩同歩33桂

後手は無理にでも動いてみます。動かなければ77桂~65桂でつぶされますから。24歩同歩同飛22歩44飛同歩53桂成

でも先手はカウンターで切り込んで優勢、評価値は+900を超えますから、気持ちよく決まります。

戻って

97角を警戒すれば、42角55銀左同銀同角

一昨日は危ないと書いた角なのですが、55同飛同銀38角79飛27角成45桂

36馬54銀35馬32飛

この図の評価値は+516の先手有利です。先手玉はまあまあの堅さ、攻めるにも困りません。

いろいろな形が考えられるのでしょうが、「銀対抗」での中飛車穴熊は怖くありません。

 


SS4-13 ゴキゲン中飛車(104)

2025-04-29 | 基本定跡の研究

後手の穴熊に、素早く仕掛けようとしてもうまくいきませんでしたから

58金右91玉37桂82銀に、45桂ではなくて、29飛12香68金上

陣形整備をしてからの仕掛けを考えます。51飛96歩72金16歩14歩95歩64歩45銀

後手は2筋の受けを考えて、左金を41に置いたままです。(45桂ならば11角24歩同歩同飛32金という含み。) 先手は銀をぶつけて仕掛けます。45同銀同桂44角24歩

2筋は受からないので56歩同歩同飛46銀

中村先生は不安だけど2筋突破できるから先手優勢になるか、と控えめです。この図の評価値は+521で先手有利。不安だというのは38銀28飛58飛成同金27金

こういう強襲があるからでしょう。27同飛同銀不成55銀左28飛59歩26角68金打

評価値はあまり動きませんが先手有利がはっきりしてきます。後手の穴熊は遠いけれども薄く、先手は金銀を投入したけれど攻めには困りません。

変化としては

ここで銀を取らずに32金44銀同銀同角24歩同歩同飛

これくらいは見ておきましょう。23歩に34飛33銀 (33金だと42銀がある) 35飛

AIに聞くと、びっくりする手順が出てきます。35同角同歩39飛に45角71金72銀

飛角交換でも金銀2枚の穴熊は薄いのです。後手に銀を33に打たせたというくらいの得で先手が有利のようで、ここまでくれば評価値は+454です。55銀~64銀の応援を見越しています。

では後手が穴熊をもっと固めようとすればどうなるか、は明日調べてみます。


SS4-13 ゴキゲン中飛車(103)

2025-04-28 | 基本定跡の研究

後手が穴熊を選んだらどうなるか。

先手は速攻で倒したいところではあるのですが。58金右91玉37桂82銀45桂

後手が32金と備えないので、素早く桂を跳ねて攻めてみます。42角55銀左同銀同銀

対穴熊では55同角と取る形は飛を切られてしまいます。(この場合は直後に37角が両取りになるのですが、それを回避してもうまくありません。) 33桂に同桂成とは取れず、46銀45桂同銀12香

軽くさばかれています。11角成の時にいろいろあって、中村先生は74歩や51金左に触れていますが、AIに聞いて64角

この図の評価値は+150、先手ペースですが自信がある戦いではないでしょう。24飛22歩34銀19角成

これで12馬とか、43銀成72飛53桂51金左

とかと進むわけですが、評価値は上がっていきません。後手の穴熊が遠く、先手玉は薄いのです。

 


SS4-13 ゴキゲン中飛車(102)

2025-04-27 | 基本定跡の研究

昨日は72金型を調べましたが、もちろん美濃囲いのほうが普通です。

58金右51飛37桂32金96歩94歩29飛84歩

これは83銀の受けを見せて、端攻めを緩和した意味です。先手は端攻めがなければどう攻めましょうか。68金上14歩16歩12香45桂

1筋も突き合ってから桂を跳ねて攻めます。42角55銀左同銀同角・・・は (72金型と同じく) 先手が指しやすいので、22角24歩同歩同飛33桂

33同桂成同角29飛23歩39飛

42金35歩同歩45桂

ここで攻め手が変わりました。22角は29飛32金33歩なので、24角25歩13角15歩

1筋を突き合った意味が出てきました。中村先生はいい勝負としていますが、評価値は+320の先手有利です。端で香を交換できる形なので、攻めに困ることはないでしょう。

途中の変化として

54桂が両取りですね (55銀左46桂同銀・・・) 。AIに聞くと56歩同歩を入れた方が少し得で、54桂57銀左46桂同歩24角

この図の評価値は+246、先手良しの範囲だけれど、後手が指せないこともないでしょう。

もっと戻って、最初に先手が45桂としかけるところで、AIに聞くと97角もあるようです。

角を使えば45桂からの攻めが強力になるのですが。角頭である端は気になりますね。95歩には同歩同香45桂22角77桂

角を取られても端を逆襲しますよ、という指し方ができるようで、この図の評価値は+5.6、はっきり先手有利です。

後手が端攻めをあきらめた場合は

74歩77桂83銀45桂22角24歩同歩同飛

これまで通りに33桂だと42角成があります。13角29飛33桂同桂成同銀55銀右

次に65桂からの攻めが受けにくく、この図の評価値は+874、さらにはっきりと先手有利です。後手としては12香を保留して銀冠になっていれば少しマシですが、状況は覆りません。


SS4-13 ゴキゲン中飛車(101)

2025-04-26 | 基本定跡の研究

今度は後手の工夫です。32銀型ではなく42銀として

68銀に53銀46銀44銀

「銀対抗」と呼ばれる形です。先手中飛車ならばさらに右銀を54に持っていくこともできたのですが、後手振り飛車なので間に合いません。77銀82玉66銀72金

もちろん美濃囲いのほうが普通ですが、先に72金型が出てきました。58金右51飛37桂32金96歩94歩29飛14歩45桂

陣形を整えたら、先手は右桂を跳ねて攻めます。後手は22角か42角ですが、22角から。24歩同歩同飛33桂

同桂成同角29飛23歩39飛

42金35歩同歩95歩同歩93歩

桂を交換しているので端もからめて攻めます。93同香35銀同銀同飛

中村先生は先手が指せるとしていて、評価値は+220、先手良しか先手ペースかというところです。後手も戦えるのですが、端に弱点を抱えています。AIに聞くと、この手順は妥当なようです。

戻って

42角のほうは55銀左同銀同角

中村先生の解説では55同飛同銀33桂同桂成同角66銀

先手良しとされていて、評価値は+574、先手有利です。

後手としては

飛を切らずに33桂同桂成同金88角

このほうが難しいようで、評価値は+323、先手有利の範囲ですが。

後手の「銀対抗」は有力なのですが、72金型ではうまくはないようです。美濃囲いならば違いがあるでしょうか?

 


SS4-13 ゴキゲン中飛車(100)

2025-04-25 | 基本定跡の研究

先手が46銀よりも78玉を優先して

32銀68銀に56歩は対応できました。44歩77銀を入れて56歩とするのが今日の話です。

56同歩同飛66銀51飛35歩

35同歩に46銀45歩

後手は飛角だけの軽いさばきです。中村先生の解説 (多分実戦例) では45同銀に57飛成 (同銀88角成同玉55角の王手飛車ねらい) なのですが、ここは24歩

とするほうが、解説の34歩 (先手が指せるとあるが互角) よりも優ります。24同歩は同銀と銀をさばきます。47竜48金36竜23歩成27歩

あちこち駒が当たっているのですが、38飛同竜同金23銀34歩22角24歩32銀26飛

49飛23歩成29飛成48金

これは先手有利のようで、39竜には22と48竜58歩43銀11と

と進めばはっきりしてきます。この図の評価値は+346ですが、途中の図で

35銀には57飛成ではなく56飛が正しく、

この図の評価値は+157しかありません。

戻って

45同銀だと56飛はないわけですが、57飛成~47竜が両取りになってしまいます。ゆえに57飛成に58金右52竜

この図の評価値は+168です。どちらも先手が悪いわけではないのですが、不満はあります。

もう少し戻って

35同歩には34歩が先手の工夫です。

22角24歩同歩同飛23歩26飛45歩55歩

この図の評価値は+275、この辺りで妥協すべきのようで、ねらいとしては46歩同歩同銀あるいは46歩~46歩~46銀と指します。中央を押さえているので先手の作戦勝ちとなるでしょう。

これが結論で、

この形は先手が指しやすいのです。

 


SS4-13 ゴキゲン中飛車(99)

2025-04-24 | 基本定跡の研究

先手有利だったけれど変化が難しかったので、46銀を保留して78玉としたらどうか。

32銀68銀56歩には33角成

どちらで取るかですが、中村先生は33同桂しか言及がなく、56歩同飛46銀

この図の評価値は+295、先手が指せるとされています。22角と打ち込まれる負担があるので、後手は指しにくいでしょう。

戻って

33同銀のほうが難しいです。56歩同飛35歩

35同歩は45角ですね。これがあるので無視されたのでしょう。AIに聞くと、32金34歩同銀46銀33桂

33桂は、放置すると35歩で銀が死ぬから。24歩同歩同飛23銀28飛76飛77桂

27歩38飛74飛34歩

絶対手順ではありませんが、まあまあありそうな進行です。34同銀は56角なので、34同飛を選んで同飛同銀21飛28歩成同飛成 (あるいは28歩成のところで31歩27飛成か。)

この図の評価値は+273の先手良し。竜を作ったので先手の指し手はわかりやすいでしょう。

ということで、早くに46銀としないほうが、後手の56歩からのさばきには対応しやすいということです。

戻って

32銀68銀に56歩は無理でしたから、44歩77銀56歩同歩同飛

これがメインの変化です。長くなるので続きは明日にします。