名南将棋大会ブログ 名古屋

名南将棋大会告知や結果のほか、
将棋が強くなるための記事を書きます。
まずは将棋上達法則を見てください。

SS3-3 先手急戦向い飛車(1)

2024-02-29 | 基本定跡の研究

今度は振り飛車が先手です。初手から76歩34歩66歩84歩75歩

石田流本組を見せて、85歩を突かせます。77角62銀78銀42玉67銀32玉88飛

これが「メリケン向い飛車」です。アマ強豪の横山公望さんの本が出ています。 (出身地横浜のメリケン波止場から命名されたとか) 大学の将棋部で、これしか指さない後輩がいたのを覚えています。52金右78金54歩86歩

54歩型の時は、居玉のまま8筋から開戦します。86同歩同飛同飛同角82飛87歩

64歩77角65歩58金

後手の指し方をAIで確認しても、3つ前の図からは最善のようです。この58金の受けも本に書いてある (実戦例がある) 手です。66歩同銀までは良いのですが、74歩

とするのがAI推奨の手です。 (本には74歩ではなくて、65歩同銀77角成同桂45角56銀27角成25飛が解説してあります。) 74同歩が自然ですが、76歩88角65歩

65同銀88角成同金33角79角

79角の所を68飛などと受けると、88角成同飛77金の攻めがありました。88角成同角87飛成11角成89竜

この図の評価値は-137の後手ペース。先手が少し駒得とはいえ、玉が薄いので終盤になると自信なし。

戻って

67金右75歩48玉と我慢してみます。

72飛88角76歩65歩64歩

後手の攻めは続きます。64同歩65歩同銀88角成同金44角

77歩同歩成同金寄75飛

56銀73桂76歩65飛

65同銀同桂

この図の評価値は-240の後手良しです。78金引ならば66角が痛いです。

先手が居玉のまま仕掛けるのは無理があるようです。後手が対策を知っていたらという限定ですが。

 

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SS3-2 急戦向い飛車(5)

2024-02-28 | 基本定跡の研究

先手が早めに玉を移動した場合は

25歩33角を決めているから、後手の矢倉を回避できているけれど、雁木の相居飛車を覚悟しなければなりません。半面では後手の向い飛車に対しての駒組の自由度が上がります。22飛78玉62玉58金右72玉77角82玉88玉94歩98香

57銀を保留して居飛車穴熊に組むことはできます。72銀99玉32金68角

引き角が間に合って、後手の24歩からの攻め筋を封じることができました。45歩88銀54銀

代わりに玉頭銀の対応を考えねばなりません。86角43金57銀65銀

75歩と突いて歩損を回避するよりは、68金寄76銀78金寄64歩79金寄

穴熊を完成させるほうが良いです。95歩75角 (64歩を取らないほうが良い) 54金66銀62飛

26飛65歩55銀66歩

6筋の攻防です。66同歩は55金同歩44角

28飛74歩43金

75歩44金39角

こんな進行で評価値は0近辺の互角です。

途中の66歩に

66同銀のほうは、67銀成同金65金

65同銀同飛76金75飛同金57角 (あるいは35角)

という展開です。これも評価値は0近辺の互角。

先手が安全に穴熊に囲えるというわけにはいかないようです。向い飛車は居飛車穴熊対策として機能しています。

 

 

 

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SS3-2 急戦向い飛車(4)

2024-02-27 | 基本定跡の研究

これまでは居飛車穴熊に組もうとすると攻めるよ、という感じでしたが

後手がもう少し待って、先手が居飛車穴熊明示の98香を指した時に動いたらどうでしょうか。32金99玉24歩同歩同飛

25歩22飛88銀14歩

79金13桂68金寄25飛同飛同桂

この図の評価値は-402の後手有利。先手玉が堅くても、飛の打ち込みの有無が大きいです。

先手が少し警戒して

途中の14歩に16歩と受けた場合は、13桂17桂15歩

26飛16歩同飛23飛

25桂をねらいます。 (後手は最初から24歩同歩同飛25歩に23飛としておくのもありました。) 12歩同香66銀28歩

26飛15角27飛29歩成

29同飛28歩39飛26角

これで後手は16歩を打って端を破ることができます。評価値は-190の後手ペース。

先手はもっと警戒して

飛をぶつけられたときに25歩ではなくて26歩にしてみます。45歩66銀35歩

しばらく駒組になるので、以下は進行の一例ですが (評価値は0近辺の互角)、68角34飛88銀95歩79金36歩

36同歩同飛37歩56飛

57金54飛75歩64歩25歩52銀

後手は3歩持ってしっかり囲っています。16歩に38歩

38同飛に26歩28飛38歩

55歩34飛56金39歩成59角

最後の59角の辛抱のところで、45金だと29と34金28と は後手良しでした。29と同飛44飛26飛54歩

先手が駒損でも辛抱してこれくらいの図です。評価値は-147の後手ペース。穴熊は遠いけれど、終盤になれば端攻めもあるので、堅く見えませんね。

居飛車穴熊に対しての向い飛車は、初期のころの対策で見られました。三間飛車や四間飛車から向い飛車に転じて攻めようとするものです。つまり先手が25歩33角を決めていなくても、先手三間飛車 (これは後手が85歩77角を決める) などからは同じ形に持ち込めます。今の振り飛車は、対居飛車穴熊が課題になっているのですから、向い飛車はもっと評価されてよい戦型だと思います。

 

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SS3-2 急戦向い飛車(3)

2024-02-26 | 基本定跡の研究

もし16歩14歩の交換が入っていたらこの図になります。

初手から76歩34歩16歩14歩26歩・・・どちらが飛を振るかの打診があったら、とかの場合です。先手が居飛車穴熊志向で77角、24歩同歩同飛25歩23飛

後手の飛の引き場所を変えます。88玉に13桂

これがねらいでした。17桂には15歩同歩16歩があるからと、78銀と備えても25飛同飛同桂

この図の評価値は-323の後手有利です。

実はここで

17桂はあるのです。15歩に26飛ならば16歩同飛25桂

11香にひもが付いているので後手有利です。 (22飛の形でも、16歩同飛23飛としておいて、26飛に16歩は後手ペースのようですから、この筋が成立するようです。)

また戻って

先手の正解は17桂15歩同歩16歩24歩

24同飛同飛同角14歩 (もし22飛の形ならば、24歩ではなくて14歩17歩成同香25桂14歩成24飛で互角)

17歩成21飛28飛

17香31金同飛成57角成

68金打58馬同金寄25桂

この図の評価値は0近辺の互角です。先手が悪くはないにしても、後手番振り飛車で互角ならば十分でしょう。

先手の対策としては

88玉ではなくて46歩13桂45歩

25飛同飛同桂44歩52銀

27飛24歩26歩

飛を自陣に打たされましたが、桂得にはなります。これで評価値は+100ほどの先手ペースです。

最初のほうに戻って、端歩の突き合いを前提にしていましたが、

ここで14歩を突いて、77角32金88玉24歩同歩同飛25歩23飛

98香には13桂で後手有利になります。16歩ならば最初の形に合流 (先手ペースで最善手) 。ここで46歩だと13桂45歩

25飛同飛同桂44歩52銀

28飛に49飛78銀46飛成でも互角ですし、24歩78銀15歩

26歩に17桂成を見るのもあります。評価値は0近辺の互角ですが、後手番なので満足でしょう。

というように、先手が居飛車穴熊志向ならば後手が戦える戦型です。32金を見て居飛車穴熊を放棄する (46歩とか36歩とか) ならば先手ペースの序盤ではありますが。

 

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SS3-2 急戦向い飛車(2)

2024-02-25 | 基本定跡の研究

後手は24歩同歩に同角とすることもできます。

先手は25歩を打たなくても良いわけですが、36歩42角

ここで25歩を打つかどうかを考えねばなりません。22飛成同金ではだめなので、23歩同飛同飛成同金46歩33桂

後手陣が危うい感じがしますが、41飛51金21飛成28飛という感じで困ってはいません。この図の評価値は0付近の互角です。

ちょっと工夫して

ここで46歩のほうを選ぶと、42角23歩同飛同飛成同金45歩・・・は先手良しになるのですが、33角とされると

飛交換には応じにくいです。25歩35歩

34銀~25銀が見えています。36歩同歩47金

とすれば何とか対応できて、34銀36金35歩26金

これでちょっと落ち着いて駒組に戻ります。評価値は+131なので先手ペースではありますが、先手が好んで指すものではないでしょう。

ということで先手はどこかで25歩を打つ方が良いのですが、後手はスムーズに42角の形になりましたから、33桂と使うことができます。

ここはつい37桂と対抗してしまいそうですが、35歩と攻められて

26飛36歩同飛25桂

25同桂同飛44角27飛成

ここで2通りに岐れますが、26飛同飛同角

この図の評価値は-320の後手有利。

戻って

32飛成同銀11角成のほうは

評価値は-278で後手良し。

なので先手は

ここで37桂以外を選ぶのですが、46歩が良いでしょう。25飛同飛同桂

飛交換は気になるのですが、45歩がぴったり。後手は変な応対をすると飛を打ち込まれたり、11角成が生じたりするので、52銀44歩33角ですが、先手は28飛の自陣飛車が好手です。

24歩26歩39飛

25歩36飛成48金

この図の評価値は+314の先手有利です。

ということで

46歩に25飛が成立せず、21飛16歩62銀・・・と駒組が続きます。

これくらいの図が想定です。評価値は+133ですが、後手が戦えないことはないでしょう。

この急戦向い飛車は、先手陣の形によっては成功します。アマチュア初段前後ならば知っている方 (それはもちろん向い飛車側) が有利になりやすく、攻める振り飛車が好きならば、研究しておくと面白いです。居飛車穴熊ばかり相手にして苦労しているならば、かなり楽しいかと思います。

 

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第250回名南将棋大会(弐)結果速報

2024-02-24 | 名南将棋大会

本日は第250回名南将棋大会(弐)を開催しました。第250回記念にチョコレートを配りました。甘い勝利?苦い敗北?の味でしょうか。楽しんでいただければ幸いです。

さて結果速報です。

G級優勝

佐藤翼さん

H級優勝

森巌さん

斉田賢治さん

I級優勝

北爪邦治さん

J級優勝

山本怜奈さん

K級優勝

大野清さん

奥田幸男さん

廣瀬孝さん

優勝された方々、おめでとうございます。

参加された皆様、ありがとうございました。

 

過去12回分の優勝記録です。

半分にして拡大します。

今日のトーナメント表の画像です。

 

 

 

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SS3-2 急戦向い飛車(1)

2024-02-24 | 基本定跡の研究

今度は後手から動くタイプの向い飛車を調べてみましょう。( 本来の意味で) 適当な定跡書がないので、どこかで読んだような気がする想定研究です。

先手が持久戦志向の場合に、後手は32金と上がります。これを見たら警戒したほうが良いのですが、居飛車穴熊に組むために77角としてみましょう。24歩同歩同飛

飛交換は後手陣に飛の打ち込みの隙が無いです。25歩22飛88玉45歩

66歩ならば44角36歩26歩

2筋が破られそうなので、46歩同歩同銀 (1歩持つため) 25飛37桂

27歩成25桂28と

飛の取り合いになりました。55銀22角65歩29飛78銀19と

ここで分岐ですが、23歩だと31角64歩52銀

この図の評価値は-195の後手良しです。

ちょっと戻って

64歩を先にすると、64同歩23歩

31角に64歩は先手ペースですが、55角同角65香

この図の評価値は-291の後手良しです。

先手は安易に居飛車穴熊に組もうとしてはいけないわけです。戻って

25歩22飛に88玉がまずい手でした。36歩と突いておきます。

これは後手の35歩~34銀~25銀という攻め筋を防いでもいます。45歩には24歩

24同飛が最善ですが、同飛同角11角成

この図の評価値は+215の先手ペース。玉が堅く、先に香を取っています。すぐに有利になるでしょう。

 

 

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SS3-1 向い飛車に急戦(2)

2024-02-23 | 基本定跡の研究

後手が中央位取りを拒否した場合は

46歩52金左37桂64歩45歩

45歩急戦が出現します。私の記憶があいまいですが、定跡書とか、実戦例があったはずです。45同歩には33角成同桂66角

44角同角同銀31角

21飛84角成63銀86馬

歩損せずに馬を作れるので先手ペース。でも評価値は+111しかないから、力戦振り飛車が好きならば後手が選んでも良いのでしょう。AIは42角77馬43金としてこれからだと言いますが、指しこなすのは難しそうです。

戻って

後手は64歩を突かないで、46歩52金左37桂84歩68金上74歩29飛83銀

こんな待ち方をするのもあります。先手は1歩損で45歩同歩33角成同桂66角44角同角同銀31角から馬を作ってもつまりません。AIの推奨手順は、55歩同歩45歩

54銀44歩同角46銀

72金56歩

ここで手が岐れますが、45歩 (の他に73桂や33桂もある) 55銀同銀同歩75歩

75同歩42飛24歩35歩

23歩成36歩32と28歩同飛37歩成

42と28と52と38と59銀49と62金

こんな寄せ合いで評価値は+140の先手ペースです。

四間飛車と向い飛車での、対急戦の違いがわかったでしょうか。

なお先手が持久戦を採用した場合は、引き角の系統 (四枚美濃、居飛車穴熊) が1手損になるかもしれません。それを見越して後手が向い飛車を選択することも考えられるでしょう。

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SS3-1 向い飛車に急戦(1)

2024-02-22 | 基本定跡の研究

今日からは向い飛車を取り上げます。まずは後手向い飛車に急戦から。

76歩34歩26歩44歩25歩33角48銀32銀56歩43銀58金右22飛

後手の雁木もあり得るので、玉の移動を後回しにしています。今は56歩を突かないで早繰り銀にする対雁木対策もあるし、早めに68玉としても対応できます。なのでこの形にする必然性もないのですが、早くに25歩33角を決めていると向い飛車にされる可能性はあります。

ここで指してはいけないのが68玉です。24歩同歩同角

77玉が最善ですが、68角成同玉28飛成でまずいですね。また24同飛同飛15角も25飛打の受けがあるので

やはりだめです。戻って

先手は68玉以外の手を選びます。57銀62玉68玉72玉78玉82玉36歩72銀96歩94歩46銀52金左35歩

右46銀急戦も選べます。後手は32飛とまわって受けると同じことになるので、後手四間飛車と同じ。詳細はSS1の四間飛車編を見てください。

また戻って

68銀62玉57銀左72玉68玉82玉78玉72銀96歩94歩36歩52金左

ここから左46銀急戦も選べます (山田定跡にはなりません) 。棒銀も選べます。これらは対四間飛車とほぼ同じです。

中央位取りで46歩~45歩とする形は少し得になるかもしれません。

この図になる前に、後手が42飛と戻せば1手損でした。 (四間飛車に中央位取りの項目を読み返してください。) 45同歩同桂44角

22飛が88角の射程に入っているので、角は44にかわすしかないです。57銀84歩48飛

ここで24歩だと54歩88角成同玉 (54歩には33桂成なので) 54銀44角

これで香を取れるので先手良しです。

ちょっと戻って

42飛と受けられるとまだ大変ですが、先手のねらいとしては47飛22角35歩同歩24歩同歩27飛

細かい攻めは続くのです。中央位取りは有力な選択肢になります。

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SS2-11 先手石田流に右四間飛車(12)

2024-02-21 | 基本定跡の研究

先手は57銀型にしたければ、玉の囲いを後回しにするのですが

後手はすぐに仕掛けます。65歩同歩88角成同飛33角

66角や77角はのちほど。98飛には65銀で、先手は55角を打って受けてみます。

後手は54歩、54銀、31金なども有力です。66歩を選び、68飛に55角同歩45角

受けは98角しかなく、67歩成同金56銀

56同銀は同角。その先の受け方はいくつかありますが、63歩同飛66歩79銀

69飛には86歩、56金には68銀不成です。63歩同飛が入っていなければ、69飛に (後手は持ち歩がないですから) 67角成同飛88銀成。この図の評価値は-640の後手有利。98角がひどいですね。

少し戻って

56同金は68飛成同銀56角

この図の評価値は-277の後手良しです。最善とされる79銀打51金右で評価値は改善されて後手有利になるので、すでに後手有利として良いのでしょう。

戻って

33角に66角と受けてみます。

66同角同銀65銀

65同銀同飛は飛の成り込みを防ぎにくく後手有利です。その評価値は-400ほど。なので57銀と引きますが、66歩68飛33角

後手は76銀をねらいます。55角と打てば同角同歩45角

すでに調べた順に合流します。後手有利。

また戻って

33角に77角の受けは、後手から角を交換しないで (先手から33角成同桂とするのは1手得) 、65銀68飛66歩

と抑え込みます。少し駒組を進めて

74歩同歩64飛

飛桂をさばく形を目指します。すでに評価値は-395の後手有利。

さらに戻って

最初の65歩を取らずに68飛と受けると

66歩に同角同角同銀79角

これは馬を作って後手の作戦勝ちになるパターン。

66歩を同銀ならば65銀

65同銀は88角成同飛65飛、飛の成り込みを防ぎにくい形でしたね。57銀88角成同飛33角

98飛には66歩、77角にも66歩、すでに調べた局面に合流します。

ということで先手の57銀型は、後手が歓迎できます。先手が三間飛車から石田流を目指すのは、後手が右四間飛車でかなり指しやすいことがわかりました。

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