第1問
あまり見ない攻め筋ですが。
A 55歩 B 35歩 C 85歩
第2問
穴熊ですから。
A 55同飛 B 34飛 C 84飛
第3問
飛車を取る前に嫌味を突いておきます。
A 88歩 B 46歩 C 36歩
第4問
やはり穴熊ですから。
A 59竜 B 58歩 C 88竜
20180530今日の一手
2月25日の名南将棋大会から、IさんとAさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。
一昨日の一手の回答
☆ 形勢判断をします。
先手の1歩得ですが後手に持ち歩があります。と金を作っている分だけ先手の駒得です。
玉の堅さは後手のほうが堅いです。
先手の攻め駒は(まだ後手玉の囲いに届いていませんが)67飛と持ち駒角で2枚。
後手の攻め駒は76飛49角で2枚。
総合すれば互角です。
☆ 大局観として
先手が と金を作り指しやすい中盤戦でした。後手は自玉が堅いからと持ち歩を駆使して飛角で攻め込んできたところです。2枚の攻めでしかないので簡単に受かるはずなのですが、ちょっと落とし穴があり、先手Aさんははまってしまいました。
どう受けるか、あるいは攻め合いにしたらどうか、という選択です。形勢は悪くないのですから、自然な応手を選ぶと間違いが少ないです。
× 48金左は部分的に自然な手であっても飛車を取られます。
67角成76銀同馬
先手玉は堅くなったけれど銀損ではまずいです。これはすぐにわかりますね。
× 実戦は48金右としたのですが
先手玉が薄くなるので自然な手ではないですね。受け駒としての能力が下がっています。後手の攻め筋は77飛成同桂27銀(17玉は16銀成28玉27成銀)39玉58角成
が必殺です。
Aさんは77飛成の時に気が付いて49金
角を取ったのですが、67竜同金69飛58角89飛成
二枚換えにされて、玉の堅さが違います。じり貧になってしまいました。
× 68金だと
67角成同金71飛
飛車の打ち込みがあるので歓迎できません。粘ることはできそうですが。
○ 受けとしては68飛は次善策という感じです。
58角成同飛67金には飛車を逃げておいてもまあまあですが、76銀58金67銀
王手金取りの筋があります。68金77角に66歩とすれば返せますが、66同角44銀56銀
形よく応じれば先手十分です。
後手としては68飛に67歩
のほうが筋が良いですが、歩切れになるので67同金71飛82角
飛車を追って先手が良くなっていきます。
67歩に78飛
と逃げると71飛48金左38角成同金88金
強襲される手が残ります。82角78金71角成69飛79歩
79同飛成は97角の意味です。先手が悪くはないものの67歩を取ってしまうほうが優ります。
× 69角と打つのは
持ち駒を使うほうが手堅い原則ではありますが、66歩を取りにくく、68飛77飛成同桂67銀
98飛58銀成同角同角成同飛67歩成
と金を作られて失敗です。
○ 76銀と飛車を取るのが自然な手で
58角成61飛成76馬71飛
銀を取らせて二枚換えにされていますが(後手としても銀を取るくらいしかない)、二枚飛車の返し技が厳しいのです。49馬21竜13玉11竜12金15歩
端玉には端歩で寄り筋です。19香も捨てて寄せてしまえばよいです。
○ 61飛成を先にしてみると
58角成76銀同馬71飛ならば前の変化に合流しますが、後手としては77飛成同桂58角成71飛31銀
というほうを選ぶでしょう。これも二枚換えで先手の駒損ですが、81桂91香を拾えますし、と金を寄せていくか新しく作ればよく、攻撃力に差があるので長くなっても先手が勝てるでしょう。
☆ まとめ
自然な受けは48金左なのですが、飛車を取られるので却下。48金右は不自然な受け(自玉が薄くなる)なので危ないのです。後手のねらいにはまってしまいました。
68飛は次善策で、とにかく角を打たれたらその筋から駒を逃げておくものです。58角成とか67歩とか嫌な筋はありますが、その先の対応を間違えなければ十分に指せました。
自然な攻めとして考えると、飛車を取って二枚飛車で反撃です。76銀から入って、金銀を取られても馬取りで飛車を設置できるので、後手玉を簡単に寄せられました。相手の言いなりのようでも自然な攻めというのは大きな結果を得られることが多いです。形勢が悪くない(形勢が良ければ好手になりやすい)というのが前提ですが。
20180528今日の一手
2月25日の名南将棋大会から、AさんとNさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。
一昨日の一手の回答
☆ 形勢判断をします。
先手の2歩得ですが、後手に持ち歩があるのでカウントせず、損得なしとみます。
玉の堅さは後手のほうが堅いです。
先手の攻め駒は88角25桂で2枚。
後手の攻め駒は84飛42角で2枚。
総合すれば後手もちです。
☆ 大局観として
先手陣は金銀バラバラですが、角筋を通して後手に銀を打たせたところです。銀を取れる/後手は逃げにくい のですから先手の駒得になるでしょう。
駒得ならば長期戦にするのが本筋です。金銀の連結を良くしたり、玉を固めたりしたいところなのですが、後手からは86角同歩同飛という攻め筋が見えますね。それを受けるか、甘受するかという判断が必要でしょう。激しい戦いにして間に合わないようにするという選択肢もあるのですが、先手玉は薄いので難しいところです。
後手玉が堅いけれど、駒得になりそうだから形勢互角以上になるという大局観で考えていきます。
△か× 58金は普通の手で
1手で金銀の連結が良くなって先手玉が堅くなります。86角同歩同飛
大丈夫でしょうか?駒得でも飛車を成られたらまずそうです。反撃筋は77角打87飛成35歩と攻めるのですが、65桂66角77歩
が角取りになります。34歩44銀45歩88竜44歩57角
66角を消されてしまうのでこれは先手失敗です。
77歩に33桂成から入って
33同銀34歩44銀に77桂
と工夫してみると、57金37玉88竜65桂47金同金
後手は36歩か28竜か79竜か、まだ後手玉が危険ではないので、後手に選択権があります。
途中57金を同金と取っても
88竜58金57角
でやはり66角を消されると面白くないです。57同角同桂成同玉39角48飛77竜
で寄せられてしまいそうです。
△ 37玉は28飛の横利きを通していて
86角同歩同飛77角打ち87飛成35歩44歩
というのはまあまあです。88角には28飛のひもも付いています。ただし先手玉の真上で戦っているので流れ弾に当たる可能性があります。
△ 78銀なら
87飛成がないので86角の筋は怖くないです。24歩33桂成同角同角成同銀
催促されて少し駒得の取引ですが、後手から66角が残ります。95角83飛74銀
と反撃に出ると、94歩83銀成95歩73成銀66角
というのは歓迎ではありません。
自陣角(77角)を打って
こういう図を目指せばまあまあです。
○ 75歩として
86角の筋を受けておくほうが良いでしょう。24歩33桂成同角同角成同銀
清算したときに66角がないです。後手から88角は遅いので、95角83飛74歩
(74歩では74銀でもよさそうですが、)先手陣の金銀がバラバラでも少し指しやすいでしょう。
後手としてはどうせ73桂を取られてしまうので65桂と跳ねて
58金24歩33桂成同角、という順を選ぶのですが、66歩
先手は角を交換せずに一応は桂を殺して(88角が浮いているので取り切るのはかなり先ですが)陣形整備しておくほうが堅実です。
なお後手が24歩の催促をしてこなければ
じっくり駒組みを進めて、79飛やら33桂成同桂74銀やらを見ておけば指しやすいです。
△ 実戦は66角として
81飛37玉44歩75歩65桂88飛
飛車も動員して8筋を守りました。陣形整備の後
55歩同角57桂成という筋を食らってちょっと指しにくくなりました。竜を作られてもまだ難しいのですが、玉の堅さに差があるので後手を持ちたい攻防が続きました。
最初の66角自体は後手に65桂を許し、それを取り切りにくいので少し損をしているのかもしれません。
△ 攻めるほうを見れば、先手から33桂成が自然なのですが
先のいくつかの変化で見たように、後手から24歩と催促されて取るほうが得なのです。
33同角同角成同桂95角
35歩同歩34歩は36桂で返せるので桂で取ってみました。83飛74銀65桂
65同銀88角ではつまりません。83銀不成に57角37玉79角成・・・というのは95角83銀が遊んでしまうので難しそうです。
また、後手は角を交換しないで銀で取っておく
のもあります。35歩同歩34歩44銀45歩36桂
という反撃があるからですが、36同銀同歩44歩
後手の37銀はまだたいしたこともなく、43歩成のほうが厳しいのでこれは先手よしです。
○ 攻めるなら35歩を先にして
桂を渡さないので35同歩34歩は明らかに先手有利です。12玉や31玉もつらいので、44歩くらいしか受けがなく、33桂成同銀34歩同銀44角
33桂35歩43銀66角81飛38飛
34歩が厳しくて先手優勢です。(74桂77角86桂に34歩)
後手が33桂ではなく33歩ならば
これくらいなのですが、(陣形整備してから)45歩の味が良いです。
☆ まとめ
受けの棋風だと86角の対応策から考えそうです。一番良さそうなのは軽く75歩だと思います。これは後手の角筋を止めていますし、73桂を攻める意味もあります。
駒得重視ならば33同桂成から考えますが、角交換(角桂と角銀の交換)というのが不安です。どうせ33銀は逃げられないのですから、催促された時に取るのが戦い上手というものです。
攻めとしては33銀を歩で取るほうがはるかに勝ります。だから35歩が本筋というもので、44歩と受けられた時に34歩か33桂成を比較検討すればよいでしょう。44歩ならば角交換にならない、先手の88角の方が後手の42角よりも働いているのですから好都合なのでした。
将棋の序盤では角が働くことが多いです。角の働きに差が出れば、働いている方が指しやすくなるものです。