名南将棋大会ブログ 名古屋

名南将棋大会告知や結果のほか、
将棋が強くなるための記事を書きます。
まずは将棋上達法則を見てください。

大山将棋問題集 20190131

2019-01-31 | 大山将棋研究
先手番大山先生の手を考えます。

第1問


後手のねらいを避けます。
A 65同歩 B 55歩 C 48飛

第2問


駒得ですが67歩成があるのでどうしたものか。
A 66同角 B 68飛 C 47飛

第3問


飛角取りが残っています。
A 68飛 B 77角 C 75角

第4問


57歩成に気をつけねばなりません。
A 58歩 B 64歩 C 61角

第5問


気持ちの良い手です。
A 64角 B 54金 C 48飛

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大山将棋研究(1147);三間飛車に65歩急戦(二上達也)

2019-01-31 | 大山将棋研究
今日の棋譜20190131
昭和39年6月、二上達也先生と第23期名人戦第6局です。

大山先生は先手三間飛車です。二上先生は早々と端の位を取りました。受けなかったから気合いなのでしょうが、作戦を練ってきた可能性もあります。

端の位を取ったのに急戦を目指すというのはちぐはぐです。

大山先生は67金~46銀で急戦に対応します。65歩の攻めには55歩もあります。棒銀ならできるかもしれませんが

二上先生は歩越し銀には歩で対抗、44歩と止めて

45歩の位取り、大山先生はすぐに反発して

65歩の急戦になりました。とりあえず角交換すると69角があるので

大山先生の48飛は自然な対応です。二上先生は7筋も突いて

55歩に86歩。4つ歩がぶつかるというのは珍しい図です。

二上先生は角をさばきますが

44歩を打つのは55角を引けなくなりますから良い感じがしません。

銀を追って、43歩を取るのは損なので

一度金を逃げてから、角取りにも構わず(逃げても仕方ないですが)43歩を払っておきました。でも67歩成(あるいは37角成~67歩成)はあったのかも。

角金交換で自陣に金を打つのは、駒損で粘っている感じで形勢は悪いです。

大山先生は弱気に付け込んで飛車をぶつけました。66飛81飛成は35桂もあるので先手よしか。二上先生としては88同飛成同角87飛から粘るのが最善だという気がします。

87歩に75角が利いて

8筋を押さえられてははっきり不利になりました。

大山先生が角を打つのがいかにも好手です。

6筋攻めを絡めつつ、角を切って

玉を引っ張り出して48飛。きれいに決まりそうです。46角の受けに

角飛を切って71角。詰めろ飛車取りです。

二上先生が勝てるのは入玉したときくらいですが

77金を打たれて望みはなく、と金を寄るのは形つくりです。

大山先生は45飛から金を取り

ここまで。

二上先生の序盤作戦がまずいのですが、こういう指し方がまずいと皆が理論的に気が付いたのはもう少しあとの時代だと思います。やってみれば難しい中盤で、少し悪いけれど粘ってみれば難しいのではないかと思ったのでしょう。大山先生は二上先生の心理を読んで派手に決めてしまった感じです。これで名人を防衛しました。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.40 棋譜ファイル ----
開始日時:1964/06/09
手合割:平手  
先手:大山名人
後手:二上達也8段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 7八飛(28)
4 8五歩(84)
5 7七角(88)
6 3四歩(33)
7 6六歩(67)
8 6二銀(71)
9 6八銀(79)
10 5四歩(53)
11 5六歩(57)
12 1四歩(13)
13 4八玉(59)
14 1五歩(14)
15 3八玉(48)
16 4二玉(51)
17 5七銀(68)
18 3二玉(42)
19 5八金(69)
20 4二銀(31)
21 2八玉(38)
22 5二金(61)
23 3八銀(39)
24 5三銀(42)
25 9六歩(97)
26 6四歩(63)
27 6七金(58)
28 7四歩(73)
29 4六銀(57)
30 4二金(41)
31 3六歩(37)
32 9四歩(93)
33 2六歩(27)
34 4四歩(43)
35 3七銀(46)
36 4五歩(44)
37 4六歩(47)
38 同 歩(45)
39 同 銀(37)
40 6五歩(64)
41 4八飛(78)
42 7五歩(74)
43 5五歩(56)
44 8六歩(85)
45 同 歩(87)
46 4五歩打
47 同 銀(46)
48 5五角(22)
49 3七桂(29)
50 4四歩打
51 3四銀(45)
52 7六歩(75)
53 同 金(67)
54 3三歩打
55 4三歩打
56 4一金(42)
57 2五銀(34)
58 6六歩(65)
59 6五金(76)
60 4三金(52)
61 5五金(65)
62 同 歩(54)
63 4五歩打
64 5四金打
65 6六角(77)
66 8六飛(82)
67 8八飛(48)
68 8七歩打
69 7五角(66)
70 8二飛(86)
71 6八飛(88)
72 6四歩打
73 8四歩打
74 4五歩(44)
75 6五歩打
76 5六歩(55)
77 6一角打
78 6三銀(62)
79 6四歩(65)
80 同 銀(53)
81 5五歩打
82 5三金(54)
83 4三角成(61)
84 同 玉(32)
85 4四歩打
86 同 玉(43)
87 4八飛(68)
88 4六角打
89 6四角(75)
90 同 銀(63)
91 4六飛(48)
92 同 歩(45)
93 7一角打
94 5五玉(44)
95 8二角成(71)
96 5七歩成(56)
97 7七金打
98 4七と(57)
99 4五飛打
100 5六玉(55)
101 4一飛成(45)
102 3八と(47)
103 同 金(49)
104 4九角打
105 4七金打
106 投了
まで105手で先手の勝ち

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20190131今日の一手(その823);玉頭戦の戦い方

2019-01-31 | 今日の一手

20190131今日の一手

10月6日の名南将棋大会から、HさんとOさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。


一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
先手の1歩得ですが後手に持ち歩があるので損得なしと見ます。
玉の堅さは少し後手のほうが堅いです。
先手の攻め駒は持ち駒角金で2枚。
後手の攻め駒は持ち駒角銀銀で3枚。

総合すれば後手もちです。

☆ 大局観として
ほぼ互角の局面で、後手に45歩を打たれたところです。47飛をさばかせないように打ったのですが、取ってよいでしょうか。飛車をさばけば3枚目の攻め駒になります。
玉頭位取りの将棋としてみると、持ち歩が4枚もあるというのが心強いです。飛車をさばき合って横からの寄せ合いにするのではなく、歩の手筋で後手玉を乱すという順が実現できれば良くなります。その前に金銀3枚が離れているので、何か対応策を考えたいのですが。


△ 45同飛と取ってみると

54角を打とうということは(両取りの見えない)私でもわかりそうです。でも53金45角62金同金42飛

両取りで返すことができ(こういうのは見えませんが)、72金打45飛成59飛

また両取りで飛車を打たれるというのは少し後手が良いのでしょう。

であれば41飛成

素直に飛車を成り込んで76角63金61歩62金同歩

31飛71金打66金58角成54角61銀

飛と銀銀の二枚換えは駒損ですが、21飛成か61竜か(これは寄せ合いで怪しい)で駒損は回復できます。
派手な変化が待っていますが、形勢としては互角に近いです。


△ 実戦は31角

後手の飛車をさばかせない角打でした。46銀同金58角

手筋で攻められましたが、これならば67銀打で有利のはず。それを67飛と逃げて同角成同銀46歩

飛角交換で駒損でもないのですが、31角の働きが悪くて、飛車を持った後手の攻めのほうがわかりやすいので後手有利です。

後手としては46銀同金に58角ではなく46同歩

46同飛には69銀79金打(79金には35角がある)78銀成同金86金

87銀打76金同銀69銀79金打・・・というのは金銀交換の繰り返しで千日手です。

先手は46同歩に67飛

と逃げるかもしれません。66歩同飛57銀という感じでこれも互角くらい。


○ 31角では角の働きが弱いので、53角のほうが普通です。

52飛44角成

というのは馬が守りに使えますし、63金も残っています。

53角に後手は61歩

など守ったほうが良さそうで、67金33桂48飛

歩を打ってもらえば66歩がないのでちょっとゆっくり指して模様が良いです。玉の堅さは逆転しています。


△ 55角は

同じように64歩を支えていて、11角成もねらえます。反面では45飛と取りにくくなっています。46歩同飛35角47飛38銀41飛成57角成

これは57金を取られても38銀が遊んでいるので難しいです。


△ 単に67金だと66歩

を打たれるのでちょっと嫌な感じです。66同金46歩67飛58銀53角

飛車を取られても先手玉が堅くなるのならば反撃してまあまあの形勢です。


○ 67金打のほうが堅くて

45飛をねらえるので守りだけの手ではないのです。33桂44角64飛33角成

というのは先手有利です。


△ 49飛と引くと

1手パスのようでも後手の64飛~69飛成を消しています(64飛に55角が利きます)。35角46歩同歩36歩26角46飛64飛

65歩に44飛で飛車交換か?形勢不明です。

△か○ 65角は

後手の54角を消しています。33桂に63金同金同歩成同飛83角成同玉65銀打

こういうのが玉頭戦ならではの戦い方です。少し駒損でも玉の堅さが大差で、74金をねらいます。(金銀と飛の交換ねらいですが、飛車を取って打ち込めば桂を取り返せそう。)実戦的な指し方です。


△ 54角も似ています。

64飛に72角成同銀65金

でもまだ後手玉は裸ではありません。44飛64歩62歩85歩46歩

これだとまだ難しいです。


△ 43角だと

33桂ならば54角成でまあまあ。65飛65歩44飛21角成46銀

は難しいです。


△ 65銀では

ちょっと薄い感じですが、後手の64飛を防ぎ、45飛をねらっています。後手からは86銀76金87銀打同金同銀成同玉69角

飛車を取ってしまう強襲か、

46歩同飛35角

と攻めるか。いずれにせよ先手玉がさらに薄くなるので好ましいとは思いません。


○ 85歩と打つのが

いかにも玉頭位取りらしい手です。85同歩84歩同銀63金同金同歩成同飛83歩同玉65角

一番きれいに決まるとこういう感じです。

後手としては85歩に64飛

で8筋を守るのですが、65歩44飛55角46歩49飛45飛84歩同銀83歩同金85歩93銀11角成

香を取ると84香と使えます。


△ 俗に63金と打ち込んで

後手玉を薄くするのもありそうです。63同金同歩成同飛64歩同飛65歩44飛55角41飛

11角成とするくらいで互角です。筋としては85歩同歩74歩同銀85銀

と攻めたいのですが、先手の玉頭も薄くなるので善悪不明です。


☆ まとめ
対抗型で玉頭戦になると価値観が変わります。互いの玉のまわりや玉頭にある盤上の駒の価値が高くなります。よって駒の損得の判断が変わってきます。
筋悪でも63金と打ち込んで相手の守りの金をはがすのが有効になります。すぐに決行してもあまり得ではないのですが、65角~63金~83角成という派手な手が有効でした。
先手は玉頭位取りで、76銀や77桂はそのための配置です。85歩同歩84歩と攻めていくのがねらいの順で、そのために持ち歩がたくさん欲しいのです。問題図では4歩もあるのですから強力でした。
守りのほうに重点を置いて、角を打って馬を作るとか、67金打とか、玉頭方面を手厚く指すのも良い手です。その後で玉頭から攻めれば良いのです。


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大山将棋問題集 20190130

2019-01-30 | 大山将棋研究
後手番大山先生の手を考えます。

第1問


先手のねらいを考えましょう。
A 74歩 B 84歩 C 13香

第2問


53と が見えているので。
A 74歩 B 44角 C 23飛

第3問


形勢不明にもっていきます。
A 28歩 B 23飛 C 42歩

第4問


急所の筋は?
A 66歩 B 74歩 C 38馬

第5問

馬取りで忙しそうなところですが、決め手になる順がありました。
A 39馬 B 68桂成 C 55銀



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大山将棋研究(1146);三間飛車に45歩急戦(二上達也)

2019-01-30 | 大山将棋研究
今日の棋譜20190130
昭和39年5月、二上達也先生と第23期名人戦第5局です。

大山先生の後手三間飛車です。

ここまでは今でも定跡どおり。この頃には22飛ではなく72銀に55歩同歩45歩同歩同桂44角54歩というのは知られていたのでしょうか。

左銀を使って攻めていくというのが今の(と言っても20年前か)定跡ですが、二上先生は攻める手段を見つけられず、47銀~29飛と待ちます。

左銀で端攻めをねらいました。

84歩で受けられたら66角~45歩。工夫しましたね。

65歩には75に角を出て

32飛を強いて継ぎ歩攻めです。

二上先生が指しやすい気がするのですが、26歩51角41馬(これ以外に何か待っておくものかも)62角42馬22飛31馬24飛では千日手です。

38銀は飛車にひもをつけた手ですが28歩を打たれ

形勢不明です。

二上先生が と金を作れば

大山先生は角銀をさばきます。

馬と金があるので二上先生の駒得ですが

43馬23飛52馬(54とで先手よしか?)22飛という千日手のような順があり

二上先生が手を変えました。

角を追って43馬ならば千日手回避ですが

53馬とは指しにくいところです。23歩から

馬飛の取り合いになりました。

54と を払われて、52飛というのが不思議な打ち場所です。

51から打っていれば21飛成が自然な駒得でしょう。

32飛成は44角で後手を引きます。角を打たれて

21桂を取ったのはいいけれど、7筋は弱点です。

位は消えて

後手玉が広く堅くなりました。

角を追ったら8筋を攻められて

桂交換になり

76桂を打たれた、というのは嫌なところです。金をはがされるのも88に駒を打たれるのも嫌ですね。でもここでは77金とするのが良かったようです。というのは

55桂を取られ

馬を切られて

詰めろ竜取りです。

76銀から馬取りで返しても、77銀から

平凡な寄せがあり、受けなしです。

難しい中盤から終盤で、形勢は互角か二上先生のほうが良いか、という局面が続いていました。次第に後手玉が堅くなって、最後は簡単に寄せられた、という流れです。二上先生は中盤で馬を大事にし過ぎたのかもしれません。受ける展開は苦手というわけではないけれど、攻めている方が力を出せるのでしょう。
大山先生のほうから見ると、少し悪いところでうまく粘りながらミスを誘うものだなあと感じます。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.40 棋譜ファイル ----
開始日時:1964/05/28
手合割:平手  
先手:二上達也8段
後手:大山名人
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 4四歩(43)
5 2五歩(26)
6 3三角(22)
7 4八銀(39)
8 3二飛(82)
9 6八玉(59)
10 4二銀(31)
11 7八玉(68)
12 6二玉(51)
13 5八金(49)
14 7二玉(62)
15 9六歩(97)
16 9四歩(93)
17 4六歩(47)
18 5二金(41)
19 5六歩(57)
20 5四歩(53)
21 3六歩(37)
22 8二玉(72)
23 3七桂(29)
24 2二飛(32)
25 6八銀(79)
26 7二銀(71)
27 4七銀(48)
28 6四歩(63)
29 2九飛(28)
30 6三金(52)
31 1六歩(17)
32 1四歩(13)
33 7七銀(68)
34 4三銀(42)
35 8六銀(77)
36 8四歩(83)
37 6六角(88)
38 8三銀(72)
39 4五歩(46)
40 6五歩(64)
41 7五角(66)
42 3二飛(22)
43 7七銀(86)
44 7二金(61)
45 2四歩(25)
46 同 歩(23)
47 4四歩(45)
48 同 銀(43)
49 2五歩打
50 同 歩(24)
51 同 桂(37)
52 2二飛(32)
53 3一角成(75)
54 2四飛(22)
55 3八銀(47)
56 2八歩打
57 同 飛(29)
58 3五歩(34)
59 4三歩打
60 4五銀(44)
61 4二歩成(43)
62 5六銀(45)
63 5二と(42)
64 5五角(33)
65 2九飛(28)
66 7四歩(73)
67 5三と(52)
68 7三金(63)
69 5七歩打
70 4五銀(56)
71 4二馬(31)
72 2三飛(24)
73 5二馬(42)
74 7五歩(74)
75 同 歩(76)
76 2二飛(23)
77 4三馬(52)
78 2三飛(22)
79 5二馬(43)
80 2二飛(23)
81 6一馬(52)
82 3六歩(35)
83 5六歩(57)
84 4四角(55)
85 4三馬(61)
86 3五角(44)
87 5四と(53)
88 5七歩打
89 6八金(58)
90 4二歩打
91 2三歩打
92 4三歩(42)
93 2二歩成(23)
94 5四銀(45)
95 5二飛打
96 7六歩打
97 同 銀(77)
98 3七歩成(36)
99 同 銀(38)
100 6三銀(54)
101 3二飛成(52)
102 4四角(35)
103 7七桂(89)
104 4七角打
105 2八飛(29)
106 2七歩打
107 同 飛(28)
108 5六角成(47)
109 2一と(22)
110 7四歩打
111 3六龍(32)
112 3八馬(56)
113 7四歩(75)
114 6四金(73)
115 8六歩(87)
116 7五歩打
117 8七銀(76)
118 7四金(64)
119 4五歩打
120 5五角(44)
121 5六歩打
122 6四角(55)
123 3三桂成(25)
124 8五歩(84)
125 同 桂(77)
126 8四歩打
127 5五桂打
128 5四銀(63)
129 7三歩打
130 同 桂(81)
131 同 桂成(85)
132 同 金(74)
133 2二飛成(27)
134 7六桂打
135 3九歩打
136 3五歩打
137 4六龍(36)
138 5五銀(54)
139 同 歩(56)
140 3七馬(38)
141 同 龍(46)
142 5五角(64)
143 7六銀(87)
144 同 歩(75)
145 5七龍(37)
146 7七銀打
147 8七玉(78)
148 6八銀(77)
149 同 金(69)
150 7七金打
151 9七玉(87)
152 8八銀打
153 9八玉(97)
154 6八金(77)
155 投了
まで154手で後手の勝ち


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大山将棋問題集 20190129

2019-01-29 | 大山将棋研究
先手番大山先生の手を考えます。

第1問


変わった序盤でしたが、ここからの待ち方は珍しかったはずです。
A 57銀 B 39金 C 27金

第2問


端を突き捨てたから当然次は、と思ったら違いました。
A 95同香 B 65歩 C 45歩

ここからは後手番二上先生の手を考えます。

第3問


指したい手がいろいろ見えますが。
A 59歩成 B 66角 C 59銀

第4問


受けたくもあるのですが、確実に攻めました。
A 57と B 55桂 C 47成銀

第5問


66角の利きで後手玉は詰まないのです。角取りにどうしましょうか。
A 52飛 B 55角打 C 39角打


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大山将棋研究(1145);四間飛車に持久戦(二上達也)

2019-01-29 | 大山将棋研究
今日の棋譜20190129
昭和39年5月、二上達也先生と第23期名人戦第4局です。

大山先生の四間飛車ですが、古い振り飛車のような感じです。67銀57銀と並べて6筋の攻めを受ける形か。

とりあえず金美濃にして

78銀のまま待機でした。二上先生は桂を跳ねても65歩の仕掛けができず、角筋を止めました。

銀を繰り替えて

銀矢倉へ。

大山先生も銀冠に組みました。

桂を跳ねて

矢倉の形を崩させます。

角のラインで攻めようということですね。45同歩ならば65歩です。

二上先生は5筋を突き捨ててから45歩を取りました。

桂をぶつけて銀を戻します。

大山先生は銀を前に出して

75歩って何でしょうね。63金を74に呼ぶ手を作り、4,5筋を攻めようということでしょうか。

二上先生は桂を打ち

銀で取ってもらえたので駒得です。大山先生は中央をねらい

角をかわされたら4筋にも手を付けますが

角をかわされて少し苦しいです。

それでも4筋にねらいをつけました。

二上先生は48歩から59歩成。59同角は57銀47飛66角~58銀不成か58歩か46歩をねらえます。

大山先生は端攻めで、その間に二上先生は67銀46角66角。

端は受からないので玉の早逃げです。

大山先生は桂を打ち込み

二上先生は中央から重く確実に攻めていきます。

金をはがされても55桂で返します。

大山先生は67飛のただ捨てです。67同桂成で攻めを遅らせた手筋ですね。角筋も通ったので

64角から52金。後手玉は狭いです。

金をぶつけて銀を入手しに行きました。でも66角の利きがあるので銀を取っても詰めろではないです。(これが敗着かも。)

角銀の取り合いで、まだ後手玉は詰まないのですが、66角を取れば詰み、2手すきですね。これで大山先生は勝ちだと判断したのですが、二上先生は39角打。39同金同角成同玉だと49飛28玉37金(37同玉に48飛成)と追われます。この角打をうっかりしたということなのでしょう。

角を取れず29玉に28歩。28同金には49飛の詰めろか。

18玉に17歩同玉29歩成と追いかけていって

金の質駒を取って詰めろ。これで投了です。

二上先生の終盤の冴えが見られました。やはりこれくらいの玉の堅さが力を出しやすいのだなあと感じます。
大山先生に第3巻でいっぱい並べた、だれも真似をしない振り飛車が出てきました。金銀を繰り替えて玉を固めるところまではうまいと思うのですが、金銀4枚で固めた後の指し方が苦手ではないかと思うのです。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.40 棋譜ファイル ----
開始日時:1964/05/18
手合割:平手  
先手:大山名人
後手:二上達也8段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 7八銀(79)
4 3四歩(33)
5 6六歩(67)
6 6二銀(71)
7 6八飛(28)
8 4二玉(51)
9 4八玉(59)
10 3二玉(42)
11 3八玉(48)
12 5二金(61)
13 2八玉(38)
14 5四歩(53)
15 5六歩(57)
16 1四歩(13)
17 1六歩(17)
18 7四歩(73)
19 4八銀(39)
20 7三桂(81)
21 7七角(88)
22 6四歩(63)
23 3八金(49)
24 6三金(52)
25 4六歩(47)
26 5三銀(62)
27 4七銀(48)
28 4二銀(31)
29 3六歩(37)
30 8五歩(84)
31 9六歩(97)
32 4四歩(43)
33 5八金(69)
34 4三銀(42)
35 2六歩(27)
36 4二銀(53)
37 4八金(58)
38 3三銀(42)
39 6七銀(78)
40 3一角(22)
41 5八銀(67)
42 2四歩(23)
43 3九金(38)
44 5二飛(82)
45 3七桂(29)
46 2三玉(32)
47 6九飛(68)
48 3二金(41)
49 4九銀(58)
50 4二角(31)
51 3八銀(49)
52 2二玉(23)
53 2七銀(38)
54 9四歩(93)
55 3八金(39)
56 8二飛(52)
57 2五歩(26)
58 同 歩(24)
59 同 桂(37)
60 2四銀(33)
61 2六歩打
62 5三角(42)
63 9五歩(96)
64 同 歩(94)
65 4五歩(46)
66 5五歩(54)
67 同 歩(56)
68 4五歩(44)
69 3七金(48)
70 3三桂(21)
71 同 桂成(25)
72 同 銀(24)
73 4六歩打
74 同 歩(45)
75 同 銀(47)
76 4四歩打
77 7五歩(76)
78 4五桂打
79 7四歩(75)
80 同 金(63)
81 4五銀(46)
82 同 歩(44)
83 5九飛(69)
84 4四角(53)
85 4六歩打
86 5八歩打
87 4九飛(59)
88 7六歩打
89 6八角(77)
90 5五角(44)
91 2五桂打
92 4二銀(33)
93 4五歩(46)
94 4八歩打
95 同 飛(49)
96 5九歩成(58)
97 1五歩(16)
98 6七銀打
99 4六角(68)
100 6六角(55)
101 1四歩(15)
102 3一玉(22)
103 1三歩成(14)
104 4一玉(31)
105 7五歩打
106 同 金(74)
107 4四桂打
108 5八と(59)
109 4七飛(48)
110 5六銀成(67)
111 3二桂成(44)
112 同 銀(43)
113 5三歩打
114 5五桂打
115 6七飛(47)
116 同 桂成(55)
117 6四角(46)
118 7四金(75)
119 5二金打
120 3一玉(41)
121 4六金(37)
122 6四金(74)
123 5六金(46)
124 3九角打
125 2九玉(28)
126 2八歩打
127 1八玉(29)
128 1七歩打
129 同 玉(18)
130 2九歩成(28)
131 1六玉(17)
132 1五歩打
133 同 玉(16)
134 1四歩打
135 同 と(13)
136 同 香(11)
137 同 玉(15)
138 5二飛(82)
139 投了
まで138手で後手の勝ち
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20190129今日の一手(その822);ゆっくり馬を作る

2019-01-29 | 今日の一手

20190129今日の一手

10月6日の名南将棋大会から、AさんとSさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。


一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
先手の桂損ですが竜を作っています。少し駒損です。
玉の堅さは同程度か。
先手の攻め駒は55竜と持ち駒角で2枚。
後手の攻め駒は持ち駒角金桂で3枚。

総合すれば後手もちです。

☆ 大局観として
問題図は45桂を取られたところなのですが、先手優勢から後手に粘られて難しい局面になっています。ここからは駒損を解消するか、攻め駒を増やすか。ここでちょっとでも得な手を探したいです。
後手の立場で見ると、22銀32金に働きがないので有利だとは思えないでしょう。


△ 実戦は51竜でした。71角を避けて62角と打たれました。

竜を自陣に引けば、問題図と比べて悪くはなっていないように思うかもしれませんが、手損で長い戦いです。駒損が響いてくるかもしれません。
ここで21竜31金同竜同銀54桂

と駒得をねらうつもりならば51竜の顔が立ちます。ただし後手の攻め駒が増えたので(左の金桂がさばけた)56歩同歩57歩と反撃されて難しいかもしれません。指したいような指したくないような順です。

実戦は42竜と交換して

42同金54角72金(34飛21角成37飛成も難しそう)に73歩成同桂74歩65桂

桂馬を跳ねさせたのがおかしくて、駒を取る21角成のほうが良かったのです。61飛に52飛

中央をねらわれて、やむなく65角同桂64桂と攻めても駒損です。後手が少しリードしているという状況は変わりませんでした。


○ 53竜ならば

62角には64竜72金77桂

左桂を攻め駒に使うことができます。62角の効果は薄いのです。

74銀と歩を払われて

52角83銀61角成72金85歩

はまあまあ手が続いている感触があります。


△ 64竜と歩を取ると

自然なようでも互いに持ち歩は豊富なのであまり意味はありません。後手に歩を打つところが増えたというマイナスがあります。72金に77桂

やはり左桂は使いやすいのですが、63歩65竜64角

先ほどの62角と比べて、64角のほうが使いやすい位置です。


○ ちょっと指しにくく感じますが53角と打つと

このままならば42角成同金62飛をねらっていますし、52飛には64角成があります(これを考えないと打ちにくい)。72金(72飛64角成は後手玉が薄い)に64角成

とするか

42角成同金51竜53角61飛71歩

二枚飛車は受け止められるのですが、21竜で駒損を解消しておくか、という選択です。
前者は桂損を竜馬でカバーしていて、後者は駒得だけど後手の飛車をさばかせた。どちらも先手が指しやすいです。


△ 51から角を打つと

72飛85歩74銀84歩73歩

玉頭を攻められるのですが決定打にはなりません。24角成には33角と合わせられるのでどうしたものか。


△ 角を打たずに85歩として

51角を見るほうが良いでしょう。74銀84歩73角

粘られて形勢は難しいですが。


△か○ ちょっとひねった感じもしますが、63角72歩54角成

と馬を作るのもあります。


△ 54角と打って

63角ねらいでも同じようですが、後手から65金を心配せねばなりません。45竜同飛同角では少し損なので、81角成同玉51竜

82玉に34桂

銀を取って73銀をねらえば先手優勢です。

つまり後手の65金は成立せず、74銀から

75歩83銀63角成

というくらい。悪くはないけれど7筋の歩の位置が下がったのは少し損です。


△ 何か待つならば77銀とかですが74銀

歩を払われて、銀を進出させていく(攻め駒にする)のではちょっと遅い感じです。


☆ まとめ
1手の感覚だけで言えば
51竜、53竜、64竜は一番働いている駒を移動するので効果は見えません。攻め駒が2枚のままなので寄せきることは難しいはずです。
51竜~21竜で駒損を回復するというのは感覚的に悪い手ではあるのですが、取った桂を使えるのならばまあまあ。
角を打って馬を作るのが無難で、竜馬2枚あれば(働いていれば)桂損でもまずまずと考えるところでしょう。後手の左翼の駒が使いにくいというのも計算に入っています。
ぼんやりした感じがしても、はっきりした手を指さないほうが良いこともあります。少しプラスの手を指して、相手のミスを待つ方が良いのです。
実戦の展開のように、一番働いている竜を、後手の飛と交換するというのは指したくない手です。攻め駒2枚では寄せきれないのです。



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大山将棋問題集 20190128

2019-01-28 | 大山将棋研究
先手番二上先生の手を考えます。

第1問


こういう時の手筋は?
A 22飛成 B 25歩 C 23歩

第2問


これもセットで覚えておいた方が良いです。
A 45歩 B 41飛 C 28飛

第3問


角の使い道を考えましょう。
A 43歩成 B 46角 C 16角


ここからは後手番大山先生の手を考えます。
第4問


ちょっと二上先生の意表を突いた手です。
A 62歩 B 66歩 C 37歩成

第5問


二上先生はこの取り方をうっかりしたのかもしれません。
A 73同桂 B 73同銀 C 73同金


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大山将棋研究(1144);向い飛車に位取り(二上達也)

2019-01-28 | 大山将棋研究
今日の棋譜20190128
昭和39年5月、二上達也先生と第23期名人戦第3局です。

大山先生は向い飛車です。このころは居飛車も指していたので二上先生は早く25歩を決めたのでしょう。

二上先生は6筋の位を取りました。

大山先生は24歩同歩同角。すぐに57角成は成立していないのですが

46歩に32金。これで普通の急戦向い飛車になってきました。45歩には33角か。

二上先生は45歩の時期をうかがっていたのですが、大山先生のほうから13角。22飛成ではなく23歩から飛車交換で

45歩というのが居飛車の攻め筋です。

22歩の感触が悪いので、先手が指しやすいか。

大山先生は桂を跳ねて27飛。迫力はありますがまだ怖くはないです。37桂同桂成同銀同飛成74桂という筋だってあるかもしれないくらいですが

二上先生は13竜から46角。これは28香の飛詰めろと金取りです。

桂香を取られても

46馬から桂を取れるので、飛と角金の交換ですから二上先生の駒得で有利です。

大山先生に攻められても受けに余裕があります。

55角は気持ちよいところですが

62桂の受けに64歩。これは64同歩43歩成同銀63歩というねらいです。

42歩の辛抱にも、75桂を打って63歩を実現し

ずいぶん良さそうに見えたのですが、62歩と合わせられました。62同歩成同金63歩同銀左同桂成同銀では角馬に当たってきます。桂を渡すと66桂打があるというのも気になります。

逆に63歩を打たれては少し失敗です。

さて37歩成をねらわれてどうするか。先手有利だけど決め手がわかりません。1本18歩が受けの筋だけど歩切れになります。

二上先生は65金から74金。寄せ合いに出ました。

金を捨てて74桂で寄っていれば良いのですが

92玉に18歩~27歩ではおかしいです。(こういう手は先に指しておくほうが良い。)飛は手に入りましたが

金を打たれて

端を攻めましたが馬桂を取られています。端歩を早く突き捨てておくのでしたね。

端攻めだけでは詰めろがかからず

手を戻したら

詰まされて終わりです。

二上先生が有利か優勢かというくらいまでいったのですが、すっきりとした寄せがわかりません。駒得だから受けておいても有利なはずですが。悪い手を指していないはずと思っても、寄っていないのですから、どれか悪い組み合わせだったということか。こういうのは焦りますね。
大山先生は開き直って寄せてみろという感じの指し方でしたが、それがうまくいきました。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.40 棋譜ファイル ----
開始日時:1964/05/09
手合割:平手  
先手:二上達也8段
後手:大山名人
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 4四歩(43)
5 2五歩(26)
6 3三角(22)
7 4八銀(39)
8 3二銀(31)
9 6八玉(59)
10 4三銀(32)
11 7八玉(68)
12 2二飛(82)
13 5八金(49)
14 6二玉(51)
15 5六歩(57)
16 7二玉(62)
17 5七銀(48)
18 8二玉(72)
19 9六歩(97)
20 9四歩(93)
21 6六歩(67)
22 7二銀(71)
23 6五歩(66)
24 2四歩(23)
25 同 歩(25)
26 同 角(33)
27 4六歩(47)
28 3二金(41)
29 3六歩(37)
30 1四歩(13)
31 6八銀(79)
32 1三角(24)
33 2三歩打
34 同 飛(22)
35 同 飛成(28)
36 同 金(32)
37 4五歩(46)
38 3三桂(21)
39 4四歩(45)
40 5二銀(43)
41 2一飛打
42 2二歩打
43 1一飛成(21)
44 4五桂(33)
45 4八銀(57)
46 2七飛打
47 1三龍(11)
48 同 金(23)
49 4六角打
50 2九飛成(27)
51 1三角成(46)
52 1九龍(29)
53 4六馬(13)
54 1七龍(19)
55 4五馬(46)
56 8四香打
57 5七銀(68)
58 2九飛打
59 5九香打
60 2五飛成(29)
61 3五歩(36)
62 同 歩(34)
63 5五角(88)
64 6二桂打
65 6四歩(65)
66 4二歩打
67 7五桂打
68 6四歩(63)
69 6三歩打
70 7四桂(62)
71 6四角(55)
72 3六歩(35)
73 3五歩打
74 6二歩打
75 同 歩成(63)
76 同 金(61)
77 7七桂(89)
78 6三歩打
79 4六角(64)
80 2六龍(25)
81 6五金打
82 3七歩成(36)
83 7四金(65)
84 4八と(37)
85 7三金(74)
86 同 金(62)
87 7四桂打
88 9二玉(82)
89 1八歩打
90 1六龍(17)
91 2七歩打
92 4六龍(26)
93 同 馬(45)
94 7一金打
95 9五歩(96)
96 4六龍(16)
97 9四歩(95)
98 7四金(73)
99 9三歩成(94)
100 同 桂(81)
101 9四歩打
102 5八と(48)
103 9三歩成(94)
104 8一玉(92)
105 5八金(69)
106 8七香成(84)
107 同 玉(78)
108 7八銀打
109 投了
まで108手で後手の勝ち

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