第1問
後手のねらいを避けます。
A 65同歩 B 55歩 C 48飛
第2問
駒得ですが67歩成があるのでどうしたものか。
A 66同角 B 68飛 C 47飛
第3問
飛角取りが残っています。
A 68飛 B 77角 C 75角
第4問
57歩成に気をつけねばなりません。
A 58歩 B 64歩 C 61角
第5問
気持ちの良い手です。
A 64角 B 54金 C 48飛
20190131今日の一手
10月6日の名南将棋大会から、HさんとOさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。
一昨日の一手の回答
☆ 形勢判断をします。
先手の1歩得ですが後手に持ち歩があるので損得なしと見ます。
玉の堅さは少し後手のほうが堅いです。
先手の攻め駒は持ち駒角金で2枚。
後手の攻め駒は持ち駒角銀銀で3枚。
総合すれば後手もちです。
☆ 大局観として
ほぼ互角の局面で、後手に45歩を打たれたところです。47飛をさばかせないように打ったのですが、取ってよいでしょうか。飛車をさばけば3枚目の攻め駒になります。
玉頭位取りの将棋としてみると、持ち歩が4枚もあるというのが心強いです。飛車をさばき合って横からの寄せ合いにするのではなく、歩の手筋で後手玉を乱すという順が実現できれば良くなります。その前に金銀3枚が離れているので、何か対応策を考えたいのですが。
△ 45同飛と取ってみると
54角を打とうということは(両取りの見えない)私でもわかりそうです。でも53金45角62金同金42飛
両取りで返すことができ(こういうのは見えませんが)、72金打45飛成59飛
また両取りで飛車を打たれるというのは少し後手が良いのでしょう。
であれば41飛成
素直に飛車を成り込んで76角63金61歩62金同歩
31飛71金打66金58角成54角61銀
飛と銀銀の二枚換えは駒損ですが、21飛成か61竜か(これは寄せ合いで怪しい)で駒損は回復できます。
派手な変化が待っていますが、形勢としては互角に近いです。
△ 実戦は31角
後手の飛車をさばかせない角打でした。46銀同金58角
手筋で攻められましたが、これならば67銀打で有利のはず。それを67飛と逃げて同角成同銀46歩
飛角交換で駒損でもないのですが、31角の働きが悪くて、飛車を持った後手の攻めのほうがわかりやすいので後手有利です。
後手としては46銀同金に58角ではなく46同歩
46同飛には69銀79金打(79金には35角がある)78銀成同金86金
87銀打76金同銀69銀79金打・・・というのは金銀交換の繰り返しで千日手です。
先手は46同歩に67飛
と逃げるかもしれません。66歩同飛57銀という感じでこれも互角くらい。
○ 31角では角の働きが弱いので、53角のほうが普通です。
52飛44角成
というのは馬が守りに使えますし、63金も残っています。
53角に後手は61歩
など守ったほうが良さそうで、67金33桂48飛
歩を打ってもらえば66歩がないのでちょっとゆっくり指して模様が良いです。玉の堅さは逆転しています。
△ 55角は
同じように64歩を支えていて、11角成もねらえます。反面では45飛と取りにくくなっています。46歩同飛35角47飛38銀41飛成57角成
これは57金を取られても38銀が遊んでいるので難しいです。
△ 単に67金だと66歩
を打たれるのでちょっと嫌な感じです。66同金46歩67飛58銀53角
飛車を取られても先手玉が堅くなるのならば反撃してまあまあの形勢です。
○ 67金打のほうが堅くて
45飛をねらえるので守りだけの手ではないのです。33桂44角64飛33角成
というのは先手有利です。
△ 49飛と引くと
1手パスのようでも後手の64飛~69飛成を消しています(64飛に55角が利きます)。35角46歩同歩36歩26角46飛64飛
65歩に44飛で飛車交換か?形勢不明です。
△か○ 65角は
後手の54角を消しています。33桂に63金同金同歩成同飛83角成同玉65銀打
こういうのが玉頭戦ならではの戦い方です。少し駒損でも玉の堅さが大差で、74金をねらいます。(金銀と飛の交換ねらいですが、飛車を取って打ち込めば桂を取り返せそう。)実戦的な指し方です。
△ 54角も似ています。
64飛に72角成同銀65金
でもまだ後手玉は裸ではありません。44飛64歩62歩85歩46歩
これだとまだ難しいです。
△ 43角だと
33桂ならば54角成でまあまあ。65飛65歩44飛21角成46銀
は難しいです。
△ 65銀では
ちょっと薄い感じですが、後手の64飛を防ぎ、45飛をねらっています。後手からは86銀76金87銀打同金同銀成同玉69角
飛車を取ってしまう強襲か、
46歩同飛35角
と攻めるか。いずれにせよ先手玉がさらに薄くなるので好ましいとは思いません。
○ 85歩と打つのが
いかにも玉頭位取りらしい手です。85同歩84歩同銀63金同金同歩成同飛83歩同玉65角
一番きれいに決まるとこういう感じです。
後手としては85歩に64飛
で8筋を守るのですが、65歩44飛55角46歩49飛45飛84歩同銀83歩同金85歩93銀11角成
香を取ると84香と使えます。
△ 俗に63金と打ち込んで
後手玉を薄くするのもありそうです。63同金同歩成同飛64歩同飛65歩44飛55角41飛
11角成とするくらいで互角です。筋としては85歩同歩74歩同銀85銀
と攻めたいのですが、先手の玉頭も薄くなるので善悪不明です。
☆ まとめ
対抗型で玉頭戦になると価値観が変わります。互いの玉のまわりや玉頭にある盤上の駒の価値が高くなります。よって駒の損得の判断が変わってきます。
筋悪でも63金と打ち込んで相手の守りの金をはがすのが有効になります。すぐに決行してもあまり得ではないのですが、65角~63金~83角成という派手な手が有効でした。
先手は玉頭位取りで、76銀や77桂はそのための配置です。85歩同歩84歩と攻めていくのがねらいの順で、そのために持ち歩がたくさん欲しいのです。問題図では4歩もあるのですから強力でした。
守りのほうに重点を置いて、角を打って馬を作るとか、67金打とか、玉頭方面を手厚く指すのも良い手です。その後で玉頭から攻めれば良いのです。
20190129今日の一手
10月6日の名南将棋大会から、AさんとSさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。
一昨日の一手の回答
☆ 形勢判断をします。
先手の桂損ですが竜を作っています。少し駒損です。
玉の堅さは同程度か。
先手の攻め駒は55竜と持ち駒角で2枚。
後手の攻め駒は持ち駒角金桂で3枚。
総合すれば後手もちです。
☆ 大局観として
問題図は45桂を取られたところなのですが、先手優勢から後手に粘られて難しい局面になっています。ここからは駒損を解消するか、攻め駒を増やすか。ここでちょっとでも得な手を探したいです。
後手の立場で見ると、22銀32金に働きがないので有利だとは思えないでしょう。
△ 実戦は51竜でした。71角を避けて62角と打たれました。
竜を自陣に引けば、問題図と比べて悪くはなっていないように思うかもしれませんが、手損で長い戦いです。駒損が響いてくるかもしれません。
ここで21竜31金同竜同銀54桂
と駒得をねらうつもりならば51竜の顔が立ちます。ただし後手の攻め駒が増えたので(左の金桂がさばけた)56歩同歩57歩と反撃されて難しいかもしれません。指したいような指したくないような順です。
実戦は42竜と交換して
42同金54角72金(34飛21角成37飛成も難しそう)に73歩成同桂74歩65桂
桂馬を跳ねさせたのがおかしくて、駒を取る21角成のほうが良かったのです。61飛に52飛
中央をねらわれて、やむなく65角同桂64桂と攻めても駒損です。後手が少しリードしているという状況は変わりませんでした。
○ 53竜ならば
62角には64竜72金77桂
左桂を攻め駒に使うことができます。62角の効果は薄いのです。
74銀と歩を払われて
52角83銀61角成72金85歩
はまあまあ手が続いている感触があります。
△ 64竜と歩を取ると
自然なようでも互いに持ち歩は豊富なのであまり意味はありません。後手に歩を打つところが増えたというマイナスがあります。72金に77桂
やはり左桂は使いやすいのですが、63歩65竜64角
先ほどの62角と比べて、64角のほうが使いやすい位置です。
○ ちょっと指しにくく感じますが53角と打つと
このままならば42角成同金62飛をねらっていますし、52飛には64角成があります(これを考えないと打ちにくい)。72金(72飛64角成は後手玉が薄い)に64角成
とするか
42角成同金51竜53角61飛71歩
二枚飛車は受け止められるのですが、21竜で駒損を解消しておくか、という選択です。
前者は桂損を竜馬でカバーしていて、後者は駒得だけど後手の飛車をさばかせた。どちらも先手が指しやすいです。
△ 51から角を打つと
72飛85歩74銀84歩73歩
玉頭を攻められるのですが決定打にはなりません。24角成には33角と合わせられるのでどうしたものか。
△ 角を打たずに85歩として
51角を見るほうが良いでしょう。74銀84歩73角
粘られて形勢は難しいですが。
△か○ ちょっとひねった感じもしますが、63角72歩54角成
と馬を作るのもあります。
△ 54角と打って
63角ねらいでも同じようですが、後手から65金を心配せねばなりません。45竜同飛同角では少し損なので、81角成同玉51竜
82玉に34桂
銀を取って73銀をねらえば先手優勢です。
つまり後手の65金は成立せず、74銀から
75歩83銀63角成
というくらい。悪くはないけれど7筋の歩の位置が下がったのは少し損です。
△ 何か待つならば77銀とかですが74銀
歩を払われて、銀を進出させていく(攻め駒にする)のではちょっと遅い感じです。
☆ まとめ
1手の感覚だけで言えば
51竜、53竜、64竜は一番働いている駒を移動するので効果は見えません。攻め駒が2枚のままなので寄せきることは難しいはずです。
51竜~21竜で駒損を回復するというのは感覚的に悪い手ではあるのですが、取った桂を使えるのならばまあまあ。
角を打って馬を作るのが無難で、竜馬2枚あれば(働いていれば)桂損でもまずまずと考えるところでしょう。後手の左翼の駒が使いにくいというのも計算に入っています。
ぼんやりした感じがしても、はっきりした手を指さないほうが良いこともあります。少しプラスの手を指して、相手のミスを待つ方が良いのです。
実戦の展開のように、一番働いている竜を、後手の飛と交換するというのは指したくない手です。攻め駒2枚では寄せきれないのです。