名南将棋大会ブログ 名古屋

名南将棋大会告知や結果のほか、
将棋が強くなるための記事を書きます。
まずは将棋上達法則を見てください。

大山将棋問題集 20180410

2018-04-10 | 大山将棋研究
先手番大山先生の手を考えます。

第1問


軽く受けましょう。
A 59角 B 67金 C 86歩

第2問


54金もあるのでちょっと忙しいのですが。
A 72歩 B 77桂 C 25歩

第3問


後手陣に隙ができました。
A 53歩成 B 24角 C 36銀

第4問


歩を入手したいです。
A 52同成銀 B 36銀 C 44成銀

第5問


一番厳しい手は?
A 32金 B 77角 C 54歩
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大山将棋研究(850);三間飛車に矢倉引き角棒銀(米長邦雄)

2018-04-10 | 大山将棋研究
今日の棋譜20180410
昭和61年3月、米長邦雄先生と第44期A級順位戦プレーオフです。

大山先生の先手三間飛車に米長先生は急戦かというところで33銀。

引き角にしました。それでも53銀と出るのは隙あらば玉頭位取りということか。

位取りを拒否されて64に銀を出ます。こう出るなら早繰り銀と呼ぶべきかもしれませんが、引き角棒銀に分類しておきます。

大山先生は7筋が薄いのですが、角を転回してけん制します。

互いに陣形を整備しました。対抗型なので矢倉よりは銀冠のほうが堅いと言えるでしょう。

73銀から84飛は米長先生が苦心している感じです。

互いに歩を交換して戦いが始まります。

大山先生の54歩は意欲的です。54同金同銀同飛65金が両取りにならないように角を引かれるとちょっと忙しいのですが

25歩同歩17桂、対抗型では珍しい桂馬の使い方です。相居飛車なら裏桂とも呼びますね。この図に見覚えがあります。米長の将棋ではなくて現代に生きる大山振り飛車で読んだのでしょう。

桂を跳ねて支えたら、玉の堅さがさらに差がつきました。

36歩に46角というのも調子が良いです。米長先生は気合重視、23歩とは打たないです。34金に

58飛は44銀狙いですが、43金は米長先生らしい力強い手ではありますが悪手です。23歩とか52歩とか62銀とか、別の受け方が必要でした。

角を切って52銀、これで困っています。

米長先生も勝てば名人挑戦ですから粘ります。

でも大山先生に良い手が多いです。1歩手に入れて33歩が利き

23角も粘りの手ですが、銀を出て好調です。

42歩には銀を捨てて と金と入れ替えます。

52飛成を防ぐ米長先生ですが

角を逃げるわけにはいきません。

駒損でもないのですが、玉の堅さが大違いです。攻撃力もないので辛抱するしかないところ。

大山先生の77角が厳しく、5筋を歩で乱して

32歩成から角を取りに行き

11角成。駒得しながら攻めているので優勢です。

米長先生は形も作れませんでした。粘りを選んでうまくいかなければ大差になるのは仕方ないです。

本局は作戦勝ちから積極的に動いて勝ちにもっていきました。
休養明けからの大山先生は好調で、63歳の名人挑戦者になりました。



#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.40 棋譜ファイル ----
手合割:平手  
先手:大山十五世名人
後手:米長邦雄十段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 7八飛(28)
4 8五歩(84)
5 7七角(88)
6 3四歩(33)
7 6六歩(67)
8 6二銀(71)
9 6八銀(79)
10 4二玉(51)
11 4八玉(59)
12 3二玉(42)
13 3八玉(48)
14 5二金(61)
15 5八金(69)
16 1四歩(13)
17 1六歩(17)
18 5四歩(53)
19 5六歩(57)
20 7四歩(73)
21 2八玉(38)
22 4二銀(31)
23 3八銀(39)
24 3三銀(42)
25 5七銀(68)
26 3一角(22)
27 8八飛(78)
28 5三銀(62)
29 3六歩(37)
30 6四銀(53)
31 5九角(77)
32 4四歩(43)
33 3七角(59)
34 4三金(52)
35 2六歩(27)
36 2二玉(32)
37 2七銀(38)
38 2四歩(23)
39 3八金(49)
40 3二金(41)
41 4八金(58)
42 7三銀(64)
43 4六銀(57)
44 8四飛(82)
45 5五歩(56)
46 同 歩(54)
47 同 銀(46)
48 7五歩(74)
49 同 歩(76)
50 同 角(31)
51 5四歩打
52 3一角(75)
53 2五歩(26)
54 同 歩(24)
55 1七桂(29)
56 7四飛(84)
57 7七歩打
58 2四銀(33)
59 2五桂(17)
60 3五歩(34)
61 2六歩打
62 3六歩(35)
63 4六角(37)
64 3四金(43)
65 5八飛(88)
66 4三金(32)
67 2四角(46)
68 同 金(34)
69 5二銀打
70 3四金(43)
71 4三銀成(52)
72 5二歩打
73 3六銀(27)
74 3五歩打
75 3三歩打
76 2三角打
77 2七銀(36)
78 8四飛(74)
79 4四銀(55)
80 4二歩打
81 5三歩成(54)
82 4三歩(42)
83 同 と(53)
84 6四角(31)
85 2九玉(28)
86 5三歩(52)
87 6五歩(66)
88 7五角(64)
89 7六歩(77)
90 2八歩打
91 同 玉(29)
92 4四金(34)
93 同 と(43)
94 同 飛(84)
95 7五歩(76)
96 4二銀打
97 7七角打
98 8四飛(44)
99 5四歩打
100 同 歩(53)
101 5三歩打
102 4三銀打
103 3二歩成(33)
104 同 玉(22)
105 2二金打
106 4一玉(32)
107 2三金(22)
108 同 金(24)
109 1一角成(77)
110 2四歩打
111 4六香打
112 投了
まで111手で先手の勝ち
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20180410今日の一手(その675);穴熊崩し

2018-04-10 | 今日の一手

20180410今日の一手

1月13日の名南将棋大会から、KさんとYさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。


一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
香と金の交換で、と金馬VS竜の作り合いですから先手の駒得です。終盤なので重視しませんが、ゆっくり指せるかもしれません。
玉の堅さは少し先手のほうが堅いでしょう。金金銀香VS金銀桂香の違いです。先手は玉が広く、後手は玉が深いという違いがあります。
先手の攻め駒は43馬25桂と持ち駒金銀で4枚。65飛や62と を使うこともできますが今は数えません。
後手の攻め駒は99竜と持ち駒角銀桂で4枚。
互いに攻め駒の数は十分にあります。

総合すれば先手有利です。

☆ 大局観として

直前に後手が24香と打ったのですが、これが甘い手です。桂馬を取って粘ろうということなのでしょうが、32銀と埋めておくべきでした。それだとじり貧なので攻防の感じで香を打ったとは言えるのですが、もう1手かけないと意味がないです。
後手からの攻め筋というのが見えにくく、58歩~59歩成ではかなり遅いのです。69角も金を逃げるか金銀を打ってしまえばよいです。
つまり先手玉は広くて、攻略されにくいわけです。

ということで後手玉の攻略を考えましょう。金銀2枚の穴熊は堅くないです。


× 自然な受けとしては26歩ですが

25香同歩26桂

ちょっと駒損していくというのは嫌です。


△ 実戦は34馬で

25香同馬33桂打ち43馬37歩

34歩を取ってしまったためにここに歩が利いてしまいました。後手は歩で手を稼げたわけです。37同金25桂打26銀

駒損ですが粘りに入ります。37桂成同銀58銀69歩

49銀成同銀97竜38銀打25桂打

手順に97桂を取られて駒損が広がっていく順ではじり貧で、粘りましたが寄せられてしまいました。

しばらく受けるつもりで33桂打に26馬

としてしまえばまだ悪くはありませんでした。


× 69歩は手堅いですが、

32銀53馬(34馬のほうがよいか)25香

となると先手の駒得が薄れています。まだ悪くはないけれど、後手からたいした攻めはなかったのですから、69歩を急ぐ意味もないでしょう。


△ 自然な寄せなら52と でしょう。

25香61飛成51歩42と

後手の51歩を同竜だと84角が嫌味な筋です。42同金同馬31銀打に15馬

15馬では51馬で寄せ合いなのかもしれません。これなら と金が消えても桂金の交換で25香を取れそうですから駒得で悪くはありません。(寄せになっていませんが。)


○ 63飛成は攻め駒を増やす手で

25香(攻め駒が減ったがまだ4枚)に32銀同金同馬31銀打

馬を逃げずに21馬同玉43桂

穴熊から後手玉を出してしまえば寄せやすいはず。42銀打31桂成同銀52と

馬は失いましたが、後手は金銀を持っていないので囲いを強化できません。先手楽勝です。


○ 厳しいのは33銀で

25香には清算しないで32金

と打ち込むのがかなり厳しいのです。詰めろですし、33銀をどちらで取られても31金が必至です。

後手は25香の余裕がなく、33同桂

くらいなのですが、33桂成同銀同馬22銀32銀

33銀31銀成43角

攻防に角を打たれましたが、63飛成53歩32金同角同成銀22金52竜

手順に竜を使って寄り筋です。


○ 33金だと

後手に金を渡す分だけ銀よりも劣ります。33同桂同桂成同銀同馬22銀32銀33銀31銀成22金

金を渡すと後手が粘りやすくなります。でも先手がゆっくり攻めれば(竜 と金を使う)悪いことはないです。


○ もう一つ厳しい寄せは32銀で

32同金同馬31銀打

当然馬は逃げず、21馬同玉33桂打

33同銀同桂成に32銀でも22銀(22銀打でも32銀)

これは後手玉が詰んでいます。33同桂成のところで後手に有効な受けがないのです。

後手が31銀打ではなく25香なら

いろいろありますが、22馬同玉63飛成

穴熊から引きずり出したほうが間違いないでしょう。後手はかなり受けにくいです。


○ 32金と打てば

やはり少し損です。でも32同金同馬31金の時に

(21馬ではだめですが)33銀32金同銀成

とすれば同じことになります。


△ 一路遠く42銀だと

42同金同馬31銀打52と

と金を使うのがスムーズだという主張です。58銀が後手の厳しい手で、58同金39角

18玉42銀同と28角打

これは必至です。

58銀を取らずに48金打

49銀成同金58金に39金

千日手を回避して受ける手があるのでまだ先手有利です。


△ 42金も同じようなことで

先ほどの変化は58銀48金打で金銀が入れ替わっていました。同じような手順で同じ図になります。



△ いきなり21馬はどうか。

かなり乱暴ですが、21同金33桂打31金32銀

というのは後手が受けなしになってしまいます。

後手は33桂打に32銀

と守って、21桂成同銀52と25香42と

というのは先手が悪くありません。


☆ まとめ

攻め駒が十分にあれば、金銀2枚の穴熊は堅くないということが分かったでしょう。
受けるには役に立つ馬ですが、馬を切るとか捨てるとかで穴熊の金銀と刺し違えてしまうのが有力な攻め方です。竜を切ることも多いでしょう。
こういうところはいつもの駒の損得と違うところです。穴熊の場合は大駒よりも金銀の価値が高いことが多いのです。(攻めの飛角より穴熊の金銀という意味です。相手の金銀の持ち駒も関係します。)
細かく言えば銀よりも金の価値が高いです。変化を考えるうえで、金を打ちこむと守りに使われるので、銀を打ちこんでしまうほうがわかりやすいです。

変化の中で何度かありましたが、穴熊の玉を引きずり出すと寄せやすいです。だから22馬とか21馬という手が有効になりました。







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