名南将棋大会ブログ 名古屋

名南将棋大会告知や結果のほか、
将棋が強くなるための記事を書きます。
まずは将棋上達法則を見てください。

SS1-12 右四間飛車(10)

2023-06-30 | 基本定跡の研究

四間飛車穴熊を検討しましょう。

4筋に手をかけないで、穴熊を優先する形から。68玉91玉だと45歩と仕掛けたくなるのですが

45同歩22角成同銀65角64歩

21角成31金は馬が死んでいます。二枚替えだけど指しにくそうで、83角成72金84馬33銀

この図の評価値は+11ほど、先手の得もない互角なのです。馬ができているだけの駒得では間に合わないのでしょう。45銀は47歩同飛28角の筋がありますから、66馬44銀と進むのでしょうが、互角だと指摘されて驚いた経験があります。

AIに聞くと

普通に駒組をして待ちなさいと。後手が穴熊に固めるならば

66角~77桂で端を狙う構えを作ります。35歩88銀32飛85桂36歩38飛

後手が動いてきても飛交換は歓迎のようで、端攻めをすれば玉の堅さで負けていることもないというのです。この図の評価値は+280でほぼ先手有利です。

AIは穴熊を重要視しません。形によっては有効ではあるのですが、駒組が片寄るのを良しとしないのでしょう。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

SS1-12 右四間飛車(9)

2023-06-29 | 基本定跡の研究

後手の囲い方の工夫を見ていきますが、その前に序盤早々に後手から動いてくる筋を調べておきます。

右四間飛車側は玉を囲ってからこの筋で動かれるよりは、居玉のままで対応できるようにしておくほうが良いです。代わりに47銀型、右四間飛車を明示するようになってしまいますが。なお後手番で右四間飛車を採用したい場合は84歩(飛先の歩)を保留して54銀型を急ぎます。

45同歩同飛には一度68玉と様子を見て、42飛ならば22角成同銀65角がありますね。

33角には77桂で大丈夫です。

戻って

45同歩同飛68玉に、62玉ならば22角成同銀56角

85飛78玉72玉47銀84飛48飛33銀36銀

後手の駒組の形によって、右銀は46~55と出ることもあります。先手の作戦勝ちです。後手は飛の動きが手損にしかなっていないので、対応に悩まされるでしょう。

また46歩の垂らしも気になるところですが、

58金右62玉22角成同銀56角

85飛78玉72銀88銀71玉77銀

後手の駒組を見つつ陣形を整えておいて、34角や36歩~37銀~46銀をねらいます。これも作戦勝ちになるでしょう。

もう一手待って、

47銀の形で後手が45歩から動くと、45同歩同飛に56銀

こう指したいから、居玉のまま56銀を優先するのです。(49金が浮きません。) 42飛ならば22角成同銀65角33角98飛

98飛で88銀とすると48歩を食らって終わるところでした。これならば序盤の駒得で先手有利になります。

42飛ではなくて85飛ならば

48飛42歩22角成同銀78銀

より安全に88銀でも良いです。この図は88角77角同角成同桂(88角ねらい)が気になりますが、飛を35に逃げれば44角、84に逃げれば66角から飛を取れます。(すると88角に89飛が利きます。) 結局は手得で先手有利になるのです。

後手としてはこの図で

飛の逃げる場所は46が最善のようですが、22角成同銀45歩

角打ちを温存して飛に蓋をしておくのが良さそうです。(65角を急ぐと33角を打たれて、88銀には48歩、98飛には26飛が厄介です。)

ということで、後手から序盤の駒組の前に動く順には対応できます。

右四間飛車側が後手番でも飛先の歩を保留すれば同じです。代償は76歩に84歩ではなくて、34歩(あるいは62銀)と指さなければならないことなのですが。対振り飛車の後手番でも急戦が可能だということは、アマチュアではかなり有効でしょう。

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

SS1-12 右四間飛車(8)

2023-06-28 | 基本定跡の研究

舟囲いの最後に、54歩型を調べておきます。(37桂型のほうですが)

これも案外に攻めにくくて、25桂に24角は後手の反撃力が少なくて先手良しになりそう。よって25桂22角45歩

と進みます。ここで35歩44歩同角同角同銀というのもあるようです(互角)。45同歩は22角成同飛77角42飛11角成

後手から反撃力が低いので、桂を取らせない32銀12馬37角22馬をAIは最善と読んでいます。

評価値は+70の互角です。

戻って

24歩44歩同銀

が本筋のようです。ただし44同角を選んで同角同銀31飛32飛86角成71角

という図も難しいです。評価値は+132で、45銀53銀54銀同銀41飛成・・・で先手良しになりそう。

また脇にそれてしまいましたが、戻って24歩44歩同銀の図です。

45歩53銀では攻めにくいので、45銀同銀22角成同飛45飛25歩

41飛成も42飛とぶつけられるので、77角42飛同飛成同金のほうが少し得ですが、

この図の評価値は-151、後手もちです。先に桂を取られているからでしょうか。22飛41歩12飛成に49飛か65銀で終盤に入ります。

舟囲いでの右四間飛車急戦はここまで。四間飛車側は十分に対応できています。右四間飛車側は玉を固めてから攻めることもできるので(優秀です)、あれこれ見ていきたいと思います。

なお振り飛車の囲いは美濃囲いしかないでしょう。穴熊では攻めつぶされるでしょうし、耀龍四間飛車のような72玉62金型では玉が薄すぎます。でも言葉だけではわかりにくいですかね。これらを先に見ておきましょうか。なので舟囲いがもう少し続きます。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

SS1-12 右四間飛車(7)

2023-06-27 | 基本定跡の研究

裏桂の続きです。

12香ではなくて54銀としたらどうなるか。25桂に22角以外は考えなくて良いでしょう(先手は36歩12香としてから攻めても十分に戦えますから)。45歩同歩22角成同飛88角

角は遠くから打っておきます。すると45銀には42飛くらいしかありません。

66角や27角の場合は42飛ではなくて65銀とかわされるのが面倒なところでした。54銀48飛成同金54歩41飛

自然に進めた図で、評価値は+170、先手もちです。48金が離れてしまいましたが、11角成で香を取れるのも大きいからでしょう。後手は54銀よりも12香を優先した方が良いのでした。

最後は12香と54銀の組み合わせです。

25桂22角(ここも24角には36歩で十分)45歩同歩22角成同飛44角

52飛11角成

と進んだ局面は、後手から37角を打てないので、評価値は+482で先手有利。21馬と45銀のねらいがあります。

ということで昨日やった43銀+12香の形が後手の最善でした。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

SS1-12 右四間飛車(6)

2023-06-26 | 基本定跡の研究

右四間飛車側の工夫として、裏桂があります。

15角と逃げられる筋と37角を打たれる筋を避けているので、かなり工夫した感じがあります。24歩を突かれても25歩から攻めれば良いだけで先手にとってプラスです。後手は54銀か12香か。この場合は12香のほうが意味がありそうです。25桂22角

24角とかわしても、後で46角と出た手が19香を取れないから、これまでの結果からも角は22へ引くものでしょう(11角もあり得ますが)。45歩24歩44歩同銀

銀で取るほうから検討してみます。45歩に35銀とかわせるのが37歩の形だからなのですが、22角成同飛66角23飛

飛の逃げる場所は23が一番良いようです。11角成25歩12馬24飛25歩同飛34馬

ほぼ必然の手順が続いて、29飛成35馬19竜

ここで一段落です。評価値は+150の先手ペース。桂銀交換で少し駒得、玉の堅さは同じくらいでしょうか。攻め駒は3対4ですからこれからの戦いではあります。

後手としては途中の44同銀ではなくて44同角

のほうが良いようで、44同角同銀45歩35銀に33角

桂を取られる前に攻めるのはこれしかないようです。33同桂同桂成41飛44桂

重い攻め方ですが、こういう展開になることも多いです。42金の受けもあるけれど、62金寄32桂成11飛22成桂64角

37角成は受けにくいので、11成桂37角成12成桂48馬同金46銀

この図の評価値は-293で後手良しです。先手の裏桂(端桂)はうまくいきません。

細かいところを探すようですが、明日は後手の待ち方のどれが良いかを検討して、舟囲いの形を終わりにします。(振り飛車から見ると良い形を1つ知っていれば良いですが、右四間飛車側からはチャンスかもしれません。)

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

残念なお知らせ

2023-06-25 | 名南将棋大会

今日の名南将棋大会中に盗難事件が起こりました。6月17日の江南将棋大会でもあったと聞きましたから、連続窃盗事件です。

今日の状況から考えるに、犯人は参加者あるいは見学者に限られます。再発する恐れがありますので、注意喚起しておきます。

 

将棋大会主催者さま

現金は体から離してはいけません。瞬間でも気が抜けたところで盗まれるかもしれません。

 

将棋大会参加者さま

同様に、現金は身に着けておいてください。近くのカバンの中にあるからと安心してはいけません。尻ポケットも怪しいですよ。

今日の賞金は後日お渡しします。

 

犯人へ

窃盗も連続だと罪が重くなります。人生を踏み外さないでください。指紋が残っているかもしれません。

 

私へ

警察の事情聴取、参考のための指紋採取の経験を4万円余りで体験できました。いい経験だと思いましょうか。

 

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

第242回名南将棋大会(弐)結果速報

2023-06-25 | 名南将棋大会

本日は第242回名南将棋大会(弐)を開催しました。結果速報です。

F級優勝

山田大翔さん(写真を撮り忘れました、すみません。)

G級優勝

荒島栄一さん

H級優勝

近藤悟さん

寺本浩二さん

長谷川智也さん

I級優勝

松岡好美さん

加藤了さん

(写真を撮り忘れました、すみません。)

J級優勝

村瀬賢二さん

K級優勝

船山松平さん

水谷光さん

奥田幸男さん

優勝された方々、おめでとうございます。

参加された皆様、ありがとうございました。

 

トーナメント表の画像です。

過去12回の優勝記録です。

半分にして拡大します。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

SS1-12 右四間飛車(5)

2023-06-25 | 基本定跡の研究

本道となる変化は見ましたが、脇道が残っているので片付けましょう。

12香の代わりに54銀とされたら。16歩12香が入ればこれまで見た通り、最善で応じられると後手良しでした。ここで仕掛けると、25桂に15角

というのが気になる手だとされていました。(だから16歩を突いて待っていた。) 16歩26角47飛24歩

13桂成同香27歩で角を殺すと35桂

35同歩同角と進むのですが、その局面は難しく、評価値は+62、かなり手が広いです。先手はこの変化を気にしなければならないかも。

実はここでも25桂に22角が難しいのです。

45歩同歩22角成同飛77角12飛

45銀37角か、33桂成同桂同角成37角と進むのでしょうが、この局面の評価値は-197で後手良しです。四間飛車側は12香の前に54銀としてもかまわないということなのですね。

もう一つ、52金左よりも12香を優先した形はどうでしょうか。25桂の仕掛けに

15角は16歩26角47飛24歩13桂成

同様に13同香と取るのですが、すると12香と上がった1手が無駄になるのです。27歩35桂同歩同角15歩

12飛55銀同銀同角

こんな進行例ですが、評価値は+373で先手有利に大幅改善しています。52金左と締まっているかどうかの違いだけなのですが。

ゆえにこの図から

従来は24角45歩同歩11角成31金

こうやって受けるものだとされていました(評価値は0付近)。でもAIで確認すると、

24角には16歩と突いておいて、

52金左に45歩と攻めれば先手もちだと、そう言われるとなるほどです。評価値は+93ほどなのですが、前に調べた変化に持ち込めれば評価は上がります。後手としては52金左ではなくて14歩とか32金とかで待つのでしょうか。

ということもあり、ここでも後手の最善は25桂に22角なのでした。

45歩同歩22角成同飛44角

飛取りで53角成もあるので、52飛11角成24歩21馬25歩

後手の飛の位置が違うので、先手の攻めは続きます。45銀37角54銀48角成同金54歩44歩

評価値は+95で先手良しには届かないのですが、まあまあの進行です。

後手から見ると52金左>54銀≧12香くらいの優先度なのでしょう。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

SS1-12 右四間飛車(4)

2023-06-24 | 基本定跡の研究

25桂からの仕掛けに24角は先手良しのようなのですが、

他には22角もあります。(11角は利点がないです。) 従来の定跡は45歩24歩44歩25歩45銀

先手は桂歩交換なのですが、44歩の取り込みが大きくて攻めが続きます。34銀の進出もあるので、45同銀同飛54銀25飛44角

後手は銀を打って角をさばきます。ここは従来21飛成88角成同銀49飛成95歩

として先手良しとされていました。評価値は+261です。

戻ってこの図から

自然に44同角同飛21飛成49飛成59金寄

19竜は46角~74桂で終わります。42竜95歩

竜を引かせて端を攻めるほうが良いというのです。55角88銀19角成94歩92歩15角

端を詰めたらゆっくり攻めなさいと。評価値は+566ではっきり先手有利です。

最初に戻って、45歩に24歩ではなくて45同歩が難しいです。

22角成同飛までは必然で、45銀には37角が厄介です。

評価値は-298の後手良しです。

となれば45銀ではなくて66角とか

角を打つわけですが、42飛11角成24歩21馬25歩

この図の評価値は-171、先手は思わしくありません。

他には42飛に11角成ではなくて33桂成

33同桂同桂成37角49飛64桂

66桂56桂54桂同歩56歩46歩

こんなところでしょうか。評価値は-224で後手良しです。歩切れで4筋の歩を伸ばされているのがおもしろくないですね。

あれこれ調べると、従来の定跡書にはない手順が出てきたり、結論が変わったり。でもまあ舟囲いでの右四間飛車急戦は難しいという結論自体は同じです。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

SS1-12 右四間飛車(3)

2023-06-23 | 基本定跡の研究

舟囲いから右四間飛車の急戦の続きです。この仕掛けから

24角45歩同歩以外に、45同銀も有力な変化です。

45同銀同歩には33銀

この場合は11角成だと46歩~47銀が厳しいから、先手は急いで攻めなければならないのです。銀を打ち込むのは駒損ですが、33同桂同桂成41飛32成桂43飛55桂

変化の余地はありません。44飛63桂成

飛金銀取りですね。ここでやっと選択肢が出てきます。

74飛52成桂同金。もし先手の仕掛けが1手遅れていて(後手番で仕掛けたとか、49飛などと待ったとか)、後手が64歩を突いてあればこの形にはなりません。この図では先手としては75金しかなくて、75同飛46角49飛

評価値は+62で互角です。先手は駒得だけど後手に攻め駒が多いから難しいです。

あるいは戻って75金に54飛と逃げて

45飛44歩47飛

44同飛同飛同角もあり得ます。45桂46歩38銀48飛37桂成

38飛同成桂55銀

この図の評価値は+72、74歩54銀75歩55角73銀打65銀・・・と続くみたいですが、やはり難しい形勢でです。先手が指せないこともないか。

あれ、待ってください。

72飛に52成桂だと思い込んでいましたが、AIによると72成桂同金65銀

このほうが良いみたいです。評価値は+232、先手良しとして良いでしょう。金を取って75金よりも筋が良いのですね。75同飛と取られることもないですし、54飛もありません。46角74銀同歩11飛

先手の駒得、玉の堅さで優り、攻め駒が少ないですが、19角成45飛は十分で、63金左に33角成としておけばよいようです。従来の定跡が変わりました。

また65銀に84飛は

45飛44歩同角

44同飛同飛55角41飛成51金21竜99角成88銀

98馬には25歩があるので、馬を切って暴れるしかないようですが、評価値は+437の先手有利です。

ということは74飛がだめならば、戻って63同金44角ですが

この図の評価値は+412、先手有利なのです。そうか45同銀は先手良しになるのでしたか。振り飛車は昨日の変化を考えるしかなかったのだとわかりました。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする