☆ 昨日の復習
先手番大山先生の次の手は?
☆ 今日の棋譜
昭和53年10月、勝浦修先生と第11回連盟杯争奪戦です。
大山先生の四間飛車に勝浦先生は急戦で
65歩を狙います。これは振り飛車が56歩を突いていないとやりにくくて
玉頭銀が嫌なのですが、(この場合は36歩を待って64歩なので)45銀には33金で銀が死にます。
大山先生は銀を右に引いて、勝浦先生は角頭を狙って開戦です。
大山先生はちょっと変わった受け方で、歩を交換して
銀を戻しました。57の歩を手持ちにするために3手かけた計算です。
勝浦先生の44歩は角筋を二重に止めてしまったので失敗した感じです。飛車を回られて少し困りました。
右桂を使えそうですが、飛車交換です。
65桂だけでは手にならないので、角を使うのですが、45同桂に
銀桂交換でから4桂では25銀で受けられるので
うまくなさそうですが、33桂から45桂はさすが。
うまくさばいたのですが桂損です。
端攻めに大山先生は駒得なので手堅く受けます。
左の角銀桂が働いていないのでここは我慢。
そして54歩から13竜と回る手を見ていたのですね。これで香が受かりません。
でも竜が左翼からいなくなったので、勝浦先生は77歩から飛車を打ち込んで勝負。ここで大山先生が不思議な指し方です。43歩から
玉をぐるっと追いかけて桂を打ち
竜を72に持って行って
角を引く。あれ?飛車が死にました。気がつかない手順です。
勝浦先生は飛車を捨てて中段玉から角筋で先手玉に迫りますが
大山先生は竜を使って角を食いちぎり
投了図。勝浦先生は戦力不足です。
大山先生が手損しているので、勝浦先生は満足していたと思いますが、44歩は間に合わず、飛車交換で振り飛車よしに見えました。その後は駒得で端を謝ってしまえばよいのかと思ったのですが、左の角銀桂が遊んでいるので大変です。実はずっと形勢は難しくて、勝浦先生が上手く指しているのです。
敗着は72竜を実現させたことで、61竜に62歩の合駒(94手目)が悪くて、53玉51竜63玉61竜は連続王手、仕方なく78の銀を逃げて難解なのでした。
形勢判断を含めて不思議な将棋です。私には飛車交換の前に44歩は悪い手に見えるのですが、勝浦先生は45歩から13角を見せて78飛からの飛車交換を強要し、指せるとみていたんでしょうか。奥が深いです。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.30 棋譜ファイル ----
手合割:平手
先手:大山十五世名人
後手:勝浦修8段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 7八銀(79)
4 3四歩(33)
5 6六歩(67)
6 6二銀(71)
7 6八飛(28)
8 4二玉(51)
9 4八玉(59)
10 3二玉(42)
11 3八玉(48)
12 5二金(61)
13 2八玉(38)
14 5四歩(53)
15 6七銀(78)
16 7四歩(73)
17 3八銀(39)
18 1四歩(13)
19 1六歩(17)
20 4二銀(31)
21 5八金(69)
22 5三銀(42)
23 4六歩(47)
24 4二金(41)
25 3六歩(37)
26 8五歩(84)
27 7七角(88)
28 6四歩(63)
29 5六銀(67)
30 5五歩(54)
31 4七銀(56)
32 5四銀(53)
33 9八香(99)
34 9四歩(93)
35 9六歩(97)
36 5三銀(62)
37 3七桂(29)
38 7五歩(74)
39 同 歩(76)
40 7二飛(82)
41 5六歩(57)
42 同 歩(55)
43 同 銀(47)
44 7五飛(72)
45 4七金(58)
46 5五歩打
47 6七銀(56)
48 4四歩(43)
49 7八飛(68)
50 6五歩(64)
51 同 歩(66)
52 7三桂(81)
53 8八角(77)
54 7八飛成(75)
55 同 銀(67)
56 8六歩(85)
57 同 歩(87)
58 4五歩(44)
59 同 桂(37)
60 同 銀(54)
61 同 歩(46)
62 4六歩打
63 4八金(47)
64 2四桂打
65 2五銀打
66 3三桂(21)
67 2四銀(25)
68 4五桂(33)
69 7二飛打
70 2四歩(23)
71 7三飛成(72)
72 1五歩(14)
73 同 歩(16)
74 1六歩打
75 2九桂打
76 1五香(11)
77 1八歩打
78 4四角(22)
79 5四歩打
80 同 銀(53)
81 1三龍(73)
82 7七歩打
83 同 角(88)
84 7九飛打
85 4三歩打
86 同 金(52)
87 1二龍(13)
88 4一玉(32)
89 2一龍(12)
90 5二玉(41)
91 6四桂打
92 6三玉(52)
93 6一龍(21)
94 6二歩打
95 7二龍(61)
96 5三玉(63)
97 8八角(77)
98 5六歩(55)
99 7九角(88)
100 5五角(44)
101 3七桂(29)
102 4四玉(53)
103 7六龍(72)
104 3五歩(34)
105 5六龍(76)
106 3七桂成(45)
107 同 銀(38)
108 4五銀打
109 5五龍(56)
110 同 銀(54)
111 2六銀(37)
112 投了
まで111手で先手の勝ち
先手番大山先生の次の手は?
☆ 今日の棋譜
昭和53年10月、勝浦修先生と第11回連盟杯争奪戦です。
大山先生の四間飛車に勝浦先生は急戦で
65歩を狙います。これは振り飛車が56歩を突いていないとやりにくくて
玉頭銀が嫌なのですが、(この場合は36歩を待って64歩なので)45銀には33金で銀が死にます。
大山先生は銀を右に引いて、勝浦先生は角頭を狙って開戦です。
大山先生はちょっと変わった受け方で、歩を交換して
銀を戻しました。57の歩を手持ちにするために3手かけた計算です。
勝浦先生の44歩は角筋を二重に止めてしまったので失敗した感じです。飛車を回られて少し困りました。
右桂を使えそうですが、飛車交換です。
65桂だけでは手にならないので、角を使うのですが、45同桂に
銀桂交換でから4桂では25銀で受けられるので
うまくなさそうですが、33桂から45桂はさすが。
うまくさばいたのですが桂損です。
端攻めに大山先生は駒得なので手堅く受けます。
左の角銀桂が働いていないのでここは我慢。
そして54歩から13竜と回る手を見ていたのですね。これで香が受かりません。
でも竜が左翼からいなくなったので、勝浦先生は77歩から飛車を打ち込んで勝負。ここで大山先生が不思議な指し方です。43歩から
玉をぐるっと追いかけて桂を打ち
竜を72に持って行って
角を引く。あれ?飛車が死にました。気がつかない手順です。
勝浦先生は飛車を捨てて中段玉から角筋で先手玉に迫りますが
大山先生は竜を使って角を食いちぎり
投了図。勝浦先生は戦力不足です。
大山先生が手損しているので、勝浦先生は満足していたと思いますが、44歩は間に合わず、飛車交換で振り飛車よしに見えました。その後は駒得で端を謝ってしまえばよいのかと思ったのですが、左の角銀桂が遊んでいるので大変です。実はずっと形勢は難しくて、勝浦先生が上手く指しているのです。
敗着は72竜を実現させたことで、61竜に62歩の合駒(94手目)が悪くて、53玉51竜63玉61竜は連続王手、仕方なく78の銀を逃げて難解なのでした。
形勢判断を含めて不思議な将棋です。私には飛車交換の前に44歩は悪い手に見えるのですが、勝浦先生は45歩から13角を見せて78飛からの飛車交換を強要し、指せるとみていたんでしょうか。奥が深いです。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.30 棋譜ファイル ----
手合割:平手
先手:大山十五世名人
後手:勝浦修8段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 7八銀(79)
4 3四歩(33)
5 6六歩(67)
6 6二銀(71)
7 6八飛(28)
8 4二玉(51)
9 4八玉(59)
10 3二玉(42)
11 3八玉(48)
12 5二金(61)
13 2八玉(38)
14 5四歩(53)
15 6七銀(78)
16 7四歩(73)
17 3八銀(39)
18 1四歩(13)
19 1六歩(17)
20 4二銀(31)
21 5八金(69)
22 5三銀(42)
23 4六歩(47)
24 4二金(41)
25 3六歩(37)
26 8五歩(84)
27 7七角(88)
28 6四歩(63)
29 5六銀(67)
30 5五歩(54)
31 4七銀(56)
32 5四銀(53)
33 9八香(99)
34 9四歩(93)
35 9六歩(97)
36 5三銀(62)
37 3七桂(29)
38 7五歩(74)
39 同 歩(76)
40 7二飛(82)
41 5六歩(57)
42 同 歩(55)
43 同 銀(47)
44 7五飛(72)
45 4七金(58)
46 5五歩打
47 6七銀(56)
48 4四歩(43)
49 7八飛(68)
50 6五歩(64)
51 同 歩(66)
52 7三桂(81)
53 8八角(77)
54 7八飛成(75)
55 同 銀(67)
56 8六歩(85)
57 同 歩(87)
58 4五歩(44)
59 同 桂(37)
60 同 銀(54)
61 同 歩(46)
62 4六歩打
63 4八金(47)
64 2四桂打
65 2五銀打
66 3三桂(21)
67 2四銀(25)
68 4五桂(33)
69 7二飛打
70 2四歩(23)
71 7三飛成(72)
72 1五歩(14)
73 同 歩(16)
74 1六歩打
75 2九桂打
76 1五香(11)
77 1八歩打
78 4四角(22)
79 5四歩打
80 同 銀(53)
81 1三龍(73)
82 7七歩打
83 同 角(88)
84 7九飛打
85 4三歩打
86 同 金(52)
87 1二龍(13)
88 4一玉(32)
89 2一龍(12)
90 5二玉(41)
91 6四桂打
92 6三玉(52)
93 6一龍(21)
94 6二歩打
95 7二龍(61)
96 5三玉(63)
97 8八角(77)
98 5六歩(55)
99 7九角(88)
100 5五角(44)
101 3七桂(29)
102 4四玉(53)
103 7六龍(72)
104 3五歩(34)
105 5六龍(76)
106 3七桂成(45)
107 同 銀(38)
108 4五銀打
109 5五龍(56)
110 同 銀(54)
111 2六銀(37)
112 投了
まで111手で先手の勝ち