名南将棋大会ブログ 名古屋

名南将棋大会告知や結果のほか、
将棋が強くなるための記事を書きます。
まずは将棋上達法則を見てください。

大山将棋問題集 20180416

2018-04-16 | 大山将棋研究
先手番大山先生の手を考えます。

第1問


じっと力をためておきます。
A 45歩 B 54歩 C 57銀

第2問


どうにか手を作れました。
A 35歩 B 78飛 C 53歩成

第3問


これで勝負です。
A 73角成 B 47金 C 34歩

第4問


これでわかりやすくなりました。
A 35歩 B 34銀 C 15角

第5問


38金を催促しているのです。
A 66角 B 35歩 C 26桂
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大山将棋研究(856);三間飛車に65歩急戦(宮坂幸雄)

2018-04-16 | 大山将棋研究

今日の棋譜20180416
昭和61年4月、宮坂幸雄先生と第12期棋王戦です。

大山先生の先手三間飛車なのですが、宮坂先生は桂馬を跳ねて65歩急戦を狙いました。

53銀左~55歩同歩65歩というのが普通の攻め筋ですが、先手三間飛車だと47金が間に合うので無理だ、というのが常識です。宮坂先生は53銀左とせずに5筋の歩を交換して

1歩持てば75歩があります。67銀が普通の受けで、後手65歩。これなら手になるか。

角を交換して22角を打って66角

交換して66銀の形にして、86歩同歩87歩。87同飛には67角があります。これも1歩持っている効果ですね。

ただし87歩が重いので後手が成功したとも思えません。大山先生の55角も味が良く

33桂に54歩と垂らしておきます。宮坂先生は88歩成では遅い、と67角です。

大山先生は75歩同歩74歩のほうがわかりやすい手なのですが、3筋の桂頭を狙いました。これで58角成同金は大歓迎です。

だけど飛車を取ってもらえないと35歩から攻めてもうまくいかないのです。ここでどうするかが悩ましい。

59飛78馬58飛は千日手ねらいのような微妙な手順です。宮坂先生も千日手を好む人ではありませんから、88歩成は自然な手です。(だけど68歩だったのかも。)

大山先生は2手パスしたのですが、35歩、同歩に34歩同馬88飛があるという寸法です。宮坂先生は35歩に68歩と我慢して

馬で34の地点を守るのですが、大山先生は得意の袖飛車になりました。

それでも形勢は不明です。さてここで宮坂先生は77桂を取ったのですが、54歩34歩同馬35銀同馬同飛34歩同飛77と、とするほうが優りました。

早く桂を取ったために、左銀と馬の交換になったのがミスです。

大山先生は67と を無視して桂頭(玉頭)を攻めます。

後手玉はかなり不安定ですが

先手玉も威張れたものではありません。宮坂先生は48銀がどうだったか。早く攻められるのですが、銀を渡します。69歩成~59と~49と~48と はかなり遅いのですが、どこかで自玉に手を入れつつ、駒を渡さないで攻めて行ったらどうか、というのが代案です。

大山先生の15角が攻防で

48銀57と を消去できました。

宮坂先生の47金の両取りでは遅いのです。大山先生の玉頭攻めが再開します。

攻防の飛車を打たれましたが

34歩を払われた時に

詰み筋が生じていました。33玉34歩同飛22銀としていけば詰みます。

大山先生らしい指し回しではありましたが、33桂を攻めるのはうまくいかなかったはずでした。宮坂先生にいくつかミスがあり、というか大山先生が難しい局面に持ち込んでミスを誘ったせいかもしれませんが、結構難しい終盤です。もし1筋を突き合っていたら結論が変わるのかも。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.40 棋譜ファイル ----
手合割:平手  
先手:大山十五世名人
後手:宮坂幸雄8段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 7八飛(28)
4 8五歩(84)
5 7七角(88)
6 3四歩(33)
7 6六歩(67)
8 6二銀(71)
9 6八銀(79)
10 4二玉(51)
11 4八玉(59)
12 3二玉(42)
13 3八玉(48)
14 5二金(61)
15 2八玉(38)
16 5四歩(53)
17 5六歩(57)
18 7四歩(73)
19 3八銀(39)
20 6四歩(63)
21 5八金(69)
22 7三桂(81)
23 8八飛(78)
24 4二銀(31)
25 4六歩(47)
26 5五歩(54)
27 同 歩(56)
28 同 角(22)
29 4七金(58)
30 3三角(55)
31 6七銀(68)
32 6五歩(64)
33 同 歩(66)
34 7七角成(33)
35 同 桂(89)
36 2二角打
37 6六角打
38 同 角(22)
39 同 銀(67)
40 8六歩(85)
41 同 歩(87)
42 8七歩打
43 5八飛(88)
44 8六飛(82)
45 5五角打
46 3三桂(21)
47 5四歩打
48 6七角打
49 3六歩(37)
50 5三歩打
51 5七金(47)
52 8九角成(67)
53 6四角(55)
54 7六飛(86)
55 5九飛(58)
56 7八馬(89)
57 5八飛(59)
58 8八歩成(87)
59 3五歩(36)
60 6八歩打
61 3四歩(35)
62 同 馬(78)
63 4七銀(38)
64 8七と(88)
65 3八飛(58)
66 3五歩打
67 3六歩打
68 同 歩(35)
69 3五歩打
70 4四馬(34)
71 3六銀(47)
72 7七と(87)
73 5五銀(66)
74 6七と(77)
75 4四銀(55)
76 同 歩(43)
77 5三歩成(54)
78 同 銀(62)
79 3四歩(35)
80 5七と(67)
81 3三歩成(34)
82 同 銀(42)
83 2五桂打
84 3四歩打
85 3三桂成(25)
86 同 玉(32)
87 7三角成(64)
88 7九飛成(76)
89 5九歩打
90 4八銀打
91 2五銀(36)
92 2二桂打
93 1五角打
94 2四桂打
95 4八金(49)
96 同 と(57)
97 同 角(15)
98 4七金打
99 3五歩打
100 4三玉(33)
101 5五桂打
102 3二玉(43)
103 3四歩(35)
104 3八金(47)
105 同 玉(28)
106 3五飛打
107 3七桂(29)
108 3四桂(22)
109 3三歩打
110 同 玉(32)
111 3四銀(25)
112 同 玉(33)
113 2六桂打
114 投了
まで113手で先手の勝ち

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20180416今日の一手(その678);受けの原則

2018-04-16 | 今日の一手

20180416今日の一手

1月13日の名南将棋大会から、YさんとAさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。


一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
角と飛の交換で、どちらが得とも言えません。
玉の堅さは先手のほうが堅いですが(守りの桂を跳ねているかどうかの違い)後手のほうが深いです。同程度と見ておきましょう。
先手の攻め駒は持ち駒飛1枚。
後手の攻め駒は69角58角で2枚。

総合すれば互角です。

☆ 大局観として
後手は攻め駒2枚だけですが、57歩の拠点を生かして角2枚を打ち込んできました。2枚だけでは無理な攻めだと思います。
後手の穴熊は堅くはないのですが、まだ手がついていません。手がつけば早いので、しばらく耐えて、54歩~53歩成などの攻めを間に合わせたいです。どう受けましょうか?


○ 自然な受けは58角を取ります。58同銀から見てみます。

58同歩成同飛ではすっきりしていますから、78角成に57銀

57飛で歩を払うのは66金が嫌味なので銀で払っておきます。
77馬54歩99馬48銀

金桂香と飛歩の交換で少し損なのですが、後手が歩切れなので53歩成を受けにくいです。先手玉のほうが堅いということもあって、やや先手が指せるのだと思います。

後手の有力な変化は57銀の時に飛車を取るのですが

56同銀76飛46飛

銀取りを飛車で受けて、35金43飛成56飛53角

これも金銀と角の二枚換えで駒損なのですが、穴熊に手がつけば先手が指せそうなのです。61金72銀35金という駒が遊んでいるのが原因です。


○か△ 58同金はどうか。

58同歩成同飛同角成同銀59飛

49銀左45桂53角

31角成同銀41飛という攻め方ができます。後手が金を埋めれば攻撃力が下がります。だから駒得の少し先手が指せそうです。


△ 57飛として

拠点の歩を払うのもありそうです。49角成同銀45桂

だけど後手に3枚目の攻め駒ができました。58飛57金53角

これで難しそうなのですが先手玉も薄いので、自信のある寄せ合いではありません。


○ 48金とかわしてみると

次は57飛があります。45桂46歩も後続がないですから、67角成同金78角成57金上

45桂とか68銀とか、まだ後手から攻める手があるのですが、歩切れなので受けやすいです。しっかり守っておいて54歩~53歩成か、駒をもらえば53角から寄せていきます。先手有利。


× 少し悪いと見れば自陣飛車を考えます。79飛だと

47角成同銀同角成38角

これならつぶれるということはありません。

あるいは最初の47角成の時に69飛として

69同馬に54歩

58歩成同飛52歩なら歩切れにさせた、という受けもあります。後手は受けないで攻め合いかもしれませんが、形勢は互角です。

ですが、79飛には78角成があります。

78同銀しかなく68金が両取りみたいなものです。57飛と応じれば

76角成56飛75馬59飛寄78金54歩48銀

結局は銀を取られて二枚換え、78金は遊んでいるものの、これでは思わしくありません。


△ 飛車を打つなら59飛

としておけば、78角成同銀68金に58金

角を取って清算することができますから、78角成の筋は無理で、47角成のコースに絞られます。


△ あるいは68飛と打っても

47角成しかないので同じようなことになりそうです。


× 実戦は54歩で

無視して寄せ合いに出ました。47角成同銀同角成

53歩成56馬同銀59飛67角58金

これは食いつかれた感じです。38角と打って防戦しますが、49金同角右48銀

47飛58歩成

これは58同角引だと49銀不成の時に困ります。48飛49飛成同飛同と

と金を払っても48飛で駒を取られてしまいます。受けきれませんでした。

先手としては53歩成のところで26飛

と逃げておくほうが難しいのですが、48金同銀同馬38金58歩成

というのは少し不利です。



☆ まとめ

受ける場合には
先に受けるほうが手堅い
持ち駒を打つ方が手堅い

という原則があります。原則だけで例外もあるでしょうし、セオリーまではいきませんが。
実戦のように一回54歩と攻めの手を指した後で受けるのでは、受けにくくなります。

持ち駒を打つ方が手堅いのですが、飛車しかないので、自陣飛車に抵抗がある方(攻めが好きだから)が多いかもしれません。でもほかの手でつぶれているのならば仕方ないです。

実は素直に58同銀や58同金でも悪くはありませんでした。後手の攻め駒がまだ2枚だけだったというのが理由です。
それならば後手の57歩が消えることになります。放置して47角成を許すと、後手に持ち歩ができるというのとは大きな違いがあります。
駒得になる反面、先手陣が薄くなるわけですから、後手から駒を取り返す手段があります。その時に54歩~53歩成か、53角~31角成という寄せ合いで勝負します。

一番良い受け方は48金でした。47角成や49角成を受けたというわけです。左の金銀を相手にしてもらえば、遊び駒が少なくなります。こんな手があっては、後手の2枚の角打は失敗でした。

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