第1問
これがちょっと機敏な手でした。
A 73桂 B 72飛 C 62金
第2問
68銀は疑問手です。
A 85桂 B 42角 C 65歩
第3問
4筋の受け方は?
A 42歩 B 45歩 C 28角
第4問
どう対応しますか?
A 31玉 B 12玉 C 22同金
20180331今日の一手
1月6日の名南将棋大会から、NさんとHさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。
一昨日の一手の回答
☆ 形勢判断をします。
先手の銀桂歩歩得です。(後手歩切れなので歩もカウントします。)
玉の堅さは後手のほうが堅いです。
先手の攻め駒は持ち駒飛角銀銀桂で5枚あります。
後手の攻め駒は59飛54角と持ち駒金で3枚。
総合すれば先手有利です。
☆ 大局観として
先手の劣っているところは玉の堅さだけです。なので守りに手を入れるのが本筋ではあるのですが、桂香を拾われると駒得が少なくなります。だからもう少し良い手を探したいのです。
後手からの79金は78銀と打てばまだ大丈夫。先手玉は薄くても逃げるルートがあるのです。
だから固めるだけの手のほかを考えてみましょう。形勢が良いので良さそうな順がいくつかあります。
△ 実戦は68銀打でした。
一目はこう打つのが自然に見えますよね。だけど29飛成とされて、65桂が気になって66歩19竜
香と金歩歩の交換ですからまだ駒得で、玉が堅くなっているので確実に有利ではあるのですが、この後は49歩69金に67銀
ちょっと手の調子が悪いですね。先に78銀と埋めておけば手堅かったし、ここで銀を逃げる価値が小さいです。85桂78銀77桂成同桂68金79銀同金同玉49竜69金76角と進行して
駒得はほぼ消えてしまいました。後手の攻め駒は5枚、後手玉に手がついていないのですから逆転されています。
△ 金取りを受けるとしたら66金と逃げてどうか。
先手玉は薄いままではありますが、79金78銀19と31飛29飛成51と71金52と
という進行ならば、後に後手玉を追ったときに75金で捕まえられるということになりそうです。
後手は79金を打たなければ、19と31飛に21金
という粘りがあるのです。先手は31飛を打てなければ、17桂か42金か22飛か、というくらいで、明快ではありません。先手有利は間違いないですが。
○ 46角と打てば
金取りを受けて74桂を狙える攻防の手です。後手は92玉では端を攻められますし、71玉も74桂同歩82銀以下寄せられてしまいます。金を使うしかないですが、64金などは(21金が無くなるので)31飛~51と が厳しいです。
64歩同角63金というのが受けの手筋ですが74桂
と捨てたほうが明快です。(角を引いていても有利ですが。)74同金53角成27角成51と
と金を使えば簡単に寄りそうです。(駒を渡しすぎないようにしなければいけませんが、どこかで68銀打を入れればよいです。)
○ 75角も攻防で
64歩同角63金なら46角と同じ順になります。64金66角29飛成31飛65桂51と
金を打たせれば31飛から攻めることができます。65桂も後手の攻め駒が減っているので怖くはないです。
△ 31角はひねった感じで
57飛成53角成27角成51と ならば寄せられます。
だけど31角に62金打
というのは後手玉が堅くなっています。68銀打か66金からゆっくりでしょう。
○ 78銀と打って
金取りを受けなくても良いのです。57飛成に75角
から53角成を実現できます。ということは29飛成で
65桂があるので66歩か66金でゆっくりということになり、68銀打の形よりも堅くなっているのではないかと思います。
× 攻める手としては31飛なのですが21金
があるというのは前の変化の中でも出てきました。
× 51と と捨てて
51同金31飛41歩
でも21金が残ります。11飛成とできて、57飛成は怖くない、とは言えるのですが と金を捨てているのでもったいないです。
○ 21金を避けるために55歩と突いて
27角成に21飛
というのはあるかもしれません。57飛成51と71金52と48竜78銀
後手玉は詰めろです。金を打って と金と交換する(ここで61金打か、最初の51と を同金同飛成61金か)ならば、先手の駒得(と金は失いましたが)を保ったまま、中途半端な57金がさばけた(78銀と入れ替わった)ということになります。
△ 66桂でも同じような意味で
27角成の時に打った桂馬が働くことになるかもしれません。でも57飛成54桂同歩68銀
問題図から見れば金桂と角の交換です。後手に攻め駒が多くなったので自陣に手を入れてどうか、というところです。
○ 95歩はどうか。
後手が歩切れなのでかなり厳しくなっています。つまり手抜きで57飛成94歩58竜78銀
後手玉は詰めろです。受けは84金くらいしかなく、93桂同桂51と
51同金93歩成同香同香成同玉99香95歩91飛
というのが狙いの寄せです。
後手が95歩を取れば、93歩同香94歩同香86桂
93金には85銀、84金には75銀です。端に手がついていれば68銀打29飛成を入れておいてもよいでしょう。
☆ まとめ
なにも考えないと銀を打ちそうなところですが、実質1手で飛車を打ち込まれて桂馬を取られるというのはマイナスです。(これが空成りならば良いのですが。)
もう少し欲張りたいところで、
金にひもを付ける攻防の手はないか、というのが46角です。
金を取らせても後手玉を寄せればよいのですが、31飛に21金があるので考え込みます。55歩と角を追ってから21飛で寄せ合い勝ちです。
端を攻めると反動が怖いですが、先手の持ち駒が豊富なので優勢になる順を見つけやすいです。
欲張りたい=もっと駒を取りたい という意味ではなく、もっと良い手はないかな?と探すのです。
攻防の手や厳しい寄せを探してみましょう。
20180329今日の一手
1月6日の名南将棋大会から、MさんとFさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。
一昨日の一手の回答
☆ 形勢判断をします。
角桂香と飛銀の交換は損ですが、(竜馬のほかに)と金を作っています。先手の駒得と見ておきます。
玉の堅さは先手のほうが堅いです。
互いの玉の囲いに向かっているものを数えて
先手の攻め駒は52竜と持ち駒銀で2枚。
後手の攻め駒は65馬と持ち駒角桂香で4枚。数は十分にあります。
総合すれば先手もちです。
☆ 大局観として
玉の堅さがかなり違うので先手有利なのですが、25歩は先手玉頭を狙っています。これだけでは決まりませんが嫌なところを突かれました。
先手の遊んでいる駒(攻めにも受けにも役立っていない駒)は73と74飛だけですから、考えやすいと思います。この2枚を活用できるかどうかです。横からの攻めには強いですから、飛は65馬と交換してもらえば成功です。
筋は悪いですが、71金81桂91香を取りに行く順も考えられ、先手は取る駒があるのです。ゆっくりした展開は歓迎です。
寄せに行こうと思うと攻め駒が足りません。やはり攻め駒を増やしたいです。74飛73と を使うか、71金81桂を取りに行くかでしょう。持ち歩は1枚なので と金つくりは歩切れになるので不安ですし、6筋から持っていくには手数がかかります。
△か× 実戦は84飛として
飛車を取られるのを避けて と金を使おうとしました。両方できれば優勢ですが、と金は取られてしまいます。73桂74歩81香
81香はあまり良い手ではないです。73歩成84香41銀55馬
ここで46桂なら手堅いけれど戦力ダウン。46歩26歩に24桂で寄せに行ったら36桂
王手で24桂を抜く筋がありました。事件です。18玉28飛17玉27歩成同銀35角
やはり24桂を抜かれて逆転です。26歩24角38銀15歩36歩46馬37桂打29飛成同銀37馬
という進行で寄せられてしまいました。
後手としては81香はつまらなくて、26歩
というのが前に指した25歩を生かす順です。26同歩35桂73歩成27歩同銀同桂成同玉54馬
36桂に35歩として少し指せそうです。
先手の84飛73桂74歩~73歩成は桂馬を取っただけなので2手分かける意味が薄いのです。
△ 72歩とすれば金が取れそうです。
26歩同歩27歩同銀35桂71歩成
玉頭に手がついても金を取るほうが大きい(金で受けられるし)です。
72歩には82金
これを取れないです。84飛83歩85飛73桂
と金を取られてしまいました。でも65飛同桂41銀
というのは悪くはありません。攻め駒3枚なので何か受けられて寄せきれないのですが、71歩成とか、攻めながら1段目に竜を移動して91香を取る感じで有利ではあります。
△ 51竜も金を取りに行く手で
61香には62歩同金同と74馬52と
74飛は71金と交換になり、と金を使えました。これなら攻めが切れにくいです。
なお、この展開では最初に51竜ではなくて41竜だと74馬の筋に入るので劣ります(52とではなく61竜となる)。
51竜の欠点は後手玉への攻めが遠のくことです。手抜いて26歩同歩27歩同銀35桂71竜
金を取っても甘いのです。27桂成同玉54馬36銀35歩46桂
などと受けは利くのですが、馬と銀桂の交換になって、後手の攻め駒はいっぱいあります。受けきれないので攻め合いにしたい、その時に71竜の位置よりは52竜の位置が良いでしょう。
○ 66歩は飛車を取ってくれという催促で
74馬同と99飛59銀
これは先手の攻め駒が3枚。と金も使えます。後手は横からの攻めが効果なく、玉頭だけを攻めるのでは駒が足りませんし反動もあります。だから先手有利。
66歩に同馬だと
63と73歩64飛33馬
飛 と金が後手玉に一路近くなりました。51香で竜を捕獲される順もあるのですが、回避せずに72歩51香32竜同銀71歩成
もっと駒を拾えますし、金銀を持って受けやすいです。
66歩に55馬は
46銀54馬63と73歩64飛
飛車の押し売りです。
△ 56銀も飛車取りの催促で
74馬同と26歩同歩27歩同銀35桂64と27桂成同玉35銀38桂
54角(や45角)の追撃を消せば受けやすいのです。受ける展開を苦にしないならば選択肢に入ります。
○ 41銀は攻めの手で
ただし攻め駒2枚ですから後手玉を寄せきることはできません。後手に駒を渡しにくいというプレッシャーを与えたという守りの意味かも。だから喜んで32銀成同銀を決めてはいけません。
55角には39玉
で空振りにさせた感じ。
72歩には66歩
で馬と飛の交換を狙います。55馬72と36桂18玉15歩36歩16歩46桂
というのはかなり怖いですが、まだ先手玉は寄っていません。
○ 長い戦いを思えば、自玉に手を入れるのもあります。その中では59銀
と待つのが一番働いているか。後手が飛車を持つ意味がなくなっていきます。26歩以下の攻めだけなら銀を投入して受けてしまいます。
△ 玉頭を受けるなら36銀
と投入すればさらに手堅いですが過剰投資かも。悪くはないです。
× 39玉は2筋攻めから早逃げしているのですが
26歩同歩27歩同銀35桂38銀27歩
28角をみせられて嫌な感じです。
☆まとめ
問題図では先手の攻め駒が2枚しかありません。
通常は74飛や73と を使おうと考えます。 →飛車を取ってもらう66歩が候補。
と金を作ってというのもよくでてきますが、この場合は遅いです。
少し駒得、かつさらに駒を取る見込みもあるのですから、攻めるよりも長い戦いを考えたほうが間違いが少ないです。その時には後手の攻め駒が4枚ありますから、自玉の安全度が第一です。
金銀を多く手持ちにして守れるようにする順は72歩が候補。51竜だと後手玉の安全度が上がるのでちょっと嫌です。
銀を温存するなら59銀、投入するなら56銀か36銀か。
後手玉に迫りながらというのが41銀で、受けの高級手筋でもあります。こういうのはいつも好手というわけでもないので評価が難しいです。銀を渡して受けが無くなったら最悪ですからね。
論理的に考えていくと正しい方針がわかります。こういうのを実戦の中で冷静に判断できるようになると良いのですが、そのためには棋譜を残して、振り返っていろいろな角度から反省していくのです。ソフトを使うと次の一手(それが良いという手順も)は指摘してもらえますが、理論的な説明はしてもらえません。