名南将棋大会ブログ 名古屋

名南将棋大会告知や結果のほか、
将棋が強くなるための記事を書きます。
まずは将棋上達法則を見てください。

SS3-5 先手角道オープン向い飛車(8)

2024-04-26 | 基本定跡の研究

最後に調べるのは、後手が34歩と突く形です。

22角成同銀53角57角

ここで分岐しますが、58飛84角成55歩同歩同飛

先手は勢いよく攻めているようでも手損しています。52歩26角成74馬48玉86歩同歩同飛

田中先生は先手不満としていますが、評価値は-305で、すでに後手有利。

戻って

58飛に24角成とするのも (多分実戦例が) あって、75角成42馬

馬交換は後手の手得です。65馬86歩同歩同馬48玉64馬

66馬33銀88飛

先手の受けが間に合いましたが、87歩78飛・・・という進行でしょう。互角とされていますが、この図の評価値は-202の後手良しです。

また戻って

96歩84角成58飛42金97角成

駒組を進めて

評価値は-70の互角です。この辺りが先手の最善かも。

またまた戻って

68銀84角成96歩

74馬97角成56馬48玉

42金38玉41玉58金左32玉86歩同歩同馬

先手十分とされていますが、評価値は+24の互角です。

後手としては途中で

74馬~56馬と1歩取りに行くのがつまらないようで、62銀97角成74歩・・・駒組を進めるほうが、互角ですがわずかに勝ります。

最初に戻って

先手から角を交換しても今一つでした。68銀42玉48玉32玉

ここで角を交換すれば、先手だけ馬が作れそうですが。22角成同玉53角42銀75角成84角

先手の馬は消されてしまいます。でも84同馬同飛66角が王手飛車、でもでも33角があって

84角88角成66角

66同馬同歩88角

88角では88飛とする方がわかりやすく後手有利ですが、77角同角成同銀45角

この図の評価値は-254の後手良しです。

戻って

この図は後手の誘いの隙でした。蛇足ですが、22角成に同銀もあって、53角62銀26角成44角

44同馬同歩55歩53銀54歩同銀53角

馬は作れそうですが、評価値は-102、先手が面白くないです。

結局のところ、先手から角を交換すると2手損なので、馬を作ろうとしてもうまくいかない、という結論です。

 

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

SS3-5 先手角道オープン向い飛車(7)

2024-04-25 | 基本定跡の研究

52金右~62銀~53銀の代わりに

42玉がどうか、というのが次の工夫です。先手は86歩同歩同飛と動きますが、同飛同角

これが王手になるというのが先手のねらいです。32玉84飛82歩77角

この図の評価値は+94、定跡本では先手が指せるとある通り。83歩と合わせて竜を作るねらいがのこります。

ということで後手は飛交換を拒否します。

88飛の後は駒組に戻りますが、32玉38玉62銀78金74歩22角成同銀77桂

73桂75歩同歩74歩

この図の評価値は+140、先手もちで良いでしょう。ただしこの手順は絶対ではありません。

AIに聞いてみると、88飛32玉38玉の時に77角成

77同桂は86歩85歩87角で後手良しです。77同銀57角

この角は66角と合わせれば消えるのですが、48銀84角成66角のほうが少し得で、同馬同歩67角

後手が手損しているだけのようですが、先手が攻めの形を作りにくいようです。78角か65角かになるのですが、評価値は0付近の互角です。

変化は他にもあって、86歩の時に77角成とすると (これは升田流向い飛車というべきか) 

77同銀86歩同銀33角77角74歩

85銀77角成同桂の時に、AIに聞いてみると、44角68金73桂84銀65桂

という変化を選んで、評価値は0付近の互角です。

定跡本では

85銀に77角成同桂73桂84銀95角

派手な手が書いてあります。おそらく実戦例なのでしょう。先手の正着は83歩88角成82歩成88馬73銀不成・・・で互角のようですが、66角と打って、84飛同角77角成66角

後手はなぜか飛を取らず (88馬同角44桂は後手良し) 67馬11角成22銀打

ひねった手順を選んだので、22同馬同銀71飛成65桂58金左

この図の評価値は+467の先手有利です。

今日の話としては

ここで86歩から動くのは変化が多いですが、後手が最善を選べば互角です。

ところでもっと前の所からAIに聞いてみると、後手は52金右48玉62銀38玉74歩とするのが良いようです。

28玉42玉の時に86歩と動くと

77角成同銀86歩同銀73桂

この図の評価値は-178の後手良しです。後手はこの変化を想定して、右翼の駒を使えるようにしてから玉を移動すれば、先手の86歩からの動きには対応できるのでした。

 

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

SS3-5 先手角道オープン向い飛車(6)

2024-04-24 | 基本定跡の研究

次に調べるのは52金右の形です。

68銀34歩48玉

先手は銀桂を整えて待ちます。後手は玉が移動すると86歩同歩同角が王手になるということはあるのですが、62銀38玉53銀とすると86歩同歩同飛とぶつけられます。

なお86歩に77角成とすると、同銀86歩同銀の変化になり、ここでは後手が悪いです。さて86同飛同角82飛

角取りを受けさせて99角成とすれば後手有利なのですが。71飛42玉53角成

53同金に83歩 (取れば72飛成) が痛く、52飛77桂の図は

評価値で+1104、先手優勢です。

戻って

86同飛同角に84飛ならば

後で83歩とたたかれることはないです。でも71飛42玉53角成同金77桂

89飛成79金99竜65桂

この図の評価値は+555の先手有利です。

では飛交換せずに85歩でどうかですが、

88飛42玉のところで、定跡本では78金としてから攻めるのですが、32玉22角成同銀77桂14歩

85飛とぶつけてこいと言われると、案外に難しいようです。この図の評価値は+210で先手良しなのでしょうが。

ということで

88飛42玉には84歩

すぐに攻める方が優ります。後手は取るしかないですが、84同飛22角成同銀66角33角

この図はどちらが良いかを知らないといけません。単純に84角88角成として

この図の評価値は+342の先手有利です。82飛と打って桂香を取り合えばよいでしょう。

要するに今日の話は、後手の52金右~53銀の形はだめですよ、ということです。

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

SS3-5 先手角道オープン向い飛車(5)

2024-04-23 | 基本定跡の研究

次は62銀に代えて42玉です。

86歩同歩同角

これが王手になるのですが、82飛にひもが付いているので難しいです。86同飛同飛95角は83飛打

82歩85飛成86角同竜

この図の評価値は+352の先手有利です。34歩77桂57飛58金左56飛成

結局は先手の1歩損になるのですが、駒組を進めると

評価値は+578に上がります。先手玉が堅く、77桂も攻め駒として使えるでしょう。持ち歩と角もプラスです。

戻って

86歩同歩同角に32玉とするのが

後手の最善です。一見は53角成があるから先手良しに見えるのですが、87歩98飛34歩78金62銀54馬

この図の評価値は0近辺の互角です。馬+歩得よりも、98飛や78金が悪い形だというのでしょう。

先手としては

53角成よりも83歩52飛

とするほうが良いというのですが、評価値は+75です。ちょっと不思議な結果でした。

定跡本では86歩のタイミングをずらして

68銀32玉86歩も有力だとしています。

86同歩同角34歩83歩

というのが激しい変化で、83同飛は31角成同金83飛成ですね。88角成82歩成同銀85飛

この図の評価値は+628の先手有利。82飛成と31角成~88飛の両方の筋は受かりません。

ということは

52飛と逃げるのですが、77角として先手が指せるとされています。

でもこの図の評価値は+64、互角です。

後手としてはこの図から

86同歩同角に64歩とするのが

無難な手です。77桂62銀85歩

63銀75角74歩57角

定跡本では83歩と受けさせて先手不満なしと書いてあるのですが、評価値は0近辺の互角です。それよりも34歩84歩72金48玉73桂

後手としてはこの形のほうが優ります。評価値は-147の後手ペース。

ということで、後手が42玉とするのは

すぐに86歩同歩同角とすれば先手の得が残るというくらい。先手としてはちょっと不満です。

 

 

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

SS3-5 先手角道オープン向い飛車(4)

2024-04-22 | 基本定跡の研究

これまで調べて、やっと田中先生のいうように

後手の62銀を疑問手だとすることができた。となったはずなのですが。AIに聞いてみると、86歩同歩同角には72金が正しく

78金34歩77角

88飛成同角57飛48玉56飛成

竜を作られて先手が思わしくありません。評価値は-144の後手ペース。

先手としては57の地点をカバーしたいので

78金の代わりに48玉としてみます。この34歩には77角くらい。87歩58飛

角は交換する方が少し損です。42玉38玉32玉78金64歩

28玉14歩16歩74歩38銀63金

普通に駒組を進めると、評価値は-181の後手ペースです。

先手が主張できるとすれば

この辺りで86歩を打って、87歩を取ろうとするわけですが、77角成同金24角

この応じ方に困ります。46角が最善ですが、同角同歩69角

馬を作られるでしょう。この図の評価値は-222の後手良し。

最後にちゃぶ台返しのようになり、3日間調べたのが無駄になったようですみません。後手62銀はとがめられず、明日から調べていくどれかの形に合流させるしかないようです。でもまあ、先手のねらい筋は見えたでしょう。

 

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

SS3-5 先手角道オープン向い飛車(3)

2024-04-21 | 基本定跡の研究

後手の工夫はまだあって

64歩を突かないで34歩はどうか。先手はこれまでと同じように84歩とすると、77角成同桂33角

85飛に77角成が王手になるというのが違いです。68銀76馬

83歩成85馬82と89飛

後手が先に桂を取って攻めている図で、評価値は-317の先手不利。

なので田中先生は

78金74歩を入れてから84歩だというのですが。

(ここで73銀85飛84銀もありそうだし) 73桂22角成同銀83角

先手優勢だとされていますが、評価値は+103しかありません。57角74角成84飛

75歩81飛ではつまらないですし、84同馬同角成81飛83角91飛成55歩

確かにまだ難しそうです。

なので先手の正解は、78金74歩にもう一つ48玉と待ってから

仕掛けるべきなのです。42玉に22角成同銀84歩

今度こそ73桂は83角ですね。73銀に66角33角85飛

66角同歩84銀88飛

32玉77桂42金46角

73角同角成同桂46角24角同角同歩46角

しつこくこの場所に角を打ちます。85歩や75歩のねらいがあって、後手は85歩同桂64角

というのが最善の受けのようですが、64同角同歩83歩

83同飛は73桂成ですね。82飛73桂成同銀68銀

65歩に46桂53金95角

この図の評価値は+270の先手良し。63金には38玉~82歩成、72飛には73角成同飛82歩成という調子です。

先手が78金と48玉を指してから攻めているので、後手の陣形が変わっている可能性もあるのですが、先手優位に攻勢が続きます。

 

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

SS3-5 先手角道オープン向い飛車(2)

2024-04-20 | 基本定跡の研究

先手の急戦の続きです。

86同歩同角85歩77角64歩

48玉42玉66角以下を昨日調べたのですが、難しい戦いでした。一応は先手ペースだったので、後手の工夫として、48玉に34歩を考えます。

実はこの34歩は疑問手で、22角成同銀84歩

84同飛は66角ですね。この図の評価値は+307の先手有利。田中先生の本に書いてあるのは、角を交換しないで84歩です。77角成同桂33角

先手の66角を防いで桂取りなので難しそうですが、あっさりと85飛77角成83歩成

76馬88飛87歩78飛

先手の駒得になるから、評価値は+442の先手有利。

次の後手の工夫は

34歩ではなくて63銀です。定跡本では、以下

美濃囲いに囲ってから66角と出て先手まずまずとされているのですが、この図の評価値は0近辺の互角です。

戻って

38玉74歩66角

先手は美濃囲いにする前に動くのが正解です。65歩57角34歩46角

角を追われてもカウンターで使えます。この図の評価値は+910の先手有利。

また戻って

後手が8筋方面を守ろうとしても、72金77桂73桂84歩

この図の評価値は+266の先手良し。後手の居玉もたたっています。

また戻って

AIによると後手の最善は75歩のようですが、77桂76歩85桂

この図の評価値は+222の先手ペース。乱戦になると玉の安定度が違います。

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

SS3-5 先手角道オープン向い飛車(1)

2024-04-19 | 基本定跡の研究

新しいテーマです。定跡本としては、田中悠一先生の「角道オープン向かい飛車徹底ガイド」をもとに検討していきます。なお私の年代ならば、「升田流向い飛車」というほうがピンとくる戦型のことです。初手から76歩84歩56歩

76歩に84歩は最初の前提です。後手が本格居飛車党ならば突くでしょう。56歩84歩76歩でも合流するのですが、初手56歩には34歩と応じられる方が普通だという気はします。次の前提は、この図から85歩77角54歩

85歩を先にするのは、先手の矢倉模様を回避するためですが、今は後手の急戦手段も多いから、決めないで54歩を突くものかもしれません。また34歩55歩と進んで中央位取り中飛車に進むのもあるでしょうか。ともかく2つの前提があるので、先手はこの戦法だけ知っていれば良いというわけにはいきません。この図になれば88飛62銀86歩

先手はいきなり仕掛けることもできます。86同歩には同角のほうを採用するのですが、86同飛同飛95角

王手飛車の筋がありますね。でも85飛打86角同飛71金82歩

この図の評価値は+1295、先手優勢です。

後手の王手飛車ねらいは無理なので、この図に戻ります。

86同歩同角には、85歩77角64歩

とするのが無難な手順です。この64歩は、42玉とすると86歩同歩同角から王手飛車になるのを避けた手ですね。48玉42玉66角

駒組に戻るかと思えば、先手はさらに動くのです。74歩77桂73桂84歩

65歩には同桂同桂85飛

激しい攻防が始まります。57桂打83歩成34歩

22角成同銀82と49桂成同玉57桂不成

38玉49角28玉69桂成81飛

ここまで進んで、評価値は+620のはっきり先手有利です。

後手としては何か工夫が必要です。

この図からAIに聞いてみると、65歩75角 (王手) 32玉

84歩74歩31角成同角83銀

83同飛同歩成86歩

角飛の交換+と金で駒得の先手有利に見えるのですが、評価値は+103しかありません。最善手順を見ると、78銀44角77銀85銀

後手は76銀をねらって、かなり難しい図です。

初回はここまで。派手な手が多い戦法です。

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

SS3-4 ダイレクト向い飛車(24):対策

2024-04-18 | 基本定跡の研究

ダイレクト向い飛車に37銀の対策、最後の難敵は

後手が44歩を突かず、44銀ともせずに待機する形です。どこかで44銀~55銀とぶつける攻め味が出てきます。77銀74歩35歩

44歩を突いていないので、先手は3筋の歩を交換できます。 (45歩同銀35歩と返す筋がありませんから。) 35同歩同銀34歩46銀84歩37桂

ここで後手が44歩を突けば、昨日解説した形に合流します。先手は居飛車穴熊に組み替える (88玉~78金~68金右~98香~99玉~88銀) のが有効でした。とすれば63金くらいで待つわけですが、先手は24歩から動きます。

24同歩は23歩同飛32角

馬を作って簡単に先手良し、とはいかず、22飛43角成54角

54同馬同歩43角

42歩には23歩があり、43歩22歩成同銀42飛~43飛成は先手良しです。竜を作っているのでわかりやすいでしょう。でもこの図は角が狭いので、12角が良い受けに見えますね。45桂42銀23歩

23同角61角成同銀24飛

この図の評価値は+541の先手有利。32歩や32金や33歩同桂23飛成同飛41角の攻め筋があります。

戻って

24同歩23歩に62飛と逃げると、45桂44銀24飛

33桂に34飛もありそうですが、33同桂成同銀29飛と

素直に交換して、55桂や32歩同飛21角の筋などをねらうほうがスマートです。この図の評価値は+293の先手良し。

ということでまた戻って

24同銀のほうが難しいです。66角には44角が最善で

55銀33角45桂65歩

後手の角は取れるのですが、先手の角も死んでいます。33桂成同銀84角83歩32歩

普通は84歩31歩成37角だと思いますが、46角と合わせて

28角成同角29飛46角

この図の評価値は+524もあって、はっきり先手有利なのです。73桂などと受けるのですが、75歩同歩74歩同金32と同飛41角の筋がありますね。

ということで

この図では54歩31歩成55歩41角

84歩32と37角38飛

32飛同角成19角成21馬

こちらが最善の手順で、評価値は+247の先手良しです。銀香と飛の交換ですが、11香は取れるでしょう。先手の攻める手もわかりやすいです。

戻って

案外にややこしいのは、33桂成を同桂と取る変化です。84角83歩の時に

32歩は利きませんから、46銀と引いておきます。84歩ならば35歩同銀55角

桂を取り返せるので、評価値は+292の先手良し。

後手がこの筋に気が付くと

46銀には54歩を突いておくのですが、38飛84歩34飛

44角39飛73桂34歩25桂26歩

17桂成同香75歩56桂

と進んで、評価値は+203、ここからは26角18歩・・・か、76歩44桂77歩成同玉44歩33歩成・・・というところ。後手がここまで研究していても先手ペースで戦えます。

あとは変化として

66角にはこの44角が最善なのですが、33角と合わせる方を選択されそうな気はします。33同角成同桂 (33同銀は32歩の筋がある) 

45桂同桂同銀37角29飛55角成66角

これで66同馬同銀と進んだ図の評価値は+258の先手ペースです。45銀と24銀の働きに差があります。

 

ということで、ダイレクト向い飛車対策が完成しました。あまり見かけなくなっているのですが、新しい本も出るようですし、居飛車党としては対策を覚えておくと良いでしょう。

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

SS3-4 ダイレクト向い飛車(23):対策

2024-04-17 | 基本定跡の研究

もう1局参考棋譜を見てみます。2014年2月5日のA級順位戦で、屋敷伸之先生対佐藤康光先生。

後手の佐藤先生は44歩を突きました。

駒組が進みますが、この辺りならば35歩同歩同銀34歩46銀という進行になったかも。

先手の屋敷先生は55歩を突いてから3筋の歩を交換しに行きます。42金66銀85歩77桂

3筋の歩はぶつかったままでしたが、35歩同銀32飛56角

AIに聞いてみると、56角ではなくて57角が良い(先手ペース)と言いますが、この図の評価値は0近辺の互角です。45歩36歩

こうなると先手の主張が乏しいです。22飛45角43金56角54歩

先手の56角が目標になっていて、後手ペースへ。24歩同歩75歩

左右に手を出しますが、良い感じではないです。64歩54歩55歩

55同銀は39角ですね。45角44歩で角が死んで、53歩成同金72角成同玉

駒得で後手良しです。23歩52飛54歩同銀24銀

銀をさばければですが、86歩同歩34銀35歩45銀22歩成

27歩同飛56銀

後手の左銀が攻め駒になり、65歩ねらい。74歩65歩75銀66歩同銀76歩

85桂74銀84金64金57歩65歩

銀を取り合います。56歩66歩73銀

63玉64銀成同玉66歩45角

後手玉は広く、この45角は攻防手です。74金同玉65銀83玉28飛56歩

74金82玉37桂57歩成

46桂58と53歩68と同玉

ここは77金から先手玉を追って、39角の王手飛車を決めれば、そのまま後手の勝ちだったのですが。次の佐藤先生の55銀は攻防のようで失着でした。対して屋敷先生の64角が敗着です。

37から角を打てば先手有望で、逆転だったようです。64同銀同銀77金

これで即詰みです。57玉39角48飛同角成同玉59角同玉39飛まで。

さて序盤をAIに聞いてみましょう。

(実戦例とは少し形が違いますが) 44歩を突かれたら、37桂と跳ねておきます。54角はあるのですが

77銀36角26飛54角55銀43角68金寄

1歩損ですが、後手の角は活躍しません。以下の手順はとばしてしまいますが、

先手は居飛車穴熊に組み替えて指せばよいようです。すでにこの図の評価値は+405の先手有利。

戻って、後手が54角を打たなければ、先手はまず銀冠を目指します。

さらに進んで

この図の評価値は+138しかないのですが、先手は穴熊に組み替えて待ちます。

後手としては手待ちに困っている感じです。先手が56歩を突いていないというのが重要で、39角の筋を避け、69角には56角を用意しているのです。83銀ならば35歩同歩24歩同歩35銀

強く攻めて先手有利です。

少し戻って

後手は45歩 (か45桂) から動く方が良さそうですが、45同桂同桂同銀37角46角

角を合わせるというのに驚きます。意味は46同角成同歩37角29飛46角成44歩

4筋の歩が切れると銀を攻めに使えると。

戻って

28角成のほうは、同角69飛33角

角角銀桂の攻めをみて先手有利です。52金には56桂がぴったり。

居飛車穴熊への組み換えは、AIが好むことは少ないのですが、後手が44歩を突いた場合は打開手段がないのです。

 

 

 

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする