名南将棋大会ブログ 名古屋

名南将棋大会告知や結果のほか、
将棋が強くなるための記事を書きます。
まずは将棋上達法則を見てください。

将棋上達法実践編(1)

2018-04-14 | 将棋上達法則
先週の名南将棋大会に小学4年生、ほぼ初心者の男の子が来ました。Hくんとしておきます。
練習将棋をやってもらいましたが、まだ大会に参加できるレベルではありません。何週間か前にお母さんから電話問い合わせがあったので先週までにいろいろ考えていたのですが、近所だということもあって個別指導することにしまして、今日がその初日でした。
私にとっては最速の上達方法を実践できるチャンスです。

方針1 駒落ちはやりません。平手で学ぶほうが速いでしょう。

方針2 論理的に教えます。とりあえずノートを用意してもらいました。

方針3 私も学びたいですから、難しいものを丁寧にやるという感じで進めます。


やったことを記録しておきます。

将棋の序盤として戦法の紹介から。先週に少しやったので復習です。
振り飛車をやってみたいということでしたから、四間飛車をやることにしました。テキストは四間飛車名局集。(ロビーでやっていたので本格的ですねと声をかけられました。)
①棋譜を見て並べることを覚えてもらいました。
②駒の損得の計算を覚えてもらいました。
③形勢判断の方法を覚えてもらいました。(いつもブログで書いている私流です。)
④詰め将棋のテキストとして5手詰ハンドブックにしました。最初は盤駒を使って解いてもらいます。

解説を交えながら、1局並べました。最初から難しい題材でしたが。
宿題として棋譜を並べて覚えること、予習復習になります。それから詰将棋をすることです。

毎日3時間やって、1年で1000時間くらい。これで初段の実力がつくだろう、というのが目標です。
私の反省としては内容が難しいので飽きさせてしまったかと。実戦も取り入れてみましょう。遊び心は必要ですものね。
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大山将棋問題集 20180414

2018-04-14 | 大山将棋研究
後手番中原先生の手を考えます。

第1問


少し苦しいところからチャンスが来ました。
A 55銀 B 56飛 C 47歩成

第2問


少し駒得で玉の堅さで優ります。ゆっくりでもよいので攻める手を考えましょう。
A 66歩 B 56歩 C 46歩

第3問


自然な手で寄せていくのが中原流です。
A 57銀 B 56歩 C 46歩

第4問


わかりやすい勝ち方は?
A 25歩 B 38金 C 68と
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大山将棋研究(854);三間飛車に銀冠引き角棒銀(中原誠)

2018-04-14 | 大山将棋研究
今日の棋譜20180414
昭和61年4月、中原誠先生と第44期名人戦第2局です。

大山先生の先手三間飛車で、中原先生の74歩が早かったものの、天守閣美濃になりました。

53銀~44銀~33銀で四枚美濃にするのが普通なのですが、44歩から43金を急ぐということは

引き角から棒銀にするという構想でした。

引き角棒銀の中では銀冠にするのはまあまあです。(矢倉よりも優ります。一番良いのが鳥刺し、平美濃いわゆる飯島流が最悪だと思います。)

大山先生が57銀型で後手の銀冠よりも堅いけれど戦力が足りないという事情があり、どうやって戦いが始まるのかというのが難しいです。65歩は64歩を誘った感じです。

64歩に86歩で戦いが始まります。

角を使って

6筋は謝りましたが玉が堅いのでまあまあの展開です。

55歩は無視して、この と金が間に合うかどうか。

銀を68に引いて(48のほうが良い感じですが)45歩も無視します。角を引いて8筋突破を間に合わせようとしています。

さて金取りをどうするか。46同金52飛では損なので、単に48金引が良さそうに見えるのですが

56金で52飛と(72と から)かわされるのでは後手の調子が良さそうです。

大山先生は57歩と受けたのがしっかりしていると錯覚したのでしょう。歩を成り捨てられて事件です。

55歩で困りました。でも44歩同金65金というのがありますね。44歩53金でも利かしです。乱れているので派手な戦いにしたくはないけれど

金を逃げるだけでは、先の中原先生の47歩成の効果で金が死んでいます。

香を取って飛車を成れるので大きな駒損ではないのですが

玉の堅さに差があります。戦いが始まった時には先手玉のほうが堅かったのに。そしてこの66歩を取ったのが敗着です。

たたかれて、67同銀に46歩が取れません。46歩から桂馬と刺し違えることになるのですが、それならば最初の66歩を手抜けば1手違うのです。

銀と桂を取り合って

駒損で と金が迫ってくるのですから、44桂から35歩、攻めていくしかありません。

角を使って攻めが続けばよいのですが

角を逃げる余裕もなく

26香を打って、まだまだというところなのですが、中原先生は角を取って寄せに入ります。

一手違いになりましたが投了図。

大山先生が47歩成を見落としたのでしょうが、その前に少し指しやすそうだったのを妥協している感じがします。68銀とか56金とか、先手玉が薄くなる方向に金銀を逃げていますよね。中原先生が相手だと、いつもと違う指し方をしているのではないかと思うのです。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.40 棋譜ファイル ----
手合割:平手  
先手:大山十五世名人
後手:中原誠名人
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 7八飛(28)
4 3四歩(33)
5 6六歩(67)
6 8五歩(84)
7 7七角(88)
8 6二銀(71)
9 6八銀(79)
10 4二玉(51)
11 4八玉(59)
12 3二玉(42)
13 3八玉(48)
14 5二金(61)
15 5八金(69)
16 1四歩(13)
17 1六歩(17)
18 7四歩(73)
19 2八玉(38)
20 5四歩(53)
21 3八銀(39)
22 2四歩(23)
23 5六歩(57)
24 2三玉(32)
25 5七銀(68)
26 3二銀(31)
27 4六歩(47)
28 4四歩(43)
29 3六歩(37)
30 4三金(52)
31 4七金(58)
32 3一角(22)
33 8八飛(78)
34 3三桂(21)
35 2六歩(27)
36 7三銀(62)
37 5九角(77)
38 2二玉(23)
39 3七角(59)
40 9四歩(93)
41 9六歩(97)
42 9三香(91)
43 2七銀(38)
44 2三銀(32)
45 3八金(49)
46 3二金(41)
47 6八銀(57)
48 9二飛(82)
49 5七銀(68)
50 7二飛(92)
51 6五歩(66)
52 6四歩(63)
53 8六歩(87)
54 6五歩(64)
55 8五歩(86)
56 8六歩打
57 5九角(37)
58 6二飛(72)
59 6七歩打
60 7五歩(74)
61 8六角(59)
62 6四銀(73)
63 8四歩(85)
64 5五歩(54)
65 8三歩成(84)
66 5六歩(55)
67 6八銀(57)
68 4五歩(44)
69 9七角(86)
70 4六歩(45)
71 5六金(47)
72 5二飛(62)
73 5七歩打
74 9五歩(94)
75 8四飛(88)
76 4七歩成(46)
77 同 金(38)
78 5五歩打
79 4六金(56)
80 4五歩打
81 同 金(46)
82 同 桂(33)
83 9三と(83)
84 同 桂(81)
85 8三飛成(84)
86 9六歩(95)
87 8六角(97)
88 5三飛(52)
89 8二龍(83)
90 6六歩(65)
91 同 歩(67)
92 6七歩打
93 4六歩打
94 6八歩成(67)
95 4五歩(46)
96 5八と(68)
97 4四桂打
98 4二金(32)
99 3五歩(36)
100 5七と(58)
101 3六金(47)
102 4七と(57)
103 6八角(86)
104 5六歩(55)
105 5四歩打
106 同 飛(53)
107 2五歩(26)
108 5七歩成(56)
109 2四歩(25)
110 同 銀(23)
111 2六香打
112 6八と(57)
113 2四香(26)
114 2三歩打
115 同 香成(24)
116 同 玉(22)
117 3二銀打
118 1三玉(23)
119 4二龍(82)
120 5八飛成(54)
121 投了
まで120手で後手の勝ち

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20180414今日の一手(その677);激しい順は読みの勝負

2018-04-14 | 今日の一手

20180414今日の一手

1月13日の名南将棋大会から、NさんとMさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。


一昨日の一手の回答

☆形勢判断をします。
駒の損得はありません。
玉の堅さは同程度。左金の位置が違うので少し後手が堅いのかもしれません。
先手の攻め駒は55角と持ち駒銀で2枚。59飛もすぐに使えそうです。
後手の攻め駒は54飛53角と持ち駒銀で3枚。

総合すれば互角です。

☆ 大局観として

先手の右玉でしたが、中央での戦いになって飛車は5筋に移動していますから中飛車みたいなものです。銀交換から55同角とさばいたら、後手Aさんは84飛を54に回って間接的に73桂を守りました。
飛車が向かい合っていて、間に駒が一つある形です。通常はその間の駒の所有者が負担で、先手のピンチ。間にある駒が大きいほど負担が大きいです。
ただし角なので大きく移動できますね。素抜きの筋もありそうです。それが良いかどうか。

もし放置していたら後手から64銀があり、駒損になりそうです。その前に動くか、受け入れるか、避けるか、という三択で、それぞれの中でもいくつか候補があります。
動くならば、盤面を広く見て手を探したり、読みに落とし穴がないか確認したりする必要があります。
受け入れるなら中央からの反撃が利くかどうか。
避けるならまだまだ長い戦いでしょう。妥協しても悪くならないかどうか考えます。


○ 実戦は25桂で

銀を逃げてもらえれば、角を捨てて王手飛車の筋になります。それは先手がうますぎるでしょう。64銀に56歩

26角46角44歩37銀

後手Aさんは角を取らずに攻めようとしたのですが、これなら先手が指しやすいです。この後は激しい戦いになったのですが、先手Tさんが受け間違えて負けてしまいました。

後手としては64銀を打ったのですから、56歩には角を取るべきです。

55同歩74飛54歩75角

この角が好位置で、27角37玉48角成同玉49金という(少し無理な感じがしますが)強襲の筋もあります。単に48角成だけでも脅威なので、やや後手が指しやすいところでしょう。先手としては33桂成で桂馬を渡すのに気が引けます。

先手としては56歩では不満です。77角は58歩

飛車交換には応じてもらえず失敗です。

だとすれば56銀打として

55銀同銀74飛に75歩

75同飛でも同角でも64銀が決まります。取りにくいので84飛64銀打62角33桂成同桂

53歩か44歩か、一度落ち着いて46銀引か、角桂と銀銀の交換で駒損でもないですし、しっかり反撃していけば指せそうです。


○ 先手から64銀を打つのが面白い手で

64同角同角(王手)同飛52飛成

は竜を作った分は駒得で攻めていけます。

後手は64銀を取れず、42角に25桂

後手からの64銀を消して55角にひもを付けつつ、桂馬を跳ねればやはり飛車の素抜き筋があります。
後手としては58歩同飛69銀

というのが反撃の筋なのですが、普通に68飛と応じて飛車の縦利きが消えても、78銀成同飛64角同角同飛86角

銀を取られても王手飛車で返せます。(64飛同角同角ならば61飛で王手角取りです。)


△ 74歩と打つと

74同飛に64銀

このほうが見えやすいかもしれません。

後手は74歩を取らずに58歩

58同飛に69銀の筋で反撃があります。73角成58銀成同銀

飛と銀桂の二枚換えで駒得ではあるのですが、58同飛成同金69飛59飛57歩という強襲や、75角というのも不気味です。難しいですが怖い局面でしょう。

もちろん64銀もありまして

今度は56銀打では1歩損の1手パスです。56歩55銀73歩成

銀は取り返せるので瞬間は駒損でも互角でしょう。


△ 振り飛車らしく指すなら(元は右玉でしたが)56飛。

58歩同飛69銀の筋が消えています。64銀には同角56飛

の時に飛車を取り返せます。56同銀64角61飛

駒得になるので、後手からの飛車の打ちこみは厳しいものの少し指せるでしょう。

後手は51歩と打てば

25桂24歩33桂成同桂73角成56飛同銀59飛

これも駒得なので互角の展開です。


△ 57飛もあるか。

だいたいは56飛と同じようなことになるのですが、51歩に58歩

なんていう渋い歩の打ちあいがあるかもしれません。

後手から75角は気になりますが、64角

が王手で飛車を素抜けます。(角飛の交換だけですが、飛車を渡さないので指しやすい。)


× 58飛もひもを付けていますが69銀があるので

ちょっとばからしいでしょう。


△ 79金は58歩同飛69銀の筋は消えているのですが、64銀で

56銀55銀同銀74飛64銀打42角53歩

勢いは良いのですが。53同金同銀成同角44銀同銀同歩

きれいに攻めているのですが、駒損なのでちょっと悪いです。実戦的にはまあまあ勝負になりそうなのですが。


△ おとなしく指すなら56歩か



△ 56銀打か

これからの将棋です。銀を打つか歩を打つかはお好みです。ただその後(後手は74飛か62金)に狙いがないのでちょっと損でしょう。


☆ まとめ

互いに駒得を狙う激しい展開は、いろいろ読んでみるしかありません。残念ながら感覚だけでは対応できません。一つの筋を読んで、だめなら早めに違う順を考えます。たまたま見えた筋が当たっているように祈るのではギャンブルです。(ギャンブルのようにアドレナリンが出るので楽しいのかもしれませんが。)

64銀が有力で、後手玉の位置が悪いので先手が良くなるようです。
実戦の25桂は自然な手に見えるのですが、先手玉が薄くなっているという要素を見逃してはいけません。角銀交換でもしっかり反撃が利く、というところまで読めればよい手だったと言えます。

先手玉が飛車の打ち込みに弱いので、56飛や57飛は考えにくいのですが、振り飛車党なら考えるのかも。58歩同飛69銀の筋を避けて、飛車交換でさばきます。ちょっと駒得になるけれど後手から飛車を打ち込まれた時に自信があるかどうか。

おとなしい56歩や56銀打も一局です。

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