第1問
何気ない局面のようですが。
A 36歩 B 46銀 C 79角
第2問
欲が出そうなところですが、無難に指したほうが良さそうです。
A 55角 B 24歩 C 79角
第3問
駒得なので無難な手を選びます。
A 88角 B 88銀 C 24歩
第4問
端が危なさそうですが。
A 21飛成 B 93歩 C 99歩
20180130今日の一手
10月7日の名南将棋大会から、MさんとSさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。
一昨日の一手の回答
少し前から見てみます。
中盤の初めに後手Kさんのポカで桂損になり、先手が駒得になっています。端を攻められて、取るのも危なさそうなので端は手抜きでもいいでしょう。ここで89飛~84飛~82飛成と攻めてしまえば簡単だったと思います。
39飛という受けのような攻めのような手で対応して16歩18歩35桂
金を逃げて指すのもありましたが、35同銀同歩同飛と相手をして
成桂を取ってまた攻められました。
先手玉がずいぶん薄くなって、飛の位置もとがめられ、89飛に57銀成が問題図です。
☆ 形勢判断をします。
先手の桂歩得で歩をカウントせず。馬VS馬成銀の作り合いです。結局はやや先手の駒得です。
玉の堅さは後手のほうがかなり堅いです。
互いの玉の囲いに向かっているものだけ数えて、先手の攻め駒は51馬と持ち駒金銀桂桂で5枚。
後手の攻め駒は57成銀と持ち駒金で2枚。
総合すれば先手もちか。
☆ 大局観として
先手が有利だったのが、玉のまわりの金銀を剥がされてかなり形勢が接近しています。それでも先手が駒得で後手の攻め駒が少ないです。
寄せ合いで勝てればわかりやすいですが、後手玉は馬があるのと端を詰めているので堅くて広いのです。寄せ合いが危ないと考えたら、受ける手段を考えます。幸いに後手の攻め駒は2枚だけですから、しっかり受けてから反撃を考えます。
× 実戦は84飛で攻め合いです。
これで有利なら話は早いです。47歩82飛成48歩成39歩
先に詰めろをかけられて、歩で受けました。39同と同玉47金37銀46金
この先の手順がわからないのですが、後手玉を寄せに行っても捕まらず、駒を渡して先手負けにしてしまいました。
一度は46同銀47成銀に48金
46成銀と取らせて詰み筋を消してから、42馬同銀同竜32金
というくらいが相場なのですが、これでも23馬の守備力が高く、寄せが見えません。
× 他の攻めは53歩で と金つくりですが、やはり47歩と返されて
明らかに後手の攻めが速いです。端を詰められているのが痛いですね。
○ 駒を打って受けるのが手堅いという原則から、38金が見えるでしょう。
47歩には同金引同成銀同金
後手は歩切れなので先手有利です。
47歩ではなく48金と打つくらいですが37金とかわしておきます。
これで後手から速い手はないので53歩からゆっくり攻める順にするか、39歩も打っておいて飛車を使って攻めるか、という狙いです。
○ 比較したいのは単に37金で
47歩なら取ってしまうというのは同じです。48成銀には39歩
先手玉は狭いですが、後手の攻め駒は少ないです。
35金と攻められたら
結構うるさいのですが、35同金同歩34歩同馬42馬同銀26桂
強い反撃もできます。あまり渡すと危ないですが。
○ 38銀もありそうで
やはり47歩は取れます。48成銀には47金打
しっかり駒を打っておきましょう。38成銀同玉35銀
が怖いというのは同じですが、やはり35同金同歩34歩同馬42馬同銀46桂
反撃があります。
△ 37銀もありまして
47金には38金同金同玉
35金には39桂
何か打たれたら1枚打って受けます。
△ 58歩もありそうな受けで
後手の攻め駒として一番働いているのは57成銀なのでそれに働きかけます。これも受けのテクニック。48成銀に38金
と受けます。49金には37銀
これは後手の金成銀の働きが悪いです。
58歩には47金が嫌な手で
57歩46金38金
これは金銀1枚ずつの配置ですが後手番です。47金打39桂38金同玉
14馬48金58金37銀
まだ何とも言えませんが、受けきりまでは先が長いです。
× 同じ意味で49桂もあるのですが
やはり47金で57桂46金では57桂が取られるだけの駒で働きがないです。58歩に比べてもはっきり損です。
△ あとは37玉として
左に逃げ出していけるかの勝負を挑みます。56金同金同成銀47金
14馬36歩47成銀同玉66金
67金46歩同玉55金47玉76金
76同金56銀38玉46金
左翼に逃げ出すことはかないません。後手は持ち駒を使いきったので詰めろまで手数がかかるのですが、84飛~82飛成では勝てない感じです。
☆まとめ
また受けがテーマになりましたが、
先に受ける
持ち駒を打つ
というのが基本的な受け方です。状況によって基本から外れることもあって、なかなかセオリーまで昇格しませんが、この二つが受けの原則だと思ってください。
後手の盤上の攻め駒は57成銀1枚で、先手の盤上の受け駒は46金1枚(プラス89飛の横利きもある)ですから、金銀を2枚にしておけば受けやすいです。
金を打つか銀を打つかという選択は悩ましくて、金のほうが守備力が高いけれども、その金を剥がされて困る場合があります。銀(あるいはほかの小駒)を打つと利きが少ないけれども、取られた時に相手の戦力が減るから受けやすいという場合もあります。
38金37金38銀37銀(あるいは39金39銀もあるかも)の比較は難しいのですが、この場合はどれもありそうです。
何か攻めの手を指して(84飛とか53歩とか)47歩と垂らされたら受けが無くなっています。3枚の攻めとはいえ、先手玉が薄く、逃げるところもないです。先に受けるほうが手堅いのです。
58歩や49桂もテクニックではありますが、47金と打たれた時が厄介でした。
37玉から左に逃げるというのも実現すれば大きいのですが、後手には馬を使う手段がありました。
20180128今日の一手
10月7日の名南将棋大会から、SさんとKさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。
一昨日の一手の回答
☆ 形勢判断をします。
角桂と飛金銀の交換で竜を作っています。先手の駒得です。
玉の堅さは同程度。
先手の攻め駒は53竜と持ち駒金銀で3枚。
後手の攻め駒は69角35桂と持ち駒角で3枚。
総合すれば先手もちです。
何手で詰めろか数えてみると、後手玉は33歩成~32と で詰めろ。現状3手すきです。
先手玉は47角成で詰めろ。現状2手すきです。
先手番ですがこのまま寄せ合ったら後手の勝ちですから後手有利です。
☆ 大局観として
先手が駒得の分だけ指しやすいと思うのですが、後手の攻め駒が3枚、さらに36歩が嫌なところにあります。
素直な寄せ合いは後手のほうが速いですし、攻防の手もなさそうですから、なにかしっかりした受けを探さねばなりません。
× 33歩成47角成を見てみると
47同飛同桂成同銀37角では詰まされます。ここではほぼ受けなしで、32と37歩成同銀39角
でぴったり詰んでいます。
△ 実戦は57金と逃げて37角
二重の金取りですから逃げるのが自然な受けですが、角を打ち込まれました。29玉87角成39金打、あるいは29玉48角成同金79飛39銀というのも大変そうですが、37同銀同歩成同玉36銀26玉47桂成
これも悩ましいです。35玉57成桂44玉42金打
入玉を狙っての攻防で難しい戦いでしたが後手Sさんの勝ちに終わりました。
最後のところ、47桂成を同金と取れば
47同銀不成28飛36銀成17玉47角成33桂は15歩
詰めろを受けにくく先手敗勢、ということは33桂の前に38金打とか受けることになって形勢不明です。
あるいは36の銀を玉で取って
48成桂58銀同成桂同金引29飛48金打
19飛成に47玉から左に逃げていくというのも有力な変化です。
どれを選んでも難しい戦いでした。
○ 58銀と打てばどうか。
47桂成同飛58角成同金26銀
27金69角49角
後手が何か打てば、先手も何か打って受けます。27銀成同飛37金同銀同歩成同玉
35銀と打たれたら48玉から逃げ出すのも良いですが、33桂から攻めるのもあります。先手玉が広いので詰めろがかかりにくくなっていて、寄せ合いに出て先手の勝ちではないかと思えます。
△ 似ているようですが58金打なら
58同角成同金26金
というのが嫌な攻めです。(銀を渡して26銀は36金で大丈夫だった。)27と37の2つの地点に駒を足せないので、24歩47桂成同金37角39玉28金49玉48角成同玉38金57玉37歩成23歩成
長く進めましたが、駒を取られても6筋に逃げ出せるのならば寄せ合い勝ちになります。後手の攻めもいろいろありそうで、その前の図では形勢不明としておきます。
○ 57金打ならば
47角成に同金26金
は前と同じ変化です。
47角成には同飛と取って
26金には48角
として受けられます。
とすれば47同飛には同桂成同金69角58銀
58角成同金78飛48金寄68歩成24歩
これは先手の寄せ合い勝ちになりそうです。
× 駒を節約して58金では
58同角成同飛47桂成
で37に駒を打ち込まれてしまいます。
× 58飛でも47桂成
で困ります。
△ 26銀と右のほうから37の地点を受けると
47桂成同飛同角成同銀37金
37同銀同歩成同玉29飛38銀19飛成35角
35香や17竜を避ける角打ちで形勢互角です。
△ 27金とすると
47桂成同飛同角成同銀37金
37同金同歩成同玉29飛38銀19飛成35角
3つ前の図とは持ち駒の金銀が入れ替わっているだけの違いです。
△ 36金と歩を取ってしまうと
36同角成37金26金
馬のほうを取ると受けにくくなるので、26同金同馬37金36金同金同馬37金・・・で千日手模様です。
△ 37金打だと
37同歩成同金36金に58銀
千日手は回避できます。37金同玉78角成に26金くらいで先が長いです。
☆ まとめ
問題図を一目見たら金を取られてはまずそう、普通は二重の金取りは逃げたくなるのですが、57金37角で難しいと気が付きます。薄い穴熊とはいえ、食いつかれたら厄介なのです。
駒を自陣に打つ方が手堅いというのが受けの原則で、持ち駒は攻め駒に数えますが、盤上に無い駒は受けに働いていないです。打つのには1手かかるわけで、先に打っておくほうがしっかりした受け方です。
ではどこに打つか。後手のねらいは47角成同飛同桂成同銀37角ですから、37の地点を受けるか、47の地点を受けるかです。
一番強い受け方は58銀で角取り、47の地点も受けています。角を切られても大丈夫だと読めば、これが一番強い(リスクがあるが一番有利になりやすい)手です。
切られてまずいという場合は57金打を考えます。
右側から打つのは26銀か27金ですが、後手から47で清算して37に打ちこまれるのが少し怖いです。
それらの受け方でもだめだ、となった時には36金や37金打で歩と金を交換するのが非常手段。もしかすると紛れるかもしれません。後手が歩切れだというのがねらい目です。