第1問

43銀を避ける必要があります。大山先生の好みは?
A 33金 B 43金 C 42飛
第2問

53銀を防ぎたいです。
A 63銀 B 63金 C 43金
第3問

悪いので粘ります。
A 65桂 B 62銀 C 41金打
第4問

反撃開始です。
A 51香 B 32角 C 36角
第5問

竜を取ると?
A 41同金 B 54角 C 87銀
20180227今日の一手
1月6日の名南将棋大会から、NさんとNさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。
一昨日の一手の回答
仕掛けから見てみます。
後手Hさんはダイヤモンド舟囲いというべきか、得意の陣形です。左64銀の急戦ですね。先手Hさんは98香とか待っておいて76歩同銀72飛65歩、というのが定跡(のような)手順です。すぐに65歩と切り札を使うのもないこともないのですが、77角成同飛53銀引
75歩86歩同歩同飛87歩82飛
という図は居飛車が十分です。88角や88歩があります。でも88角と打って粘ればこれからでした。案外に難しいです。
先手Hさんはそういう棋風ではないのでしょう、74歩と伸ばすのは自然な手で76歩
73角を気にしたのでしょうか、この歩は疑問手で、76同銀88角97香
と進んだならば歩切れですから指しにくかったでしょう。
実戦では76歩を同飛と取って
87飛成77桂72歩に97角
苦心の自陣角を打って、95歩に86飛同飛同角89飛というのが問題図です。
☆ 形勢判断をします。
先手の1歩得です。
玉の堅さは互いに金銀4枚で、先手のほうが横からの攻めには一路深いけれど67銀が守りに働いていると言えるかどうか。同程度と見ておきます。
先手の攻め駒は86角と持ち駒飛で2枚。
後手の攻め駒は89飛と持ち駒角で2枚。
総合すれば互角です。1歩得を重視すれば先手が指しやすいか。
☆ 大局観として
先手の86角がお荷物なので、うまくさばいておきたいです。いつでも角を切れるのでなんとなりそうな感じではあります。互いに攻め駒が足りませんから、桂香を取り合って寄せ合いというパターンならば、先手だけ左桂を跳ねているので取られにくい形ができるかもしれません。そう思えば77桂もさばきたい、取られないように逃げ出すだけでも大きいです。
2つ課題がありますから、安易に指したらいけません。先の展開を読んでおきたい局面です。
手としては角取りですから考えやすいですが、受ける手は多いです。
△ 実戦では82飛と打って受けました。75角
と返されて予定と違ったというところではないでしょうか。ここに角打ちがなければ、64角82飛同角成というさばき方を考えていたのでしょうけれど。
素直に75同角82飛成84歩96歩
は少し指しにくいけれどこれからの展開でした。
実戦では角を見切って81飛成
としましたが、86飛成から桂香を取り合った図は
先手の角損ですから敗勢です。
× 83飛でも75角
があります。75同角83飛成84歩には74竜
これは失敗でしょう。82飛よりも劣ります。
○ 84飛ならば
75角はありません。88角に75角99角成85桂93桂同桂成
くらいでしょうか。ほぼ損得なしで進みそうですが、先手から角を切って後手玉を薄くする手段がある分だけ指しやすいのではないかと思います。
後手は93桂としないで98馬81飛成65馬
と使うものかもしれません。66角74馬45桂64香
はちょっと怖いところです。
おとなしく48角74馬93桂不成
というところか。先は長いです。
ひねると88角に87歩として
99角成81飛成87飛成に53角成
81竜44馬33桂54馬43歩64歩同歩82歩
飛車を捨てましたが、64馬~65桂が実現すれば有利になりそうです。後手は33桂43歩を違う受け方もありますし、成立しているかどうかは微妙なところです。
△ 85飛だと
飛車にひもがありますから75角の心配はいりません。88角75角99角成
今度は84飛の時にできた85桂がありません。89飛同馬82飛88飛85桂
という逃げ方ですが、前にやった変化とは89馬88飛の配置(99馬89飛だった)が違います。
67馬同金78飛成
この両取りは受けにくく、53角成同金58銀か。
後手は78飛成ではなく58銀や47香で攻めるかもしれません。その受けに自信があればというところです。三枚の攻めなのでつぶれてはいないはずですが。
また、88角に87歩として
87に竜を呼んで53角成の変化に持ち込むことはできます。
△ 何度か出てきましたが問題図で87歩として
87飛成を誘うこともできます。つまり88角82飛(どこから打ってもいい)99角成81飛成87竜53角成・・・という前に出てきた変化です。
後手としてはわざわざ88角から香を拾う必要もなく、99竜83飛93桂81飛成
一度桂馬を逃げておくのもあります。これで79角(57香狙い)75角46角成47歩
では91香を守り切れていませんから
96竜91竜85桂
のほうか、桂は損しませんが竜の位置が良くないから先手もちです。
やはり後手は88角~99角成~87竜というほうが良いのでしょう。
角を逃げるとしたら
× 97角は96歩
で損しています。
○ 75角なら
88角83飛(好きな位置に打ちやすい)99角成85桂
前にやったのは84飛の位置でしたから、それよりもわずかに得しているのかも。少なくとも84から飛車を打てば合流します。
○ 最後は53角成と切る手。
駒損ですが、53同金85飛
角をさばいて桂馬を逃げきることができれば悪くはないです。後手玉が薄くなりましたし。
85同飛同桂82飛76銀
71飛~83歩を狙います。15歩同歩13歩同香14歩同香12飛というのもありますね。実戦的には先手が勝ちそうな流れか。
後手は駒得だからと自陣飛車ではなく89飛から寄せ合いかもしれませんが、先手も十分に指せます。
☆ まとめ
振り飛車に急戦を仕掛けたとしてもその先の展開はいろいろあるのです。互角のさばき合いになったとしても2通り。
1) 銀交換にならないで飛角を交換し合う急戦の変化というのは、案外にじっくりした展開になります。その後の飛角の配置、桂香をきれいにとれるか、と金が作れるか、端攻めがあるか、という細かいところが勝負を分けます。長期戦になる場合が多いです。
2) 飛角銀総交換で桂も取って、というのは激しい寄せ合い、短期決戦です。香を取るのはぬるい手になることも多いです。
このことを知っておくだけで急戦の面白みが増えるでしょう。
さばき合いにならずに、居飛車が少し駒得して受けにまわるということもよくありますね。
どうやっても一局のように見えて、実は先手がだめになる変化もありました。最善の応酬ならわずかに先手が指せるかというくらいですが、問題図くらいのところが勝敗を分けてしまうことがあります。
似たような将棋を見たことがある、だから安易に82飛、ではだめなのです。
丁寧に読んで84飛か85飛か。あるいは角を逃げておくのが良いかも、と比較検討すべきです。
腕に自信があれば角を切って攻める手を読んでみます。駒損ですからその先を読まないで指せる手ではありません。