名南将棋大会ブログ 名古屋

名南将棋大会告知や結果のほか、
将棋が強くなるための記事を書きます。
まずは将棋上達法則を見てください。

大山将棋問題集 20180422

2018-04-22 | 大山将棋研究
後手番小野先生の手を考えます。

第1問


大山先生はこれで指せると思っていたのでしょうが。
A 33桂 B 33金 C 13香

第2問


これも渋いです。
A 17歩成 B 15香 C 99角成

第3問


のんびりしているようなのですが。
A 15歩 B 44歩 C 78飛

第4問


詰みが読めれば勝ちです。
A 28銀 B 19飛 C 25桂打
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

大山将棋研究(862);三間飛車に左64銀急戦(小野修一)

2018-04-22 | 大山将棋研究
今日の棋譜20180422
昭和61年6月、小野修一先生と第13回名将戦です。

大山先生の先手三間飛車に小野先生は急戦です。

左64銀急戦になりました。先後の違い、対三間飛車、94歩、後手四間飛車への急戦に比べて3手遅れています。それでは圧倒的に不利かといえばそうでもないです。

この戦型の場合は76歩同銀に86歩同歩を入れて72飛というのが仕掛けの手順です。振り飛車としては74歩同飛を入れて65歩というのもあります。この頃に知られていたかどうかは微妙な時期ですが。
さて65歩が強い対応で

77角成同飛に88角というのも最強の応対です。64歩77角成に73歩同飛74歩同飛に65銀と馬を取らないで返すのが好手で、75飛77桂同飛成54銀というのが振り飛車有利。途中73歩同飛74歩に76馬73歩成同桂というのが激戦なのですが、この場合は高美濃が横からの攻めに弱くなっているので居飛車有利でしょう。
この時期にその研究があったかどうかはわからないのですが、75歩と打てば少し穏やかになります。(75同銀同銀77角成同桂75飛66角は先手よし。)でも大山先生は手が進んでいるのですから、こうするつもりならば98香を指しておきたかったです。飛車を取られるのは怖くないですが、99角成と取られるのはちょっと痛いのです。

大山先生は66角が良い返しだと思っていたのでしょう。45歩が働いています。でも13香とかわされて当てが外れたか。

端を と金で攻めるのですが

香を逃げられて、いつでも17歩成があるから取りに行くのもばかばかしいです。

57角から馬を作りましたが、玉の早逃げで効果なし。

小野先生は香飛を取って17香で攻めます。

大山先生は84歩、56馬を利かせて清算しました。これで形勢不明なのですが

44歩から後手を引いても馬を追うというのが小野先生の好判断でした。

大山先生は83香から左右挟撃にできますが

小野先生も46香から攻められます。金を剥がして取り返されても、後手19飛が王手金取りになるからかなり厳しいのです。

大山先生は飛車を捕獲しましたが、小野先生が金銀を取った手が厳しく

いきなりべたべた打ってしまうのですが、これを取るしかなくて

そのまま詰んでしまいました。

大山先生としては先手三間飛車で手が進んでしまうばかりに、袖飛車だとか左金で守るとかの定跡外しが利きません。でも指しやすいはずなのですが、45歩~66角というのが有効打にならなかったというのが想定外でしょう。若手は急戦定跡を研究していますが、大山先生は詳しく知らないですから、その場で対応しています。
馬を作り中段玉で粘るのが大山先生の得意パターンですが、先手玉が案外に狭いとは。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.40 棋譜ファイル ----
手合割:平手  
先手:大山十五世名人
後手:小野修一5段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 7八飛(28)
4 3四歩(33)
5 6六歩(67)
6 8五歩(84)
7 7七角(88)
8 6二銀(71)
9 6八銀(79)
10 4二玉(51)
11 4八玉(59)
12 3二玉(42)
13 3八玉(48)
14 5四歩(53)
15 5六歩(57)
16 5二金(61)
17 2八玉(38)
18 7四歩(73)
19 3八銀(39)
20 4二銀(31)
21 5八金(69)
22 1四歩(13)
23 1六歩(17)
24 5三銀(42)
25 4六歩(47)
26 4二金(41)
27 3六歩(37)
28 9四歩(93)
29 4七金(58)
30 6四銀(53)
31 6七銀(68)
32 7五歩(74)
33 4五歩(46)
34 7六歩(75)
35 同 銀(67)
36 8六歩(85)
37 同 歩(87)
38 7二飛(82)
39 6五歩(66)
40 7七角成(22)
41 同 飛(78)
42 8八角打
43 7五歩打
44 5三銀(64)
45 6六角打
46 1三香(11)
47 1五歩(16)
48 同 歩(14)
49 1二歩打
50 3三桂(21)
51 1一歩成(12)
52 1六歩(15)
53 1二と(11)
54 1五香(13)
55 5七角(66)
56 4一玉(32)
57 1三角成(57)
58 5一玉(41)
59 2二と(12)
60 9九角成(88)
61 8五歩(86)
62 7七馬(99)
63 同 桂(89)
64 1七香打
65 8四歩(85)
66 8二飛(72)
67 4六馬(13)
68 7三歩打
69 1七桂(29)
70 同 歩成(16)
71 同 香(19)
72 同 香成(15)
73 同 玉(28)
74 4四歩(43)
75 2三と(22)
76 4五歩(44)
77 2四馬(46)
78 4四銀(53)
79 2六角打
80 5三銀(62)
81 8三香打
82 6二飛(82)
83 8一香成(83)
84 4六香打
85 8三歩成(84)
86 4七香成(46)
87 7三と(83)
88 9二飛(62)
89 8二成香(81)
90 3八成香(47)
91 9二成香(82)
92 2八銀打
93 1六玉(17)
94 1七金打
95 同 角(26)
96 同 銀成(28)
97 同 玉(16)
98 2五桂打
99 同 馬(24)
100 同 桂(33)
101 1六玉(17)
102 1八飛打
103 2五玉(16)
104 1四角打
105 2四玉(25)
106 3三角打
107 投了
まで106手で後手の勝ち



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

20180422今日の一手(その681);寄せのセオリー(11)

2018-04-22 | 今日の一手

20180422今日の一手

1月13日の名南将棋大会から、TさんとTさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。


一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
桂角の交換で竜を作り合っています。先手の駒得です。
玉の堅さは先手のほうが堅いというか深いです。後手の銀冠も結構堅いのですが。
先手の攻め駒は21竜と持ち駒角角銀で4枚。十分にあります。
後手の攻め駒は49竜と持ち駒銀桂で3枚。

総合すれば先手優勢です。

☆ 大局観として

3つの要素で上回っていますから、自然な手はどれも正解になるでしょう。
ここでは後手から67歩とか66桂とか94桂とか、ちょっと嫌な手があるのでそれを避けておいて長い戦いを目指してもよいでしょう。
早い勝ちを目指すならば寄せを考えたいです。まだ後手玉に手がかりが少ないようですが、27角の筋があるのでいきなりの寄せがありそうです。

4枚攻め駒があるので寄せのセオリーで考えていきましょう。
厳しい手から考える
小さな駒から使う
でしたね。


○ ゆっくり指すなら55角で

64歩を狙い、角を追われたら調子で33角成とすれば駒得が広がり先手玉が堅くなります。
寄せが見えなければこれが一番手堅いと言えます。


寄せのセオリーから考えて、王手の93銀から。

無理なことをしているようですが、93同香は詰みますね。93同玉に91竜92銀打

合駒はどれでも同じですが、81角と打った時に82金63角成というのは駒損で受けが無くなっていきます。(92角成同銀94香というのもあります。)62金引とか受けた時に96歩

これが詰めろで一手一手なのです。


△ 同じような意味で96歩

を先にするのもありますが、さすがに手抜かれたら遅い、悪いこともないのですが。この攻め筋は対銀冠で95歩同歩と突き捨てて出てくることがあります。


○ より大きな駒93角は次の候補で(93銀で良ければ考えなくてよいのですが)

これでも93同玉91竜92銀打に81銀

今度は63角成がないから82金と寄れるのですが、92銀成同銀(92同金なら82銀94玉96歩)94香

とすれば寄り筋です。


△ 次に考えるのは72金をねらう手で81銀。

普通は71金で後続無しなのですが、27角が両取りです。

29竜のけん制にも71竜同玉63角成

とすれば受けがなさそうです。

27角に45竜ならば

45同角同桂42飛62歩41飛成

という順で受けなしです。

結局は81銀に41歩

と我慢することになりそう。27角にも42竜72銀成同銀

問題図よりは良くなっているのですが、まだ後手玉を寄せきったという感じではないです。


△ 61銀も同じような手で

71金の時に27角29竜

71竜と切れないのでちょっと工夫が必要です。32竜62金引63角成

とすれば攻めがつながるので、これも金を逃げるというわけにはいきません。

となれば41歩で

81銀の時と同じでしょう。


○ 61角はどうか。

62金引には71銀

71同金なら83角成同玉71竜

で寄っています。

71銀に同玉なら72角成同玉91竜

27角や81角を狙ってかなり受けにくい形です。

とすればやはり61角にも41歩で

27角42竜(29竜63角成は寄り筋)63角成同金71銀

とすれば、71同玉83角成という形に受けがないのです。42竜の横利きは41竜と捨てて崩せます。


× 85歩は

83銀をねらった手なのですが2手かかります。67歩84歩68歩成83歩成

直線的に進んだとして、83同玉84歩同玉57角

合駒を打たせて68角とすれば先手が良いのですが、ここまで危険を冒す将棋ではないでしょう。

85歩に41歩ならば

というのは部分的には得をしているような気がするのですが、84歩と取り込むと87歩とたたかれる手が残ります。


○ 63金は後手玉からより遠い金なので、ねらう駒としては厳しさが下がるのですが、64歩

と歩を使うことができます。
64同金でも62金引でも27角

とすれば29竜は72角成で王手竜取りです。
42竜には63歩成同金直同角成

金を取って63同金には71角で寄りなので、後手は何か埋めるしかないです。どう応じても先手が駒得で攻めることができます。


△ 52銀はその次に考える手で

62金引には27角

29竜にも72角成が王手竜取り(72同金で銀取りも消える)というのは一緒ですね。
19竜なら71角と捨てて、71同金同竜

で寄せられます。

今度は41歩63銀成同金というのが薄すぎますから、後手は54金

と27角の筋を避けて逃げるくらいか。ここで55歩もありますし、63銀成には41歩

くらいしか受けがないので、後手玉の守りがかなり薄くなります。だから最初に81銀や61銀よりも優っているのかもしれません。


△か× 実戦は52角で

多分27角の筋が見えていなかったのだろうと思います。62金引に63銀

(63銀で27角ならば52金49角でしょうか。81飛があるので悪くはありません。)
清算してもらえれば71角で寄りなのですが、61歩がしぶとくて、72銀成同銀74角成

というのは案外に寄せにくい形なのでした。この後先手玉に食いつかれて(77歩同金右69銀79金打78銀成同金上69銀79銀打78銀成同金66桂77金78歩同銀68金)

受け間違いがあるのかもしれませんが、これでは難局です。
やっと27角に気が付いて、78桂成同金同金

72角成から詰ましに行ったのですが一枚足りませんでした。


△ 27角も63金を狙っていて

29竜以外は63角成で困ります。45竜同角同桂81飛というのも嫌でしょう。29竜に18角打

とすれば、28竜にも29歩、後手は竜を切るしかなくて、長くなりますが先手が良いです。


☆ まとめ

攻め駒が4枚あったら寄せのセオリーで考えていけばよいです。
それにしてもいきなり93銀で寄せになるのですね。ちょっと驚きます。銀冠を崩す時には端攻めが急所になることがあります。
93銀で良ければ93角は考える必要はないですが、同じように寄ります。

72金をねらおうというのが次に考える手で、81銀か61銀か。この時に71金と引かれるのが厄介だというのが銀冠の手ごわいところなのですが、27角があるので大丈夫でした。ただし41歩と我慢されると、悪くはないけれど長くなります。
61角も一応やってみると、72角成ねらいではなくて、27角~63角成同金71銀というのが寄り筋でした。83に利きがあるという効果です。

81銀や61銀が思わしくないとすれば(実は61角が有効でしたが)、83銀を狙います。85歩は筋だけど怖いです。

消去法でたどり着くねらいの駒は63金で、相手玉から離れている駒のほうがねらいやすいものです。(厳しさでは劣るのですが。)64歩が筋で、これと27角を合わせれば寄せが見えてきます。
52銀や52角や27角は悪くもないけれどはっきりしませんでした。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする