その他の形を見ていきましょう。人気の戦型でしたから、対策も変化もいっぱいあります。
後手が14歩を突かなかった場合を片付けておきます。先手が16歩を突けば後手も14歩を受けると思うのですが、35歩51角
24歩に同角と取った時に、45歩同歩15銀と捨てる。
加藤一二三先生が何局か指していますが、面白い変化もあるので追いかけてみます。15同銀23飛成33角44歩
22飛同竜同角43歩成
88角成同玉43金41飛22角
AIによると、22角ではなくて39飛か41飛で後手有利だと。79銀が厳しいからと69銀と打たせれば、この22角以下の手順で後手有利になります。この図からは66角32銀71銀
(49飛69銀が入っていれば71銀を打てない)どこかで(左46銀急戦で)見た手順が出てきて、71同玉61飛成同銀22角成42金
AIは44角と打って先手有利だと言います。53銀には32馬、82玉には71金72銀打61金同銀71銀という調子です。44角ではなく12馬49飛69香の進行でも先手よし。途中で形勢が揺れ動いているのですが、
この44歩が最善ではなく(後手有利)、打たないで33同角成同桂44歩14角
14同竜同歩43歩成同金21角42飛31銀
評価値は-226。2筋のどこかに飛を打たれて先手が苦しいです。
また33角に21竜と桂を取ると、
88角成同玉22角77角同角成同桂44角66角同角同歩44角23歩35歩
しつこく角を打たれて難しい図です。手得はしたけど評価値は-95。
加藤先生のひらめきでしたが、うまくはいかないようです。
なお24歩を同歩と取られたら
15銀35歩24銀34飛
23銀不成24飛同飛同角45歩
評価値+55、先手の得が残っているかというくらいの互角です。
後手が端歩を手抜いても、先手がとがめるのは難しいです。なので先手から16歩を突いて、後手に14歩と受けさせる方が考えやすいという結論にしておきます。