後手番大山先生の手を考えます。
第1問
駒損で後手不利です。攻めるとすればこれくらい。
A 15飛 B 18歩 C 86歩
第2問
駒損は緩和されました。大事な手があります。
A 62玉 B 54歩 C 15飛
第3問
持ち駒が豊富なので寄せに入ります。どれでも寄りそうですが、切れないように。
A 48銀 B 36桂 C 55香
後手番大山先生の手を考えます。
第1問
駒損で後手不利です。攻めるとすればこれくらい。
A 15飛 B 18歩 C 86歩
第2問
駒損は緩和されました。大事な手があります。
A 62玉 B 54歩 C 15飛
第3問
持ち駒が豊富なので寄せに入ります。どれでも寄りそうですが、切れないように。
A 48銀 B 36桂 C 55香
今日の棋譜20210228
昭和31年11月、松田茂行(茂役)先生と第6期王将戦です。
松田先生の先手で相掛りです。
タテ歩取りが多いですね。ひねり飛車が流行っていたということでしょう。
大山先生は8筋の歩を交換しないのでひねり飛車にはなりません。
松田先生の77角~88銀は、矢倉に組み替える意味だったでしょうか。大山先生は端角です。68角と受けられたらどういう構想があったかわかりませんが、35角~62角~84角とか?
松田先生は56飛で先手を取り、54銀に15歩、
端を取り込んで指しやすくなったか。大山先生は銀を出て飛をいじめます。55飛54歩35飛同歩77銀と進んでら歩得で先手有利、55飛には76銀68角で難しいか。
16飛57角成で馬ができました。でも13歩成があって、
13同馬同飛成同香同香成。13同桂とは取れませんから松田先生は飛と角香の交換で駒得です。
44歩68角
35歩同角18歩、大山先生の と金作りは受けにくいですが、松田先生は何か攻め筋があるでしょう。12角32銀22成香とか、22歩13桂同角成とか、58香~12成香とか。
36歩19歩成37桂というのは駒得を意識したのでしょうが、と金を作られています。
18と29歩16歩、ここで19歩を打てば手を稼げるのでは?
58香42銀22成香、これも悪くなさそうに見えます。
17歩成25桂に34金が気になったのですが、43金。
21成香28と寄17角
38と同金62玉。ここまでで一段落です。飛銀と角桂香の交換は少し先手の得です。後手玉のほうが堅く、攻め駒は4対2、総合すれば先手よしに思えるのですが。
横歩を取られて後手の攻め駒は3枚、先手玉の不安定さが目立ちます。
後手の飛に活躍されて嫌な感じです。
桂取りで催促されてどうするか。
75歩83銀55桂
54金に32成香と捨てて
桂を成ります。63同玉は41角ですね。
71玉に56角、というのは変調です。自然な54香は、57飛58歩54飛成もどうするかわかりませんが、57飛ではなくて57銀を打たれたら詰めろ、38飛成があるので受けにくいから見送ったのですね。
72銀同成桂同金23角成、これで駒の損得はあまりないのですが。
38飛成同歩36桂、先手玉は手が付くと早いです。これが詰めろで
39角に37歩は2手すき。
32飛38歩成で詰めろ。
42飛成に48銀から詰みで、ここまで。
端角がうまくいくことはあまりなくて、大山先生の動きは失敗です。松田先生は駒得を生かそうと、本筋を探し、ゆっくり攻めるのですが、それがうまくいきませんでした。玉の安全度に関しては大山先生の感覚が優れています。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.44 棋譜ファイル ----
開始日時:1956/11/09
手合割:平手
先手:松田茂行8段
後手:大山名人
手数----指手--
1 2六歩(27)
2 8四歩(83)
3 2五歩(26)
4 8五歩(84)
5 7八金(69)
6 3二金(41)
7 2四歩(25)
8 同 歩(23)
9 同 飛(28)
10 2三歩打
11 2六飛(24)
12 6二銀(71)
13 9六歩(97)
14 9四歩(93)
15 3八銀(39)
16 1四歩(13)
17 1六歩(17)
18 3四歩(33)
19 3六飛(26)
20 3三金(32)
21 7六歩(77)
22 6四歩(63)
23 7七角(88)
24 6三銀(62)
25 8八銀(79)
26 1三角(22)
27 5六飛(36)
28 5四銀(63)
29 1五歩(16)
30 3五角(13)
31 1四歩(15)
32 6五銀(54)
33 1六飛(56)
34 5七角成(35)
35 1三歩成(14)
36 同 馬(57)
37 同 飛成(16)
38 同 香(11)
39 同 香成(19)
40 4四歩(43)
41 6八角(77)
42 3五歩(34)
43 同 角(68)
44 1八歩打
45 3六歩(37)
46 1九歩成(18)
47 3七桂(29)
48 1八と(19)
49 2九歩打
50 1六歩打
51 5八香打
52 4二銀(31)
53 2二成香(13)
54 1七歩成(16)
55 2五桂(37)
56 4三金(33)
57 2一成香(22)
58 2八と(18)
59 1七角(35)
60 3八と(28)
61 同 金(49)
62 6二玉(51)
63 2八角(17)
64 8六歩(85)
65 同 歩(87)
66 同 飛(82)
67 8七歩打
68 7六飛(86)
69 7七桂(89)
70 7四銀(65)
71 2二成香(21)
72 3六飛(76)
73 3九歩打
74 3五飛(36)
75 7五歩打
76 8三銀(74)
77 5五桂打
78 5四金(43)
79 3二成香(22)
80 同 飛(35)
81 6三桂成(55)
82 7一玉(62)
83 5六角打
84 7二銀(83)
85 同 成桂(63)
86 同 金(61)
87 2三角成(56)
88 3八飛成(32)
89 同 歩(39)
90 3六桂打
91 3九角(28)
92 3七歩打
93 3二飛打
94 3八歩成(37)
95 4二飛成(32)
96 4八銀打
97 同 角(39)
98 同 と(38)
99 投了
まで98手で後手の勝ち
先手番大山先生の手を考えます。
第1問
角を交換したので、王手飛車に備えねばなりません。この手の比較は難しいところですが。
A 68金右 B 68金左 C 88玉
第2問
飛は切りやすくなっています。
A 64飛 B 32飛成 C 71角
第3問
銀を取られましたが、駒を取り返せます。
A 81飛成 B 91馬 C 64馬
今日の棋譜20210227
昭和31年10月、原田泰夫先生と第6期王将戦です。
大山先生の先手で矢倉です。
5筋と6筋を突く矢倉は、原田先生の64歩のほうが古い形です。
腰掛銀から銀矢倉を目指すのはその中でも古い指し方です。
大山先生の37銀~35歩は、後の定番になります。
それで先手の作戦勝ちかと言えば、後手の45銀が良い手で、先手の36銀を防いでいるのです。
55歩に対して54歩を突いたのは、攻め将棋の原田先生らしくはあるのですが、おとなしく角を移動しておくほうが良かったと思うのです。
後手の54銀型も良い形ですが、先手の36銀も良い形です。
この45歩を取れないので、後手はちょっと面白くないはず。
65歩(64角ねらい)44歩同銀37角
55歩に45歩、これは取れません。
53銀79玉64銀26角53角、先手の角のほうが働きが良いので角をぶつけるわけですが、
角交換は陣形の低い先手のほうが気が楽です。凹矢倉の68金左というのが指されてみればなるほど。
原田先生のほうは玉を囲いにくいです。75歩同歩56歩というのは、76歩同銀55角のねらいです。
大山先生は横歩を取ってしまいます。59歩を打てるから飛を切りやすいと。
43銀に71角、72飛は53角成同銀84飛82歩63金と攻めることができます。52飛は64飛同金53銀、92飛53角成同銀84飛82歩というのも後手は指したくないでしょう。ならば62角成は残っても83飛が正しいか。戻って43銀では43金寄としておけば、この角打ちはなかったということか。
原田先生は飛の取り合いにして
王手で銀が取れるのは良いのですが、玉の堅さが違います。
香を取られて、37香があります。後手不利ですね。歩切れなのでまとまらないです。
24角は攻防ですが、37香には困っていたはず。大山先生はあっさり銀を取って二枚換えにします。
攻め駒は4枚ありますね。飛を打ち込まれてもまだ大丈夫です。だから37香もあるのですが
44香も厳しいです。銀の移動合いでしたが、
43同香不成同金44歩、これに44同金は31金53玉53銀、44同飛成は55銀、という寄せ方です。
38竜も35歩が利いて、
42金に43銀は詰めろ。
43同金同歩成59飛成69銀でここまで。
中央を重視するのが昔の将棋ですが、あまりこだわらない方が良いでしょう。大山先生が軽く動いて指しやすくなり、大技を決めてしまいました。55手目68金左が隠れた好手なのですが、現代ならば88玉と指してしまいそうなところです。後手の攻めへの当たりが強くなるので金を逆によるほうが良さそうですね。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.44 棋譜ファイル ----
開始日時:1956/10/26
手合割:平手
先手:大山名人
後手:原田泰夫8段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 6八銀(79)
4 3四歩(33)
5 7七銀(68)
6 6二銀(71)
7 2六歩(27)
8 4二銀(31)
9 4八銀(39)
10 3二金(41)
11 7八金(69)
12 4一玉(51)
13 5六歩(57)
14 6四歩(63)
15 3六歩(37)
16 6三銀(62)
17 2五歩(26)
18 3三銀(42)
19 7九角(88)
20 5二金(61)
21 5八金(49)
22 5四銀(63)
23 6九玉(59)
24 4四歩(43)
25 3七銀(48)
26 7四歩(73)
27 3五歩(36)
28 同 歩(34)
29 同 角(79)
30 4五銀(54)
31 5五歩(56)
32 5四歩(53)
33 同 歩(55)
34 同 銀(45)
35 3六銀(37)
36 4三金(52)
37 2六角(35)
38 3一角(22)
39 4六歩(47)
40 3四歩打
41 4五歩(46)
42 6五歩(64)
43 4四歩(45)
44 同 銀(33)
45 3七角(26)
46 5五歩打
47 4五歩打
48 5三銀(44)
49 7九玉(69)
50 6四銀(53)
51 2六角(37)
52 5三角(31)
53 同 角成(26)
54 同 金(43)
55 6八金(78)
56 7五歩(74)
57 2四歩(25)
58 同 歩(23)
59 7五歩(76)
60 5六歩(55)
61 2四飛(28)
62 2三歩打
63 3四飛(24)
64 4三銀(54)
65 7一角打
66 5七歩成(56)
67 同 金(68)
68 3四銀(43)
69 8二角成(71)
70 3九飛打
71 5九歩打
72 3六飛成(39)
73 6一飛打
74 5一歩打
75 9一馬(82)
76 2四角打
77 6四飛成(61)
78 同 金(53)
79 同 馬(91)
80 4九飛打
81 4四香打
82 4三銀(34)
83 同 香(44)
84 同 金(32)
85 4四歩(45)
86 3八龍(36)
87 3五歩打
88 4二金(43)
89 4三銀打
90 同 金(42)
91 同 歩成(44)
92 5九飛成(49)
93 6九銀打
94 投了
まで93手で先手の勝ち
後手番大山先生の手を考えます。
第1問
こんな手がうまくいくとは。
A 55歩 B 65歩 C 64銀
第2問
とりあえずこの手は指しておきたいです。
A 56歩 B 31角 C 36歩
第3問
これで駒得になります。
A 25銀 B 25銀打 C 75歩
第4問
この手で投了でした。
A 67銀 B 57歩成 C 87飛成
今日の棋譜20210226
昭和31年10月、五十嵐豊一先生と名人A級選抜勝継戦です。
五十嵐先生の先手で相掛りです。引き飛車と浮き飛車
旧型と新型の対抗は、前の対戦と同じです。
中央の位を取るところまでは同じで、
45銀と出る将棋でしたが、本局は大山先生が6筋の位を取ります。75歩同歩64銀~75銀と攻めるわけです。
五十嵐先生はすぐに66歩同歩同角と反発し
82飛に77桂は頑張った手ですが、54歩を突かれてどうするか。もちろん取れませんし、角交換も面白くないです。
とりあえず37桂は反撃のためですが、65歩を打たれました。65同桂が自然で、同桂同銀64歩56銀55歩までは進むでしょう。55同銀は54歩で銀が死ぬし、55同角は66桂、67銀引は65歩~66桂、どうやら桂を交換すると66に打たれる筋にはまるようです。これを五十嵐先生が読んでいなかったか。まあこんな手は何とかなるというのが第一感ですよね。
48角55歩45銀、位を失ってちょっと悪そうです。
33銀の受けに35歩同歩25桂
24銀34銀までは妥当でしょう。33歩を打って攻めるねらいです。
大山先生は31角、これは33歩に22金とかわして受ける意味です。
五十嵐先生は45歩を突いたのですが、64角で困っています。代わりの手というのが難しいのですが、とにかくこの2手の交換は損でした。
33歩を打ったら、条件が悪くなっているのであっさり交換に応じられました。36桂、56桂、66桂、3つの両取りが残っていますし、56歩の突き出しにも備えねばなりません。
34歩32金33銀、受けるのはあきらめて攻めてみます。
21桂32銀成同玉、桂を使ってもらったのでちょっとは余裕ができたのですが。
33歩成同玉46桂、歩切れでは攻めにくそうです。
32玉34金24銀。自然なのは24金同歩同飛ですが、23歩34飛33銀35飛ではぱっとしないのでしょうか。33銀に(打たせないのもある)64飛同銀71角とかで無理にでも攻めるしかなかったと思います。
24角は24金同歩35角と使えればという手ですが。56歩で桂取り。24金46角48飛24歩46飛34桂でも悪いので、
27金25銀、35角34銀を取れないので困っています。
35金に、大山先生は角を切った? 切る必要はないのですが、
清算して金桂交換の駒損です。ということは寄せがあるということですね。57銀や37銀や48角もありますが、
66桂88金58角、これは厳しいです。66桂に67銀打ならばもう少し長かったのですが、
79玉87飛成で終わりです。取れば詰みますね。
大山先生が読み勝った将棋です。先手陣に無理があって、これくらい何とかなるだろうという手に対応しきれていませんでした。やはり新旧対抗は旧型が指しにくいようです。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.44 棋譜ファイル ----
開始日時:1956/10/21
手合割:平手
先手:五十嵐豊一8段
後手:大山名人
先手省略名:五十嵐
手数----指手--
1 2六歩(27)
2 8四歩(83)
3 2五歩(26)
4 8五歩(84)
5 7八金(69)
6 3二金(41)
7 2四歩(25)
8 同 歩(23)
9 同 飛(28)
10 2三歩打
11 2八飛(24)
12 8六歩(85)
13 同 歩(87)
14 同 飛(82)
15 8七歩打
16 8四飛(86)
17 4八銀(39)
18 6二銀(71)
19 7六歩(77)
20 3四歩(33)
21 5六歩(57)
22 6四歩(63)
23 5七銀(48)
24 6三銀(62)
25 5五歩(56)
26 5二金(61)
27 5六銀(57)
28 4二銀(31)
29 6八銀(79)
30 4一玉(51)
31 6九玉(59)
32 7四歩(73)
33 5八金(49)
34 1四歩(13)
35 4六歩(47)
36 7三桂(81)
37 9六歩(97)
38 9四歩(93)
39 3六歩(37)
40 6五歩(64)
41 6六歩(67)
42 同 歩(65)
43 同 角(88)
44 8二飛(84)
45 7七桂(89)
46 5四歩(53)
47 3七桂(29)
48 6五歩打
49 4八角(66)
50 5五歩(54)
51 4五銀(56)
52 3三銀(42)
53 3五歩(36)
54 同 歩(34)
55 2五桂(37)
56 2四銀(33)
57 3四銀(45)
58 3一角(22)
59 4五歩(46)
60 6四角(31)
61 3三歩打
62 同 桂(21)
63 同 桂成(25)
64 同 銀(24)
65 同 銀成(34)
66 同 金(32)
67 3四歩打
68 3二金(33)
69 3三銀打
70 2一桂打
71 3二銀成(33)
72 同 玉(41)
73 3三歩成(34)
74 同 玉(32)
75 4六桂打
76 3二玉(33)
77 3四金打
78 2四銀打
79 2六角(48)
80 5六歩(55)
81 4七金(58)
82 2五銀(24)
83 3五金(34)
84 4六角(64)
85 同 金(47)
86 2六銀(25)
87 同 飛(28)
88 6六桂打
89 8八金(78)
90 5八角打
91 7九玉(69)
92 8七飛成(82)
93 投了
まで92手で後手の勝ち
後手番大山先生の手を考えます。
第1問
局地戦から始まりましたが、後には引けません。
A 74同銀 B 55歩 C 85桂
第2問
少し駒得になりました。まだ大変そうなのですが、ねらいの手があります。
A 42銀 B 13角 C 75銀
第3問
激しいことになりましたが、瞬間は大きな駒得です。
A 46角 B 23同金 C 46角打
今日の棋譜20210225
昭和31年10月、灘蓮照先生と第6期王将戦です。
灘先生の先手で矢倉です。
46歩と64歩は古い矢倉になったようですが
大山先生は袖飛車へ。
7筋の歩を切って
銀桂を使うのは良い形です。飛の動きで手数がかかっているので、矢倉崩しの理想形までもっていけるかどうか。
灘先生は角を使って攻めをけん制します。あとは37桂くらいは跳ねて、玉を囲うのかと思ったのですが。
37角(後手の13角や44歩を警戒したか)15歩(この様子見は何?)46銀、予想外の駒組です。
31玉55銀、これで64歩を取れたら灘先生有利です。
63銀75歩、あとは76銀から玉を囲うのかと思ったら
54歩に銀を引かず74歩、どちらかが間違っていそうです。74同銀64銀は先手が良いでしょう。55歩73歩成は と金が大きい。
85桂73歩成、桂を逃げられても と金ができればよいのか?
銀を取り合っても、王手で77銀を取られるので
灘先生は駒損です。少し悪いのですが、また駒組に戻ってこれからと思っていたら、大山先生は13角、先の15歩や31玉はこのねらいでしたか。46銀26角56歩・・・と進めば後手有利になるでしょう。先手としては35歩(同角は46銀)36銀では苦しいか。14銀と打って、22角24歩同歩23桂とするくらいだったか。
55角46銀では角が死んでいます。
とりあえず24歩を突いたら55銀、
23歩成に46角は詰めろ飛取り。角飛の取り合いは後手有利か優勢です。
32と同玉41銀42玉54桂51玉、王手で飛を逃げたかったのですが。52銀成同玉51金同玉21飛成には31金、それくらいまで進めてほしかったですが、ここで投了でした。
灘先生に読み抜けがあったか、銀桂交換を悪くないと思っていたかですが、後手の大山先生から見れば、13角一発で仕留めることができました。互いの本音を聞いてみたいところです。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.44 棋譜ファイル ----
開始日時:1956/10/12
手合割:平手
先手:灘蓮照
後手:大山名人
先手省略名:灘
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 6八銀(79)
4 3四歩(33)
5 7七銀(68)
6 6二銀(71)
7 2六歩(27)
8 4二銀(31)
9 4八銀(39)
10 3二金(41)
11 7八金(69)
12 5二金(61)
13 4六歩(47)
14 4一玉(51)
15 6九玉(59)
16 9四歩(93)
17 9六歩(97)
18 6四歩(63)
19 5八金(49)
20 7四歩(73)
21 4七銀(48)
22 6三銀(62)
23 3六歩(37)
24 7二飛(82)
25 2五歩(26)
26 3三銀(42)
27 5六歩(57)
28 7五歩(74)
29 同 歩(76)
30 同 飛(72)
31 7九角(88)
32 7二飛(75)
33 6六歩(67)
34 1四歩(13)
35 6七金(58)
36 7四銀(63)
37 7六歩打
38 7三桂(81)
39 4五歩(46)
40 6二飛(72)
41 4六角(79)
42 1五歩(14)
43 3七角(46)
44 6一飛(62)
45 4六銀(47)
46 3一玉(41)
47 5五銀(46)
48 6三銀(74)
49 7五歩(76)
50 5四歩(53)
51 7四歩(75)
52 8五桂(73)
53 7三歩成(74)
54 5五歩(54)
55 6三と(73)
56 7七桂(85)
57 同 金(78)
58 6三飛(61)
59 7八玉(69)
60 1三角(22)
61 5五角(37)
62 4六銀打
63 2四歩(25)
64 5五銀(46)
65 2三歩成(24)
66 4六角打
67 3二と(23)
68 同 玉(31)
69 4一銀打
70 4二玉(32)
71 5四桂打
72 5一玉(42)
73 投了
まで72手で後手の勝ち
後手番大山先生の手を考えます。
第1問
先手に74歩と垂らされた手への対応です。8筋の歩を切って、
A 85飛 B 83飛 C 82飛
第2問
好手があります。
A 53歩 B 62桂 C 77桂
第3問
駒得をねらいます。
A 73桂 B 93桂 C 75桂
第4問
銀を打たせて気持ちの良いところです。この手はちょっと見えにくいかも。
A 44金右 B 55馬 C 63馬
今日の棋譜20210224
昭和31年10月、花村元司先生と名人A級選抜勝継戦です。
花村先生の先手で相掛りです。
タテ歩取りが流行りますね。花村先生はタテ歩棒銀も指していましたが
ひねり飛車を目指してはいたのだと思います。大山先生は8筋の歩を交換しないので77角。2局あった77銀のほうが珍しかったのです。
腰掛銀に進みますが、後手は8筋の歩を交換できないので少し損だと言われていました(ひねり飛車の流行した昭和の終わりごろで)。
大山先生は腰掛銀の形で雁木です。今でもこれに近い形が指されていますね。
この形から花村先生が仕掛けます。
桂を跳ねてから端攻め。
15同歩13歩同桂15香、攻め駒としては桂香に飛角が加わりますから4枚の攻めです。まずは十分ではないでしょうか。
12歩には13香成
13同歩に35歩、24歩で桂が死ぬのが気になりますが、34歩25歩には12歩同香24桂があります。大山先生は受けきれないので7筋に手を付けます。
34歩76歩66角34銀、花村先生は2歩持ったので攻めやすくなったのでは?
33歩42金左45歩、角をうまく使いたいです。
24香に46桂で両取り、
桂香と銀の交換は駒損ですが、
39飛33金44歩、この取り込みの味が良いです。
42歩45銀34歩、銀を使えたので攻め駒は4枚です。一目は26歩ですよね。26同銀に25歩同香を入れるかどうかがありますが、34銀と攻めて十分なはず。
花村先生は74歩と手を広げたのですが、飛をさばかれて銀取り。ちょっとしくじった感じがします。
銀を出たら62桂、これが大山先生の好手です。63銀打は54桂が角取りになるので、
97桂83飛45銀、状況は元に戻ったというわけではなくて、
74桂55角86歩、先ほどの62桂が攻めに使えるのです。後手が指しやすくなったでしょう。
花村先生は85銀、怪しいけれど受けとしてはこれくらいしかないでしょうか。87歩成同金93桂、84歩を打つと53飛が角取りです。
76銀75歩まで進めて
84歩53飛64角、これならば63飛には75角とできます。
76歩53角成同金、トータルでは角桂香と飛の交換です。
71飛から桂を取ってまだこれから、ではあるのですが。
大山先生は28角から
馬を作って攻めていきます。駒損で金銀4枚が離れている先手に苦労が多いでしょう。
65銀87竜85歩、花村先生はなぜ85同桂と取らなかったのかよくわかりません。
76金75歩66金、不思議な手順ですが、
金銀交換で金を打たれてはまずそうです。
8筋に歩を打てないので、銀を打っての防戦になりました。ここから大山先生は63馬
銀取りから96馬で竜をピンします。
攻め駒が少し足りないのですが、33金を引いたというのが落ち着いた手です。後手玉がより堅くなり、22角を使えるようになります。
67歩から銀を手に入れて
竜取り。駒得しながら攻めているので優勢です。
花村先生は金を埋めて頑張ってみます。
ここに銀を打ったというのも怪しい受け方ですが、
大山先生は87歩成同銀同馬、87同玉は86歩(同玉88飛)が入ります。
87同桂には86歩で
ここまで。
やはりひねり飛車に応じないのは先手が指しやすくなるのか、と確認できました。
花村先生が順調に攻めていたのですが、75手目74歩は攻めが切れないようにという味付けのつもりだったのでしょう、これが裏目に出ました。一度逆転すると大山先生の確実な反撃が決まります。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.44 棋譜ファイル ----
開始日時:1956/10/05
手合割:平手
先手:花村元司8段
後手:大山名人
手数----指手--
1 2六歩(27)
2 8四歩(83)
3 2五歩(26)
4 8五歩(84)
5 7八金(69)
6 3二金(41)
7 2四歩(25)
8 同 歩(23)
9 同 飛(28)
10 2三歩打
11 2六飛(24)
12 3四歩(33)
13 3六飛(26)
14 3三金(32)
15 7六歩(77)
16 6二銀(71)
17 6八銀(79)
18 6四歩(63)
19 7七角(88)
20 6三銀(62)
21 2六飛(36)
22 4二玉(51)
23 1六歩(17)
24 1四歩(13)
25 4八銀(39)
26 5二金(61)
27 4六歩(47)
28 5四銀(63)
29 4七銀(48)
30 4四歩(43)
31 5六銀(47)
32 7四歩(73)
33 4八金(49)
34 3二銀(31)
35 3六歩(37)
36 4三銀(32)
37 3七桂(29)
38 3二金(33)
39 6九玉(59)
40 3三角(22)
41 2九飛(26)
42 9四歩(93)
43 9六歩(97)
44 3一玉(42)
45 2五桂(37)
46 2二角(33)
47 1五歩(16)
48 同 歩(14)
49 1三歩打
50 同 桂(21)
51 1五香(19)
52 1二歩打
53 1三香成(15)
54 同 歩(12)
55 3五歩(36)
56 7五歩(74)
57 3四歩(35)
58 7六歩(75)
59 6六角(77)
60 3四銀(43)
61 3三歩打
62 4二金(32)
63 4五歩(46)
64 2四香打
65 4六桂打
66 2五銀(34)
67 5四桂(46)
68 同 歩(53)
69 3九飛(29)
70 3三金(42)
71 4四歩(45)
72 4二歩打
73 4五銀(56)
74 3四歩打
75 7四歩打
76 8六歩(85)
77 同 歩(87)
78 同 飛(82)
79 8七歩打
80 8五飛(86)
81 5四銀(45)
82 6二桂打
83 9七桂(89)
84 8三飛(85)
85 4五銀(54)
86 7四桂(62)
87 5五角(66)
88 8六歩打
89 8五銀打
90 8七歩成(86)
91 同 金(78)
92 9三桂(81)
93 7六銀(85)
94 7五歩打
95 8四歩打
96 5三飛(83)
97 6四角(55)
98 7六歩(75)
99 5三角成(64)
100 同 金(52)
101 7一飛打
102 4一桂打
103 1二歩打
104 同 香(11)
105 7四飛成(71)
106 8六歩打
107 同 金(87)
108 2八角打
109 4九飛(39)
110 6四角成(28)
111 7六龍(74)
112 6五銀打
113 8七龍(76)
114 8五歩打
115 7六金(86)
116 7五歩打
117 6六金(76)
118 同 銀(65)
119 同 歩(67)
120 7六金打
121 7八龍(87)
122 8六歩(85)
123 8八銀打
124 6三馬(64)
125 5六銀(45)
126 9六馬(63)
127 7九桂打
128 3二金(33)
129 7七歩打
130 6六金(76)
131 8三歩成(84)
132 6七歩打
133 同 銀(56)
134 同 金(66)
135 同 銀(68)
136 6六歩打
137 5八銀(67)
138 8九銀打
139 8七歩打
140 7八銀成(89)
141 同 玉(69)
142 7六歩(75)
143 6八金打
144 4四角(22)
145 6五銀打
146 8七歩成(86)
147 同 銀(88)
148 同 馬(96)
149 同 桂(79)
150 8六歩打
151 7六銀(65)
152 8七歩成(86)
153 投了
まで152手で後手の勝ち