後手番大山先生の手を考えます。
第1問
先手のねらいを避けます。
A 43銀 B 12香 C 43飛
第2問
あとの展開を考えた手です。
A 46歩 B 35歩 C 36馬
第3問
駒得になっていますからゆっくり銀を逃げても良いのですが。
A 57歩成 B 36飛 C 38金
第4問
変化は多いですが即詰みです。
後手番大山先生の手を考えます。
第1問
先手のねらいを避けます。
A 43銀 B 12香 C 43飛
第2問
あとの展開を考えた手です。
A 46歩 B 35歩 C 36馬
第3問
駒得になっていますからゆっくり銀を逃げても良いのですが。
A 57歩成 B 36飛 C 38金
第4問
変化は多いですが即詰みです。
今日の棋譜20210428
昭和32年12月、二上達也先生と東京新聞杯です。
大山先生の四間飛車です。
二上先生は古典定跡でしょうか、後手が43銀ならば45桂同歩33角成同桂24歩同歩同飛という攻めがあります。
大山先生は43銀としなければよいわけですが、二上先生は77角~88銀、これは68角~24歩同歩同角をねらっています。大山先生は43銀とできないならばどうするか。
43飛68角51角、これで24歩同歩同角23飛という受けができました。
二上先生は矢倉へ。対振り飛車の矢倉引き角を最初に指したのかもしれません。
57銀(46歩同歩同銀ねらい)には65歩を突かれます。
ということで穴熊へ。矢倉から穴熊に組み替えるのを最初に指したのは大山先生だと思っていましたが、二上先生が先でした。10年前に元ネタがあったのですね。
さらに銀冠穴熊に切り替えます。88金~59銀~58銀~69銀~78銀上としたら現代調です。
ということで二上先生が居飛車穴熊の元祖だと思ったら、88玉と戻って銀冠です。玉を固めることを好まない二上先生らしいですが、作戦勝ちが消えました。
後手から65歩を突かれる筋を防いで57銀と上がりたかったというのが真意だったのでしょう。4筋の歩を交換すれば攻めやすいです。
大山先生は香を捨てて
馬を作りましたが香損のほうが大きいです。
26飛17馬29飛18馬の千日手模様になり
二上先生が手を変えます。
香を打つのはもったいないですが、駒得を主張しておきます。ただ21成香とすると12飛と使われて悪そうです。形勢は難しくなっています。
44銀に55歩同歩54歩、45桂同銀53歩成というねらいですから
33桂に48銀、今度は13角成をねらいます。
41飛12成香35歩
53歩成同銀35角、これは二上先生が良くなって
43飛22成香で先手よしになったのだと思ったら
38歩32成香39歩成、まだ後手のほうが良さそうです。
39同飛46歩同角54銀、互いの飛銀の働きの差と、成香持ち駒香の差があります。
13角成に28馬59飛38馬、途中二上先生の59飛では、69飛としておいて銀取りを68飛と受けるほうが良かったのだと思います。
58飛49馬、ここでも1手違いますが68飛のほうが粘れました。
59歩は56香が痛くて
56同金同歩35馬、
58馬同歩49飛、これは89金を打たれるのも嫌ですし、銀を取られるのも嫌です。
ということで71馬同金59金、駒損がひどいですが、先手玉が堅くなっているならばまだまだ、
29飛成に33成香同飛46桂、これは厳しくはないです。後手の左桂をさばかせてもいます。
57歩成同歩58歩、こんな単純な手があっては劣勢です。68金上99角97玉89竜88香95歩同歩96歩というのは受けがなくなるので、
54桂59歩成45桂、寄せ合いに行きます。
58と には39香で手を稼ぎ
32飛75歩
48と74歩同銀41角、勝負の形にはなったでしょう。
52歩32角成39竜で2手すき。
79歩に75香、もう受けても仕方ないので、
21飛としましたが、77香成から詰みでした。
二上先生らしからぬ(失礼)見事な作戦でしたが、時代が時代ですし、玉を固めて作戦勝ちとする棋風でもないです。今の我々ならば採用できるかもしれません。(でも私は穴熊を指しこなせないのですが。)
香得で馬を作られても先手が指しやすいはずですが、千日手を避けると味の悪い駒得で、指し手は難しいです。大山先生の方は難しい手を指していないと思います。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.46 棋譜ファイル ----
開始日時:1957/12/23
手合割:平手
先手:二上達也8段
後手:大山前名人
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 4四歩(43)
5 2五歩(26)
6 3三角(22)
7 4八銀(39)
8 3二銀(31)
9 5六歩(57)
10 4二飛(82)
11 6八玉(59)
12 6二玉(51)
13 7八玉(68)
14 7二玉(62)
15 5八金(49)
16 8二玉(72)
17 3六歩(37)
18 7二銀(71)
19 1六歩(17)
20 5二金(41)
21 3七桂(29)
22 6四歩(63)
23 7七角(88)
24 5四歩(53)
25 8八銀(79)
26 4三飛(42)
27 9六歩(97)
28 7四歩(73)
29 6八角(77)
30 5一角(33)
31 7七銀(88)
32 9四歩(93)
33 6六歩(67)
34 6三金(52)
35 6七金(58)
36 8四歩(83)
37 8八玉(78)
38 4五歩(44)
39 7八金(69)
40 3三銀(32)
41 2九飛(28)
42 1四歩(13)
43 8六歩(87)
44 7三桂(81)
45 9八香(99)
46 8三銀(72)
47 9九玉(88)
48 7二金(61)
49 8八銀(77)
50 6二金(63)
51 8七銀(88)
52 6一金(62)
53 8八玉(99)
54 7一金(61)
55 7七桂(89)
56 6二角(51)
57 7九角(68)
58 4二飛(43)
59 5七銀(48)
60 1五歩(14)
61 同 歩(16)
62 同 香(11)
63 同 香(19)
64 1七角成(62)
65 1一香成(15)
66 1八馬(17)
67 2六飛(29)
68 1七馬(18)
69 2九飛(26)
70 1八馬(17)
71 2六飛(29)
72 1七馬(18)
73 2九飛(26)
74 1八馬(17)
75 5九飛(29)
76 2七馬(18)
77 3九香打
78 4四銀(33)
79 5五歩(56)
80 同 歩(54)
81 5四歩打
82 3三桂(21)
83 4八銀(57)
84 4一飛(42)
85 1二成香(11)
86 3五歩(34)
87 5三歩成(54)
88 同 銀(44)
89 3五角(79)
90 4三飛(41)
91 2二成香(12)
92 3八歩打
93 3二成香(22)
94 3九歩成(38)
95 同 飛(59)
96 4六歩(45)
97 同 角(35)
98 5四銀(53)
99 1三角成(46)
100 2八馬(27)
101 5九飛(39)
102 3八馬(28)
103 5八飛(59)
104 4九馬(38)
105 5九歩打
106 5六香打
107 同 金(67)
108 同 歩(55)
109 3五馬(13)
110 5八馬(49)
111 同 歩(59)
112 4九飛打
113 7一馬(35)
114 同 金(72)
115 5九金打
116 2九飛成(49)
117 3三成香(32)
118 同 飛(43)
119 4六桂打
120 5七歩成(56)
121 同 歩(58)
122 5八歩打
123 5四桂(46)
124 5九歩成(58)
125 4五桂(37)
126 5八と(59)
127 3九香打
128 3二飛(33)
129 7五歩(76)
130 4八と(58)
131 7四歩(75)
132 同 銀(83)
133 4一角打
134 5二歩打
135 3二角成(41)
136 3九龍(29)
137 7九歩打
138 7五香打
139 2一飛打
140 7七香成(75)
141 同 玉(88)
142 6五桂打
143 投了
まで142手で後手の勝ち
後手番升田先生の手を考えます。
第1問
少し苦しかったのですが、この と金捨て(63から)が先手の疑問手です。
A 52同金 B 52同飛 C 67と
第2問
金取りの受け方は?
A 62歩 B 62桂 C 85角
第3問
投了図ですが、先手玉の詰めろを確認しておいてください。
今日の棋譜20210429
昭和32年12月、升田幸三先生と第8期九段戦第5局です。
大山先生の先手で中飛車です。
すぐに王手をかける形は乱戦になることもあるのですが
飛は58に戻り、66歩を突く、おとなしい展開です。
升田先生は5筋の位を取ります。
56歩同歩同銀と反発されたら44銀、これは52飛や53銀上~54銀と応援を繰り出せるので
中央の位を取ることができます。先手は1手損だけれど後手を44銀型にさせたということになります。
大山先生は75歩を突いてから四間飛車に。
升田先生は右金を使って7筋から動きます。
大山先生は三間飛車にして
94歩に86角。こんな手があるのですか。72飛64角は良さそう、84飛と73金はこれからでしょうか。
角金の取り合いは駒損ですが、
後手は歩切れで63角を打たせたのですから、手の調子は良いです。後の展開を見て思うのですが、ここは76銀として65銀をねらうほうが良かったようです。
72歩を打つのは大山先生が好きな手ですが、飛を殺されて、
角と刺し違えて71歩成、このと金が働けば良くなる理屈です。87歩成に対して
81と ではその後がないです。61と79飛
83歩同飛62と。ここは54銀とかわされたときがよくわかりませんが、
89飛成だったので、61角82飛63と、飛桂と金銀の交換になって、先手がまあまあ指せそうです。
77と と寄られるのが痛いところですが、83歩92飛を入れて
54銀42金までは良いのですが、52と と捨てたのはおかしな感じです。52金と打つのが普通、ひねれば41金です。この手の意味は52同金に82金とするのだと思うのですが、82同飛もありますし、ひもがついているので42金92金67と というのもよくわかりません。ならば先に82金を打ってから52と と入るとか。
52同飛と取られて同角成同金、この図で思わしい手がないのです。と金を捨てたので攻め駒が3枚だということもあります。
82飛に62桂というのがピッタリしたうけです。43銀成同金62飛成というのもあっさりしすぎですが、
81飛成54桂という取り合いも後手有利でしょう。先手の美濃囲いが金銀4枚でも堅くないのです。
61竜に85角というのが攻防です。
15桂に51銀と壁を作られて、
23桂成道玉41金、これは何手すきでしょうか。
67と31金58と、後手玉に詰めろもかからないですし、先手玉は39銀からの詰めろです。
41角24玉まで。
大山先生の45手目86角が派手な手ですが、成立しているようです。後手が中央の位を取っているのに右金が離れていくからでしょう。形勢はまあまあ指せるのですが、71手目52と と捨てたのが軽すぎました。52同金でも難しいのに、52同飛がぴったりだとは。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.46 棋譜ファイル ----
開始日時:1957/12/19
手合割:平手
先手:大山前名人
後手:升田幸三九段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 5六歩(57)
4 8五歩(84)
5 7七角(88)
6 5四歩(53)
7 5八飛(28)
8 6二銀(71)
9 5五歩(56)
10 同 歩(54)
11 同 飛(58)
12 4二玉(51)
13 5八飛(55)
14 3二玉(42)
15 7八銀(79)
16 3四歩(33)
17 6六歩(67)
18 4二銀(31)
19 6七銀(78)
20 5三銀(62)
21 4八玉(59)
22 5五歩打
23 5六歩打
24 同 歩(55)
25 同 銀(67)
26 4四銀(53)
27 3八玉(48)
28 5五歩打
29 6七銀(56)
30 5二金(61)
31 2八玉(38)
32 5三銀(42)
33 3八銀(39)
34 6四歩(63)
35 7五歩(76)
36 5四銀(53)
37 6八飛(58)
38 6三金(52)
39 5八金(69)
40 7四歩(73)
41 同 歩(75)
42 同 金(63)
43 7八飛(68)
44 9四歩(93)
45 8六角(77)
46 同 歩(85)
47 7四飛(78)
48 7三歩打
49 6四飛(74)
50 6三角打
51 7二歩打
52 3一角(22)
53 6三飛成(64)
54 同 銀(54)
55 7一歩成(72)
56 8七歩成(86)
57 6一と(71)
58 7九飛打
59 8三歩打
60 同 飛(82)
61 6二と(61)
62 8九飛成(79)
63 6一角打
64 8二飛(83)
65 6三と(62)
66 7七と(87)
67 8三歩打
68 9二飛(82)
69 5四銀打
70 4二金(41)
71 5二と(63)
72 同 飛(92)
73 同 角成(61)
74 同 金(42)
75 8二飛打
76 6二桂打
77 8一飛成(82)
78 5四桂(62)
79 6一龍(81)
80 8五角打
81 1五桂打
82 5一銀打
83 2三桂成(15)
84 同 玉(32)
85 4一金打
86 6七と(77)
87 3一金(41)
88 5八と(67)
89 4一角打
90 2四玉(23)
91 投了
まで90手で後手の勝ち
後手番大山先生の手を考えます。
第1問
大山先生ならばこう指すでしょう。
A 87角 B 88角 C 59角
第2問
ここからの手順で後手有利になります。
A 47歩成 B 33桂 C 16桂
第3問
先手に粘らせません。
A 71歩 B 75飛 C 55飛
第4問
即詰みです。
今日の棋譜20210428
昭和32年12月、原田泰夫先生と第7回NHK杯です。
原田先生も振り飛車を指すようになりました。
この頃に升田式はありませんから、普通の三間飛車です。
急戦を警戒して位取りの三間飛車に。これは香落ちでよく出てきます。
大山先生は中央の位を取ります。
急戦ではないので、端の位も取れたのは大きそうです。
44歩を突く持久戦タイプで
桂を跳ねて交換しに行きます。
4筋の歩を切ったのは居飛車の得です。後手が作戦勝ちになるでしょう。
作戦負けではないかと言うときに動くと失敗するものなのですが、原田先生が仕掛けます。
74同歩に95角、51角成のねらいは8筋を破られます。74飛を75桂で防がれたら完封されそうです。
63銀だったので56歩、56同歩には同銀55歩45銀44歩54歩62銀同角成同飛51銀・・・単調に見えます。
86歩を同歩、これだと角を引けないので
52金で角の詰めろになったのですが、73桂を打って手を作ります。
94歩81桂成同飛73角成、うまくやったようでも左桂を残したままです。
62銀だったので馬を引けば飛をさばくことができます。(75桂76銀62銀のほうが嫌か。)
駒損でも飛はさばいています。
87角から馬を作られて苦しいです。
馬を追ったところで
56同馬同銀86飛、駒損はほぼ消えたので持ち直しました。大山先生は勝ち急ぎでしょう。
45歩に89飛成ではなくて88飛成というのは先手に98角を打たれるのを気にしたということでもありますが、9段目の竜を嫌う大山先生らしいです。
44桂同金同歩同角47飛、これは原田先生が良くなったのでは?
43歩に61角
51金打62角成63銀73馬42金上という手順はなんとも言えませんが、
53歩同金55銀打
22角に44歩同歩45歩、4筋をねらったのですが、65歩を突きたい気がします。65同歩は77桂がぴったりですから、取らずに54歩、64銀あるいは64歩52銀54銀同歩63歩成という進行です。
54桂44歩46歩、ここは43金と打ち込むのもありそうですし、77飛としておけば攻めに使えたのですが、
57飛31桂で攻めにくくなりました。
58歩に47歩成、これは同銀が正しくて、
47同飛は58竜が銀取りで57歩の受け、後手の得で形勢は混沌としています。
46歩37飛、これで先手の飛が攻めに使えません。
72歩91馬52銀というのは変な手順で、原田先生のチャンス。
82馬78竜、ここか、前の図から45銀~54銀を目指していれば。
71馬89竜を入れてから45銀としたら桂を打たれて
54銀右同金同銀45桂打、飛を殺されて先手不利です。
48金打37桂成同玉、上に逃げ出せれば粘りが利くのですが
45銀を打たれて72馬と受けますが
75飛74歩71歩、うまい手順で追われてしまいます。こうなれば43香と打ち込んで
72歩42香成は仕方のないところでしょう。
42同玉43金同桂同歩成同銀53金、これで攻めは続き
後手玉は詰めろ。
しかし47歩成同金直55角から
先手玉は詰んでいました。
原田先生が終盤で攻める方向を間違えているのだと思います。攻めの棋風なので受けるとか粘るとかはうまくない感じです。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.46 棋譜ファイル ----
開始日時:1957/12/15
手合割:平手
先手:原田泰夫8段
後手:大山前名人
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 7五歩(76)
4 8四歩(83)
5 6六歩(67)
6 8五歩(84)
7 7七角(88)
8 6二銀(71)
9 7八飛(28)
10 4二玉(51)
11 4八玉(59)
12 3二玉(42)
13 3八玉(48)
14 5四歩(53)
15 6八銀(79)
16 5二金(61)
17 6七銀(68)
18 6四歩(63)
19 7六銀(67)
20 4二銀(31)
21 2八玉(38)
22 5三銀(42)
23 3八銀(39)
24 5五歩(54)
25 5八金(69)
26 5四銀(53)
27 4六歩(47)
28 4二金(41)
29 3六歩(37)
30 1四歩(13)
31 4七金(58)
32 1五歩(14)
33 2六歩(27)
34 5三銀(62)
35 2七銀(38)
36 4四歩(43)
37 3七桂(29)
38 3三桂(21)
39 3八金(49)
40 4五歩(44)
41 同 歩(46)
42 同 桂(33)
43 同 桂(37)
44 同 銀(54)
45 4六歩打
46 5四銀(45)
47 6七銀(76)
48 4三金(52)
49 7四歩(75)
50 同 歩(73)
51 9五角(77)
52 6三銀(54)
53 5六歩(57)
54 8六歩(85)
55 同 歩(87)
56 5二金(42)
57 7三桂打
58 9四歩(93)
59 8一桂成(73)
60 同 飛(82)
61 7三角成(95)
62 6二銀(53)
63 7四馬(73)
64 同 銀(63)
65 同 飛(78)
66 7三歩打
67 7六飛(74)
68 8七角打
69 7七飛(76)
70 5四角成(87)
71 5五歩(56)
72 同 馬(54)
73 5六金(47)
74 同 馬(55)
75 同 銀(67)
76 8六飛(81)
77 4五歩(46)
78 8八飛成(86)
79 4四桂打
80 同 金(43)
81 同 歩(45)
82 同 角(22)
83 4七飛(77)
84 4三歩打
85 6一角打
86 5一金打
87 7二角成(61)
88 6三銀(62)
89 7三馬(72)
90 4二金(51)
91 5三歩打
92 同 金(52)
93 5五銀打
94 2二角(44)
95 4四歩打
96 同 歩(43)
97 4五歩打
98 5四桂打
99 4四歩(45)
100 4六歩打
101 5七飛(47)
102 3一桂打
103 5八歩打
104 4七歩成(46)
105 同 飛(57)
106 5八龍(88)
107 5七歩打
108 4六歩打
109 3七飛(47)
110 7二歩打
111 9一馬(73)
112 5二銀(63)
113 8二馬(91)
114 7八龍(58)
115 7一馬(82)
116 8九龍(78)
117 4五銀(56)
118 3三桂打
119 5四銀(55)
120 同 金(53)
121 同 銀(45)
122 4五桂打
123 4八金打
124 3七桂成(45)
125 同 玉(28)
126 4五銀打
127 7二馬(71)
128 7五飛打
129 7四歩打
130 7一歩打
131 4三香打
132 7二歩(71)
133 4二香成(43)
134 同 玉(32)
135 4三金打
136 同 桂(31)
137 同 歩成(44)
138 同 銀(52)
139 5三金打
140 3一玉(42)
141 4三銀成(54)
142 4七歩成(46)
143 同 金(48)
144 5五角打
145 4六歩打
146 同 銀(45)
147 同 金(47)
148 4五桂(33)
149 投了
まで148手で後手の勝ち
後手番大山先生の手を考えます。
第1問
難しい終盤ですが、好手があって大山先生有利になります。
A 55同金 B 75銀 C 63桂
第2問
後手玉の安全度も考えておきます。
A 75桂 B 55角 C 85歩
第3問
詰めろ以上を続けます。
A 68銀成 B 57飛成 C 46馬
今日の棋譜20210427
昭和32年12月、塚田正夫先生と第7期王将戦です。
大山先生の四間飛車です。
塚田先生は玉頭位取り。
66歩から囲う方針ではないようです。角筋を通したまま36歩を突いて
3筋をねらいます。
大山先生は金で受けて
22飛に28飛
83銀46歩72飛、
66銀に62飛、飛が動いてばかりですが、手損で悪くならないでしょうか。
86歩72金87玉、このままでは先手玉が堅くなって行くので
45歩同歩65歩と仕掛けます。ちょっと無理をしているでしょう。塚田先生は55銀や77銀もあるでしょう。
本譜は57銀と引いて、88角成同玉33桂。桂をさばかれそうですが、
44歩同金51角
32飛24歩同歩同飛、飛をさばいて先手が指しやすく思えます。
22歩の受けには23歩を打って十分だと思うのですが、85歩でした。どうやら33角成同飛22飛成43飛64桂の攻めをねらっていて、その前に85歩同歩84歩同銀が入っていれば有利になるという読みのようです。
その筋を避ける45桂に、84歩同銀83歩
83同玉85歩93銀の利かしも大きいですが、この28飛は受けの意味でしょうか。24角成から馬を引く含みもあります。この28飛と、46銀のどちらが良かったか。
57桂成同金86歩、受けの形は77金ですが、39角58飛49銀ではつらいのでしょうか。
78桂の受けには87銀を打たれます。
精算して86歩
86同桂84歩、玉頭の攻防です。
77桂85歩同桂
84銀73桂成、塚田先生は銀損になります。
さらに角も切ってしまいました。大きな駒損なので後手玉を寄せられるかどうか。
84歩同銀74銀? 74金93玉83銀85銀打では寄せきれないということか、ここまでの攻防におかしな感じはないので、桂で57銀を取らせるところまでさかのぼるのかもしれません。
72玉55歩、これは55同金に33歩42飛43歩という利かしです。55同銀63金61玉33歩というのも先手が良さそうで、塚田先生がなんとか食いついたようにも見えますが。
大山先生の63桂が攻防手でした。銀を取られますが、
55角が詰めろ飛取りでした。78玉の受けに
73歩で催促(銀を追って75桂と跳ねたい)して83金62玉33銀、ここで33同飛22飛成32銀もありますが、
大山先生は87銀同玉75桂
78玉87角79玉74歩、先手玉は詰めろです。受けは難しいのですが、塚田先生には53歩成同玉44銀不成から後手の55角を外す勝負手はあったでしょう。
88歩28角成、87不同桂成では詰めろになるので
32銀成59飛69銀77銀、先手玉の詰めろは振りほどけるでしょうか。角も銀も取れません。
78歩に46馬と引かれて、78銀成同金57馬では詰まされます。やはり角も銀も取れません。
42飛63玉72飛成54玉74竜43玉と追いかけてから
46馬を取りました。大山先生は67桂不成(馬を捨てた意味)、取れば78角成なので
89玉78銀成同竜、なるほど塚田先生が74に竜を持ってきたのが詰めろのがれになっていたと。
78同角成道玉32玉、手を戻したところで、角と飛金の交換で先手の駒得、玉の堅さは一応先手玉が堅いですが、攻め駒は3対4です。後手玉は詰めろになるような手がなくて、先手玉は詰めろがかかります。寄せ合いで後手勝ち、つまり後手有利です。
33歩42玉26角、両取りで、59飛を取れば詰めろになる2手すき。
大山先生の76銀は簡単な詰めろで、先手の89玉に
79飛98玉69飛左成で詰めろ。
69同金(詰めろ)に89銀97玉77飛成、これが投了図です。飛合いすれば詰まないけれど、後手玉の詰めろが消え、95歩くらいで終わります。
塚田先生が有利になりそうな終盤入り口でしたが、後手の84銀を取って寄せるという形にならなかったのです。寄せ合いの攻防も複雑でしたが、大山先生が優位を保っていたと思います。面白い勝負でした。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.46 棋譜ファイル ----
開始日時:1957/12/14
手合割:平手
先手:塚田正夫9段
後手:大山前名人
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 4四歩(43)
5 4八銀(39)
6 3二銀(31)
7 5六歩(57)
8 4三銀(32)
9 6八玉(59)
10 4二飛(82)
11 7八玉(68)
12 6二玉(51)
13 5八金(49)
14 7二玉(62)
15 6八銀(79)
16 8二玉(72)
17 5七銀(48)
18 7二銀(71)
19 7五歩(76)
20 6四歩(63)
21 7七銀(68)
22 5二金(41)
23 7六銀(77)
24 5四銀(43)
25 6八金(69)
26 9四歩(93)
27 9六歩(97)
28 8四歩(83)
29 3六歩(37)
30 1四歩(13)
31 2五歩(26)
32 3三角(22)
33 3八飛(28)
34 4三金(52)
35 3五歩(36)
36 同 歩(34)
37 同 飛(38)
38 3四歩打
39 3八飛(35)
40 2二飛(42)
41 2八飛(38)
42 8三銀(72)
43 4六歩(47)
44 7二飛(22)
45 6六銀(57)
46 6二飛(72)
47 8六歩(87)
48 7二金(61)
49 8七玉(78)
50 4五歩(44)
51 同 歩(46)
52 6五歩(64)
53 5七銀(66)
54 8八角成(33)
55 同 玉(87)
56 3三桂(21)
57 4四歩(45)
58 同 金(43)
59 5一角打
60 3二飛(62)
61 2四歩(25)
62 同 歩(23)
63 同 飛(28)
64 2二歩打
65 8五歩(86)
66 4五桂(33)
67 8四歩(85)
68 同 銀(83)
69 8三歩打
70 同 玉(82)
71 8五歩打
72 9三銀(84)
73 2八飛(24)
74 5七桂成(45)
75 同 金(58)
76 8六歩打
77 7八桂打
78 8七銀打
79 同 銀(76)
80 同 歩成(86)
81 同 玉(88)
82 8六歩打
83 同 桂(78)
84 8四歩打
85 7七桂(89)
86 8五歩(84)
87 同 桂(77)
88 8四銀(93)
89 7三桂成(85)
90 同 金(72)
91 同 角成(51)
92 同 銀(84)
93 8四歩打
94 同 銀(73)
95 7四銀打
96 7二玉(83)
97 5五歩(56)
98 6三桂打
99 5四歩(55)
100 5五角打
101 7八玉(87)
102 7三歩打
103 8三金打
104 6二玉(72)
105 3三銀打
106 8七銀打
107 同 玉(78)
108 7五桂(63)
109 7八玉(87)
110 8七角打
111 7九玉(78)
112 7四歩(73)
113 8八歩打
114 2八角成(55)
115 3二銀成(33)
116 5九飛打
117 6九銀打
118 7七銀打
119 7八歩打
120 4六馬(28)
121 4二飛打
122 6三玉(62)
123 7二飛成(42)
124 5四玉(63)
125 7四龍(72)
126 4三玉(54)
127 4六金(57)
128 6七桂(75)
129 8九玉(79)
130 7八銀成(77)
131 同 龍(74)
132 同 角成(87)
133 同 玉(89)
134 3二玉(43)
135 3三歩打
136 4二玉(32)
137 2六角打
138 7六銀打
139 8九玉(78)
140 7九飛打
141 9八玉(89)
142 6九飛成(59)
143 同 金(68)
144 8九銀打
145 9七玉(98)
146 7七飛成(79)
147 投了
まで146手で後手の勝ち
後手番大山先生の手を考えます。
第1問
先手の攻めに応じているだけだったのですが、ちょっと余裕ができました。
A 51角 B 63銀上 C 65銀
第2問
一応両取りですが、どう応じても後手有利になっています。わかりやすく。
A 52飛 B 63銀引 C 45桂
第3問
ここでもどうやってもよいのですが、確実に。
A 55桂 B 85桂 C 94角
今日の棋譜20210426
昭和32年12月、升田幸三先生と第8期九段戦第4局です。
升田先生の先手で矢倉です。
ところが大山先生は陽動三間飛車に。かなり珍しいのですが、升田先生が陽動振り飛車を指すことがあるので真似をしてみたのでしょう。現代ではほとんど見ませんね。玉頭位取りが有効ですし、先手が77銀ではなくて78金とした場合には66角から84歩を取りに行く形もあります。
升田先生は左銀を繰り出して
5筋の歩を交換し、
75銀と出ます。大山先生の72銀が遅れていました。85歩を突くのでは空間が怖いでしょう。
升田先生の1歩得です。
銀は95から戻って
歩得と手得の対抗ですが、歩得のほうが大きいでしょう。大山先生はなにか動きたかったのですが、石田流を目指す方ではなかったかと。6筋の位を取るのですが、
77桂64銀65桂
65同桂66歩、これで桂を取り返されたら2歩損です。
57桂成同金55歩、升田先生は駒得なので銀を引いても十分ですが、
65銀73銀、後手は歩切れなので銀は死なないです。56歩と合わせるのでも良いでしょう。
いっぺんに良くしようというのが75歩同歩67桂。75同銀としておけば無難でしたが。
64歩74歩62銀、歩を渡したので65銀は死んでいます。55桂か75桂の予定だったはずですが、75桂65歩63桂成同銀直43金22飛33金同桂と進んだとして銀桂と角の二枚替えです。歩得が残っているので駒損ではないですが、後手の攻撃力が上がっているので先手良しとは言えません。55桂の方は65歩43桂成22飛33成桂同桂31角21飛75角成は先手よしでしょう。ならば55桂53金54銀同金43桂成22飛33成桂同桂43角か。後手の飛の逃げ場所が違うかもしれません。少し無理なことをしているので後手よしになりそうではあります。
升田先生は予定変更だと思うのですが、75銀65歩同歩。銀と歩3枚の交換です。
83銀(54金だったか)55桂
74金同銀同銀43桂成。これは角をとったとして銀銀桂と角金の交換です。駒損では先手が悪いか。
12飛55角73歩64金
63銀打54歩、と金を作れば先手よしなのか?
64銀同角65銀
33成桂同桂に53歩成では後手玉への響きが弱くてだめだったのでしょう(後手の持駒が豊富です)。66歩で守ります。
54銀に21角で先手よしならばよいのですが、
63銀引12角成同香42角成、これは後手の飛をさばかせただけです。後手の攻め駒は5枚ありますね。
大山先生は45桂(これで6枚目の攻め駒)67金94角、この角は攻防です。意味は55桂を打ちたいけれど85飛で粘られるから。
先手の85銀は取れば84飛で角を取ろうという手ですが、この55桂を打ちたかったのです。
94銀67桂成同玉55桂
77玉67金76玉94歩で詰めろ。
85飛84歩55飛、桂を抜かれましたが
平凡に追って詰んでいます。
升田先生が急いで勝とうとしなければよいのですが、戦争で体を壊したからなのでしょう。(この時期は比較的体調が良かったと思うのですが。)指しやすくなったところでも、自分一人で攻めをつなげていくのは大変です。駒得なのですからゆっくり指すのが正解です。終わってみれば大山先生の遊び駒は12香だけですね。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.46 棋譜ファイル ----
開始日時:1957/12/11
手合割:平手
先手:升田幸三九段
後手:大山前名人
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 6八銀(79)
4 3四歩(33)
5 7七銀(68)
6 4二銀(31)
7 2六歩(27)
8 5四歩(53)
9 4八銀(39)
10 5三銀(42)
11 5六歩(57)
12 3二飛(82)
13 2五歩(26)
14 3三角(22)
15 6八玉(59)
16 6二玉(51)
17 7八玉(68)
18 7二玉(62)
19 6六銀(77)
20 4四歩(43)
21 5七銀(48)
22 5二金(41)
23 5五歩(56)
24 同 歩(54)
25 同 銀(66)
26 5四歩打
27 6六銀(55)
28 8二玉(72)
29 7五銀(66)
30 7二銀(71)
31 8四銀(75)
32 7四歩(73)
33 9五銀(84)
34 6四歩(63)
35 8六銀(95)
36 6三金(52)
37 5六銀(57)
38 7三桂(81)
39 6八金(69)
40 6五歩(64)
41 7七桂(89)
42 6四銀(53)
43 6五桂(77)
44 同 桂(73)
45 6六歩(67)
46 5七桂成(65)
47 同 金(68)
48 5五歩(54)
49 6五銀(56)
50 7三銀(64)
51 7五歩(76)
52 同 歩(74)
53 6七桂打
54 6四歩打
55 7四歩打
56 6二銀(73)
57 7五銀(86)
58 6五歩(64)
59 同 歩(66)
60 8三銀(72)
61 5五桂(67)
62 7四金(63)
63 同 銀(75)
64 同 銀(83)
65 4三桂成(55)
66 1二飛(32)
67 5五角(88)
68 7三歩打
69 6四金打
70 6三銀打
71 5四歩打
72 6四銀(63)
73 同 角(55)
74 6五銀(74)
75 3三成桂(43)
76 同 桂(21)
77 6六歩打
78 5四銀(65)
79 2一角打
80 6三銀(54)
81 1二角成(21)
82 同 香(11)
83 4二角成(64)
84 4五桂(33)
85 6七金(57)
86 9四角打
87 8五銀打
88 5五桂打
89 9四銀(85)
90 6七桂成(55)
91 同 玉(78)
92 5五桂打
93 7七玉(67)
94 6七金打
95 7六玉(77)
96 9四歩(93)
97 8五飛打
98 8四歩打
99 5五飛(85)
100 7七金打
101 6五玉(76)
102 7四銀打
103 5六玉(65)
104 5七金(67)
105 投了
まで104手で後手の勝ち