名南将棋大会ブログ 名古屋

名南将棋大会告知や結果のほか、
将棋が強くなるための記事を書きます。
まずは将棋上達法則を見てください。

大山将棋問題集 20180418

2018-04-18 | 大山将棋研究
先手番大山先生の手を考えます。

第1問


大山先生は戦いの中でもこういう手を選びます。
A 44歩 B 56銀 C 88歩

第2問


最善かどうかはともかく、こういう手は見えにくいです。
A 65歩 B 52歩 C 55歩

第3問


最善ではないかもしれませんが、大山先生の勝負手です。
A 47金 B 62銀 C 35歩

第4問


これも指しにくい手なのですが。
A 41銀 B 26銀 C 57銀

第5問


これも指しにくいですが仕方ないところか。
A 34銀 B 26歩 C 31銀

第6問


これが好手で大山先生の勝ち筋です。
A 22金 B 45角 C 36銀打




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大山将棋研究(858);中飛車に天守閣美濃(永作芳也)

2018-04-18 | 大山将棋研究
今日の棋譜20180418
昭和61年5月、永作芳也先生と第36期王将戦です。

大山先生の中飛車に永作先生は天守閣美濃です。

対中飛車だと中央が薄くなるのが問題で、四枚美濃にもっていくわけにはいきません。大山先生に5筋から動かれて

飛車を浮いて

中央を厚く構えますが、攻めの体制は作りにくいです。

55歩同歩同銀54歩64歩という攻め筋があるのですが、31角では作戦負けか。

右桂を跳ねて

思い切って桂馬を捨てて攻めていきます。

王手桂取りがあって

馬を作り合えば互角の展開です。

82歩は馬を遮断する手筋ですが、大山先生は香を据えて(逆に46桂を防いでいるのですが上の方から打つのですね)

銀取りの時に4筋を清算します。

先手で銀取りを防ぐ調子が良いので大山先生が少しリードか。

4筋を押さえて馬を使っておきます。

64桂はまたも馬筋を止める手ですが、飛車を4筋に使っておきます。

このあたり、永作先生はなかなか56桂と取らないのですが、取っておくほうが良さそうに思います。大山先生は馬を使えないので52歩。52同金31桂成というのも指しにくいので

馬で取らせて71馬とこちらから使いました。

永作先生は56銀に逃げられてしまい、4筋を清算するくらい。

金が浮いたので

大山先生は56銀~45銀とさばきました。

さて桂歩5枚と金の交換では駒損でしょう、形勢は後手のほうが良さそうです。(大山先生は歩損のことが多いのです。)

58銀もあるので57金と寄せるのは大山先生らしい手ですが、銀を打たれるのでは一手パスになり

形勢は後手有利です。大山先生の35歩は後手玉の嫌味を突く手ですが、これで永作先生が間違えました。攻めるなら48銀が簡単そう。

32金は大事を取ったのですが、47金と守られて、25金というのも利いているような利いていないような手です。怖いけれど55金で飛車を取るか。

大山先生は41銀と捨てて香を取り馬を使います。ゆっくりしていては負けだという勝負手。

36銀からはがされましたが、馬を突っ込みます。

とにかくかじりついて

飛車を成り込みました。

先手玉も安全ではないのですが、とにかく迫っていきます。

これで後手玉は詰めろ。22同馬も詰みそうです。55角~22角や64角~42角もありそうですがちょっと足りません。永作先生は37銀から清算して

25銀を打てば22成桂を外せます。

大山先生は開き直って26歩、寄せてみろと。

37歩成同銀に32香というのが弱い受けで、永作先生の敗着か。28角同銀26銀とか64角とか、まだなにかありそうでした。

25銀を取られてからの64角はちょっと遅くて

大山先生は竜を捨てて歩を取り込みます。

後手玉は詰まないのですが、玉を吊り上げて銀を打つというのが玉頭戦特有の攻防手です。

永作先生は29飛27歩を取って

77竜を利かせて同じような筋で34銀を打つのが詰めろなのですが(こんな筋がよく見えましたね)

22飛に23歩は32飛成が詰めろ逃れの詰めろです。33玉には44角から詰み。投了図です。

かなりの激戦で、形勢はかなり上下に振れていると思います。これでは大山先生がまずいというところで、強い手を繰り出したら永作先生が弱気に応じて逆転してしまったという感じです。こういうのは本人たちの感想を聞いて見たいところなのですが、大山先生のほうが心理戦で上回っていたということなのでしょう。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.40 棋譜ファイル ----
手合割:平手  
先手:大山十五世名人
後手:永作芳也5段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 5六歩(57)
4 5四歩(53)
5 5八飛(28)
6 6二銀(71)
7 6八銀(79)
8 4二玉(51)
9 4八玉(59)
10 3二玉(42)
11 3八玉(48)
12 3四歩(33)
13 6六歩(67)
14 5二金(61)
15 2八玉(38)
16 1四歩(13)
17 1六歩(17)
18 2四歩(23)
19 3八銀(39)
20 2三玉(32)
21 5七銀(68)
22 3二銀(31)
23 3六歩(37)
24 4四歩(43)
25 5五歩(56)
26 同 歩(54)
27 4六銀(57)
28 8五歩(84)
29 7七角(88)
30 4三金(52)
31 5五銀(46)
32 8四飛(82)
33 6五歩(66)
34 5四歩打
35 6六銀(55)
36 5三銀(62)
37 4六歩(47)
38 7四歩(73)
39 6八飛(58)
40 8六歩(85)
41 同 歩(87)
42 7三桂(81)
43 5八金(69)
44 4五歩(44)
45 同 歩(46)
46 6五桂(73)
47 同 銀(66)
48 7七角成(22)
49 同 桂(89)
50 5五角打
51 3七角打
52 7七角成(55)
53 9一角成(37)
54 8二歩打
55 4六香打
56 8六飛(84)
57 5六銀(65)
58 7六飛(86)
59 4四歩(45)
60 同 銀(53)
61 同 香(46)
62 同 馬(77)
63 4五銀打
64 5三馬(44)
65 4四歩打
66 3三金(43)
67 8二馬(91)
68 6四桂打
69 6七金(58)
70 7九飛成(76)
71 4八飛(68)
72 4二香打
73 4三桂打
74 9九龍(79)
75 5二歩打
76 同 馬(53)
77 7一馬(82)
78 5三香打
79 4七銀(56)
80 9七龍(99)
81 7七歩打
82 4三香(42)
83 同 歩成(44)
84 同 銀(32)
85 4四歩打
86 同 銀(43)
87 同 銀(45)
88 同 金(33)
89 5六銀(47)
90 4三歩打
91 4五銀(56)
92 同 金(44)
93 同 飛(48)
94 4四桂打
95 3七香打
96 8八龍(97)
97 5七金(67)
98 5六銀打
99 同 金(57)
100 同 桂(64)
101 3五歩(36)
102 3二金(41)
103 4七金打
104 2五金打
105 4一銀打
106 同 馬(52)
107 5三馬(71)
108 3六銀打
109 同 香(37)
110 同 桂(44)
111 同 金(47)
112 同 金(25)
113 4三馬(53)
114 4二香打
115 3四馬(43)
116 2二玉(23)
117 2三香打
118 同 金(32)
119 同 馬(34)
120 同 馬(41)
121 4二飛成(45)
122 3二金打
123 3四桂打
124 1三玉(22)
125 2二銀打
126 同 金(32)
127 同 桂成(34)
128 3七銀打
129 同 桂(29)
130 同 金(36)
131 同 玉(28)
132 3六歩打
133 2六玉(37)
134 2五銀打
135 1七玉(26)
136 2二馬(23)
137 2六歩(27)
138 3七歩成(36)
139 同 銀(38)
140 3二香打
141 2五歩(26)
142 6四角打
143 4三龍(42)
144 1二玉(13)
145 4六香打
146 3一桂打
147 2四歩(25)
148 2五桂打
149 2六玉(17)
150 4三桂(31)
151 2三銀打
152 同 馬(22)
153 同 歩成(24)
154 同 玉(12)
155 2四歩打
156 同 玉(23)
157 3六銀打
158 2九飛打
159 2七歩打
160 同 飛成(29)
161 同 銀(36)
162 7七龍(88)
163 3八金(49)
164 3四銀打
165 2二飛打
166 3三玉(24)
167 4四角打
168 投了
まで167手で先手の勝ち








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20180418今日の一手(その679);不自然な手も考える

2018-04-18 | 今日の一手

20180418今日の一手

1月13日の名南将棋大会から、TさんとOさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。


一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。

角銀歩と飛香の交換で竜と馬を作り合っています。持ち歩があるから歩を考慮しませんが、先手の駒損です。
玉の堅さは後手のほうが堅いです。
先手の攻め駒は82竜と持ち駒飛桂香で4枚。
後手の攻め駒は55馬と持ち駒角銀桂で4枚。

総合すれば後手有利です。

☆ 大局観として

先手は攻め駒の数だけは互角ですが、他の2つの要素で少しずつ劣っています。逆転するのは難しそうですが、まずは受けるべきか攻めるべきか。
駒損では受けていてもじり貧になるのですが、すぐに逆転の見込みがなければ仕方ないかもしれません。
攻めたいのですがとりあえずは竜取りです。形勢が悪い時は自然な手で良いとは言えないのです。強引でも攻めを続ける手を考えるべきかもしれません。


×か△ 実戦は一番自然な感じで62竜としました。

53歩成を狙っているので竜取りを受けつつの攻めの手です。
しかし45歩48香16桂同香17銀

45歩に48香というのが甘いのですが、銀桂を捨てて王手竜取りの筋がありました。部分的には2枚換えは歓迎ですが、後手陣に嫌味が減ったのでさらに差がついています。この後は端から反撃しましたが、逆手に取られて寄せられてしまいました。

48香では53歩成というのが継続手のはず。

46歩と取り込まれるのは厳しいのですが、56金と捨てるのが勝負手です。

47歩成55金46角・・・というのはまぎれているかもしれません。しかし56同馬43と55角32と16桂

この詰み筋を見つけられたら負けです。見つけられなければ一波乱あるかも。


× 王手竜取りの筋があるのならば52竜

とするのですが、42金引61竜45歩

51竜と逃げても73角があるので61竜の位置がしかたないのですが、53歩成もないのでは勝負になりません。


× ならば83竜のほうがましなのですが

やはり45歩が厳しくて、53歩成46歩37金25桂

では16桂があるから勝てません。

45歩には59香が反撃筋ですが

46歩55香47歩成同銀25桂29桂45桂

馬を捨てて攻められても勝てなさそうです。55香と83竜が53歩ねらいで重複している感じです。

後手が59香を嫌って54馬かもしれなくて

相手を悩ませたということにはなるのですが、どちらの変化も思わしくないのでは効果なし。


△ 受けるのならば87竜です。

45歩に59香

この時に竜が47金にひもを付けているので、46歩は怖くないです。69角55香87角成53歩成

これなら形勢不明でしょう。

嫌なのは先に69角で

67竜47角成同銀25桂29桂45桂39香

66歩87竜56歩53歩成同金58歩

と粘ります。まだまだ悪いのですが、何か間違えてもらえれば、というくらいの図です。


× 竜を逃げないのなら72飛とか

81飛とか、つないで馬と竜の交換です。82馬同飛成45歩

また王手竜取りの筋ですが、73角と打つのが守りの手で、69飛45歩67角39金25桂打29桂69角成

受けることはできるのですが、桂馬を取られて、銀桂と香の交換、はっきり駒損では悪いです。

筋としては64角が攻防なのですが

46歩同角(これが生角なので)45歩73角成46桂

というのはうれしくないです。


○ 万策尽きたようですが、32竜

と切ってしまうことができます。対穴熊用の手筋で、大駒よりも金駒の価値が高くなっているかもしれません。32同銀に53歩成同金51飛41桂42金

両取りをかけて桂合いを強要して取りに行きます。21銀打41金同銀同飛成31金

さすがにもう一回竜を切るわけにはいきませんが、一度逃げておいて33香を狙えます。後手から45歩には37銀打でしょうか。後手の攻め駒が減っているということもあり、ちょっと形勢は改善していそうです。

もう一つは32竜同銀の後59香と打つ変化を選べます。

64馬61飛31馬53歩成

ならば逆転しています。

嫌なのは66馬と逃げられて

53歩成に16桂同香17角

詰み筋があるのでした。

これを避けて57香

と打っておくのかもしれません。後手に56歩同香同馬同金67角

強行されるとまだ悪いのですが、すそ空きの穴熊では踏み込まれにくいのではないかと。


☆ まとめ

形勢が悪い時というのは困るのです。自然な手では負けそう。何か手をひねり出さなくてはなりません。ということはもちろん不自然な手も考えます。

自然な手は62竜、52竜というところで、次の53歩成が狙いです。ただしどちらも欠点がありました。

ちょっと妥協すると83竜ですが、元の形勢が悪いのに妥協していると形勢が良くなることはありません。
72飛や82飛も妥協している感じ。竜馬交換からよくありそうな寄せ合いでは、左桂がさばけていないことのマイナスが出てしまいます。

相手のミスを待つならば87竜です。形勢が悪くて、駒損だとしても相手の攻め疲れを待ちます。粘りの振り飛車党だと言えるでしょう。

実戦的には相手玉に手を付けたほうが逆転しやすいもので、対穴熊でも自分が穴熊でも出てきやすいですが、大駒を相手の守りの駒と刺し違える手を考えてみるのです。
問題図に至る前に、端に手を付けて穴熊を少し崩しておいた、というのもこれと同じような考え方です。


もしあなたが振り飛車党で、形勢が悪い時にそのまま最善を尽くしているつもりでもずるずると負けてしまうことが多いのならば、居飛車党になった方が良いでしょう。居飛車を選べば作戦選択の自由があり、定跡を利用して形勢有利にもっていきやすいです。形勢が良ければ自然な手を重ねていけばよく、それは訓練で身につけやすいのです。

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