後手番大山先生の手を考えます。
第1問
振り飛車の基本です。
A 35同歩 B 32飛 C 45歩
第2問
揺さぶりです。
A 34飛 B 74歩 C 36飛
第3問
寄せ合いに入ります。
A 49歩成 B 38飛成 C 45桂
後手番大山先生の手を考えます。
第1問
振り飛車の基本です。
A 35同歩 B 32飛 C 45歩
第2問
揺さぶりです。
A 34飛 B 74歩 C 36飛
第3問
寄せ合いに入ります。
A 49歩成 B 38飛成 C 45桂
今日の棋譜20210731
昭和34年7月、加藤一二三先生と第7回王座戦です。
大山先生は珍しく中飛車です。
加藤先生は57金戦法、金立ち戦法とも言います。
端も突かず、68銀や57銀右と固めずに仕掛けます。
32飛34歩同銀55歩
55同歩同金43銀。手の流れとしては攻めが成功しているのですが、先手玉が薄いのです。34歩42角44金同銀同角と攻めても、34飛11角成38金はまずいでしょう。
54歩52歩を入れて16歩、これは後手の15角の筋を消すのに必要そうです。
51角68銀36飛、大山先生は軽く動きます。
77銀に38歩
37歩35飛68銀33桂、25飛や25桂の攻め筋ができました。
24歩同歩同飛32銀、41金にひもを付けて25飛とぶつける準備。
44金に39歩成同銀36歩。加藤先生は何か応対しなければいけないと思うのですが、36同歩同飛37歩76飛というのも気持ち悪いです。
22飛成37歩成34歩、攻め合いを選びました。
47と66角
48歩28銀、銀取りを受ける苦心の順ですが、28銀に働きはありません。
49歩成33歩成48と引
32と同金11竜58と寄、先に銀桂香を手に入れましたが、金銀1枚は取られます。
39香38歩79金
68と同金39歩成。まだ桂得ですが、後手の と金は働きます。28銀29桂19香が遊んでいるので駒得の効果も薄く、先手玉の薄さに現れています。
53歩成同歩同金31歩、この壁は崩せそうにありません。
52銀38飛成、これは2手すきくらいの攻めなので、61銀不成同銀52金打などの寄せでは明らかな速度負けです。
なので39銀と と金を払いましたが、大山先生はあっさり竜を切ります。
68同玉24角、玉をかわすのもだめでしょうね。
57歩同と同角59銀、58玉には55香が良さそうです。ここまで。
大山先生がさばきの振り飛車で勝つのは珍しいです。軽すぎて失敗することのほうが多いように思いますが。居飛車の金立ち戦法というのが勝ちにくい戦法なのでしょうね。玉が薄すぎました。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.46 棋譜ファイル ----
開始日時:1959/07/06
手合割:平手
先手:加藤一二三8段
後手:大山名人
手数----指手--
1 2六歩(27)
2 3四歩(33)
3 7六歩(77)
4 4四歩(43)
5 4八銀(39)
6 5四歩(53)
7 5六歩(57)
8 4二銀(31)
9 5八金(49)
10 5二飛(82)
11 6八玉(59)
12 6二玉(51)
13 7八玉(68)
14 7二玉(62)
15 3六歩(37)
16 8二玉(72)
17 2五歩(26)
18 3三角(22)
19 5七金(58)
20 4三銀(42)
21 4六金(57)
22 7二銀(71)
23 3五歩(36)
24 3二飛(52)
25 3四歩(35)
26 同 銀(43)
27 5五歩(56)
28 同 歩(54)
29 同 金(46)
30 4三銀(34)
31 5四歩打
32 5二歩打
33 1六歩(17)
34 5一角(33)
35 6八銀(79)
36 3六飛(32)
37 7七銀(68)
38 3八歩打
39 3七歩打
40 3五飛(36)
41 6八銀(77)
42 3三桂(21)
43 2四歩(25)
44 同 歩(23)
45 同 飛(28)
46 3二銀(43)
47 4四金(55)
48 3九歩成(38)
49 同 銀(48)
50 3六歩打
51 2二飛成(24)
52 3七歩成(36)
53 3四歩打
54 4七と(37)
55 6六角(88)
56 4八歩打
57 2八銀(39)
58 4九歩成(48)
59 3三歩成(34)
60 4八と(49)
61 3二と(33)
62 同 金(41)
63 1一龍(22)
64 5八と(48)
65 3九香打
66 3八歩打
67 7九金(69)
68 6八と(58)
69 同 金(79)
70 3九歩成(38)
71 5三歩成(54)
72 同 歩(52)
73 同 金(44)
74 3一歩打
75 5二銀打
76 3八飛成(35)
77 3九銀(28)
78 6八龍(38)
79 同 玉(78)
80 2四角(51)
81 5七歩打
82 同 と(47)
83 同 角(66)
84 5九銀打
85 投了
まで84手で後手の勝ち
後手番大山先生の手を考えます。
第1問
好手順で形勢が近づきます。
A 47飛成 B 43飛 C 75歩
第2問
後手有利になっているのかも。攻めるか受けるか。
A 79銀 B 75金打 C 74金打
第3問
気が付けば簡単なのでノーヒント。
今日の棋譜20210730
昭和34年6月、北村昌男先生と共同記念対局です。北村先生が共同通信社主催の若手のトーナメントで優勝して名人と記念対局を行ったのでしょう。
大山先生の四間飛車です。
北村先生は棒銀
はまだ出現していないようで、右46銀の急戦です。大山先生は3筋に飛を回り
北村先生はこの形で仕掛けます。9筋の位は良いけれど、後手に64歩74歩を突かれているとどう違うか。54歩34歩同銀38飛45歩33角成同飛・・・というのが今の定跡手順ですが。
大山先生の45歩は定跡書で触れられていないかも。33角成同桂に、57銀引44角66角35角という寝技です。先手が歩切れなので難しい・・・ではなくて37銀44角77角35角36銀とすれば先手よしかも。
55銀に54歩、これは64銀と進むのもなくはないですが、
66銀に73角。22飛は31角があるのでこれしかないか。65歩が飛銀取りになるのですが
34歩同銀21角が入ります。
42飛54角成。65歩には55銀ですから、馬を作った先手が良さそうです。
大山先生は飛をさばいて
55歩に45銀
飛を3筋に回ってしまえばまあまあでしょうか。25飛や25桂のねらいがあります。
北村先生は75歩、63金の受けに
74歩84角43馬。これで25桂や25飛を防いで、やはり先手が指しやすいです。
56銀に54歩、52歩と受けさせれば先手の得ですが、62角と守られてまだ難しいか。
大山先生は53歩成を受けずに攻めます。57歩59金引65歩
77銀引76歩同銀66歩、先手の金銀4枚を相手にしているので、つぶせそうではありませんが。
66同歩同角53歩成64金、馬と と金が大きいので先手有利です。
73歩成同桂77歩、ちょっと卑屈に見えますが、北村先生有利は間違いないです。
45飛に26飛としたのが問題の手。銀取りなので、47飛成56飛同竜67銀引という予定だったのでしょうか。
後手の45飛は先手の52と を防いだ手だったので、34馬とかわしておくのが無難でした。強く61馬同銀63金とか63歩とか攻めるのも成立していたか。
大山先生は43飛同と45角。これで形勢は近づきました。と金が離れていったのと、45角は攻防です。
67歩に75歩
角銀を取り合って北村先生は44と としたのですが、と金を残して46歩のほうが優ったかもしれません。
67銀打88玉58歩成。これは58同金直から清算する方が良かったです。金をはがされたけれど、玉が一路遠くなったという取引になるはず。
45と59と同銀
77歩成同玉45桂、桂は後手の4枚目の攻めで、受けきりにできません。
21飛85桂88玉57桂不成、79金には78歩です。
68金同銀成同銀69桂成。これは2手すきで、
76角68成桂85角、なんとかバランスを保ったかという図です。
74金打53角
63金71銀73玉。ここで何かありそうなのですが。56飛85金65桂74玉75銀・・・というのが詰みません。
74角同金56飛で詰めろをかけましたが、
角を渡したので、79角98玉88金以下の詰み。何かなかったでしょうか。AIに聞くと、56銀を取らないで、79歩と受けるのだと。
北村先生が有利に時間が長かったのですが、終盤で怪しくしてしまいました。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.46 棋譜ファイル ----
開始日時:1959/06/26
手合割:平手
先手:北村昌男7段
後手:大山名人
手数----指手--
1 2六歩(27)
2 3四歩(33)
3 7六歩(77)
4 4四歩(43)
5 4八銀(39)
6 3二銀(31)
7 9六歩(97)
8 4二飛(82)
9 6八玉(59)
10 6二玉(51)
11 7八玉(68)
12 7二玉(62)
13 5六歩(57)
14 8二玉(72)
15 5八金(49)
16 7二銀(71)
17 3六歩(37)
18 4三銀(32)
19 2五歩(26)
20 3三角(22)
21 6八銀(79)
22 5二金(41)
23 1六歩(17)
24 6四歩(63)
25 3七銀(48)
26 7四歩(73)
27 4六銀(37)
28 3二飛(42)
29 9五歩(96)
30 1四歩(13)
31 3五歩(36)
32 4五歩(44)
33 3三角成(88)
34 同 桂(21)
35 5五銀(46)
36 5四歩(53)
37 6六銀(55)
38 7三角打
39 3四歩(35)
40 同 銀(43)
41 2一角打
42 4二飛(32)
43 5四角成(21)
44 4六歩(45)
45 同 歩(47)
46 同 飛(42)
47 4七歩打
48 5六飛(46)
49 5五歩打
50 4五銀(34)
51 3二馬(54)
52 3六飛(56)
53 3七歩打
54 3五飛(36)
55 7五歩(76)
56 6三金(52)
57 7四歩(75)
58 8四角(73)
59 4三馬(32)
60 5六銀(45)
61 5四歩(55)
62 5七歩打
63 5九金(58)
64 6五歩(64)
65 7七銀(66)
66 7六歩打
67 同 銀(77)
68 6六歩(65)
69 同 歩(67)
70 同 角(84)
71 5三歩成(54)
72 6四金(63)
73 7三歩成(74)
74 同 桂(81)
75 7七歩打
76 4五飛(35)
77 2六飛(28)
78 4三飛(45)
79 同 と(53)
80 4五角打
81 6七歩打
82 7五歩打
83 6六歩(67)
84 7六歩(75)
85 4四と(43)
86 6七銀打
87 8八玉(78)
88 5八歩成(57)
89 4五と(44)
90 5九と(58)
91 同 銀(68)
92 7七歩成(76)
93 同 玉(88)
94 4五桂(33)
95 2一飛打
96 8五桂(73)
97 8八玉(77)
98 5七桂(45)
99 6八金(69)
100 同 銀成(67)
101 同 銀(59)
102 6九桂成(57)
103 7六角打
104 6八成桂(69)
105 8五角(76)
106 7四金打
107 5三角打
108 6三金(64)
109 7一銀打
110 7三玉(82)
111 7四角(85)
112 同 金(63)
113 5六飛(26)
114 7九角打
115 9八玉(88)
116 8八金打
117 投了
まで116手で後手の勝ち
先手番熊谷先生の手を考えます。
第1問
好手があります。
A 73角成 B 53角成 C 74歩
第2問
飛は渡しても良いです。
A 61竜 B 11竜 C 24飛
第3問
銀が死んでいる形ですが。
A 73歩 B 77香 C 74角
今日の棋譜20210729
昭和34年6月、熊谷道人(くまがいみちひと)先生と名人A級選抜勝継戦です。熊谷先生はA級に上がったばかりで大山先生とは初対局。
大山先生の四間飛車です。
中央位取りを嫌う54歩はいつものことです。
熊谷先生は急戦ですが
桂を跳ねてもツノ銀で備えられると攻めることはできません。
47金~66銀は、5筋の歩を交換して57銀引~56銀の形を作るのでしょうか。
52飛と備えられると55歩は突きにくいので75歩、右金は離れていますが玉頭位取りでしょうか。
72飛には77銀上
74歩同歩同銀75歩。こうなれば75同銀は勢いで
銀交換は先手の1歩損なのですが、端角で歩を手に入れることができそうです。
74飛に85銀を打ち
歩を手にいれて先手十分ですが、大山先生の63銀はしぶといのです。73角成は同桂76銀引75歩同銀39角の筋がありますし、53角成は64歩から馬を殺されそう。術中にはまったようですが
熊谷先生の74歩が好手です。これは角飛の取り合いしかなく
64銀73歩成に同桂は74銀とすり込めます。73同銀に41飛で両取り。
2歩損ですが桂を取って竜を作りました(角歩歩と飛桂の交換+竜)。先手有利です。
84歩に65桂、85歩73桂成同桂63銀は寄り筋でしょう。
64銀に84銀、(74銀ではないので)これだと桂を取られるのが嫌ですが、65銀66歩74銀75歩63銀83銀不成62玉74銀成くらいか。
12角で竜が死んでいました。これも嫌味ではあるのですが、強く24飛。21角同飛成は先手優勢です。23歩には32竜同銀34飛でしょうか。
24同飛には11竜。23角には73歩62玉63香(73歩71玉83銀成)が利きます。
28飛は68銀で何でもないです。51金の受けに角を取って
83歩には74角。84歩には32竜同銀63金の筋(73歩同桂を入れる)で寄るでしょう。
63歩に83角成
こういうところ、アマチュアだと71歩と受けるのですが、プロは利かされなので受けない方が多いです。
77歩同玉29飛成59金が入ってから
大山先生は玉を逃げだしてもうひと粘り。
ですが桂を取られて駒損は回復できません。入玉できるわけでもないので逆転の要素がないから
45歩同桂55角で王手。でも先手に右桂を使われています。
桂を使わせて
竜を追ってみましたが
ここまで。
大山先生は玉頭位取りに反発したのですが、左の金銀が使えませんでした。熊谷先生の快勝です。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.46 棋譜ファイル ----
開始日時:1959/06/20
手合割:平手
先手:熊谷達人8段
後手:大山名人
手数----指手--
1 2六歩(27)
2 3四歩(33)
3 7六歩(77)
4 4四歩(43)
5 4八銀(39)
6 3二銀(31)
7 5六歩(57)
8 4二飛(82)
9 6八玉(59)
10 6二玉(51)
11 7八玉(68)
12 7二玉(62)
13 5七銀(48)
14 5四歩(53)
15 9六歩(97)
16 8二玉(72)
17 5八金(49)
18 7二銀(71)
19 3六歩(37)
20 4三銀(32)
21 2五歩(26)
22 3三角(22)
23 4六歩(47)
24 6四歩(63)
25 1六歩(17)
26 1四歩(13)
27 6八銀(79)
28 9四歩(93)
29 3七桂(29)
30 3二金(41)
31 4七金(58)
32 6三銀(72)
33 6六銀(57)
34 5二飛(42)
35 7五歩(76)
36 7二飛(52)
37 7七銀(68)
38 7四歩(73)
39 同 歩(75)
40 同 銀(63)
41 7五歩打
42 同 銀(74)
43 同 銀(66)
44 同 飛(72)
45 9七角(88)
46 7四飛(75)
47 2四歩(25)
48 同 歩(23)
49 8五銀打
50 7三飛(74)
51 6四角(97)
52 6三銀打
53 7四歩打
54 6四銀(63)
55 7三歩成(74)
56 同 銀(64)
57 4一飛打
58 7二玉(82)
59 2一飛成(41)
60 8四歩(83)
61 6五桂打
62 6四銀(73)
63 8四銀(85)
64 1二角打
65 2四飛(28)
66 同 角(33)
67 1一龍(21)
68 2八飛打
69 6八銀(77)
70 5一金(61)
71 1二龍(11)
72 8三歩打
73 7四角打
74 6三歩打
75 8三角成(74)
76 6二玉(72)
77 7三歩打
78 7七歩打
79 同 玉(78)
80 2九飛成(28)
81 5九金(69)
82 5二玉(62)
83 5五歩(56)
84 4二玉(52)
85 7二歩成(73)
86 3三角(24)
87 8一と(72)
88 4五歩(44)
89 同 桂(37)
90 5五角(33)
91 6六歩(67)
92 2七龍(29)
93 3七桂打
94 2二金(32)
95 1一龍(12)
96 2一金(22)
97 1四龍(11)
98 8八歩打
99 2四歩打
100 投了
まで99手で先手の勝ち
先手番大山先生の手を考えます。
第1問
大山先生らしいけん制です。
A 61角 B 83角 C 81角
第2問
こういう時の受け方です。
A 98歩 B 92歩 C 77玉
第3問
どこまで面倒を見るか。
A 43歩成 B 47同金 C 49金
今日の棋譜20210728
昭和34年6月、升田幸三先生と第18期名人戦第5局です。
大山先生の先手で矢倉です。この名人戦は陽動中飛車はありましたが全部矢倉のスタートです。大山先生は長い持ち時間なので、兄弟子と矢倉で決着をつけたかったということでしょうか。
大山先生の47銀型に対して、升田先生は73銀、急戦を見せます。
棒銀ではなくて早繰り銀(でも相矢倉では早繰り銀と呼ばないのですが)に。
桂を跳ねて、なんだか見慣れた形になりました。
平成の初めごろでしょうか、先手が46銀37桂で、後手が63銀で受けるという形が良く指されました。矢倉で47銀37桂の攻撃型も指されるようになったのかな。意外なのですが、45歩同歩同桂44銀24歩同歩同角や45歩同歩35歩44銀36銀という攻め筋にはまだ出会っていません。桂を跳ねずに48角~26角とするのはありました。
ここではまだ45歩同歩同桂をねらえるからという理由で桂を跳ねたというだけかもしれません。
升田先生はその筋を避けて71角、29飛に31玉と消極的な受けです。95歩同歩75歩同歩85桂86銀75銀と先攻してしまうのもありそうでした。
大山先生も45歩とは攻めず(攻めにくいのか、その筋が知られていなかったのか)39角~17角と転回します。升田先生は袖飛車に。
桂を跳ねて75歩同歩同銀と攻めるのは、子供のころに新聞観戦記で灘蓮照先生が得意にしていたと書いてあったはずです。だから(それが確かならば)灘流袖飛車と呼んでも良いと思うのですが。今でも46銀37桂型と記号で呼ぶのはつまらなくて(というのがいくつもあります)、人名ではなくても、なにか名前があると良いのですが。
さて45歩75歩で開戦です。後手の75歩では95歩同歩を入れたいと思うのですが、それは現代矢倉が端を絡めて攻めることが多いからなのでしょう。
大山先生は44歩同銀24歩同歩45歩
角を交換して75歩を取っておきます。
升田先生は46歩同銀47角、あまり厳しくないので、これを入れるべきだったかどうか。
26飛64銀で攻める態勢ですが、大山先生も角を打ち込んでけん制します。
71飛52角成75銀
75同銀同飛76歩72飛
63馬92飛86歩。升田先生は銀交換に成功したものの、形勢は互角でしょう。
77歩同桂95歩、やはり端を絡めたくなるのです。
大山先生は85歩では気持ち悪いのでしょう、85桂同歩44桂で攻め合いです。
42金寄に74馬
後手の飛を追ってから25歩の継ぎ歩攻めです。
25同歩同桂24歩
33桂成同金寄85歩、駒得だけど、玉頭に手を戻してもまだ嫌味があるので形勢は難しいです。
96歩に77玉はなるほどの早逃げです。
97歩成94歩98歩53銀、銀を捨てるのでは危なさそうですが。
53同金42銀で金を取り返す、ではなくて飛が詰んでいるのか。
74桂(上を押さえるのだけど87銀も有力)31銀不成同玉62馬
86銀68玉44金右、攻め駒が多いので升田先生が良くなったのでは?
53馬42歩61飛41桂44歩。後手玉は2手すきです。
68銀は詰めろなので48金の受け、
78銀成を取れずに57玉
69角成は詰めろで、55歩同歩45銀は上に逃げだす先手の粘りです。
79馬47玉は仕方ないか。ここで46金38玉45金は寄せとしては甘いけれど、先手の攻めも細いので後手良しだったでしょう。
46銀38玉25桂は厳しく迫ったけれど、まだ詰めろではないです。
51飛成(詰めろ)22玉42竜、詰まないけれど32金では薄いから、
32金打41竜47歩
49金37銀不成29玉。あれ?これで投了です。先手玉は詰まなくて、26銀成くらいですが詰めろではありません。2手すき。後手玉は43歩成が詰めろで受けにくいのですか。わかりにくい投了図でした。
ずっと互角に近いのですが、升田先生に勝ち筋があったはずです。46金ではなくて46銀としたのは、王手飛車があるからわかりやすいと思ったら、落とし穴でした。これで終わりとはちょっと寂しいですね。大山先生は、無冠から王将九段名人の三冠を取り返しました。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.46 棋譜ファイル ----
開始日時:1959/06/11
手合割:平手
先手:大山王将
後手:升田幸三名人
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 7八銀(79)
4 3四歩(33)
5 7七銀(78)
6 4二銀(31)
7 2六歩(27)
8 6二銀(71)
9 4八銀(39)
10 3二金(41)
11 7八金(69)
12 4一玉(51)
13 4六歩(47)
14 7四歩(73)
15 4七銀(48)
16 7三銀(62)
17 2五歩(26)
18 3三銀(42)
19 5六歩(57)
20 6四銀(73)
21 6六歩(67)
22 5四歩(53)
23 5八金(49)
24 4四歩(43)
25 7九角(88)
26 3一角(22)
27 5七角(79)
28 5二金(61)
29 6七金(58)
30 7三桂(81)
31 6九玉(59)
32 9四歩(93)
33 9六歩(97)
34 4三金(52)
35 3六歩(37)
36 5三角(31)
37 7九玉(69)
38 3一玉(41)
39 8八玉(79)
40 2二玉(31)
41 1六歩(17)
42 1四歩(13)
43 3七桂(29)
44 7一角(53)
45 2九飛(28)
46 3一玉(22)
47 3九角(57)
48 2二玉(31)
49 1七角(39)
50 7二飛(82)
51 2六角(17)
52 5三角(71)
53 8六銀(77)
54 8五桂(73)
55 4五歩(46)
56 7五歩(74)
57 4四歩(45)
58 同 銀(33)
59 2四歩(25)
60 同 歩(23)
61 4五歩打
62 3三銀(44)
63 5三角成(26)
64 同 銀(64)
65 7五歩(76)
66 4六歩打
67 同 銀(47)
68 4七角打
69 2六飛(29)
70 6四銀(53)
71 6一角打
72 7一飛(72)
73 5二角成(61)
74 7五銀(64)
75 同 銀(86)
76 同 飛(71)
77 7六歩打
78 7二飛(75)
79 6三馬(52)
80 9二飛(72)
81 8六歩(87)
82 7七歩打
83 同 桂(89)
84 9五歩(94)
85 8五桂(77)
86 同 歩(84)
87 4四桂打
88 4二金(32)
89 7四馬(63)
90 7二飛(92)
91 8三馬(74)
92 7一飛(72)
93 8二馬(83)
94 6一飛(71)
95 2五歩打
96 同 歩(24)
97 同 桂(37)
98 2四歩打
99 3三桂成(25)
100 同 金(43)
101 7二馬(82)
102 3一飛(61)
103 8五歩(86)
104 9六歩(95)
105 7七玉(88)
106 9七歩成(96)
107 9四歩打
108 9八歩打
109 5三銀打
110 同 金(42)
111 4二銀打
112 7四桂打
113 3一銀(42)
114 同 玉(22)
115 6二馬(72)
116 8六銀打
117 6八玉(77)
118 4四金(53)
119 5三馬(62)
120 4二歩打
121 6一飛打
122 4一桂打
123 4四歩(45)
124 6九銀打
125 4八金打
126 7八銀成(69)
127 5七玉(68)
128 6九角成(47)
129 5五歩(56)
130 同 歩(54)
131 4五銀(46)
132 7九馬(69)
133 4七玉(57)
134 4六銀打
135 3八玉(47)
136 2五桂打
137 5一飛成(61)
138 2二玉(31)
139 4二龍(51)
140 3二金打
141 4一龍(42)
142 4七歩打
143 4九金(48)
144 3七銀(46)
145 2九玉(38)
146 投了
まで145手で先手の勝ち
後手番大山先生の手を考えます。
第1問
後手陣がまとまっているので戦えば良くなります。
A 34歩 B 45歩 C 55歩
第2問
なかなか銀得で有利にはなりません。
A 64金 B 52銀 C 52角
第3問
工夫して攻めます。
A 57金 B 36歩 C 55飛
第4問
これで優勢になります。
A 43同金 B 55飛 C 46銀
今日の棋譜20210727
昭和34年5月、升田幸三先生と第18期名人戦第4局です。
升田先生の先手で矢倉です。
46歩と64歩を突く矢倉、この二人だから選んでいるのか、(それゆえ)流行していたのかはわかりません。
升田先生は46歩を突いているのに37銀。棒銀を見ているのですが、角が使えないから組み合わせは良くないでしょう。
47金もバランスなのでしょうか。後手が45歩から反撃する筋に備えています。
大山先生は棒銀を銀矢倉の形で受けます。
升田先生は3筋の位を取って銀の立て直しです。急戦にはなりません。
大山先生の64角が好位置で、先手が66歩から追うのも難しいです。
48角は37角~45歩を考えたのでしょうが、34歩と合わせます。34同歩同銀右35歩45銀は後手が良さそう。
37角に35歩同銀34銀右、銀交換は先手陣に隙が多いです。
升田先生は26銀と引いて我慢、玉を囲ってから
75歩同歩同角に48角。角交換は74歩同金63角の筋ができます。
64角には再び35歩43銀37銀で立て直しです。
手損しましたが、この図が37銀としたときの想定だったのでしょう。作戦負けになりかけましたが、持ち直した感じです。
74金37角75歩
75同歩同角38飛
64角45歩で戦いが始まります。
76歩に同銀、これは銀が死ぬのですが、現代矢倉でも、引いたら悪いから取らせているうちに勝負するということがあります。
37角成同桂75歩で銀が死にましたが41角。一見は52角と合わせて受けるのですが、同角成同銀34歩同銀35歩43銀44歩同銀71角という攻めができます。金をかわせば74歩ですから、52銀の一手。
同角成同飛63銀
51飛74銀成76歩。升田先生は角と金歩の交換で成銀もありますから、駒損というほどでもないです。先手玉は薄いけれど、形勢は互角に近いのでしょう。
44歩に大山先生は29角。飛の逃げる位置は悩ましいです。
28飛47角成同銀
39角58飛49銀。これは飛を逃げないで43金と攻めるのはありそうです。
68飛57角成48金、これは駒得を目指しました。
68馬同玉55歩、49金は56歩58歩57金で難しそう。
升田先生は62角52飛に34歩が微妙な利かしです。
34同銀に73角成で駒得。
56歩に55角は攻防ですが、質駒なのでやはり形勢互角です。
12玉に49金、銀桂得ですが、57金から銀を取られるとか
ではなくて48歩同金39飛でした。
59歩に57金、変な手順ですが
清算して37飛成は取れません。さてここの合駒は、金を打てば話が違ったのですが、
47銀打35桂。68玉47桂成37角57飛成69玉37成桂では負けです。どうやら後手有利になったようで、
35同銀同銀43歩成46銀、これも後手の調子が良くて、優勢になったか。
68玉55銀32と同竜。飛と金桂の交換で先手の駒得なのですが、玉の安全度が違います。
15桂に57角。同玉は66銀から寄せられます。
69玉77銀、これも部分的には金2枚持っているので68金打から千日手模様の受けがあるのですが、後手は66銀上とすれば飛銀を使えるので攻め切れます。
77同桂同歩成24桂同歩まで。
升田先生が苦しい将棋を耐えて互角に戻し、銀を取らせるのが良い構想で良くなったのですが、受け損ないました。これで1勝3敗になり、名人位の行方が見えてきたようです。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
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開始日時:1959/05/29
手合割:平手
先手:升田幸三名人
後手:大山王将
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 6八銀(79)
4 3四歩(33)
5 7七銀(68)
6 4二銀(31)
7 2六歩(27)
8 6二銀(71)
9 4八銀(39)
10 3二金(41)
11 4六歩(47)
12 6四歩(63)
13 3六歩(37)
14 6三銀(62)
15 5八金(49)
16 7四歩(73)
17 2五歩(26)
18 3三銀(42)
19 3七銀(48)
20 5四銀(63)
21 2六銀(37)
22 4四歩(43)
23 4七金(58)
24 5二金(61)
25 5六歩(57)
26 4一玉(51)
27 7九角(88)
28 3一角(22)
29 3五歩(36)
30 4三銀(54)
31 3四歩(35)
32 同 銀(43)
33 3五歩打
34 4三銀(34)
35 3七銀(26)
36 6五歩(64)
37 3六銀(37)
38 5四歩(53)
39 5七角(79)
40 6四角(31)
41 4八角(57)
42 3四歩打
43 3七角(48)
44 3五歩(34)
45 同 銀(36)
46 3四銀(43)
47 2六銀(35)
48 8五歩(84)
49 7八金(69)
50 6三金(52)
51 6八玉(59)
52 7三桂(81)
53 7九玉(68)
54 7五歩(74)
55 同 歩(76)
56 同 角(64)
57 4八角(37)
58 6四角(75)
59 3五歩打
60 4三銀(34)
61 3七銀(26)
62 3一玉(41)
63 3六銀(37)
64 2二玉(31)
65 7六歩打
66 7四金(63)
67 3七角(48)
68 7五歩打
69 同 歩(76)
70 同 角(64)
71 3八飛(28)
72 6四角(75)
73 4五歩(46)
74 7六歩打
75 同 銀(77)
76 3七角成(64)
77 同 桂(29)
78 7五歩打
79 4一角打
80 5二銀(43)
81 同 角成(41)
82 同 飛(82)
83 6三銀打
84 5一飛(52)
85 7四銀成(63)
86 7六歩(75)
87 4四歩(45)
88 2九角打
89 2八飛(38)
90 4七角成(29)
91 同 銀(36)
92 3九角打
93 5八飛(28)
94 4九銀打
95 6八飛(58)
96 5七角成(39)
97 4八金打
98 6八馬(57)
99 同 玉(79)
100 5五歩(54)
101 6二角打
102 5二飛(51)
103 3四歩(35)
104 同 銀(33)
105 7三角成(62)
106 5六歩(55)
107 5五角打
108 1二玉(22)
109 4九金(48)
110 4八歩打
111 同 金(49)
112 3九飛打
113 5九歩打
114 3六歩打
115 同 銀(47)
116 5七金打
117 同 金(48)
118 同 歩成(56)
119 同 玉(68)
120 3七飛成(39)
121 4七銀打
122 3五桂打
123 同 銀(36)
124 同 銀(34)
125 4三歩成(44)
126 4六銀(35)
127 6八玉(57)
128 5五銀(46)
129 3二と(43)
130 同 龍(37)
131 1五桂打
132 5七角打
133 6九玉(68)
134 7七銀打
135 同 桂(89)
136 同 歩成(76)
137 2四桂打
138 同 歩(23)
139 投了
まで138手で後手の勝ち