先手番升田先生の手を考えます。
第1問
この図での選択は難しいのですが、気が付けば先手が良くなるのです。
A 64歩 B 57銀 C 37桂
第2問
これにて先手良し。
A 66歩 B 46角 C 45歩
第3問
どれでも良さそうに見えますが、攻め切るにはこの手から。
A 44歩 B 46角 C 22歩
先手番升田先生の手を考えます。
第1問
この図での選択は難しいのですが、気が付けば先手が良くなるのです。
A 64歩 B 57銀 C 37桂
第2問
これにて先手良し。
A 66歩 B 46角 C 45歩
第3問
どれでも良さそうに見えますが、攻め切るにはこの手から。
A 44歩 B 46角 C 22歩
今日の棋譜20221130
1952年7月、松下力先生と順位戦です。
升田先生の先手で矢倉です。
57銀53銀は急戦含み。
居玉のまま46銀と出て、やはり急戦をねらっているのですが、
早囲いで玉を移動しておきます。松下先生のほうは総矢倉で守っているのですが、
銀を引いてしまうのではおかしいですね。64銀と出たら先後同型になっていたかもしれません。意味としては35歩同歩同銀に64角としてけん制するということなのでしょう(それでも後手が良いともおもいません)。
なので升田先生は35歩のほうではなくて55歩同歩同銀。
45歩58飛53銀。ここは54歩を打って先手良しに見えますが、
65歩54歩66銀引。これならば互角でしょう。
44銀左46歩64歩。中央での小競り合いが続きます。先手としては飛取りに46角が実現すれば指しやすく、後手としてはその筋を避けつつ、攻撃型を作りたい、という思惑です。
45歩同銀48飛。戦場は4筋に移ります。松下先生がどこかでおかしくしているのですが、それがはっきりしないのです。ここは44歩もあるけれど
46歩57銀
65歩46銀36銀。銀を交換すると先手が指しやすいです。ここではもうおかしいのかなあ。65歩ではなくて73桂とか。
37歩25銀45銀44歩
56銀64銀。この64銀では後手が悪そう。でも先手の46角を防ぐ意味もあって、仕方のないような。
45歩86歩同歩33金上。ここでは金銀の連携がおかしく、しっかりした受けができていません。
22歩同角46角。この銀取りはかなり受けにくくなっています。
55歩44歩のところで、44同金(どちらでも)は55銀同銀同角が厳しいから仕方なし。42金と引くのでは、もう先手有利に見えますね。
24歩同歩23歩。これは取ると43歩成同金55角で終わり。24歩には14銀と我慢でしたか。
31角55銀45歩。これで銀角の取り合いですが、
22銀があるので先手有利。
32金寄31銀成同玉。駒得も消えました。
53角42角同角成同金が入って、22角がありますね。
46飛88歩のところで
22角32玉11角成
23玉22歩。駒を取りながらの攻めは切れません。
45歩56飛47角。51飛成89歩成はちょっと面白くなりそうですが、
21歩成56角成同金28飛68歩。これは寄せ合いにはなりません。後手玉が上に逃げ出せるかどうか。
29飛成16歩、後手玉は詰めろで
32玉53桂まで。
松下先生の敗着がはっきりしないです。升田先生の駒運びが巧みでした。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.60 棋譜ファイル ----
開始日時:1952/07/00( ) 00:00:00
棋戦:順位戦
戦型:矢倉
手合割:平手
先手:升田幸三
後手:松下 力
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 6八銀(79)
4 3四歩(33)
5 7七銀(68)
6 6二銀(71)
7 2六歩(27)
8 3二銀(31)
9 4八銀(39)
10 3三銀(32)
11 5六歩(57)
12 5四歩(53)
13 5七銀(48)
14 5三銀(62)
15 2五歩(26)
16 3二金(41)
17 7九角(88)
18 4一玉(51)
19 4六銀(57)
20 5二金(61)
21 3六歩(37)
22 4四歩(43)
23 6八玉(59)
24 4三金(52)
25 7八玉(68)
26 8五歩(84)
27 5八金(49)
28 7四歩(73)
29 6六歩(67)
30 3一角(22)
31 6七金(58)
32 6二銀(53)
33 5五歩(56)
34 同 歩(54)
35 同 銀(46)
36 4五歩(44)
37 5八飛(28)
38 5三銀(62)
39 6五歩(66)
40 5四歩打
41 6六銀(55)
42 4四銀(33)
43 4六歩(47)
44 6四歩(63)
45 4五歩(46)
46 同 銀(44)
47 4八飛(58)
48 4六歩打
49 5七銀(66)
50 6五歩(64)
51 4六銀(57)
52 3六銀(45)
53 3七歩打
54 2五銀(36)
55 4五銀(46)
56 4四歩打
57 5六銀(45)
58 8六歩(85)
59 同 歩(87)
60 6四銀(53)
61 4五歩打
62 3三金(32)
63 2二歩打
64 同 角(31)
65 4六角(79)
66 5五歩(54)
67 4四歩(45)
68 4二金(43)
69 2四歩打
70 同 歩(23)
71 2三歩打
72 3一角(22)
73 5五銀(56)
74 4五歩打
75 6四銀(55)
76 4六歩(45)
77 2二銀打
78 3二金(42)
79 3一銀成(22)
80 同 玉(41)
81 5三角打
82 4二角打
83 同 角成(53)
84 同 金(32)
85 4六飛(48)
86 8八歩打
87 2二角打
88 3二玉(31)
89 1一角成(22)
90 2三玉(32)
91 2二歩打
92 4五歩打
93 5六飛(46)
94 4七角打
95 2一歩成(22)
96 5六角成(47)
97 同 金(67)
98 2八飛打
99 6八歩打
100 2九飛成(28)
101 1六歩(17)
102 3二玉(23)
103 5三桂打
104 投了
まで103手で先手の勝ち
先手番大山先生の手を考えます。
第1問
正しい攻めの手順は?
A 24歩 B 45飛 C 56歩
第2問
角取りをどうするかですが。
A 63角成 B 44銀 C 44角
第3問
もう一回、角取りをどうするか。
A 63角成 B 43歩 C 33角成
第4問
必至をかけます。
A 22銀不成 B 33金打 C 46金
今日の棋譜20221129
1952年5月、大山康晴先生とA級順位戦プレーオフ第3局です。
大山先生の先手で矢倉です。
大山先生は46歩を突く旧型のほうで
角の使いやすさが違うので、後手の作戦勝ちになりやすいです。
升田先生の72飛は現代矢倉に近づいたかという感じですが、
85歩を突くのではまだまだ古いです。現代だと85に桂を跳ねたい、73桂は65歩を突かれるので、93桂~85桂というところでしょうか。
55歩も古い感じで
56歩54銀55歩
55同角56銀73角48飛は先手が指しやすい、のですが、48飛としないで45歩として戦うのが今風(現代よりも新しいAI的)でしょうか。
55歩67銀64歩26角。これは手順に銀矢倉に組めて、四手角の攻撃型ができる先手の作戦勝ちです。升田先生の飛は61にあるならば悪くないのですが。
65歩同歩84角
57歩に65銀66歩54銀。これではだめです。65銀ではなくて73桂と跳ねて攻め合いにしないと。
37桂に42銀は苦心の受けですが、もう一手33桂と跳ねておかねば受けにならないですし、53銀とも指しておきたいところ。受けの手が間に合わず、攻めにかけた手が中途半端。飛角桂の働きが違うということになります。先手有利としても良いところでしょう。
大山先生は1歩欲しいので56歩、65歩に45歩。カウンターで攻めることになるので、切れにくいです。
45同歩55歩同銀45飛。この銀取りは受けにくくて
73角(54歩のほうが良かったか)56歩
66歩55歩67歩成同金右。銀交換で先手の攻撃力が上がりました。後手も攻め駒が増えたのですが、飛角が攻めに使えていないから効果は小さいのです。
44歩46飛55角
56飛54歩45歩。45同歩は55飛同歩44歩でも先手が良いでしょう。
86歩同歩65銀。銀を打ってもらえれば喜んで
55飛同歩44歩33金寄45桂。これで26角が使えれば攻め駒4枚です。
66歩33桂成同金68金引。この図で75歩同歩が入っていれば寄せ合いなのですが、
29飛に43歩成同金41角。大山先生の攻めは切れそうにありません。
33金に44角がちょっと格好良い手。32桂の受けに
43歩も厳しくて先手優勢です。67歩成同金87歩同金が入ったけれど、43銀53角成42歩63角成~64馬引は先手優勢です。
44金42歩成同飛52金。43飛42銀も困るので
41飛同金35歩42銀。ここからは後手玉が上に逃げ出せるかどうかの攻防です。24歩とするのが難しく見えるのですが、53飛43歩34銀がぴったりなので成立せず。
14歩31金
43金41飛13玉
22銀同玉32金
13玉31銀不成。金取りと22銀不成の両ねらいは受けがなくて
25飛成43飛成24玉
44竜34銀26歩同竜26桂。守りの竜を追われると、升田先生に勝ち目がありません。
29竜26歩38竜
68金36竜33金打まで。必至です。
この3番勝負は升田先生が先勝したのですが、2,3局は良いところなし。実質は4年前の高野山の決戦よりも大きな意味がありました。衰えた木村先生にとどめを刺したのが大山先生で、先に名人に就くことになります。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.60 棋譜ファイル ----
開始日時:1952/05/06(火) 00:00:00
棋戦:順位戦
戦型:矢倉
手合割:平手
先手:大山康晴
後手:升田幸三
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 7八銀(79)
4 3四歩(33)
5 7七銀(78)
6 6二銀(71)
7 7八金(69)
8 3二金(41)
9 4八銀(39)
10 4一玉(51)
11 2六歩(27)
12 4二銀(31)
13 6九玉(59)
14 5二金(61)
15 5八金(49)
16 5四歩(53)
17 2五歩(26)
18 3三銀(42)
19 4六歩(47)
20 4四歩(43)
21 4七銀(48)
22 4三金(52)
23 3六歩(37)
24 7四歩(73)
25 7九角(88)
26 3一角(22)
27 6八角(79)
28 6四角(31)
29 5九角(68)
30 5三銀(62)
31 3七角(59)
32 7二飛(82)
33 6六歩(67)
34 3一玉(41)
35 7九玉(69)
36 2二玉(31)
37 8八玉(79)
38 9四歩(93)
39 9六歩(97)
40 8五歩(84)
41 1六歩(17)
42 5五歩(54)
43 5六歩(57)
44 5四銀(53)
45 5五歩(56)
46 同 角(64)
47 5六銀(47)
48 7三角(55)
49 4八飛(28)
50 5五歩打
51 6七銀(56)
52 6四歩(63)
53 2六角(37)
54 6五歩(64)
55 同 歩(66)
56 8四角(73)
57 5七歩打
58 6五銀(54)
59 6六歩打
60 5四銀(65)
61 3七桂(29)
62 4二銀(33)
63 5六歩(57)
64 6五歩打
65 4五歩(46)
66 同 歩(44)
67 5五歩(56)
68 同 銀(54)
69 4五飛(48)
70 7三角(84)
71 5六歩打
72 6六歩(65)
73 5五歩(56)
74 6七歩成(66)
75 同 金(58)
76 4四歩打
77 4六飛(45)
78 5五角(73)
79 5六飛(46)
80 5四歩打
81 4五歩打
82 8六歩(85)
83 同 歩(87)
84 6五銀打
85 5五飛(56)
86 同 歩(54)
87 4四歩(45)
88 3三金(43)
89 4五桂(37)
90 6六歩打
91 3三桂成(45)
92 同 金(32)
93 6八金(67)
94 2九飛打
95 4三歩成(44)
96 同 金(33)
97 4一角打
98 3三金(43)
99 4四角(26)
100 3二桂打
101 4三歩打
102 6七歩成(66)
103 同 金(68)
104 8七歩打
105 同 金(78)
106 4四金(33)
107 4二歩成(43)
108 同 飛(72)
109 5二金打
110 4一飛(42)
111 同 金(52)
112 3五歩(34)
113 4二銀打
114 1四歩(13)
115 3一金(41)
116 4三金(44)
117 4一飛打
118 1三玉(22)
119 2二銀打
120 同 玉(13)
121 3二金(31)
122 1三玉(22)
123 3一銀(42)
124 2五飛成(29)
125 4三飛成(41)
126 2四玉(13)
127 4四龍(43)
128 3四銀打
129 2六歩打
130 同 龍(25)
131 3八桂打
132 2九龍(26)
133 2六歩打
134 3八龍(29)
135 6八金(67)
136 3六龍(38)
137 3三金打
138 投了
まで137手で先手の勝ち
後手番大山先生の手を考えます。
第1問
少し駒得になります。
A 24歩 B 37角 C 22角
第2問
これが味の良い手です。
A 74金 B 36歩 C 54歩
第3問
他の手でも悪くはないですが、好手があり、寄せやすくなります。
A 47馬 B 88歩 C 87歩
今日の棋譜20221126
1952年5月、大山康晴先生とA級順位戦プレーオフ第2局です。
升田先生の先手で角換わりです。
相腰掛け銀に進むようでしたが、大山先生は棒銀に。これは端攻めにはならず、58金右84銀96歩75歩というような展開で早繰り銀に近いねらいです。升田先生は受けていて悪くないのですが、
58金右84銀45桂。今風に45桂と跳ねてどうか。でも35歩同歩45桂のほうが攻めやすかったとは思います。
22銀55角44角56銀。これで44歩を突かれにくい形になったのですが、
73銀24歩同歩同飛23銀。後手陣はしっかりした形です。
28飛55角同銀37角
29飛28歩39飛26角成。馬を作られて指しにくいです。攻めたいけれどちょっと細い攻めしかないのです。
75歩(75同歩74歩同銀64銀のねらい)63金
74歩62銀。ちょっと得はしたけれど44歩を突かれると桂が死ぬので忙しいです。
35歩同歩66歩36歩。3筋の突き捨ては逆用されて、さらに忙しくなっています。
27歩25馬65歩
29歩成同飛37歩成。と金も作られたのではっきり駒損です。
64歩74金63歩成同銀53桂成。桂を捨てて王手飛車ですが、
53同玉に64歩を利かそうとしたら52玉。先に71角62飛を決めておけば、ですが、それでも先手有利にはなっていないようです。
63歩成は大きいけれど、後手の47と も大きくて、67金右75桂。後手玉は33玉と逃げた形が広いので寄せ合い負けでしょう。
54銀58と79玉
86歩同歩47馬(好手)39飛38歩29飛。大山先生は馬が移動したので57と と使えるようになっています。
67桂成同金66歩同銀65歩。65にも馬の利きがありますね。銀を逃げれば57と で寄ります。
75銀同金64角。また駒を捨てて王手飛車の筋ですが、
33玉82角成87銀で詰めろ。これは受けにくくて
55馬44歩78銀68金まで。
升田先生の攻めは少し無理なようです。後手の攻めを待ってカウンターならばうまくいきそうなのですが。大山先生は無理に攻めさせるのが勝ちパターンです。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.60 棋譜ファイル ----
開始日時:1952/05/02(金) 00:00:00
棋戦:順位戦
戦型:角交換腰掛銀
手合割:平手
先手:升田幸三
後手:大山康晴
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 2六歩(27)
4 8五歩(84)
5 2五歩(26)
6 3二金(41)
7 7七角(88)
8 3四歩(33)
9 8八銀(79)
10 7七角成(22)
11 同 銀(88)
12 2二銀(31)
13 7八金(69)
14 3三銀(22)
15 3八銀(39)
16 6二銀(71)
17 1六歩(17)
18 7四歩(73)
19 4六歩(47)
20 1四歩(13)
21 4七銀(38)
22 6四歩(63)
23 6八玉(59)
24 4二玉(51)
25 3六歩(37)
26 5二金(61)
27 3七桂(29)
28 7三銀(62)
29 5八金(49)
30 8四銀(73)
31 4五桂(37)
32 2二銀(33)
33 5五角打
34 4四角打
35 5六銀(47)
36 7三銀(84)
37 2四歩(25)
38 同 歩(23)
39 同 飛(28)
40 2三銀(22)
41 2八飛(24)
42 5五角(44)
43 同 銀(56)
44 3七角打
45 2九飛(28)
46 2八歩打
47 3九飛(29)
48 2六角成(37)
49 7五歩(76)
50 6三金(52)
51 7四歩(75)
52 6二銀(73)
53 3五歩(36)
54 同 歩(34)
55 6六歩(67)
56 3六歩(35)
57 2七歩打
58 2五馬(26)
59 6五歩(66)
60 2九歩成(28)
61 同 飛(39)
62 3七歩成(36)
63 6四歩(65)
64 7四金(63)
65 6三歩成(64)
66 同 銀(62)
67 5三桂成(45)
68 同 玉(42)
69 6四歩打
70 4二玉(53)
71 6三歩成(64)
72 4七と(37)
73 6七金(58)
74 7五桂打
75 5四銀(55)
76 5八と(47)
77 7九玉(68)
78 8六歩(85)
79 同 歩(87)
80 4七馬(25)
81 3九飛(29)
82 3八歩打
83 2九飛(39)
84 6七桂成(75)
85 同 金(78)
86 6六歩打
87 同 銀(77)
88 6五歩打
89 7五銀(66)
90 同 金(74)
91 6四角打
92 3三玉(42)
93 8二角成(64)
94 8七銀打
95 5五馬(82)
96 4四歩(43)
97 7八銀打
98 6八金打
99 投了
まで98手で後手の勝ち
本日は第236回名南将棋大会(弐)を開催しました。結果速報です。
今日は4連勝が5クラスと多く出ました。1クラスは3人優勝で実力伯仲です。
G級優勝
葛西直樹さん
H級優勝
森巌さん
I級優勝
寺本浩二さん
J級優勝
根本信次郎さん
K級優勝
地下好さん
松井祐三さん
田中嘉男さん
L級優勝
船山松平さん
優勝された方々、おめでとうございます。
参加された皆様ありがとうございました。
後手番升田先生の手を考えます。
第1問
先手の攻めはうるさいです。なので形勢は悪いのですが。
A 53同歩 B 53同竜 C 15角
第2問
これも攻防の手で、後手有利になります。
A 86歩 B 53竜 C 43竜
第3問
好手順の攻めがあります。
A 54金 B 55金 C 45歩
第4問
ここからの寄せ手順も見事。
A 39竜 B 59角成 C 86桂
第5問
即詰みです。
今日の棋譜20221127
1952年4月、大山康晴先生とA級順位戦のプレーオフ第1局です。6勝2敗で並んで、3番勝負でした。
大山先生の先手で矢倉です。
5筋を突き合う新しいほうの矢倉ですが
大山先生は中飛車に。玉を右に囲えば陽動中飛車、
左に囲うのは矢倉中飛車と名前が変わります。5筋の歩を切ったら
64角58飛45歩。79角の受けもあるけれど、
55歩のほうが普通の受けでしょう。44金66銀、55の地点は先手のほうが利きが多いです。
46歩同銀86歩同歩87歩
87同金86角。通常の受けは78玉なのですが、64角86歩85歩同歩86歩、後手が2歩持っているので攻めが続きます。受けきれないわけでもないのでしょうが。
仕方なく、でもないようで、86同金同飛95角。82飛83歩72飛は先手が良いでしょう。
87飛成62角成67竜。升田先生は角銀と金の交換です。88角がただ取りできるくらいでないと割りが合わないわけですが。
68歩87竜53馬(詰めろ)52歩97馬
78金59玉82竜。これは86歩と受けられて金角を交換しても銀損です。89金は77角と逃げられるし、駒損がひどいので後手劣勢です。
大山先生は受けないで54歩88金83歩同竜53歩成。一気に決めてやろうというのですが。
53同歩同飛成52歩62竜、まだ詰めろではないです。
99金61竜51香。62銀は89竜48玉42銀、42同馬から攻められるけれど、詰むわけではないのでまだ早いようです。
87歩64歩と互いに受けてから62銀で詰めろ。
42銀53歩に15角の王手は攻防です。この時の受け方がいくつかありますが、69玉が正しかったようです。
というのは58玉53銀と進んで、53同銀成同竜が王手になってしまうから。王手にならないのは69玉しかなかったというわけです。
77桂62銀同竜43竜。後手玉が安全になりました。金香歩2と銀の交換で大山先生の駒損です。まあ長引けば後手の99金や81桂や91香を取る展開になるのでしょうが、先手玉が結構危ないのです。56銀を打たれるのも嫌なので
57銀左54金88馬。金を取りに行ったけれど、この瞬間が怖くて
55金と出られて、55同銀69銀~69竜は負けでしょう。47銀打しかなかったのでしょうが、形勢は思わしくないです。銀を打たずに歩を補充して64竜としましたが、
46金44歩
57金同玉53竜、交換するしかなくて
53同竜同歩62飛で詰めろ。でも27飛の王手も困ります。合駒は使いたくないし、上に逃げだしても安全ではなくて
58玉42歩99馬。寄せてみろと開き直ります。
57銀69玉29飛成。駒を取られながら攻められるのでは悪いです。後手玉は43銀と打っても何か受けられて詰めろが続きませんし。
39金打に86桂は詰めろ。
86同歩87銀78金、詰めろを受けますが、
39竜(詰めろ)、同金と取れば59角成から
79玉69金まで。89玉78銀不成同玉68馬とすれば詰みます。
升田先生の無理攻めをとがめて先手優勢だったのですが、強気に寄せ合いに出たら、76手目15角の王手への応手を間違えてしまった、という結果です。後年の大山先生だったら、間違いなく受けて勝つのですが、まだまだ若かったということなのでしょう。
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# ---- Kifu for Windows V7 V7.60 棋譜ファイル ----
開始日時:1952/04/27(日) 00:00:00
棋戦:順位戦
戦型:矢倉
手合割:平手
先手:大山康晴
後手:升田幸三
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 7八銀(79)
4 3四歩(33)
5 7七銀(78)
6 6二銀(71)
7 2六歩(27)
8 4二銀(31)
9 4八銀(39)
10 3二金(41)
11 5六歩(57)
12 5四歩(53)
13 2五歩(26)
14 3三銀(42)
15 3六歩(37)
16 5二金(61)
17 7八金(69)
18 3一角(22)
19 4六歩(47)
20 4四歩(43)
21 4七銀(48)
22 4三金(52)
23 5八飛(28)
24 4一玉(51)
25 6九玉(59)
26 8五歩(84)
27 9六歩(97)
28 7四歩(73)
29 5五歩(56)
30 同 歩(54)
31 同 飛(58)
32 6四角(31)
33 5八飛(55)
34 4五歩(44)
35 5五歩打
36 4四金(43)
37 6六銀(77)
38 4六歩(45)
39 同 銀(47)
40 8六歩(85)
41 同 歩(87)
42 8七歩打
43 同 金(78)
44 8六角(64)
45 同 金(87)
46 同 飛(82)
47 9五角打
48 8七飛成(86)
49 6二角成(95)
50 6七龍(87)
51 6八歩打
52 8七龍(67)
53 5三馬(62)
54 5二歩打
55 9七馬(53)
56 7八金打
57 5九玉(69)
58 8二龍(87)
59 5四歩(55)
60 8八金(78)
61 8三歩打
62 同 龍(82)
63 5三歩成(54)
64 同 歩(52)
65 同 飛成(58)
66 5二歩打
67 6二龍(53)
68 9九金(88)
69 6一龍(62)
70 5一香打
71 8七歩打
72 6四歩(63)
73 6二銀打
74 4二銀(33)
75 5三歩打
76 1五角打
77 5八玉(59)
78 5三銀(42)
79 7七桂(89)
80 6二銀(53)
81 同 龍(61)
82 4三龍(83)
83 5七銀(66)
84 5四金(44)
85 8八馬(97)
86 5五金(54)
87 6四龍(62)
88 4六金(55)
89 4四歩打
90 5七金(46)
91 同 玉(58)
92 5三龍(43)
93 同 龍(64)
94 同 歩(52)
95 6二飛打
96 2七飛打
97 5八玉(57)
98 4二歩打
99 9九馬(88)
100 5七銀打
101 6九玉(58)
102 2九飛成(27)
103 3九金打
104 8六桂打
105 同 歩(87)
106 8七銀打
107 7八金打
108 3九龍(29)
109 同 金(49)
110 5九角成(15)
111 7九玉(69)
112 6九金打
113 投了
まで112手で後手の勝ち
先手番升田先生の手を考えます。
第1問
24歩同歩を入れたので、この手はわかりやすいでしょうか。
A 36銀 B 34銀 C 44銀
第2問
どこを攻める構想にしますか?
A 36歩 B 55角 C 36銀
第3問
升田先生はこれを簡単に寄せてしまうのです。
A 52桂成 B 64銀 C 85角