名南将棋大会ブログ 名古屋

名南将棋大会告知や結果のほか、
将棋が強くなるための記事を書きます。
まずは将棋上達法則を見てください。

大山将棋研究(385); 中飛車に左美濃

2016-12-31 | 大山将棋研究
昭和52年11月、米長邦雄先生と第27期王将戦です。


大山先生の中飛車で、米長先生は44歩と止めて持久戦で

左美濃にして、55歩から交換されると

45歩から46歩が狙いでした。これも米長の将棋で読みました。

大山先生は銀で取りに行って

米長先生は86歩で返します。86同歩は88歩同角86飛78金、それではつまらないでしょう。

角で取って桂を跳ねる。大山先生は左桂を使えたけれど、米長先生は玉が堅いので良い勝負です。

66の角を84に引くのがちょっと変わった感じですが、先手の攻めをけん制しているということでしょう。

大山先生は44歩から65歩、いいところに手が伸びます。

銀は呼び込みますが馬を作って少し有利です。

でも63馬は危険。歩を取っても66歩と打たれるだけですし、71馬か97馬か。それから86歩~85歩と指したいところです。

55の銀を追われるところで角を切って

じっと銀を引いておくのが米長先生自慢の手順です。87飛成を受けにくいのです。

大山先生は88飛で受けるのですが、馬を追われて

71角から飛角交換、角を渡したので79角が痛打です。

気持ちよく45桂、66歩と決められて

67銀では69金と引かれて怪しいですね。角を切って

桂を成れば駒を取って寄せになります。大駒はなくても米長先生が優勢です。

大山先生も桂を取って26桂は手筋の攻めですが、しっかり銀を打たれて

47の銀を取られます。45歩は確実な攻めですが

38金を決められ、逃げるところが狭いです。

端を突かれて寄せ合い負け。

投了図。

大山先生が悪くない中盤戦でしたが、馬の使い方を間違えました。玉の堅さに関しては米長先生のほうが感覚が鋭いみたいですね。大山先生は薄い玉でもうまく強化するのですが、逆に薄くても平気で指してしまうことがあります。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.23 棋譜ファイル ----
手合割:平手  
先手:大山棋聖
後手:米長邦雄8段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 6六歩(67)
4 8四歩(83)
5 6八銀(79)
6 6二銀(71)
7 5八飛(28)
8 4二玉(51)
9 4八玉(59)
10 3二玉(42)
11 3八玉(48)
12 5二金(61)
13 2八玉(38)
14 1四歩(13)
15 1六歩(17)
16 5四歩(53)
17 5六歩(57)
18 4四歩(43)
19 4六歩(47)
20 3三角(22)
21 3八銀(39)
22 2二玉(32)
23 6七銀(68)
24 3二銀(31)
25 5五歩(56)
26 同 歩(54)
27 同 飛(58)
28 4五歩(44)
29 5八飛(55)
30 4六歩(45)
31 5六銀(67)
32 8五歩(84)
33 7七角(88)
34 5三銀(62)
35 6八金(69)
36 4三金(52)
37 5五銀(56)
38 5四歩打
39 4六銀(55)
40 8六歩(85)
41 同 角(77)
42 6六角(33)
43 7七桂(89)
44 6四銀(53)
45 9六歩(97)
46 3三桂(21)
47 6七金(68)
48 8四角(66)
49 4四歩打
50 同 金(43)
51 6五歩打
52 4五歩打
53 5七銀(46)
54 5五銀(64)
55 5三角成(86)
56 4三金(44)
57 6三馬(53)
58 4六歩(45)
59 5六歩打
60 5七角成(84)
61 同 金(67)
62 4四銀(55)
63 8八飛(58)
64 5三金(43)
65 7一角打
66 6三金(53)
67 8二角成(71)
68 7九角打
69 5八飛(88)
70 4五桂(33)
71 6七金(57)
72 6六歩打
73 6八金(67)
74 4七歩成(46)
75 同 銀(38)
76 6八角成(79)
77 同 飛(58)
78 5七桂成(45)
79 8一馬(82)
80 5三金(63)
81 2六桂打
82 2五銀打
83 7一馬(81)
84 4七成桂(57)
85 4五歩打
86 6七歩成(66)
87 同 飛(68)
88 5八銀打
89 同 金(49)
90 3八金打
91 1八玉(28)
92 5八成桂(47)
93 4四歩(45)
94 1五歩(14)
95 2八銀打
96 4八成桂(58)
97 6九飛(67)
98 2六銀(25)
99 5三馬(71)
100 2八金(38)
101 同 玉(18)
102 2七銀成(26)
103 同 玉(28)
104 3八銀打
105 2六玉(27)
106 1四桂打
107 投了
まで106手で後手の勝ち
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大山将棋研究(384); 石田流穴熊に銀冠

2016-12-30 | 大山将棋研究
昭和52年11月、大内延介先生と第27回NHK杯です。


大内先生の三間飛車穴熊で

大山先生は銀冠です。

大山先生は普通の駒組み、大内先生は石田流から早めに動きます。

大山先生は86角でけん制します。

狙うのは中央から。

42の銀を狙っています。

もう一回合わせたのですがこれが問題で

36歩と合わせられたら64角の予定だったはず。54飛であまりうまくないと思って予定変更でしょう。角をぶつけるなら54歩と打つ前にぶつけるほうが良かったのです。

角交換で打ち込めるのですが と金を作られています。

大内先生は銀を見捨てて寄せを目指します。

銀桂交換で攻めるということになりました。

ここは竜を逃げてもいいと思うのですが、48歩成で飛車の取り合いに。

大内先生の攻め駒が3枚。大山先生は受けきれるか。

銀取りも受けにくそうですが、これを55飛で受けます。

大内先生は横から食らいついて

大山先生の69歩もなるほどというしのぎでした。

でも馬を引かれると受けにくいですね。68桂?苦しそうです。

47歩だったので銀を取られて

攻め駒が4枚大内先生優勢です。大山先生の遠見の角も1回歩で止まって

馬2枚で受けようとするのですが68成桂からの確実な攻めがあります。

端に手をつけ、玉をかわして勝負所を探します。

でも形作りに近いです。

投了図。


大山先生は短い将棋で予定変更がたたって悪くなり、そのまま押し切られました。受けの手筋もいろいろ見られて悪い将棋ではないのですが、後手をもって大内先生の攻め方を学んだほうがいいでしょう。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.23 棋譜ファイル ----
手合割:平手  
先手:大山棋聖
後手:大内延介8段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 6六歩(67)
4 3五歩(34)
5 5六歩(57)
6 3二飛(82)
7 4八銀(39)
8 4二銀(31)
9 6八玉(59)
10 6二玉(51)
11 7八玉(68)
12 7二玉(62)
13 5八金(49)
14 8二玉(72)
15 9六歩(97)
16 9二香(91)
17 7七角(88)
18 9一玉(82)
19 8八玉(78)
20 8二銀(71)
21 7八銀(79)
22 7一金(61)
23 6七金(58)
24 1四歩(13)
25 8六歩(87)
26 5二金(41)
27 9五歩(96)
28 6二金(52)
29 8七銀(78)
30 7二金(62)
31 7八金(69)
32 6四歩(63)
33 2六歩(27)
34 4四歩(43)
35 2五歩(26)
36 3四飛(32)
37 5七銀(48)
38 1三角(22)
39 2六飛(28)
40 3三桂(21)
41 8五歩(86)
42 2四歩(23)
43 同 歩(25)
44 同 角(13)
45 8六角(77)
46 2五歩打
47 2八飛(26)
48 4五歩(44)
49 5五歩(56)
50 3六歩(35)
51 同 歩(37)
52 同 飛(34)
53 3七歩打
54 3四飛(36)
55 5六銀(57)
56 1三角(24)
57 5四歩(55)
58 同 飛(34)
59 5八飛(28)
60 3四飛(54)
61 5四歩打
62 3六歩打
63 6八角(86)
64 3七歩成(36)
65 1三角成(68)
66 同 香(11)
67 2三角打
68 3六飛(34)
69 4一角成(23)
70 6五歩(64)
71 3七桂(29)
72 同 飛成(36)
73 4二馬(41)
74 6六歩(65)
75 同 金(67)
76 4六歩(45)
77 同 歩(47)
78 3九角打
79 7七銀打
80 7四桂打
81 6七金(66)
82 4七歩打
83 3八歩打
84 4八歩成(47)
85 3七歩(38)
86 5八と(48)
87 7五歩(76)
88 6六歩打
89 7六金(67)
90 5七角成(39)
91 5五飛打
92 4八飛打
93 7四歩(75)
94 6八と(58)
95 同 銀(77)
96 同 馬(57)
97 7七金(76)
98 6七銀打
99 6九歩打
100 4六馬(68)
101 4七歩打
102 5六馬(46)
103 同 飛(55)
104 同 銀成(67)
105 2三角打
106 4五歩打
107 3三馬(42)
108 6七歩成(66)
109 4五角成(23)
110 7八と(67)
111 同 銀(87)
112 6八歩打
113 同 歩(69)
114 5七成銀(56)
115 9四歩(95)
116 6八成銀(57)
117 6六馬(33)
118 5八飛成(48)
119 8七玉(88)
120 7九飛打
121 9三歩成(94)
122 同 桂(81)
123 同 香成(99)
124 同 銀(82)
125 6四桂打
126 7八成銀(68)
127 7二桂成(64)
128 8九飛成(79)
129 7六玉(87)
130 8五龍(89)
131 同 玉(76)
132 8四銀打
133 投了
まで132手で後手の勝ち

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20161230今日の一手(その440): 相手の力を利用する

2016-12-30 | 今日の一手
20161230今日の一手

12月4日の名南将棋大会から、NさんとOさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。



一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
駒の損得はありません。
玉の堅さは同程度。42角と53銀も加えると後手のほうが堅いです。
先手の攻め駒は58飛1枚。
後手の攻め駒は73桂1枚。

総合すれば互角です。

☆ 大局観として
先手は四間飛車で66銀の形から中飛車にして、後手は右桂を跳ねたところです。後手のねらいは64歩同歩同銀で、その時に58の飛車が成れないという意味なのでしょう、変わった囲い方をしています。
58飛とまわったのですから、中央で戦いを起こすというのが先手のねらいです。でも66の銀が動くと65桂がカウンターになります。だからどう動くべきか、というより動くべきか待つべきかという選択肢です。

55銀と進撃してうまくいくかどうか。その時には77角58飛37桂と連携して4枚で攻めないと駄目でしょう。このとき後手玉が22ではなくて21であること、65桂で反撃されること、さらには84飛の横利きも考えねばなりません。92香はともかく、後手に遊び駒がないですね。

待っていたらどうか。後手は64歩か75歩か86歩か、歩を突き捨てたり交換したりで84飛73桂53銀42角を使ってきます。今度は先手がカウンターの手段を考える番で、飛車成りとか5筋に歩をたらすとか、65桂に77桂とぶつけるとか、を考えるわけです。この時には後手の53銀や42角が動きだしますから、後手の囲いは金銀3枚で先手の美濃囲いと同等の堅さになります。ですから攻めさせるほうが無難な選択だと考えます。


△ 実戦は45歩と突いて

右桂も攻めに使おうとしました。45同歩に55銀75歩

飛車の横利きで44歩を防がれてしまいました。それでも44歩はあって、44同銀右同銀同銀52飛成

というのは65桂はあっても先手が有利でしょう。

実戦では44歩を見送って75同歩65桂59角54銀左

で決戦です。勢いで54同銀同飛同飛同銀35歩

銀交換飛車交換で終盤戦です。43銀34歩同銀35歩同銀34歩36歩

と進み、33歩成37歩成同銀33角52飛36歩

後手は35の銀も攻め駒に使えそうで4枚の攻め、また後手玉が21で安定しているので、寄せ合いは後手勝ちです。終わってみると左桂が遊んだままというのも気になりますね。この後、後手の65桂は活躍できました。

さて、後手の75歩と飛車の横利きを通したのは(実は)受けになっていなかったはずなので、65桂と跳ねるくらいです。

66角57歩68飛83飛44歩54銀左

くらいの進行でこれからの戦い方次第です。後手の65桂(と89桂の違い)も大きいですが、44歩も拠点になるので良い勝負でしょう。


△ 45歩を突かないで55銀と出ると

65桂には66角57歩68飛83飛77桂

という展開で1局です。45歩同歩としていないので桂交換しやすいです。(後手の46桂がない)

あるいは55銀に54歩とおとなしく打って

66銀64歩同歩同銀には63歩

というのがうまいカウンターです。82飛は利かされですし、86歩に同角

があるのが悩みの種。

といって突き捨てなければ75歩62歩成76歩59角65銀48角

後手の攻撃もさほどの威力はなく、と金も大きいです。


△ 68飛なら65の歩を守れますが

直前に58飛としたところなので2手損です。でも形勢は互角というか実は先手が少し指しやすいです。65桂だけ防いでしまえば何とでもなります。


○ 59角は65桂の当たりを避けた手で

75歩のねらい(同歩には同銀か78飛)があります。後手の手が難しくて、54銀直77桂55歩同銀同銀同飛

なら後手は歩切れです。

戻って77桂に86歩同歩同飛には55歩

76飛にはあわてず56飛で銀を取れそうです。

54銀左なら

銀は死にませんが、56金55歩同金同銀同飛

というのも後手は歩切れで困っています。

もう一回戻って64歩は

64同歩同銀63歩

もう利かされでも82飛しかなくて、75歩65銀74歩同銀75歩63銀64歩同銀74歩

飛車が素通しなので桂頭をいじれば手になっています。


○ 59飛は攻守含みの待機策で

後の65桂~57歩の当たりを避けています。64歩同歩同銀には55銀

とぶつけて指せます。(63歩でもよいのですが)

59飛には86歩同歩88歩

と攻める筋が生じるのですが、97桂95歩同歩同香85桂

でさばけます。

また、86歩には同角

という指し方でも十分です。


○ まとめ

攻めるなら実戦の45歩同歩55銀という筋です。44歩と打つ筋を作れば攻撃手段が広がります。ただし後手に65桂からの反撃があるので難しい中盤です。

黙って55銀では銀を追い返されますが、歩を打たせたなら悪い取引でもありません。後手は42角の筋が通っていないので銀を繰り出してゆっくり(手厚く)攻めるしかないのでカウンターを狙います。
54歩を打たなければ65桂からの戦い。このときは77桂とぶつけてさばく筋を忘れずに。

65桂の筋を避けるあるいは緩和する59角や59飛が(昔の)振り飛車らしい手で、59角は75歩をみせて攻めさせる感じです。59飛は1手待って45歩同歩55銀の含みです。
どちらも振り飛車が十分指せると思います。

このごろは攻める振り飛車が流行りますが、自分から攻めるよりも相手の手に乗ってカウンターを決めるほうが破壊力が高いです。(なんだか明日のジョーを思い出しますが。クロスカウンター!)
少し力をためて待ち、動かないと攻めますよ、と催促する感じです。相手は反撃をわかっていても攻めるしかないというのが理想なのです。
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大山将棋研究(383); 三間飛車に左美濃

2016-12-29 | 大山将棋研究
昭和52年11月、桐山清澄先生と第36期名人挑戦者リーグです。


大山先生の三間飛車に桐山先生は天守閣美濃です。

後手番なのに74歩が欲張りなのではないか?と大山先生が動きます。

桐山先生は高く受けるのですが、形が乱れました。

大山先生は積極的な構え。玉頭もにらんでいます。

先に銀冠を完成させたので動きます。

86歩と謝るのでは損な気もするのですが、桂馬を跳ねる土台になります。

桂を跳ね、角を使い、ここに歩を打てれば手応えありです。

46角を追われても飛車あたりなので と金ができて

93桂に と金を寄って

引く。ぴったり間に合いました。

銀を取り切って

78銀打と使って竜を封じました。

竜を作って駒得、と金で攻めれば優勢になります。

桐山先生は玉頭を攻めるのですが、大山先生の36桂打ちは味が良いですね。

桐山先生は44桂と合わせて対抗し、24歩には桂を取って

ぎりぎりでしのいでいます。

26香~27歩が入ったので、まだ大変ではあるのですが、先手玉は左に逃げられるので大山先生が有利です。

大山先生はどうやって後手玉を寄せるかなのですが、まずは端をたたいて玉をおびき出します。前の33馬を逆用しました。

桂をこちらに跳ねて と金を寄せれば良さそうです。桐山先生は33馬がまずかったみたいです。

単純に清算して

両取りがあって

投了図。

大山先生の快勝譜。うまく動いて作戦勝ちになれば強いです。78銀打はもったいないようでも駒得なのでじっくり指して生かしました。
引き角棒銀の対抗策が一つできました。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.23 棋譜ファイル ----
手合割:平手  
先手:大山棋聖
後手:桐山清澄8段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 7八飛(28)
4 8五歩(84)
5 7七角(88)
6 3四歩(33)
7 6六歩(67)
8 6二銀(71)
9 6八銀(79)
10 4二玉(51)
11 4八玉(59)
12 3二玉(42)
13 3八玉(48)
14 5四歩(53)
15 2八玉(38)
16 5二金(61)
17 3八銀(39)
18 7四歩(73)
19 5六歩(57)
20 1四歩(13)
21 1六歩(17)
22 2四歩(23)
23 6七銀(68)
24 2三玉(32)
25 7五歩(76)
26 同 歩(74)
27 6八角(77)
28 7三銀(62)
29 7五飛(78)
30 7四歩打
31 7六飛(75)
32 3二銀(31)
33 5八金(69)
34 6四歩(63)
35 2六歩(27)
36 3三角(22)
37 3六歩(37)
38 7二飛(82)
39 4六角(68)
40 4四歩(43)
41 2七銀(38)
42 4三金(52)
43 3八金(49)
44 2二玉(23)
45 3七桂(29)
46 4二角(33)
47 9六歩(97)
48 9四歩(93)
49 4八金(58)
50 2三銀(32)
51 8六歩(87)
52 8二飛(72)
53 8五歩(86)
54 同 飛(82)
55 8六歩打
56 8四飛(85)
57 7七桂(89)
58 3二金(41)
59 8五桂(77)
60 6二銀(73)
61 6五歩(66)
62 6三銀(62)
63 7二歩打
64 4五歩(44)
65 5七角(46)
66 8三飛(84)
67 7一歩成(72)
68 9三桂(81)
69 6一と(71)
70 8五桂(93)
71 6二と(61)
72 3三角(42)
73 8五歩(86)
74 同 飛(83)
75 6三と(62)
76 8七飛成(85)
77 7八銀打
78 8三龍(87)
79 6四歩(65)
80 9九角成(33)
81 8四歩打
82 8一龍(83)
83 7四飛(76)
84 4六歩(45)
85 7三飛成(74)
86 3五歩(34)
87 同 歩(36)
88 2五歩(24)
89 3六桂打
90 5一龍(81)
91 2五歩(26)
92 4四桂打
93 2四歩(25)
94 3六桂(44)
95 同 銀(27)
96 2四銀(23)
97 2三歩打
98 1二玉(22)
99 4六歩(47)
100 2六香打
101 3九玉(28)
102 2七歩打
103 2二歩成(23)
104 同 金(32)
105 2九歩打
106 3三馬(99)
107 1五歩(16)
108 同 歩(14)
109 1三歩打
110 2三玉(12)
111 4五桂(37)
112 4四桂打
113 4七銀(36)
114 7二歩打
115 同 龍(73)
116 4二馬(33)
117 5三と(63)
118 同 金(43)
119 同 桂成(45)
120 同 龍(51)
121 3四桂打
122 2五桂打
123 4二桂成(34)
124 3七歩打
125 4一角打
126 投了
まで125手で先手の勝ち

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大山将棋研究(382); 四間飛車穴熊に銀冠

2016-12-28 | 大山将棋研究
昭和52年11月、西村一義先生と第27期王将戦です。


西村先生の四間飛車穴熊です。大山先生は後手番だし、穴熊はわかっているので15歩を後回しのほうが良さそうに思いますが

左美濃に組んで、好きにやっていということなのでしょう。

銀冠と3枚の穴熊になり

パンツを脱ぐのが早いですね。どちらにも跳ねられるので、実はこの局面は西村先生が良いのだと思います。

大山先生は銀を追って54銀ですが、突き返されて局面を収めにくくなっています。

仕方ないので強く攻め合いを選びます。

が、75歩同歩は入りませんでした。桂を跳ねられて44角は55歩でどう応じても嫌な形です。

気持ちよく王手されて

銀をぶつけられて。ここは43金右とひねるべきだったか。

飛車をさばいたものの、割打ちを食らって困りました。

89飛成にも飛車をさばかれ、22銀と埋めるのは駒損の粘りです。

これでまだまだ大変にも見えるのですが

穴熊党なら大きくさばくだけです。

自陣竜に自陣飛車、なるほど、という受けではありますが、西村先生は角2枚切ってしがみつけばいいだけです。

32角成に44飛を選択しましたが

簡単に寄ってしまいました。14玉に25金同玉23馬は受けなし。

西村先生の快勝譜です。この37桂から25桂というのはコンピュータが好きな指し方だと思うのですが、うまく使えれば快勝になります。読まないで指すとぼろぼろになりそうなので、むやみに真似をしないほうが良いのですが。
居飛車としては15歩と25歩を急ぎ過ぎました。



#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.23 棋譜ファイル ----
手合割:平手  
先手:西村一義7段
後手:大山棋聖
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 6六歩(67)
4 8四歩(83)
5 7八銀(79)
6 6二銀(71)
7 6七銀(78)
8 4二玉(51)
9 6八飛(28)
10 3二玉(42)
11 4八玉(59)
12 5二金(61)
13 3八玉(48)
14 5四歩(53)
15 2八玉(38)
16 5三銀(62)
17 7七角(88)
18 1四歩(13)
19 5八金(69)
20 1五歩(14)
21 1八香(19)
22 3三角(22)
23 1九玉(28)
24 2二玉(32)
25 2八銀(39)
26 3二銀(31)
27 3九金(49)
28 2四歩(23)
29 4六歩(47)
30 2三銀(32)
31 3六歩(37)
32 3二金(41)
33 4八金(58)
34 8五歩(84)
35 3八金(48)
36 2五歩(24)
37 5六銀(67)
38 7四歩(73)
39 3七桂(29)
40 5五歩(54)
41 4七銀(56)
42 5四銀(53)
43 5六歩(57)
44 8六歩(85)
45 同 歩(87)
46 7五歩(74)
47 2五桂(37)
48 4二角(33)
49 7五歩(76)
50 5六歩(55)
51 6五歩(66)
52 4四歩(43)
53 5六銀(47)
54 1二玉(22)
55 5五銀(56)
56 同 銀(54)
57 同 角(77)
58 8六飛(82)
59 4一銀打
60 8九飛成(86)
61 8八飛(68)
62 同 龍(89)
63 同 角(55)
64 2二銀打
65 5二銀成(41)
66 7五角(42)
67 7二飛打
68 7八飛打
69 7五飛成(72)
70 同 飛成(78)
71 4四角(88)
72 7二龍(75)
73 4一角打
74 4三飛打
75 3二角成(41)
76 4四飛(43)
77 1三金打
78 同 銀(22)
79 同 桂成(25)
80 同 玉(12)
81 2二銀打
82 投了
まで81手で先手の勝ち

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20161228今日の一手(その439): 作戦勝ちを狙う

2016-12-28 | 今日の一手
20161228今日の一手

12月4日の名南将棋大会から、KさんとTさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。





一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
金銀の交換でわずかに先手の駒得です。
玉の堅さは後手のほうがやや堅いです。
先手の攻め駒は持ち駒角1枚。
後手の攻め駒は持ち駒角1枚。

総合すれば互角です。

☆ 大局観として
さらに駒得を目指すなら、すぐに取れそうな駒はないので、馬を作ることを考えます。欲張って隙を作らないように注意しておきます。

後手玉よりも堅くできればわかりやすいのですが、7筋の歩が切れていますし、さらに深く囲ってよし、というわけにはいかなさそうです。55に位がありますから、上部に厚く構えるという感じでしょうか。厚くしたところで戦いを起こせば応援が利きやすいので、少なくとも部分的には優位に戦えるはずです。

攻め駒を増やそうとするなら、28飛は24歩と突き捨てれば攻め駒になりますから2枚にはできます。それだけでは足りないので、37の銀や29の桂を前面に出していくという感じです。

具体的には65の金が浮いていますね。現状は両取りなどもないのですが、65の位置で頑張るか、引いて使うか、という選択です。もっと前に出して攻め駒として使うと、守りの薄さが目立ちますから、守備の駒として考えておくほうが良いでしょう。
また、33の銀と37の銀が見合いになっているわけですが、この状態がうまく解消できれば作戦勝ちになります。互いに飛車先の歩の交換を防いでいますが、終盤までこのままでは悪くなりそうです。


○ 実戦は54歩でした。

54同歩に53角41飛64角成

となれば馬ができて駒得です。1歩損をしていますが持ち歩がありますし、54の歩も取り返せるでしょう。これなら先手有利でした。

実戦では54同歩に同金

と元気よく出ていったのはいいのですが、応援の攻め駒がないので玉の薄さが目立ちます。39角38飛75角成に53角

馬を作られても角を合わせられるから悪くないとみたのでしょう。でも飛も馬もひもがついています。46歩42角成同銀28飛47歩成

で、47同金に65馬が気になって、金を逃げてしまって37の銀を取られて先手の敗勢です。
これはまずい手順でしたが、その前の図でも先手が指しにくいと思います。


× 74歩も目につきます。

74同歩なら64角73銀引53角成

で十分すぎます。

74歩に62飛は

77桂74歩43角

22飛に74金でこれも先手が指せそうです。

後手は64歩と打つのでしょう。

64同金には75角(すぐに39角もある)86角同角同歩39角26飛75角成

と馬を作って後手が有利です。

よって74歩64歩に73歩成同銀引66金

となってこれからなのですが、この1つ後の図と比べてみてください、先手が少し損をしていると思います。疑問手ではないにしろ、使いにくそうな84の銀をうまく使わせてしまった、という失敗です。


△ 66金と引くのは渋い手で

金は引く手に好手ありという感じですね。
74歩には56金39角26飛75角成86角

として馬を消せば悪くはないです。

後手が39角を打たなければ(73銀引に)48銀

から駒の繰り替えです。


△ 77桂は頑張った手で

金にひもを付けています。端が薄くなったので95歩同歩96歩

でしょうか。96同香には63角です。94歩95銀93歩成同香98歩・・・みたいな展開です。


○ 48銀は柔軟な手で


63銀57銀64歩66金72金56金74歩37桂

という図を目指します。狙いは45桂44銀46歩~24歩。

問題は48銀に46歩同歩同飛ですが、47銀

で問題なしです。42飛46歩64歩66金74歩37桂

54歩から馬を作ってもよいのですが、右桂を使うのを優先します。これは先手作戦勝ち。


☆まとめ

後手の5筋が薄く見えるので攻めたくなりますが、54歩同歩同金ではうまくいきません。54歩同歩53角から馬を作れば先手が十分です。飛車にひもがついているので慎重に考えた方が良いですが、この場合は反撃がないので飛車を渡しにくいでしょう。

普通の感覚は65の金を引いて使うもので、後手の39角に気を使いながら56に持っていきます。

48銀と引くのは46歩から交換させるので出現しにくいのですが、この場合は横歩(76や36の歩)を取られることがないですし、84の銀の働きが悪いので、後手からたいした手段がないようです。右の銀桂を使えれば、後手の33銀21桂との差が出てくるので先手が有利になりやすいです。

局面が一段落したら、形勢判断をしましょう。どの要素を向上させたらよいのかという指針になります。それが大局観につながります。
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大山将棋研究(381); 四間飛車に左美濃引き角棒銀

2016-12-27 | 大山将棋研究
昭和52年11月、森雞二先生と第27期王将戦です。


大山先生の四間飛車に森先生は天守閣美濃です。森先生は振り飛車も居飛車も指しますが、少しだけマイナーな戦法を好んでいる気がします。

古い天守閣美濃は66歩と止めてしまいます。このしばらく後に66銀の4枚美濃が流行し、今は絶滅しました。

結局引き角棒銀に。そんなに流行していたのではないと思うのですが、大山先生が苦手にしているのでやってみようということなのでしょう。

83銀を見て35歩突き捨てから銀を出ます。

これまでは大山先生は自分から34歩と打って銀を追い返してたのですが、34歩を打たせて

さらに44銀と呼びこんでから65歩で勝負です。少し無理な感じがするのですが。

46歩と止められたら歩をたらします。58金としたら指しすぎか?と思ってしまうのですが、居飛車の金銀がばらばらになるので何とかなるのでしょう。33銀成なら48歩成ですね。

森先生は65桂を利かせようとしたのですが、大山先生は食いちぎって

48歩成。これに森先生は強く桂を取ります。これで飛車の取り合いになり

と金は残っているものの、大山先生は銀損です。でも32銀は遊んでいるので、と金が働くまでは我慢します。

寝技で銀も打って

金を取り返しました。

でもまた駒損です。攻めが遅れているのですね。

森先生は確実に迫ります。61歩成は受けにくい。

端に手をつければもう少しです。

大山先生は67に桂、次に金を放り込んで勝負。

攻防の角を打って、かなり難しくなりました。

59銀も利かせて大分迫りました。でも攻め駒が少ないので

29の桂を取るのでは少し悪そう。37歩を利かされ、と金を引かれ、のんびりはできません。

96桂で端に手掛かりを作り、金をはがして、セオリーからの寄せは67香です。68香成が詰めろなので、ここでは逆転していたと思うのです。(森先生が96桂を同香としたのが問題)

67歩成同金右64香だったので桂合い、これで金がはがせなくなりました。

2手すきの手が続かなくなり

95金は攻防の手に見えますが、86金を防がれて

森先生は69角成を許した、65桂と跳ねたのがが詰めろなんですね。

投了図。

中盤は大山先生が大胆に指しすぎたと思うのですが、スランプの時は積極的にと思ったのでしょう。終盤でうまく受けて手を稼ぎ、逆転していたと思います。でも最終盤でチャンスを逃したのだろうという将棋でした。なかなかの熱戦で、先手後手どちらを持っても楽しめます。終盤のやり取りを検討してみるによい題材です。


#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.23 棋譜ファイル ----
手合割:平手  
先手:森?二8段
後手:大山棋聖
先手省略名:森
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 4四歩(43)
5 4八銀(39)
6 3二銀(31)
7 5六歩(57)
8 4三銀(32)
9 6八玉(59)
10 4二飛(82)
11 7八玉(68)
12 6二玉(51)
13 5八金(49)
14 7二玉(62)
15 9六歩(97)
16 9四歩(93)
17 8六歩(87)
18 8二玉(72)
19 8七玉(78)
20 7二銀(71)
21 7八銀(79)
22 5二金(41)
23 3六歩(37)
24 6四歩(63)
25 6六歩(67)
26 6三金(52)
27 6七金(58)
28 7四歩(73)
29 2五歩(26)
30 3三角(22)
31 7九角(88)
32 2二飛(42)
33 7七桂(89)
34 8四歩(83)
35 1六歩(17)
36 1四歩(13)
37 3七銀(48)
38 5一角(33)
39 8八玉(87)
40 8三銀(72)
41 3五歩(36)
42 同 歩(34)
43 4六銀(37)
44 7二金(61)
45 3五銀(46)
46 7三角(51)
47 3八飛(28)
48 3二飛(22)
49 3四歩打
50 5四銀(43)
51 4四銀(35)
52 6五歩(64)
53 3三歩成(34)
54 同 桂(21)
55 4六歩(47)
56 4七歩打
57 6五桂(77)
58 同 銀(54)
59 同 歩(66)
60 4八歩成(47)
61 3三銀(44)
62 3八と(48)
63 3二銀(33)
64 4八と(38)
65 5五桂打
66 6二金(63)
67 6四歩(65)
68 7一桂打
69 6三銀打
70 3八飛打
71 6二銀成(63)
72 同 金(72)
73 4二飛打
74 5一銀打
75 4一飛成(42)
76 5二銀(51)
77 4二龍(41)
78 5八と(48)
79 同 金(69)
80 同 飛成(38)
81 6三桂成(55)
82 同 桂(71)
83 同 歩成(64)
84 同 銀(52)
85 6五桂打
86 7二銀(63)
87 7三桂成(65)
88 同 金(62)
89 6二歩打
90 6六歩打
91 6八金(67)
92 4九龍(58)
93 6一歩成(62)
94 9二玉(82)
95 7一角打
96 8二桂打
97 9五歩(96)
98 6七桂打
99 6九歩打
100 7九桂成(67)
101 同 玉(88)
102 9五歩(94)
103 9四歩打
104 6七金打
105 同 銀(78)
106 同 歩成(66)
107 同 金(68)
108 3六角打
109 6八金打
110 6六歩打
111 5七金(67)
112 5九銀打
113 7八金打
114 2九龍(49)
115 3七歩打
116 2五角(36)
117 6二と(61)
118 9六桂打
119 同 香(99)
120 同 歩(95)
121 8八玉(79)
122 6八銀成(59)
123 同 金(78)
124 6七歩成(66)
125 同 金(57)
126 6四香打
127 6六桂打
128 3八龍(29)
129 7八銀打
130 6六香(64)
131 同 金(67)
132 3七龍(38)
133 5七桂打
134 9五金打
135 7二と(62)
136 同 銀(83)
137 8七銀(78)
138 3八龍(37)
139 6五桂(57)
140 6九角成(25)
141 9三銀打
142 同 桂(81)
143 8二角成(71)
144 同 玉(92)
145 7三桂成(65)
146 同 玉(82)
147 6五桂打
148 投了
まで147手で先手の勝ち
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大山将棋研究(380); 中飛車に53金戦法(金立ち戦法)

2016-12-26 | 大山将棋研究
昭和52年11月、米長邦雄先生と第4回名将戦です。
これも米長の将棋にあったはず。


大山先生の中飛車で、48銀は少し珍しい手です。ツノ銀にするなら結果は一緒なのですが、中央が厚い代わりに固く囲えません。

米長先生は53金戦法。

大山先生は三間飛車にするのですが、このとき48銀が中央に厚いという判断です。78金も十分考慮に値しましたが。

金美濃は美濃囲いよりも1手余計にかかるので、57金の形にしておいてこの56歩を同金と取るのが間に合いませんでした。小さな差ですが米長先生は少し手ごたえがあったか。

金を中央に使えました。

76銀と55金の差があるので、歩損は気にせず強く駒を交換に行きます。

中央を狙い

金銀を交換。大山先生はこの飛車を取りにくいので

角交換から角を打ち込んでけん制です。

67銀は良さそうな手ですが、74歩はどうなんでしょう。寄せ合いにして勝とうとしているのですが、先手玉が薄いので、馬を作ってゆっくり指すべきなのでしょう。持ち駒の金もどこかに埋めてしまいたいと思ってしまいます。

米長先生は角を打ち込み

73歩成を許さずに飛車を攻めます。

銀を捨てて桂を取り

重くても銀を取り返します。

大山先生は駒損なので飛車をいじめます。

米長先生は飛車を捨てて46の銀を狙って寄せに入ろうとします。こういう展開は先に攻める後手のペース。

受けられてもしがみついておきます。攻め駒は4枚あるので困らないはず。

大山先生は後手玉を寄せる態勢にないので、受けて手を延ばすしかありません。千日手のようですが、金銀が入れ替わると48が空いてしまうので

飛車を取らせます。どうせ受けるのならここで39金打ちかと思うのですが


飛車を打たせて

捕獲します。でも飛車をもう一枚持っても後手玉を寄せられないなら、その意味は薄いです。

大山先生が寄せの態勢に持っていけるかどうか。

結構迫っている感じなのですが、この桂を食いちぎられて

後手玉が遠いですね。相変わらず米長先生が有利です。

この金打が手堅く

桂馬を取れば再び攻め駒は4枚。わかりやすくなってきました。

米長先生は端を手抜いて香を打ちます。先手が歩切れなので受けにくい。

角を使わせて角の頭を攻めます。

角はすぐに取らないで頭を攻めます。

桂を入手し、銀を打たせてから

角を取って、桂馬の筋で

投了図。

後手をもって、小駒だけでも上から攻めて寄せる、というのを学べます。自玉の堅さに注意して、時に手を戻しながら確実に寄せる、そういう呼吸がいいんですね。
このところ大山先生が自分から動いて、それでよさそうにも思えるけれど実は悪くしている、というのが続いています。悪手に見えないけれど、いつもなら受けるところを攻めている、という感じで、スランプなのでしょうか。
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20161226今日の一手(その438): 動けば動かれる

2016-12-26 | 今日の一手
20161226今日の一手

12月4日の名南将棋大会から、SさんとMさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。



一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
先手の1歩得ですが、後手に持ち歩があるのでカウントせず、損得なしとします。
玉の堅さは先手のほうが堅いです。
先手の攻め駒は84飛1枚。
後手の攻め駒は24飛33角で2枚。

総合すれば互角か、やや先手が指しやすいかというところです。


☆ 大局観として
相振り飛車で後手の金無双(には62金上が足りませんが)は美濃囲いと比べると、囲うまでの手数は同じようなものですが堅さで劣るわけですから、他で主張がないと作戦負けになります。
美濃囲いよりも端が強化されて、8筋の攻めにはやや強くなっている(だから8筋の歩交換にすぐに謝らなくてもよい)というのはメリットながら、端を詰められているのですから損をしている感じが強いです。他には矢倉(あるいは銀冠)に組みなおす指し方もありますね。
後手のOさんは攻めの体制を早く作って(端を手抜いて62金上も後回し)対抗しようとしています。2筋の歩を交換するついでに、3筋の歩も交換しようというのはその趣旨に沿ったものです。
また、角の働きにも差がありますから、(玉の囲い以外は)まずまずの序盤だと言えるでしょう。

先手の方針としては局面を落ち着かせて攻めるための駒の配置を間に合わせるか、いっぺんに2歩交換するのは無理ではないですか?と反発するかです。(2手得された計算で、少し癪なのです。)
(ところで、問題図に至る前の手順がわからないのですが、45歩と角交換を挑まれて78の銀を77銀として交換を避けたのだとしたら、私なら77桂と避けておいて84歩を交換し、87銀~96銀~85銀、あるいは76飛のまま87銀~86銀~75銀という指し方を考えたいかなあと思います。相振り飛車は経験が少ないので精密ではない感想なのですが。)
なお、先手の陣形は飛車交換に強いというのも主張できるところで、2,3筋は薄いのですが、うまく飛車交換できるなら良くなります。


○ 自然なのは36同歩で

26飛27歩36飛37歩34飛

とされるのは損をした気分ですが、86飛83歩26飛

ここで24飛から飛車交換は歓迎ですし、24歩と打ってもらえるなら後手の手得が消えます。(もう一回25歩と延ばすことを考えて2手損で、飛車を2筋に移動するので2手損、先手も飛車を戻すので2手損、トータル2手損で前の2手得が消える。)
24角なら86銀か76銀で後手が窮屈な感じです。
つまりは局面が少しゆっくりして、端の位が生きるのではないかと思われます。


△ 実戦は86飛として、素直な歩交換を阻止しました。

後手は83歩とすぐに謝る必要もないので、暴れようとします。実戦では37歩成同銀55角36飛

だんだん激しくなってきます。34歩38金33桂56歩44角79角

先手が飛車取りでうまくいったようですが、35歩同角同角同飛44角

途中35同角に34飛は44角でうまくいきそうなので、先手がちょっとうっかりする流れかもしれません。飛車を取られるので25歩しかなくて、35角24歩79飛

先手の美濃囲いは崩れて矢倉になっていますから、飛車打ちが王手になってしまいました。これは後手が攻め合い勝ちになりそうです。

途中56歩としないで86飛

あるいはもう少し前でもよいのですが、飛車を戻しておけば先手が作戦勝ちになりそうなところでした。後手は83歩とすると歩切れで1歩損なのです。

こういう図になれば先手が十分です。

後手は26飛でどうか。

27歩に37歩成と踏み込んでみます。

銀を取られると28銀で詰みがありますね。26飛77角成37銀88馬21飛成

これは84桂もありますから先手優勢です。

後手は37歩成の前に77角成として

77同角に37歩成(詰めろ)同銀86飛同角36歩

(36同銀37歩というのもありますが)26銀79飛38歩89飛成77角46歩

という終盤です。後手は47歩成から55桂、あるいは28歩といった狙いがあります。この寄せ合いに自信があるかどうか。

自信がない場合は28歩と打って

今度は銀をもたれても37歩成に26飛の形で詰めろが消えます。ですから24飛に36歩

これで1歩得です。後手は83歩と謝っておいてもまだ持ち歩があるのですから形勢は互角です。でも動かないと先手が良くなりそうな感じです。


× 27銀は薄い手で

37歩成同桂36歩同銀26飛

というのはまずいですね。こんなところで戦いになってはいけません。


△ 48金寄はありそうで

26飛27歩37歩成

の筋は77角成が飛車に当たりません。

ですから26歩の時に83歩と打ちます。

と金を払って飛車交換になるのは互角。美濃囲いも崩れています。
77角成が詰めろなので飛車に当たらないように85飛と逃げ、後手は77角成37銀76馬

というのもありそうですし、

88馬同飛36歩28銀27歩

として55角を狙う筋もあります。

途中37の と金を金で取ると28歩

から36歩の筋です。

48金左は86飛と比べると、26飛と飛車で飛車を取る変化にはなりません。後手に駒損で攻めさせて、うまく受けられるか、どこかで寄せい勝ちを目指せるか、ということになります。


☆まとめ

飛車が横の筋でぶつかると、激しい変化になることがあります。王手で飛車を素抜く手筋もよく発生しますね。ですから実戦の86飛というのは激しくなりやすいのです。
動けば動かれるというのは将棋の格言というよりはもっと広い場面で使われそうな表現ですが、動こうとすれば自陣に隙が生じます。1歩儲けようとしただけなのに、飛車を取られてしまった、何ていうことがないように気をつけましょう。

問題図は後手が2歩を一気に交換しようと(軽い気持ちで)動いたわけですが、すると先手もそれを阻止しようと動き、戦線はどんどん拡大していきました。面白いものですね。

この場合はゆっくり指していけば作戦勝ちが望めそうなので、相手のいうことを聞き入れてから26飛の筋でお返しができる、と気が付いた方は戦上手です。

86飛あるいは48金左で玉頭の戦いにするのは怖いのですが、読んでしまうと指したくなるのですよね。(この頃の私の不調はそういう手を考えてしまうからなのですが。)でももともとは1歩得しよう、という手なので、歩得だけで満足して、少々形が歪んでも局面を収めようと考えた方が良さそうです。(28歩と謝るような変化です。)
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大山将棋研究(379); 四間飛車に矢倉引き角棒銀

2016-12-25 | 大山将棋研究
昭和52年11月、加藤一二三先生と第27期王将戦です。


大山先生の四間飛車に加藤先生は引き角です。

囲いは途中ですが3筋から動きます。

大山先生は銀を出させてからおとなしく歩を打つのですが、少し損です。

互いに陣形整備して、加藤先生は矢倉、大山先生は銀冠に。この場合は銀冠のほうが堅いです。

銀の立て直しに35歩と突いて36歩と合わせる、いつもの手順です。

大山先生は積極的に動くのですが、銀の位置が違うので

3筋は加藤先生が優位に。ただし37桂の形がよいかといえば、自分から動きにくいのでそんなに得でもありません。

大山先生はさらに動きます。

でも65の位を取られて失敗した感じです。銀冠のほうが堅いとも言いにくくなりました。攻めの銀桂の配置でも先手のほうがよさそう。

大山先生は銀を繰り替えたのはいいのですが、角ににらまれています。

大山先生は端を取り込ませて飛車をさばきますが

加藤先生は銀を出てじっと歩を打ちます。

41飛46銀31飛35銀、それなら千日手でもという気もしますが、大山先生は端を攻めて打開に行きます。動かないほうがいいと思うのですが。

桂を打ち込まれて、金を逃げると角が働かないし、仕方なく金を取らせるのですが

端を詰めただけでは少し悪いでしょう。

4筋が危ないからといって持ち駒の桂を使うのはもったいないです。

角頭を突かれて、受ける形がないです。

角を取り合って

気持ちよく桂を跳ねられました。35角の筋ができるし、飛車もさばきやすくなります。

銀を見捨てて飛車を成りましたが

上から押さえて加藤先生が優勢です。玉頭が厚くなると攻防になるのです。

87香の筋も怖くなく

これで寄り筋です。61に逃げこんでも45飛で寄せられます。

投了図。


大山先生はこの引き角棒銀に手こずっていますね。狙いのわかりにくい戦法なので、振り飛車はどの形にしたらよいのかわかりにくく、何か動くと反動でやられています。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.23 棋譜ファイル ----
手合割:平手  
先手:加藤一二三棋王
後手:大山棋聖
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 4四歩(43)
5 4八銀(39)
6 3二銀(31)
7 5六歩(57)
8 4二飛(82)
9 6八玉(59)
10 6二玉(51)
11 7八玉(68)
12 7二玉(62)
13 5八金(49)
14 8二玉(72)
15 3六歩(37)
16 7二銀(71)
17 6八銀(79)
18 4三銀(32)
19 2五歩(26)
20 3三角(22)
21 7七銀(68)
22 6四歩(63)
23 7九角(88)
24 2二飛(42)
25 6六歩(67)
26 5二金(41)
27 3七銀(48)
28 7四歩(73)
29 4六銀(37)
30 5一角(33)
31 3五歩(36)
32 3二飛(22)
33 3四歩(35)
34 同 銀(43)
35 3八飛(28)
36 4三銀(34)
37 3五銀(46)
38 3四歩打
39 4六銀(35)
40 6三金(52)
41 8八玉(78)
42 5四歩(53)
43 7八金(69)
44 9四歩(93)
45 9六歩(97)
46 6二角(51)
47 2八飛(38)
48 5一角(62)
49 3八飛(28)
50 8四歩(83)
51 8六歩(87)
52 8三銀(72)
53 6七金(58)
54 7二金(61)
55 1六歩(17)
56 1四歩(13)
57 3七銀(46)
58 3五歩(34)
59 3六歩打
60 同 歩(35)
61 同 銀(37)
62 7三角(51)
63 4六歩(47)
64 4五歩(44)
65 3五歩打
66 4六歩(45)
67 同 角(79)
68 4二飛(32)
69 3七桂(29)
70 3四歩打
71 4八飛(38)
72 3五歩(34)
73 同 角(46)
74 6五歩(64)
75 4七飛(48)
76 6六歩(65)
77 同 金(67)
78 4四歩打
79 2六角(35)
80 4一飛(42)
81 6五歩打
82 3一飛(41)
83 3五歩打
84 6一飛(31)
85 4五歩打
86 4一飛(61)
87 4四歩(45)
88 同 銀(43)
89 4五歩打
90 5三銀(44)
91 3四歩(35)
92 4三歩打
93 1五歩(16)
94 3一飛(41)
95 1四歩(15)
96 3四飛(31)
97 3五銀(36)
98 3一飛(34)
99 3六歩打
100 4一飛(31)
101 4六銀(35)
102 3一飛(41)
103 3五銀(46)
104 9五歩(94)
105 同 歩(96)
106 9六歩打
107 1三歩成(14)
108 同 桂(21)
109 4四歩(45)
110 同 歩(43)
111 1三香成(19)
112 同 香(11)
113 6四桂打
114 9五香(91)
115 7二桂成(64)
116 同 銀(83)
117 9八歩打
118 6二歩打
119 5二金打
120 3四桂打
121 同 銀(35)
122 同 飛(31)
123 5三金(52)
124 同 金(63)
125 7五歩(76)
126 3六飛(34)
127 7四歩(75)
128 2六飛(36)
129 7三歩成(74)
130 同 銀(72)
131 4五桂(37)
132 同 歩(44)
133 7四歩打
134 2九飛成(26)
135 9四桂打
136 7二玉(82)
137 7三歩成(74)
138 同 桂(81)
139 7四銀打
140 8七香打
141 同 玉(88)
142 8九龍(29)
143 8八香打
144 7一桂打
145 7三銀成(74)
146 同 玉(72)
147 9一角打
148 8三玉(73)
149 8二角成(91)
150 9四玉(83)
151 7五金(66)
152 5八角打
153 8四金(75)
154 同 玉(94)
155 8五銀打
156 投了
まで155手で先手の勝ち

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