名南将棋大会ブログ 名古屋

名南将棋大会告知や結果のほか、
将棋が強くなるための記事を書きます。
まずは将棋上達法則を見てください。

大山将棋問題集 20180412

2018-04-12 | 大山将棋研究
後手番丸田先生の手を考えます。

第1問


攻めを継続します。
A 85歩 B 75歩 C 62飛

第2問


74同飛、74同銀では利かされです。
A 85桂 B 66銀 C 77歩成

第3問


飛車は殺されましたが承知の上です。
A 66歩 B 48馬 C 45歩

第4問


多分大山先生がうっかりした攻め手です。
A 57桂成 B 48金 C 47金

第5問


地味ですが確実な攻めです。
A 66歩 B 45歩 C 54歩
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

大山将棋研究(852);四間飛車に右四間飛車(丸田祐三)

2018-04-12 | 大山将棋研究
今日の棋譜20180412
昭和61年4月、丸田祐三先生と第2回天王戦です。

大山先生の四間飛車に丸田先生は右四間飛車です。大山先生の56歩型はおとなしい対応で

右銀も中央に使って手厚く守りました。丸田先生は急攻は難しく、4筋の歩を交換して

金銀を前に出してから、右四間飛車はあきらめて飛車を8筋へ。

65歩から角交換ねらいですが、大山先生は6筋が手厚いです。強く55歩と応じて

55同銀65歩に73桂、右桂を使われましたが

銀を引いて55銀を追いかえします。

丸田先生は7筋を突き捨てて76歩、筋よく攻めていきます。

手順に飛車で桂頭を守りました。手厚く6筋を守られていたのですが、ちゃんと手をつないでいくのが丸田先生の芸で「小太刀の冴え」という異名があります。55歩や45歩をみられて動きにくそうですが

35歩から銀を出て行って、桂馬と刺し違えます。

角筋が通れば取れない65銀の感触が良く

74歩は手筋の受けですが、軽く77歩成として、角で取らせて66銀から

角銀の総交換となりました。丸田先生は少し駒損ですが先手玉も堅くないので形勢互角です。

66飛は追い返して

88歩から桂馬の取り合いになりました。

99香も取って少し駒得です。大山先生は角を打ち込んで

香を取って駒損を解消します。形勢はほぼ互角ですが、歩切れなので66香はちょっと嫌か

というところなのですが、丸田先生は筋よく97角から馬を作りました。

55歩には同飛?香を打たれて飛車が死にます。

飛車を捨てて45歩から46歩、鋭い返し技がありました。

これは受けにくそうですね。68金は59香成です。39銀とか銀を下から打って耐えるか、64銀で馬を攻めるか。

大山先生は38金とかわしたのですが、これはしがみつかれた格好です。

49香から46歩と45桂を払いましたが、銀飛と取られています。少し駒損になり玉が薄いので形勢不利です。

飛車を打ち込んだのですが、銀を掛けられて

金を剥がされて71金打、後手玉がかなり遠くなりました。

丸田先生は馬を好位置に使い

と金を作れば攻めは切れません。

竜をぶつけられたら馬を引いて鉄壁です。

大山先生はどうにか攻めたいのですが

44歩が と金に出世して

投了図。

丸田先生の手筋の攻めが随所に見られました。大山先生の受けもしぶといのですが、飛車を捨てても食いついて勝負になるとみた判断が勝ちを呼びました。丸田先生の名局です。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.40 棋譜ファイル ----
手合割:平手  
先手:大山十五世名人
後手:丸田祐三9段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 6六歩(67)
4 6二銀(71)
5 7八銀(79)
6 6四歩(63)
7 6七銀(78)
8 6三銀(62)
9 6八飛(28)
10 7四歩(73)
11 4八玉(59)
12 4二玉(51)
13 3八玉(48)
14 3二玉(42)
15 4八銀(39)
16 5四銀(63)
17 5六歩(57)
18 6二飛(82)
19 5七銀(48)
20 5二金(61)
21 5八金(69)
22 4四歩(43)
23 4六歩(47)
24 4二銀(31)
25 4七金(58)
26 4五歩(44)
27 同 歩(46)
28 同 銀(54)
29 4六歩打
30 5四銀(45)
31 4八金(49)
32 8四歩(83)
33 3六歩(37)
34 4三銀(42)
35 9六歩(97)
36 4二金(41)
37 9五歩(96)
38 1四歩(13)
39 1六歩(17)
40 8五歩(84)
41 2六歩(27)
42 8二飛(62)
43 7七角(88)
44 6五歩(64)
45 5五歩(56)
46 8六歩(85)
47 同 歩(87)
48 5五銀(54)
49 6五歩(66)
50 7三桂(81)
51 7八銀(67)
52 5四銀(43)
53 5六歩打
54 4四銀(55)
55 6六銀(57)
56 7五歩(74)
57 同 歩(76)
58 7六歩打
59 8八角(77)
60 8六飛(82)
61 8七歩打
62 8四飛(86)
63 3七桂(29)
64 3五歩(34)
65 同 歩(36)
66 同 銀(44)
67 3六歩打
68 2六銀(35)
69 2七歩打
70 3七銀成(26)
71 同 玉(38)
72 6五銀(54)
73 7四歩(75)
74 7七歩成(76)
75 同 角(88)
76 6六銀(65)
77 同 角(77)
78 同 角(22)
79 同 飛(68)
80 2五桂打
81 2八玉(37)
82 7四飛(84)
83 7七歩打
84 6五歩打
85 6九飛(66)
86 8八歩打
87 2六歩(27)
88 8九歩成(88)
89 2五歩(26)
90 9九と(89)
91 3五銀打
92 3三銀打
93 8三角打
94 6四飛(74)
95 7二角成(83)
96 6二金(52)
97 7一馬(72)
98 3四歩打
99 2六銀(35)
100 6一金(62)
101 8二馬(71)
102 7二歩打
103 7六桂打
104 5四飛(64)
105 9一馬(82)
106 9七角打
107 6七銀(78)
108 7五角成(97)
109 5五歩(56)
110 同 飛(54)
111 5六香打
112 4五歩打
113 5五香(56)
114 4六歩(45)
115 5七金(47)
116 4五桂打
117 5八金(57)
118 5七香打
119 3八金(48)
120 5八香成(57)
121 同 銀(67)
122 4八金打
123 4九香打
124 5八金(48)
125 4六香(49)
126 6九金(58)
127 4五香(46)
128 4四歩打
129 8一飛打
130 4九銀打
131 4八歩打
132 5八飛打
133 3七銀打
134 3八銀成(49)
135 同 玉(28)
136 7一金打
137 8三飛成(81)
138 6六歩(65)
139 9二馬(91)
140 6五馬(75)
141 4七桂打
142 6七歩成(66)
143 7四龍(83)
144 4三馬(65)
145 3五歩(36)
146 5七と(67)
147 6四龍(74)
148 6五歩打
149 9三馬(92)
150 5四歩(53)
151 7五馬(93)
152 4五歩(44)
153 3四歩(35)
154 同 馬(43)
155 3五桂(47)
156 4六歩(45)
157 2七玉(38)
158 4七歩成(46)
159 5四龍(64)
160 3七と(47)
161 同 銀(26)
162 3五馬(34)
163 3四歩打
164 5三歩打
165 3三歩成(34)
166 同 桂(21)
167 3六銀打
168 2六香打
169 1七玉(27)
170 5四歩(53)
171 投了
まで170手で後手の勝ち

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

20180412今日の一手(その676);経験でわかること

2018-04-12 | 今日の一手

20180412今日の一手

1月13日の名南将棋大会から、TさんとAさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。


一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。

駒の損得はありません。
玉の堅さは後手のほうが堅いです。
先手の攻め駒は88角1枚。
後手の攻め駒はありません。

総合すれば互角か後手もちか。

☆ 大局観として

定跡にありそうな局面ですが、定跡化されていません。この図は互いに手損がないのですが、居飛車の46銀37桂の攻撃型は、四間飛車が43銀型で46銀に32銀と引いて37桂を誘うから出現するのです。

35歩には45歩で反撃できるから、居飛車は37桂と跳ねてからの仕掛け

を狙うというのが定跡で、これだと問題図よりも後手が2手手損しているはずなのです。結構難しい定跡ですが、先手も十分に指せます。

序盤を見ていないのですが、先手が先に37桂と跳ねたのではないでしょうか。

46銀には45歩があるからということで桂を跳ねてから46銀ではなかったかと推測します。37桂ではなく38飛が定跡で、35歩同歩46銀を狙うのですが、これが先手にとって思わしくなく、右46銀急戦があまり指されない理由です。後手が藤井システムだと少し形が違うのでうまくいくこともあるのですが。

さて細かいことを書きましたがもう一度問題図です。

端を受けてもらえたので、この図から攻めても何とかなるかもしれませんが、簡単ではありません。
右46銀急戦の利点は、銀を引けることにあるのだと思っています。金銀4枚の舟囲いは結構堅いので、金銀3枚の美濃囲いには劣りません。それが実現するかどうかで、急戦がうまくいくかどうかが決まると思っていてよいでしょう。ちょっと腰を引いて攻める感じです。
ちなみに左46銀急戦の場合は、舟囲いが薄いのですが攻撃力でカバーする感じです。

この図では後手の左銀が54ですから、美濃囲いが堅いです。反面3筋が手薄ですから、そこをうまくつけるかどうかにかかっています。後手からの45歩が強力ですから、それにうまく対応できるかどうかです。


○ 実戦は35歩で

当初からの狙いです。そのために端を突いて飛車を浮いていたのです。54銀をとがめる意味からも、これを優先で考えたいです。
当然後手は45歩の反発です。33角成同桂34歩

こう行きたくなるのもわかります。46歩33歩成41飛46飛

後手から44角もあるので飛車で歩を取らなければならなさそうです。46同飛同歩。

ここまでは直線の変化で進みました。
問題図に比べて、先手が駒得になり(銀VS桂+と金)、玉がやや薄くなり、攻め駒は3対3、形勢判断の要素が変わりました。駒得だけれど薄い先手玉が耐えきれるかということになります。
素直に寄せ合えば、38飛41飛36角

後手は57銀というのもあります。いずれにせよ後手の攻めがかなり速いので、先手が不利なのです。
79銀の形の舟囲いは8段目に飛車を打たれたら厳しいですし、68銀の形の舟囲いは9段目の飛車が厳しいです。こういう展開は、先手の37桂が取られるだけの駒ですし、持ち駒が桂なので受けには不向きです。かなり勝ちにくい形勢だと言えます。

実戦では38飛ではなく39飛の方で、66角19飛成95歩

19香を失って駒得は消えてしまいました。悪そうなので端を攻めて勝負しようとしたわけです。以下手順は省略しますが、角を切って寄せに行ったものの

攻めきれず、舟囲いの薄さが目立ちました。

さて、先手はどこかで工夫が必要です。桂を取ってもまずいのならば銀を逃げてみます。

44角88銀35角28飛

(44角に66角だとここで43金と受けられて不発)先手が歩切れなので飛車をさばくことができません。角が手持ちとはいえ、後続の攻めがないので失敗です。

もう少し工夫して角を換えずに57銀と引きます。

今度は88角成同銀44角に77角

35角28飛12飛

やはり先手が1歩損なのですが、後手の飛車を1筋に追いやりました。後手の65銀を避けて、86歩から銀冠に組んで待っていて、少し指しやすいのだと思います。

後手は57銀に35歩か。

これなら24歩同歩33角成同桂24飛

とさばけます。36歩34歩37歩成33歩成

後手の37と がかなりの脅威なのですが(36角~47とがある)、とりあえずは飛車取りで と金を作り返して飛車を侵入できればまあまあ指せるでしょう。

後手には大山流で43金の受けもあります。

24歩同歩55歩

45桂があるので、55同角同角同銀24飛22歩31角33角

というのが予想される順で、飛車は取れても形勢互角くらいです。

他には57銀ではなく55銀ですが

35歩なら24歩同歩64銀

でまあまあ。

55同銀なら

55同歩44角24歩35角


55同銀を角で取っても

55同角同歩44角24歩35角

どちらも銀交換で57銀と打たれる筋が負担です。やや苦しい変化です。銀は交換したくないです。


△ 前の変化に隠れているのですが、24歩同歩が入っていれば有利になるかもというのがあります。だから24歩を先につき捨てたいのですが、24同角

というのが厄介です。55銀しかなさそうで、43銀64銀

というのはまあまあですが

銀交換だと

はやり57銀の負担があります。すぐには大丈夫ですが、33桂~45桂で狙われそうです。少し指しにくいかもしれません。


× 後は待つ手ですが、55歩は45歩

がカウンターで、54歩46歩同歩同飛

というのはさばかれています。


× 68銀でも45歩

これは88角成同玉44角が王手飛車になってしまいます。それを避けて33角成同桂としても、57銀44角

で両取り。35歩99角成34歩44馬33歩成同馬77銀

うまく桂馬を取り返せたとしても、守りの香を失って馬を作られたのですから後手よしです。

とすれば45歩に55銀しかないですが

46歩同歩55銀同角同角同歩44角

で55角を見られてまずいです。(後手は46飛もある。)


× 86歩と突いて

天守閣美濃を目指すのは、後手の65銀を避けて自然なようにも思えます。
ただ、無造作に組むと45歩を食らって

また王手飛車の筋にはまります。88角成同玉というのがまずい形なのです。

77角と備えてから囲っても

65桂66角45歩

これも不本意な戦いです。


△ 持久戦なら66歩が正しくて

それから天守閣美濃~銀冠です。

だけどこういう瞬間が危なくて、44角27飛35歩同歩32飛

というさばきを狙われます。右桂を跳ねているのに持久戦というのはあまり思わしくないようです。


○ 待ち方としては68金上とか


68金寄とか

で1手待って、74歩と指させて効果があるかどうか、ということになります。そんなに得でもないような気はしますが。



☆ まとめ

やはり仕掛けるのが本筋で、事前に研究しておくのだろうと思いますが、35歩です。
当然の45歩に57銀と引けるかどうか。

実は右45銀急戦では、銀を戻るのがかなり有力な手です。これは何度も経験していて、前に書いた記事もあります。
銀を引くと金銀4枚の舟囲いは結構堅いのです。この場合は後手の54銀も守りに働くかもしれませんから何とも言えないのですが、玉が堅いままでさばき合いになる急戦はかなり有力です。例えば45歩急戦や中飛車への加藤流袖飛車急戦があてはまります。

ちょっと気が付きにくいですよね。こういうのは何度も定跡書を読んで、実戦を指して、なぜよくなるのか悪くなるのか、こういう形は良い、悪い、という経験があってわかるのだろうと思います。定跡を学んだら、ちょっと高い視点でもう一度眺めてみるというのは有益ですし楽しいです。


ところで、この問題の対局者はどちらも中学生なのですが、若者の将棋は直線的な変化を選びがちです。銀を引かずに角を換えて、銀と桂を取り合って・・・と先の手が早く読めるのでそういう順に飛びつきやすいです。それが少々悪くても選んでしまうのが不思議なのですが、詰将棋重視で訓練するためではないか、というのが仮説です。(これを避けるためには、詰め将棋よりは必至問題のほうが手が広くて有効です。もちろん棋譜を並べて変化を考えるのも。)
直線の手順を深く読むことよりも、早めに良くなりそう(ならば深く読めばいい)悪くなりそう(ならば打ち切る)という判断をして、悪くなりそうならば手を広く読むことです。そのために今日の一手を作り続けているようなものです。

なおベテランが若者と対局するときは、少し有利な形にしておいて、直線的な手順に持ち込むことです。無理そうな形で攻めさせるとか、やや有利な態勢で寄せ合いにするとかを考えます。






コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする