名南将棋大会ブログ 名古屋

名南将棋大会告知や結果のほか、
将棋が強くなるための記事を書きます。
まずは将棋上達法則を見てください。

大山将棋問題集 20180402

2018-04-02 | 大山将棋研究
先手番大山先生の手を考えます。

第1問


こう受けるのが大山先生らしいです。
A 54歩 B 56銀左 C 56銀右

第2問


こういう指し方が大山先生の好みです。
A 55角 B 72角 C 58飛

第3問


この歩を伸ばしていくのが本筋です。
A 35歩 B 45歩 C 75歩

第4問


ゆっくり攻めます。
A 45歩 B 13歩成 C 83歩

第5問


この構想は見えませんでした。
A 13同桂成 B 33銀 C 12銀
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大山将棋研究(842);三間飛車に65歩急戦(二上達也)

2018-04-02 | 大山将棋研究
今日の棋譜20180402
昭和61年1月、二上達也先生と第44期A級順位戦です。

大山先生の先手三間飛車に二上先生は急戦です。三歩突き捨て作戦に似ていますが

大山先生は木村美濃というか雁木というか、とにかく定跡外しです。(二上先生が定跡どおりというのも見ないですが。)

対三間飛車の急戦でよく出てくる55歩同歩65歩という攻め方で戦いが始まります。

大山先生は銀2枚を前面に出して受けます。

二上先生は62飛から55銀で交換し

大山先生も反撃でさばき合って

飛車を引けば一段落。二上先生は55桂を打てればよいのですが

馬を作られて55桂はなく、少し悪いでしょう。

57歩は58飛を避けた手筋です。それから角を打ち込んで

ここに歩を垂らしました。打つなら87歩のような気がしますが。ここでは55桂も打てたのですが、先手の35桂に31桂も用意しておきたいところです。

馬を作り合って互角にも見えるのですが、56馬のほうが攻防に働いています。

端を攻められたら高く受けておいて、二上先生はまだまだ頑張れそうです。

だけどここに桂馬を打たれると目障りで

桂馬を使えば大山先生の調子が良いです。

83歩64馬を利かせて銀を打ちこみ

と金を作ります。

91香を取って駒得です。二上先生は玉頭の桂馬を払いたくて銀を打ちます。

大山先生は取られる前に55香から桂を手に入れて桂を打ち

桂と銀を交換できました。二上先生は駒損でも粘りの体制です。

大山先生は端に銀を打ち

65馬から21銀不成の狙いでした。この筋は受けにくいです。

二上先生はあきらめて35香、大山先生は桂を取って、打ち込んで寄せていきます。

投了図。

仕掛けは互角の取引なのですが、二上先生の飛車がさばけることがありませんでした。馬を作ったところからは大山先生が少し有利で、そのまま差を広げて勝ち切りました。じっくり攻めるってこうしてみていると簡単なのですが、なかなかできないのですよね。地味な手が多いですが、並べてみると良いです。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.40 棋譜ファイル ----
手合割:平手  
先手:大山十五世名人
後手:二上達也9段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 7八飛(28)
4 3四歩(33)
5 6六歩(67)
6 8五歩(84)
7 7七角(88)
8 4二玉(51)
9 6八銀(79)
10 3二玉(42)
11 4八玉(59)
12 6二銀(71)
13 3八玉(48)
14 5四歩(53)
15 5六歩(57)
16 5二金(61)
17 5八金(69)
18 7四歩(73)
19 2八玉(38)
20 4二銀(31)
21 3八銀(39)
22 6四歩(63)
23 4六歩(47)
24 9四歩(93)
25 1六歩(17)
26 1四歩(13)
27 3六歩(37)
28 9五歩(94)
29 4七銀(38)
30 6三銀(62)
31 3八金(49)
32 7三桂(81)
33 8八飛(78)
34 5五歩(54)
35 同 歩(56)
36 6五歩(64)
37 6七銀(68)
38 6四銀(63)
39 5六銀(47)
40 6二飛(82)
41 4七金(58)
42 5五銀(64)
43 同 銀(56)
44 同 角(22)
45 6五歩(66)
46 7七角成(55)
47 同 桂(89)
48 6五桂(73)
49 同 桂(77)
50 同 飛(62)
51 6六歩打
52 6一飛(65)
53 7二角打
54 7一飛(61)
55 4五角成(72)
56 5七歩打
57 3四馬(45)
58 7七角打
59 9八飛(88)
60 8六歩(85)
61 同 歩(87)
62 8八歩打
63 5六馬(34)
64 8九歩成(88)
65 7八飛(98)
66 8六角成(77)
67 1五歩(16)
68 3三銀(42)
69 1四歩(15)
70 1五歩打
71 3五歩(36)
72 4二金(41)
73 3四桂打
74 5三金(42)
75 3七桂(29)
76 4四歩(43)
77 5四歩打
78 4三金(53)
79 8三歩打
80 6四馬(86)
81 5三銀打
82 同 金(52)
83 同 歩成(54)
84 同 馬(64)
85 8二歩成(83)
86 5一飛(71)
87 9一と(82)
88 2四銀打
89 5五香打
90 5四桂打
91 同 香(55)
92 同 馬(53)
93 5五歩打
94 6三馬(54)
95 2五桂打
96 3四銀(33)
97 同 歩(35)
98 4一桂打
99 1三歩成(14)
100 同 香(11)
101 1二銀打
102 2二銀打
103 6五馬(56)
104 3五香打
105 2一銀(12)
106 4二玉(32)
107 6四金打
108 7二馬(63)
109 5四桂打
110 5二玉(42)
111 7四馬(65)
112 6三歩打
113 7三金(64)
114 投了
まで113手で先手の勝ち

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20180402今日の一手(その671);路地裏の花

2018-04-02 | 今日の一手

20180402今日の一手

1月6日の名南将棋大会から、OさんとHさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。


一昨日の一手の回答
序盤からの乱戦です。

互いに端歩を突き合っていますが、相掛かりか横歩取りかという出だしで87歩を打ちました。84飛26飛23歩ならば相掛かりです。ならば87歩を打たずに26飛23歩87歩のほうが安全に進行したのだと思いますが、先に歩を打ったら横歩を取れるか?と挑発したのですね。(先手Nさんは横歩取りが好きなのです。)
後手Hくんは小学生、怖いものなどなく76飛と取りました。22角成同銀85角

(私は横歩取りをやらないので知識が少ないのですが)端歩を突き合っていなくても定跡本には出ていないと思います。
先後が逆で87歩を打つ横歩取らせに比べて、先手番ですから24歩同歩同飛が入っています。だから78飛成同銀72銀とか74飛同角同歩では後手がつまらないと思います。
横歩取らせというのは

後手が23歩を打って34飛と取らせる定跡です。34飛に88角成同銀25角

32飛成同銀38銀33銀

あるいは32飛成のところで36飛

で飛角交換する定跡です。これらは一応先手よしになっています。

さて戻って78飛成ではなく33角

としたのが問題図です。

☆ 形勢判断をします。
先手の1歩損です。でも持ち歩があるのでカウントせず、損得なしとみます。(こういう戦型では持ち歩の数も大きいのですが、今は考えないでおきます。)
玉の堅さはほぼ同等です。左銀の位置が違うだけで、先手が堅いとも言えないです。
先手の攻め駒は24飛85角の2枚。
後手の攻め駒は33角76飛の2枚。

総合すれば互角です。

☆ 大局観として

飛車取りに飛車取りで返された図で、取り合って良いかどうか。
それがまずければ飛車を逃げます。それ以外にも飛車を切ることができますね。これらの比較です。派手な展開で玉も薄いですから読んでみるしかありません。ちょっと悪いなあと思えば打ち切って、それ以外の手を読む方が良いでしょう。


× 実戦は76角24角の取り合いでした。

この図は後手だけ57角成があるので後手を引きます。だから先手が思わしくない感じがします。68銀26飛85角72金

29飛成と84歩が残っています。先手の角が追われるだけというのが痛いです。やむなく84飛83歩34飛で先手を取り返したのですが33角

23銀~99角成と29飛成が残っています。33同飛成同銀35角29飛成53角成62銀

ここで手がなくて駒損でははっきり悪いです。


△ 22飛成はどうか。

これは横歩取りの45角戦法

で出てくるような手順で、24飛23歩77角に88飛成

と切って88同角24歩11角成33桂36香

に似ています。これは先手よしとされる定跡ですが、問題図ではどうでしょうか。

もう一度22飛成の図から

22同角76角99角成33桂には74香

45角戦法では65角の位置(さらに82銀86歩でした)でしたが、角の位置が違うので74香がかなり厳しいです。先手は77桂と逃げるわけにはいかず


23銀と打つしかないです。23同金31飛なら勝負になります。33馬と引かれて32銀成(ここで82銀の形ではないので84飛~34銀成が利かない)同馬

という図は一応駒得です。それでも74香が残っていて76角が不安定なのでやや先手悪いのですが、選択肢に残しておきましょう。


△ 28飛と逃げると

飛車取りと63角成が残っています。だから78飛成同銀99角成63角成、というようなのは歓迎です。怖いのは飛車を取りなさいと88歩です。76角89歩成68銀99角成

飛と桂香の二枚換え、と金と馬を作られていて74香があるというのは忙しいです。77銀79と68金74香22飛成同金43角成

馬筋を止めて飛車を切り強襲するのが勝負手です。(43角成から22飛成もある。)後手は41飛と受けて手が続くかどうか(46飛42歩・・・)、という勝負です。

あるいは88歩の時に同銀と自重できるのですが27歩38飛を決めて88角成

と後手に強襲されます。88同金79飛成69角74銀

ここから78飛同竜同金85銀83飛82飛

というのが銀損なので

74同角同竜

は竜を作られて自陣角だから作戦負け。どちらも面白くないです。


△ 25飛と逃げると

今度は88歩を取ることができず、76角89歩成68銀99角成

この時に74香には75歩があるというわけです。77銀79と68金24歩85飛82香


飛車を追われてちょっと苦しいけれど先は長いという図です。


○ 34飛だと

33角の移動をけん制しています。88歩や99角成などとはできないので、26飛63角成29飛成81馬

桂馬を取り合います。63桂があるので後手は42玉(41玉は45桂、72銀には91馬)64飛62歩34桂41玉22桂成同角

というくらい。77桂55角34飛・・・などという展開で形勢互角です。


☆ まとめ

端歩の影響がないとして、

先手から87歩はちょっとした趣向です。相掛かりにならないで乱戦もあり得るから、定跡重視ならば(34飛が多いけれど)26飛のほうが無難だと思っておけばよいです。
でもこんな家の近くに路地裏があって小さな花が咲いていた、という感じです。残念ながら誘った先手がはっきり良くなることがなかったのですが、時には寄り道も面白いです。

結論では34飛が互角で26飛63角成29飛成81馬という図

が互角で最善ではないか。

28飛と引いて88歩を見つけられたら76角89歩成68銀99角成77銀79と68金74香22飛成同金43角成

という順を覚えておいて、ちょっと無理をしているけれど、後手が間違えたら優勢になるかもというのを楽しんでもよいでしょう。

実戦の飛車の取り合いは後手を引くのです。乱戦の序盤で妥協すると簡単に悪くなることがあります。

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