名南将棋大会ブログ 名古屋

名南将棋大会告知や結果のほか、
将棋が強くなるための記事を書きます。
まずは将棋上達法則を見てください。

大山将棋問題集 20181231

2018-12-31 | 大山将棋研究
先手番大山先生の手を考えます。

第1問


一目良さそうな手があります。
A 37桂 B 37角 C 86歩

第2問


両取りに角取りで返されました。
A 83角成 B 52角成 C 47金引

第3問


受け方は?
A 39金 B 18金 C 27歩

第4問


どう寄せますか?
A 24歩 B 66角 C 44金
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大山将棋研究(1116);四間飛車に棒銀(加藤一二三)

2018-12-31 | 大山将棋研究
今日の棋譜20181231
昭和38年10月、加藤一二三先生と第4期王位戦第6局です。

大山先生の四間飛車に加藤先生は棒銀です。

今回は先手振り飛車なのですが、高美濃で待って84銀の時に65歩。

これまでは73銀型で、すぐに64歩同歩同銀右というパターンでした。加藤先生は44歩を突いて玉を固めます。

大山先生は66銀から88飛。

7筋の歩を交換して、少し指しやすいかも。

加藤先生は74歩を打たせて、84銀もありそうですが

62銀でした。75銀が威張っているので大山先生の作戦勝ちかと思うのですが、37角は良さそうな手ですね。

当然45歩とするのかと思ったら、互いに駒組みになって加藤先生から仕掛けました。

96同香には87角で香を取れます。

大山先生は38金でしたが、加藤先生はなぜか97歩成ではなく95香。確実ですが93歩の垂らしをどう応じたものか。

と金の作り合いですが香を取っているだけ居飛車もちです。ここで後手の飛車が狭いことを覚えておいてください。

加藤先生は両取りに近い角を打ちますが

角を渡しにくいので簡単ではないのです。57角に66香とは驚きです。66同銀には86飛ですよね。69飛57角成同銀ならば飛車をさばいたことになるけれど、香得が消えてしまうのです。

大山先生は58飛で角交換ねらい。67香成にも

飛角の取り合いから61角。

加藤先生は「両取り逃げるべからず」で78飛は良いとして、52角成には79角を取っておくほうが普通でした。成香を使いたいのはわかりますが

これで駒の損得は無いようなものです。玉の堅さは桂を跳ねているので先手のほうが堅いです。攻め駒は3枚対3枚。先手が指せるのでしょう。

26歩の詰めろに68香から27歩。こう受けられると加藤先生の攻めが細くて

15歩は取ってもらえず、24歩で2手すき。

57角も働いてきて

受けがなくなりました。

大山先生の作戦勝ちなのですが、37角を打ったのに45歩としないのが不思議な感じです。香得で加藤先生が指しやすくなっていると思いますが、角を渡したら(渡すつもりはなかったでしょうが)61角が痛かったです。
3勝2敗とリードして、棒銀に2局負けたままではいけないからと大山先生が少し工夫しました。しっかり勝ち切って王位を防衛です。

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大山将棋問題集 20181230

2018-12-30 | 大山将棋研究
後手番大山先生の手を考えます。

第1問


後手が作戦勝ちなのだと思います。
A 72金 B 45歩 C 72飛

第2問


勢いです。
A 83銀 B 85銀 C 85歩


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大山将棋研究(1115);四間飛車に玉頭位取り(有吉道夫)

2018-12-30 | 大山将棋研究
今日の棋譜20181230
昭和38年4月、有吉道夫先生と第13期王将戦です。(10/1、10/2の2日間の日付になっているのですが、イベントを兼ねていたのでしょうか。)

大山先生の四間飛車に有吉先生は玉頭位取りです。

まだ定跡が整備されていないころですが、7筋に飛車をまわられたところで有吉先生の作戦負けかも。36歩~35歩を急ぐのが後に定跡とされました。ここでは55歩同銀65歩54歩64歩同銀66銀と指して一局か、後手が指しやすいのか、というところです。

86角とするのは作戦負けです。このまま駒組みでも手に困るのですが

銀をぶつけられて困っています。

角銀交換は仕方ないですが、攻めるところがない駒損では悪いです。

大山先生は7筋を逆襲し

有吉先生はどうにか2筋を攻めるのですが

飛車は成れそうにありません。

36飛には25角。これで手がなくて

飛車取りを催促してみたものの

ここまで。66手で終わってしまいました。

玉頭位取りはもっと前から指されていたようですが、組み上げるまでが大変です。
先日千葉の太陽将棋研究会にお邪魔したのですが、玉頭位取りの名手はだれかという話になりました。私は(先輩のWさんの影響で)有吉先生だと思っていたのですが、その時は米長先生、宮田先生、森下先生のほかに大山先生の名前もあがりました。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.40 棋譜ファイル ----
開始日時:1963/10/01
手合割:平手  
先手:有吉道夫7段
後手:大山名人
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 4四歩(43)
5 2五歩(26)
6 3三角(22)
7 4八銀(39)
8 3二銀(31)
9 6八玉(59)
10 4二飛(82)
11 7八玉(68)
12 6二玉(51)
13 9六歩(97)
14 9四歩(93)
15 5六歩(57)
16 7二玉(62)
17 5七銀(48)
18 4三銀(32)
19 6八銀(79)
20 8二玉(72)
21 6六歩(67)
22 5四銀(43)
23 6七銀(68)
24 7二銀(71)
25 7五歩(76)
26 6四歩(63)
27 7六銀(67)
28 8四歩(83)
29 5八金(49)
30 8三銀(72)
31 7七角(88)
32 5二金(41)
33 6七金(58)
34 6三金(52)
35 6八金(69)
36 7二飛(42)
37 8六角(77)
38 4五歩(44)
39 2六飛(28)
40 7四歩(73)
41 同 歩(75)
42 同 銀(83)
43 7五歩打
44 8五銀(74)
45 7七桂(89)
46 8六銀(85)
47 同 歩(87)
48 7四歩打
49 同 歩(75)
50 同 金(63)
51 5五歩(56)
52 同 角(33)
53 2四歩(25)
54 7五歩打
55 8七銀(76)
56 4四角(55)
57 3六飛(26)
58 2五角打
59 7九歩打
60 2四歩(23)
61 1六歩(17)
62 6二金(61)
63 1七桂(29)
64 3六角(25)
65 同 歩(37)
66 2九飛打
67 投了
まで66手で後手の勝ち
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20181230今日の一手(その807);持ち駒角の価値

2018-12-30 | 今日の一手

20181230今日の一手

9月16日の名南将棋大会から、AさんとSさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。


一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
飛と角桂香歩の交換で(歩は数えませんが)先手の駒得です。
玉の堅さは後手のほうが少し堅いです。先手の穴熊は深いけれど金銀2枚では堅くはありません。
(相手玉に向かっているものだけ数えて)先手の攻め駒は46桂と持ち駒角で2枚。
後手の攻め駒は53飛は数えにくくて、持ち駒飛1枚。

総合すれば先手有利です。

☆ 大局観として
先手玉が薄いというところだけが不安です。深く囲っているので寄せ合いは考えやすいのですが。多分先手のMさんは穴熊だからと過信していて、油断につながりました。
先手の主張は駒得です。飛角交換を別にすれば桂香を先に取っているというのが有利につながっています。しかし実態は85香99香89桂は攻防ともに働いていなくて、46桂が攻めに働いているだけ。その差は小さいのです。
先手有利に思えるけれど、少し間違うと逆転しやすいという局面です。逆転しにくい指し方はどれでしょうか。


× 実戦は71角で

飛車は取れます。ですが持ち駒の角を働いているかどうかよくわからない飛車と交換するのは得だとは言えません。
88飛78歩89飛成

桂を取られて駒得は消えたようなものです。53飛成は指さないほうが良いかもしれず、53同銀81飛35桂38金49角

持ち駒が歩だけでは受けられません。41飛成の非常手段も、41同玉39金打59飛

攻め駒を足されて受けがなくなりました。

88飛と打たれたところで、先手としては89桂を取られないように53角成同銀78銀

受けに回るならば53角成も指したくはないのですが、56飛と走られるので飛車を取ってから銀を引いておきます。不安な形ですが79角、87角、57角にも受けが利きます。これなら有利を保てました。

後手としては59飛のほうが受けにくそうな手で

53角成同銀78銀には66角

で互角に近いです。

先手としては飛車を取らずに78金56飛行69金

でどうにか有利を保っているようですが、後手から何かあってもおかしくないところです。71角が疑問手だったということはわかるでしょう。


○ 筋っぽく64歩と突いてみると

56歩を83角で守っています。これなら59飛78銀の時に安心できるというわけです。
64同歩74角成88飛78銀

こちらも大丈夫。


○ 74角成とか

馬を作っておくのも損ではないです。成り返るならば74が一番良さそう。88飛には78角

温存していた角を打ちやすいです。(78銀56飛ではちょっと不安なところでした。)

88歩と打たれると

先手の攻撃も遅いので嫌な感じではあるのですが、55歩同飛64歩同歩56銀

後手の飛車を追いつつ銀を使うのがうまい手です。

ひねって考えると88歩に77桂76歩同銀56飛

というのが後手のねらいなのですが、64歩76飛65馬

あえてねらいにはまってみると、まだ駒損ではありませんし、後手の飛車を追いかけつつ攻めに転じることができます。


△か× 78金とすると

88飛や88歩を受けていますが、金が離れて行きます。69飛79歩88歩

と攻められるのが嫌な感じです。77桂76歩58銀

飛車は捕獲できます。39飛成同銀77歩成同金89歩成67金

先手玉が薄くなったけれど、悪いわけではありません。


△ 77角76歩66角、あるいは単に66角でも同じようなものですが、59飛

自陣角を打てば88歩や88飛を受けているのですが、59飛と打たれます。89桂を守りにくいのですが、74角成89飛成58金

まだ駒得なので悪くはないです。


△ 58金を先にして

少しでも先手玉を固めておいて69飛74角成89飛成66角

でも前の変化と同じことです。

66角を打たないで攻め合うよりも

前の図のほうが66角は攻防の位置でしたから少しだけ得でした。


△か○ 攻めるならば74歩の と金つくりでも

59飛73歩成89飛成72角成35桂36角

35桂の攻め筋は、36角を打てば攻防になっています。


☆ まとめ
問題図では攻め駒であった持ち駒角をどう使うかという視点でもみることができます。
角を打つ攻め筋としては、実戦の71角は外れです。77角か66角の自陣角は攻防に利くので価値があります。
有効な攻め筋が見当たらなければ、角を温存しておいて受けに使うこともできます。これは先手が駒得だからできることですね。受けに回りやすいのです。
88飛に78角、79飛にも78角、59飛は89飛成と56飛があるので自陣角では受けられませんが、最悪の89飛成~35桂の時に36角を打てます。

そういうことを考慮しつつ、盤上に打ってしまった83角の働きが悪いので、持ち駒角よりも優先して使う方を考えるのが本筋です。


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大山将棋問題集 20181229

2018-12-29 | 大山将棋研究
後手番大山先生の手を考えます。

第1問


54銀が死にそうです。
A 55歩 B 53金 C 31角

第2問


52成銀は疑問手です。
A 55角 B 66歩 C 52同金

第3問


王手飛車をかけたところなのですが。
A 28角成 B 52金 C 41金

第4問


56馬や61銀が厳しいです。
A 66飛 B 19角成 C 58飛
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大山将棋研究(1114);相矢倉(加藤一二三)

2018-12-29 | 大山将棋研究
今日の棋譜20181229
昭和38年9月、加藤一二三先生と第4期王位戦第5局です。

相矢倉模様です。銀矢倉から5筋を突く矢倉に変わろうとしていた時代(だと思います)で、5筋の歩を突き合うのは新しい指し方です。

大山先生は5筋の歩を交換しようとして(54銀型を作ろうというのでしょう)

加藤先生は57銀としたので、大山先生は中央の位を取ります。

銀矢倉と中央の位を取った金矢倉の対抗です。

62飛~65歩同歩同飛というのは欲張っている(66歩61飛を期待した)のかも。玉が矢倉に収まってからか、65同銀ならば落ち着いた駒組みになったはず。加藤先生は銀を出て

角も使って中央の位を奪回しに行きます。

これは加藤先生の技ありというところですが

55歩64角となればまだまだ。

加藤先生は55銀左とぶつけて銀交換。大山先生は銀を打って64歩を払いに行きます。

63歩成同歩に72銀?筋は悪そうでも

銀を成って52歩を打てるから

角銀と飛の取り合いになりました。後手玉は詰めろ。

42金寄~32玉には52と が自然で、駒損を取り返せば少し先手が良さそうに思えます。加藤先生は成銀を入り

41と は手筋のようでも成銀を取られるのでおかしな感じの迫り方です。大山先生は55角~46角で王手飛車取り。

成銀と角を取り合って、後手が少し駒得です。

王手飛車をかけて玉と飛の両方を逃げられたというのは珍しいです。

しかし銀を掛ければ後手が有利でしょう。

加藤先生の83角というのは74角成ねらいですが、この瞬間の働きがないので違和感を感じます。

案の定に82金を食らい

竜を切って74角成は結構厳しい手なのですが

大山先生の19角成が好手。61銀に63香の受けを用意していました。加藤先生は馬を取っても28飛が厳しいので

香を取って攻めるほうを選びました。

脱出路を開いた65桂捨てから

合駒に使わせた53桂を取りに行き

一手違いではありますが、68飛は取れません。77玉66銀打53金が詰めろなのでここまで。

加藤先生は角銀と飛の交換でも と金を作って悪くないはず。自然に と金を使っていけばよかったのだと思います。凝った手順で成銀+と金で角を取っただけではおかしいです。
大山先生が居飛車と振り飛車の両方を指していたころですが、振り飛車での負けが先行すると矢倉で挽回したという流れです。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.40 棋譜ファイル ----
開始日時:1963/09/25
手合割:平手  
先手:加藤一二三8段
後手:大山王位
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 6八銀(79)
4 3四歩(33)
5 7七銀(68)
6 4二銀(31)
7 2六歩(27)
8 6二銀(71)
9 4八銀(39)
10 3二金(41)
11 7八金(69)
12 4一玉(51)
13 5六歩(57)
14 5四歩(53)
15 3六歩(37)
16 5二金(61)
17 6九玉(59)
18 7四歩(73)
19 5八金(49)
20 6四歩(63)
21 6六歩(67)
22 5五歩(54)
23 5七銀(48)
24 5六歩(55)
25 同 銀(57)
26 5五歩打
27 6七銀(56)
28 6三銀(62)
29 2五歩(26)
30 3三銀(42)
31 7九角(88)
32 5四銀(63)
33 6八角(79)
34 4四歩(43)
35 4六歩(47)
36 4三金(52)
37 5九角(68)
38 6二飛(82)
39 7九玉(69)
40 6五歩(64)
41 同 歩(66)
42 同 飛(62)
43 6六銀(77)
44 6一飛(65)
45 7七角(59)
46 5一飛(61)
47 6四歩打
48 6二歩打
49 5六歩打
50 同 歩(55)
51 同 銀(67)
52 3一角(22)
53 5五銀(66)
54 同 銀(54)
55 同 角(77)
56 7三銀打
57 6三歩成(64)
58 同 歩(62)
59 7二銀打
60 6四銀(73)
61 6三銀成(72)
62 5五銀(64)
63 5二歩打
64 6一飛(51)
65 6二歩打
66 5六銀(55)
67 6一歩成(62)
68 4二金(32)
69 5一歩成(52)
70 3二玉(41)
71 5二成銀(63)
72 5五角打
73 4一と(51)
74 4六角(55)
75 8八玉(79)
76 5二金(42)
77 3一と(41)
78 同 玉(32)
79 6二と(61)
80 同 金(52)
81 5一飛打
82 4一銀打
83 1八飛(28)
84 5二金(62)
85 8一飛成(51)
86 6九銀打
87 2四歩(25)
88 同 銀(33)
89 8三角打
90 7八銀成(69)
91 同 玉(88)
92 5七歩打
93 6八金(58)
94 6七歩打
95 6九金(68)
96 5五角(46)
97 7七桂打
98 8二金打
99 4一龍(81)
100 同 玉(31)
101 7四角成(83)
102 1九角成(55)
103 6一銀打
104 6三香打
105 5二銀(61)
106 同 玉(41)
107 6一銀打
108 4二玉(52)
109 6三馬(74)
110 1八馬(19)
111 6五桂(77)
112 同 銀(56)
113 6四馬(63)
114 5三桂打
115 5二金打
116 3三玉(42)
117 5三金(52)
118 6八飛打
119 投了
まで118手で後手の勝ち
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大山将棋問題集 20181228

2018-12-28 | 大山将棋研究
先手番大山先生の手を考えます。

第1問


すぐに攻める手がない時はこういう手を指します。
A 39金 B 76歩 C 72歩

第2問


ここでも。
A 63歩 B 79飛 C 45歩

第3問


駒がぶつかっているのですが。
A 75歩 B 52と C 76飛

第4問


攻め駒を増やします。
A 86角 B 25歩 C 15歩

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大山将棋研究(1113);向い飛車に銀矢倉(五十嵐豊一)

2018-12-28 | 大山将棋研究
今日の棋譜20181228
昭和38年9月、五十嵐豊一先生と第13期王将戦です。

大山先生の向い飛車で

五十嵐先生は急戦を目指しますが

仕掛けられず、44歩から駒組みです。

銀を繰り替えて

引き角にしました。大山先生は7筋から動き

五十嵐先生は反発

金を使います。

銀矢倉に組んで後手の陣形は良い形です。

大山先生は歩を垂らし

戦いの途中で成り捨てるのですが、五十嵐先生としては取らないのもあります。

一度取るとまた利かされるわけで

88歩を楽しみに我慢していたのですね。

五十嵐先生の駒得なので少し良いか。大山先生の85歩は、84歩~83歩成をみせて急がせたのでしょう。後でこの空間が利いてきます。

五十嵐先生が得した桂を打てば

大山先生も桂を取って55桂。52銀には62歩成同角64歩でしょう。75歩63歩成か64同金71飛成同角か、逃げるほうが自然に見えます。

五十嵐先生は金を突進しますが、こういう手は最善ではないことが多いです。大山先生はここで手を抜いて

銀を打ちこんで

86から角を打ちました。64角74飛76飛同飛53と が普通の指し手に見えましたが。

と金を使って

飛を取られましたが金を取れました。

形勢は互角くらい。後手玉のまわりでの攻防が始まります。

大山先生は馬を切ることになり、少し細い攻めです。

小駒2枚だけでは寄せきれるわけはないですが

金の質駒を取って3枚

端を攻めると4枚に近いです。

五十嵐先生は玉の脱出路を開くのですが、21桂14歩12歩で受けるほうが良かったのかも。

後手の右翼には逃げ出しにくくて

後手玉に詰めろがかかるようになりました。

これも詰めろ。

取られそうだった角をかわして詰めろ。

詰めろが続きます。

ここで角銀の取り合いになり

少し後手玉が安定しました。先手玉も安定したわけですが。大山先生の13歩が遅い手で、12歩成が詰めろにならないからこれで3手すき。

17歩同金25桂ならば詰めろで後手の勝ち筋でしょう。

58桂成が甘くて、金を取っても先手玉の寄せには関係なさそうです。大山先生の12歩成も詰めろではないですが

後手の57成桂も厳しくはないので、63桂成で2手すき。

29銀同玉27桂は詰めろですが形つくりです。銀をもらったので53銀で詰み。

形勢不明の終盤になりましたが、大山先生の攻めが細くなったので、五十嵐先生の勝ち筋があったと思います。惜しい将棋でした。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.40 棋譜ファイル ----
開始日時:1963/09/21
手合割:平手  
先手:大山名人
後手:五十嵐豊一8段
後手省略名:五十嵐
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 5六歩(57)
4 8五歩(84)
5 7七角(88)
6 5四歩(53)
7 6八銀(79)
8 3四歩(33)
9 6六歩(67)
10 6二銀(71)
11 6七銀(68)
12 4二玉(51)
13 8八飛(28)
14 3二玉(42)
15 4八玉(59)
16 4二銀(31)
17 3八玉(48)
18 1四歩(13)
19 1六歩(17)
20 5二金(61)
21 2八玉(38)
22 7四歩(73)
23 3八銀(39)
24 6四歩(63)
25 4六歩(47)
26 7三桂(81)
27 4七銀(38)
28 5三銀(62)
29 3八金(49)
30 4四歩(43)
31 5八金(69)
32 4三銀(42)
33 3六歩(37)
34 6三金(52)
35 3七桂(29)
36 4二銀(53)
37 9六歩(97)
38 3三銀(42)
39 7八飛(88)
40 3一角(22)
41 6八角(77)
42 9四歩(93)
43 7五歩(76)
44 同 歩(74)
45 同 飛(78)
46 6五歩(64)
47 7八飛(75)
48 7五歩打
49 6五歩(66)
50 7四金(63)
51 5九角(68)
52 2四歩(23)
53 6六銀(67)
54 2三玉(32)
55 7九飛(78)
56 8六歩(85)
57 同 歩(87)
58 3二金(41)
59 2六歩(27)
60 8一飛(82)
61 9七香(99)
62 2二玉(23)
63 7二歩打
64 5五歩(54)
65 同 銀(66)
66 6五桂(73)
67 6九飛(79)
68 7六歩(75)
69 7一歩成(72)
70 同 飛(81)
71 6六銀(55)
72 6四歩打
73 6三歩打
74 5三角(31)
75 7九飛(69)
76 8八歩打
77 7六飛(79)
78 8九歩成(88)
79 8五歩(86)
80 5四桂打
81 6五銀(66)
82 同 歩(64)
83 5五桂打
84 7五金(74)
85 7七飛(76)
86 7六金(75)
87 4三桂成(55)
88 同 金(32)
89 6二銀打
90 同 角(53)
91 同 歩成(63)
92 7五飛(71)
93 8六角打
94 7四飛(75)
95 5二と(62)
96 7七金(76)
97 5三と(52)
98 同 金(43)
99 同 角成(86)
100 6六桂(54)
101 4三金打
102 2三銀打
103 3三金(43)
104 同 桂(21)
105 3一銀打
106 1三玉(22)
107 4二馬(53)
108 3二金打
109 同 馬(42)
110 同 銀(23)
111 2二金打
112 2一銀打
113 3二金(22)
114 同 銀(21)
115 2二銀打
116 2三玉(13)
117 7七角(59)
118 1二金打
119 1一銀成(22)
120 同 金(12)
121 1五歩(16)
122 同 歩(14)
123 1四歩打
124 2五桂(33)
125 1三歩成(14)
126 3三玉(23)
127 2五桂(37)
128 同 歩(24)
129 5五桂打
130 1六桂打
131 同 香(19)
132 同 歩(15)
133 1四と(13)
134 2一香打
135 2四桂打
136 1七角打
137 1八玉(28)
138 2四香(21)
139 8六角(77)
140 7五歩打
141 1五金打
142 1二桂打
143 1六金(15)
144 2一金(11)
145 1七金(16)
146 3一金(21)
147 1三歩打
148 1六歩打
149 同 金(17)
150 2六歩(25)
151 2八歩打
152 5八桂成(66)
153 1二歩成(13)
154 4二玉(33)
155 2四と(14)
156 5七成桂(58)
157 6三桂成(55)
158 2九銀打
159 同 玉(18)
160 2七桂打
161 5三銀打
162 投了
まで161手で先手の勝ち




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20181228今日の一手(その806);打たせた銀をいじめる

2018-12-28 | 今日の一手

20181228今日の一手

9月16日の名南将棋大会から、MさんとKさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。


一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
先手の1歩得ですが後手に持ち歩があるので損得なしとします。
玉の堅さは同程度。
先手の攻め駒は66角と持ち駒銀で2枚。
後手の攻め駒は36銀のほかに34飛33角を入れるかどうか。今は利きが止まっているので厳密には1枚です。
総合すれば互角です。

☆ 大局観として
後手が持ち駒の銀を手放して3筋を攻めたという図です。後手のほうが2,3筋の勢力が多いのですが、互角にさばき合えば先手が良くなるはずです。つまり後手の左銀が残ったままでの大駒交換でさばき合いという展開は歓迎なのです。
また36銀を捕獲する順が見えますね。もちろんうまく取れたら先手有利になります。


△ おとなしく37歩を打ってみると

それでも取ってくるかもしれません。37同銀不成同桂同飛成56飛65桂86銀57歩

先手の駒得でも と金つくりをみせられると面白くはありません。形勢は互角です。

37銀不成は取らないで56飛

とするほうが後手の銀を使いにくくて、中央から攻めることができます。38銀不成54歩66角同歩47銀不成57飛38飛成53歩成56歩

47飛同竜52と同金58歩

飛と金銀の二枚換えですが後手のほうが二枚飛車で桂香を拾いやすいので難しい形勢です。

あるいは47飛ではなく52と

57歩成61と同銀57金49飛

後手玉がより薄くなっていますが、飛と金金の二枚換えで同じようなものです。

また37歩に45銀

とされたとしても形勢互角です。


○ 実戦は35歩同飛として

多分先手Hさんは46銀34飛35歩で36銀を取れると読んでいたのだと思います。でも46銀には25飛同飛同銀

これだと互いに銀を打ちあって飛車交換をしたというだけで、形勢互角のはず。けれど37桂36銀45桂24角54歩46角53歩成

桂を跳ね銀を捨てて踏み込んでみれば、寄せ合い勝ちになりそうなのです。

銀を打たずに57角と引く方がスマートで

34飛35歩で銀を取れるというのは同じことです。25飛同飛同銀23飛

後手の25銀が攻撃目標になり、飛車を先着して攻められるのでわかりやすく先手有利になります。

実戦では54歩と突きだして、

47銀不成33角成同桂37歩

55飛53歩成同飛57歩56歩同歩同銀成

と進んだのですが、これは後手の攻め駒が3枚、左桂も使えそうです。先手は26飛が攻め駒ではなく、持ち駒角銀の2枚だけでは後手が指しやすいです。ここから長い攻防になりましたが後手Kさんの勝ちに終わりました。


○ 駒得をねらうなら24銀と打てば

44角35歩

として銀を取れます。

後手としては25銀

と捨てて25同飛24飛をねらうのがさばき方ですが、33銀成同桂28飛

とすれば銀角交換です。これで指しやすくなっていて、27歩58飛45桂54歩

のような展開でしょうか。大きな駒得ではないけれど後手の25銀が取り残されているので悪くはならないはず。


△ 24歩と突きだすと

36銀が残っていて24同飛同飛同角というのは歓迎です。25歩28飛24角37歩

36銀をどかして25飛とできるので後手の負担が大きいはずです。

△ 実戦のように35歩同飛を入れずに54歩

角の交換を迫るのもまあまあ。45銀53歩成同金37歩

先手から33角成同桂とするよりは後手から角を取ってもらった方が少し得です。形勢としては互角です。


○ 他の筋は95歩

端を攻めると66角が攻め駒として働きます。95同歩84歩同香85銀

すぐに94香を取れるわけではないのですが、後手は34飛の力だけで36銀と94香を守るのは負担が大きいです。

もちろん端を詰めれば(45銀94歩92歩37歩)

玉の広さに差がつきます。

☆まとめ

飛車が向かい合ったときに間に大きな自分の駒があると悪い形になるということがありますね。(簡単な名前があると良いのですが。)後手の36銀も同じような立場で、互いの飛車の利きにさらされています。問題図では持ち駒の銀を打って移動したのですが、自分から危ないところに踏み込んでしまったのです。
36銀を取るには
①24銀が角取りなのでぴったり。持ち駒銀と角の交換ではあまり得でもないのですが、後手の36銀を使いにくいので割に合っています。
②35歩同飛57角ならば盤上の駒だけでいじめることができます。飛車交換になっても36銀が攻め駒として働きにくい(25に移動する)ので先手十分です。

後手に打たせた(というか打ってもらった)銀よりも、先手の持ち駒銀のほうに価値があるのです。玉の堅さが同等、大駒の働きも同等ならば残りの(攻めに使うべき)銀桂の働きの差が優劣を分けます。
ここでは36銀を取りに行かなくても、大駒を五分に使い合えば少し指しやすいです。


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