20150930今日の一手
13日の名南将棋大会からMさんとOさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。
昨日の一手の回答
☆ 形勢判断をします。
駒の損得はありません。
玉の堅さは後手のほうが堅いです。とはいえ大差ではありません。先手玉は横から攻められるなら案外堅いです。
後手の攻め駒は52飛(と56歩)55角に持ち駒銀で3枚。
先手の攻め駒は35角と持ち駒銀で2枚。
総合すればやや後手が指しやすい局面です。
大局観として
この図から35同銀同歩同角55角、と交換になったのですが、37歩と打たされるようでは先手が損です。
57銀上から中央で55歩をめぐる争いにしておきたかったです。
問題図まで進むと、後手は56歩と打って、まだ1歩持っているのは大きいです。
また、先手は96歩と16歩が不急の2手。鳥刺しは玉のほうの端歩はつかないほうがいいです。振り飛車から端攻めされることも多いです。16歩はほとんど必要なくて、14歩に「お突き合い」です。
問題図では端をついているのですから、攻めるのは後回しにして持久戦が正しい考え方です。幸い後手は穴熊なので、持久戦にしても後手から端を攻められることはないでしょう。
持久戦にすると後手玉が堅くなるだけのようにも思えますが、銀交換しているので後手陣のほうが隙ができやすいでしょう。
もちろん、5筋を破られないように注意します。
× 実戦は26飛でした。
問題図で36歩の筋は怖くないのですが、飛車の横利きも使って受けようという手です。
後手は57銀と打ちこんで同銀同歩成同角56歩
穴熊らしい乱暴な攻め方です。
取れないので75角に64角
39角には38銀も成立するかもしれません。64同角同歩63銀に57歩成。
飛車を取っても嬉しくありませんね。後手が有利です。実戦は52銀成58と に同金ならまだ難しかったのですが、51成銀69と で後手が勝勢です。
実戦の手順では26飛が生きていません。57銀と打ちこまれたところで
56飛がアクロバティックな応手です。
77角成同桂56飛は57角で
銀を得していますから先手が優勢。
58銀不成に
58同飛44角53歩
この歩は取れませんね。57歩が返し技。
57同銀53飛44角
44同歩54歩同飛43角
55飛46銀打85飛76銀
べたべた打って25飛を消してから21角成が実現すればやや有利です。
つまり、後手の57銀は乱暴だったのです。頑張ればとがめることができます。57銀では33桂でしょう。また、49銀も成立しそうです。
先手陣を乱して仕留めようという手で、応手は難しいです。
56飛と取るような変化にならないのなら、26飛は緩手ということになります。
× 24歩は自然な手です。
44角と引かれて、同角同歩43角には57銀
58銀不成から27金同飛49角の筋もあり、受けにくいです。
角は交換せずに79角と引きます。
33桂46歩24歩同飛28歩
21飛成が何でもないのです。桂香を拾われると負けます。
17桂29歩成同飛26歩
38銀や22飛を狙われます。
自然な手がうまくいかないのは、問題図が後手(やや)有利な証拠です。
× 受けるなら66銀とやってしまいたくなります。
33角53歩32飛
65銀とかわしても、77角成同桂35飛は後手の角がさばけたということになります。
ですから、66銀33角に36歩54飛37桂でしょうか。
先手だけ66銀と投入したのに働きが弱く、質駒にもなっていますからうまくいきません。
× 受けるなら中央を厚く58金左が本手のように見えます。
34歩に53歩22飛から46角とぶつけます。
角を交換してもらえば、77歩の形が生きます。隙が少ないのです。
44角と引かれて
先手は歩切れです。56歩を取りたいのですが、銀を投入するのでは少し指しにくいです。悪いというほどでもないのですが。
○ 受けるなら79角と引くのが無難です。
53歩が無くなるのですが、打っても歩切れに泣くならあきらめましょう。
36歩や57銀もまだ受けきれそうです。それなら24歩同歩同飛が残る道理です。
33角は34銀が嫌味なので、44角なら54歩62金を入れてから24歩同歩同飛
22歩54歩62金左45銀33角28飛
こうなれば23歩が狙えます。つまり71金なら23歩同歩同飛成22飛同竜同角23飛
竜を作ったら28に引いて使う感覚です。
79角のところで22飛と受ければ97角
端歩が生きました。
33桂には46銀と投入します。
44角には36歩24歩35歩
桂馬を取りに行きます。
64角には24歩同歩同飛
問題図ではすでに先手が失敗しています。自然な24歩で悪くなるのですから。
緩手の
端歩突きを生かすには持久戦しかありません。79角と引いて、持ち駒の銀を手放して。どちらも少し損なのですが、24歩から竜を作ることだけを目標に指します。竜を作ったら自陣に引いて息長く指します。それでやっと96歩と16歩の顔が立つのです。途中間違えると食いつかれます。元の形勢が悪いので、しっかり読んで、少し損なようでも安全第一でやるしかありません。