名南将棋大会ブログ 名古屋

名南将棋大会告知や結果のほか、
将棋が強くなるための記事を書きます。
まずは将棋上達法則を見てください。

手筋の達人

2015-09-30 | 将棋本 断捨離
手筋の達人―矢倉の手筋が満載 (MYCOM将棋文庫SP)
手筋の達人〈2〉振り飛車の手筋が満載 (MYCOM将棋文庫SP)
元の本は1990年と1992年出版されたもの。2005年に文庫化された武者野先生の本です。
題材は少し古いのですが、かえって昔の知識を補えるかもしれません。
直観を鍛えるためにはこういう手筋をいくつも、何度も頭に入れておくとよいです。
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20150930今日の一手<その162>;局面を落ち着かせる

2015-09-30 | 今日の一手
20150930今日の一手

13日の名南将棋大会からMさんとOさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。












昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
駒の損得はありません。
玉の堅さは後手のほうが堅いです。とはいえ大差ではありません。先手玉は横から攻められるなら案外堅いです。
後手の攻め駒は52飛(と56歩)55角に持ち駒銀で3枚。
先手の攻め駒は35角と持ち駒銀で2枚。
総合すればやや後手が指しやすい局面です。

大局観として

この図から35同銀同歩同角55角、と交換になったのですが、37歩と打たされるようでは先手が損です。
57銀上から中央で55歩をめぐる争いにしておきたかったです。
問題図まで進むと、後手は56歩と打って、まだ1歩持っているのは大きいです。

また、先手は96歩と16歩が不急の2手。鳥刺しは玉のほうの端歩はつかないほうがいいです。振り飛車から端攻めされることも多いです。16歩はほとんど必要なくて、14歩に「お突き合い」です。
問題図では端をついているのですから、攻めるのは後回しにして持久戦が正しい考え方です。幸い後手は穴熊なので、持久戦にしても後手から端を攻められることはないでしょう。
持久戦にすると後手玉が堅くなるだけのようにも思えますが、銀交換しているので後手陣のほうが隙ができやすいでしょう。
もちろん、5筋を破られないように注意します。


× 実戦は26飛でした。

問題図で36歩の筋は怖くないのですが、飛車の横利きも使って受けようという手です。
後手は57銀と打ちこんで同銀同歩成同角56歩

穴熊らしい乱暴な攻め方です。
取れないので75角に64角

39角には38銀も成立するかもしれません。64同角同歩63銀に57歩成。

飛車を取っても嬉しくありませんね。後手が有利です。実戦は52銀成58と に同金ならまだ難しかったのですが、51成銀69と で後手が勝勢です。

実戦の手順では26飛が生きていません。57銀と打ちこまれたところで

56飛がアクロバティックな応手です。

77角成同桂56飛は57角で

銀を得していますから先手が優勢。

58銀不成に

58同飛44角53歩

この歩は取れませんね。57歩が返し技。

57同銀53飛44角

44同歩54歩同飛43角

55飛46銀打85飛76銀

べたべた打って25飛を消してから21角成が実現すればやや有利です。

つまり、後手の57銀は乱暴だったのです。頑張ればとがめることができます。57銀では33桂でしょう。また、49銀も成立しそうです。

先手陣を乱して仕留めようという手で、応手は難しいです。
56飛と取るような変化にならないのなら、26飛は緩手ということになります。


× 24歩は自然な手です。

44角と引かれて、同角同歩43角には57銀

58銀不成から27金同飛49角の筋もあり、受けにくいです。

角は交換せずに79角と引きます。

33桂46歩24歩同飛28歩

21飛成が何でもないのです。桂香を拾われると負けます。
17桂29歩成同飛26歩

38銀や22飛を狙われます。

自然な手がうまくいかないのは、問題図が後手(やや)有利な証拠です。


× 受けるなら66銀とやってしまいたくなります。

33角53歩32飛

65銀とかわしても、77角成同桂35飛は後手の角がさばけたということになります。


ですから、66銀33角に36歩54飛37桂でしょうか。

先手だけ66銀と投入したのに働きが弱く、質駒にもなっていますからうまくいきません。


× 受けるなら中央を厚く58金左が本手のように見えます。

34歩に53歩22飛から46角とぶつけます。

角を交換してもらえば、77歩の形が生きます。隙が少ないのです。
44角と引かれて

先手は歩切れです。56歩を取りたいのですが、銀を投入するのでは少し指しにくいです。悪いというほどでもないのですが。


○ 受けるなら79角と引くのが無難です。

53歩が無くなるのですが、打っても歩切れに泣くならあきらめましょう。
36歩や57銀もまだ受けきれそうです。それなら24歩同歩同飛が残る道理です。
33角は34銀が嫌味なので、44角なら54歩62金を入れてから24歩同歩同飛

22歩54歩62金左45銀33角28飛

こうなれば23歩が狙えます。つまり71金なら23歩同歩同飛成22飛同竜同角23飛

竜を作ったら28に引いて使う感覚です。

79角のところで22飛と受ければ97角

端歩が生きました。

33桂には46銀と投入します。

44角には36歩24歩35歩

桂馬を取りに行きます。

64角には24歩同歩同飛



問題図ではすでに先手が失敗しています。自然な24歩で悪くなるのですから。
緩手の端歩突きを生かすには持久戦しかありません。79角と引いて、持ち駒の銀を手放して。どちらも少し損なのですが、24歩から竜を作ることだけを目標に指します。竜を作ったら自陣に引いて息長く指します。それでやっと96歩と16歩の顔が立つのです。途中間違えると食いつかれます。元の形勢が悪いので、しっかり読んで、少し損なようでも安全第一でやるしかありません。




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すぐ勝てる 急戦矢倉

2015-09-29 | 将棋本 断捨離
すぐ勝てる!急戦矢倉 (マイナビ将棋BOOKS)
2013年出版、及川先生の本です。上田女流の旦那さんといったほうがわかるかも。

先手番後手番での米長流急戦矢倉
53銀右急戦
田丸流53銀左戦法
矢倉中飛車
の5本です。どれも結構わかりやすく解説してあると思います。急戦をやるほうの立場で書いてあるところが金井先生の本と違うところでしょうか。

棒銀や右4間がないのですが、その代わりに目新しい変化が載っています。研究し出すと楽しいのですが、いまのところは私は指す予定がありません。
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20150929今日の一手<その161>;単純な攻めではうまくいかない

2015-09-29 | 今日の一手
20150929今日の一手

13日の名南将棋大会からTさんとMさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。









昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
先手の1歩損です。
玉の堅さは後手のほうが堅いです。
先手の攻め駒は88角1枚。
後手の攻め駒はありません。
総合すれば後手が有利です。

大局観として
先手は66の歩を突き捨てました。すぐに取り返せませんから、代償が必要です。つまり後手陣に欠陥アリとみての仕掛けです。22角が浮いているのですが、うまく攻められるかどうか。


× 実戦は45歩でした。

後手は43銀44歩同銀と受けたのですが、45銀がハードパンチ。

45同銀22角成46歩56銀同銀同歩47銀

後手から反撃があるとはいえ、角を取った22の馬がすぐに使えるのですから、先手優勢です。

後手の変化としては44歩を同角と取ると

44同角から55角とか22角とかは飛車角交換を含みにすれば後手が指せます。陣形に差があります。
55銀22角44歩32銀56銀33桂

屈伏したようでも飛車をさばけそうです。これは互角。

また、最初の45歩に33桂もあります。

44歩13角で

46歩が残ります。26飛は24歩同歩25歩もありますし、先に1歩もらっているので44歩と取り込ませてもかまいません。後手やや有利。

45歩に33角44歩同飛もあります。

飛角交換しても大したことはありません。これは互角。


× 45歩がだめなら45銀です。

45同銀同歩に66歩

66同角65銀88角66歩

玉頭に拠点を築かれて空振りです。


× では55銀ですか?

55同銀同角66銀

こちらも45銀と打つしかありません。32飛44角

44同角同銀42飛35銀39角

これは後手有利。


○ 4筋を単純に攻めてもだめなので戦線拡大です。24歩。

24同歩なら45銀

銀交換なら23銀が残る仕組みです。31飛54銀同歩24飛

33角23飛成22歩26竜

これなら先手有利。

ということで、最初の24歩は同飛として、同飛同歩23飛

33角21飛成39飛64桂

後手からも66桂があるのですが、うまく受けられないので攻め合いです。
以下はいろいろあるので変化の一例です。62金左32竜51角72回なり同金44角

66桂68玉58桂成同銀42金31竜

これくらいなら先手がやや指せそうです。後手から66桂とされる前に角をさばければどうにか指せます。


4筋を攻める(45歩や45銀)だけではうまくいきませんでした。戦いは歩の突き捨てからといいますが、6筋を突き捨てたのですから、2筋も突き捨てなければいけません。銀交換で23銀を見て初めてつながる攻めになるのです。
とはいえ、実戦で65歩同歩24歩同飛が先手指せると読み切れますか?変化がいろいろあるし、読めても仕掛けないほうがよいのだと思います。

先手が私だとして、たまに手が読める日があります。65歩同歩45銀あるいは45歩の筋が見えて、読んでしまって、ついやってしまう。どこかで振り飛車の反撃があってやられてしまいます。65歩同歩というのはかなりの損失で、どう見ても悪手です。仕掛けて失敗して、感覚が悪すぎる、と何日も反省することでしょう。

なお、65歩の前に24歩同歩としてあれば、65歩同歩45銀と指しやすいのですが、飛車交換で先手だけ桂香を拾われて悪いでしょう。64桂のねらいがないと指せません。







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対急戦矢倉必勝ガイド

2015-09-28 | 将棋本 断捨離
マイコミ将棋BOOKS 対急戦矢倉必勝ガイド
2010年出版、金井先生の本です。

先手が矢倉を目指した時に後手からの急戦があり
右4間
棒銀
米長流急戦矢倉
矢倉中飛車
55歩交換
について解説があります。
一番難しい変化をしっかり説明している感じで、わき道の変化は詳しくないです。だから理解しやすいのですが。先手矢倉を指したいなら必修です。
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20150928今日の一手<その160>;玉頭の勢力争い

2015-09-28 | 今日の一手
20150928今日の一手

先月9日の名南将棋大会からOさんとKさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。








昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
先手の1歩得です。後手も持ち歩がありますから損得なしとします。
玉の堅さは先手のほうが堅いです。
先手の攻め駒は77角と持ち駒銀で2枚
後手の攻め駒は53角と持ち駒銀で2枚
総合すれば先手がやや指せる局面です。

大局観として
後手は21玉から32金と固めたいところなのですが、1歩損したので勝負手気味に35歩とつっかけてきました。
少し形勢がよくて手番を持っていますから、先手が自然な手を指して悪くなることはありません。
ここでは後手が少し無理をした感じがあります。後手32玉の位置なのに、玉頭の歩を交換しようとしているのですから。先手は自然に指して収めてもいいのですが、欲張った指し方が許されそうです。


× 実戦は66角でした。

角の働きが少し良くなるのですが、これは後手の注文に応じてしまった感じです。
34飛は後手が指したかった手でしょう。35歩同角44歩

44同金46歩54金36歩

難しい手順で収めました。先手は1歩損して持ち歩もなくなったので少し後手が得です。形勢は互角に近いですが。

後手の変化としては、35歩に同飛とする手。

36歩65飛68飛46歩

取れません。48金引55歩

これも形勢は互角ですが、1歩かすめ取られて金を引かされるのですから面白くないです。


△ 自然な手は35同歩です。

35同角に46歩でもいいのですが、46銀としてみます。

62角(53角は45桂がある)に45歩と位を取ります。

21玉55銀32金68飛くらいでしょうか。

やや先手指しやすいです。


○ 45歩とするのは少し欲張りですが。

とがめようとするなら36歩同金35歩46金34飛です。

しかし44銀がハードパンチ。

44同金同歩同角同角同飛45歩

交換して押さえます。74飛に34歩同飛44金

あとは24飛に35金から34歩とか43角とか24金を見て寄せられます。

34飛車では効果がありませんでした。36歩同金に35銀と打ちます。

35同金同角44銀

44同金同歩同角48飛

この飛車は気持ちがよいです。43歩44角同歩66角74飛34歩

後手からも36歩があるのですが、先に打ってしまえば先手が有利です。

45歩から44銀と打つのは思ったより効果がありました。これが成立するのは後手玉が32だから。また、先手の持ち歩が足りていることにも注意しておきます。


× 64歩は手筋です。

64同飛に55銀が先手なのが主張です。

69飛成44歩42金引68飛

89竜63飛成36歩

先手が好きなように指したのですが、桂馬を渡したので36歩から攻められて苦戦です。これは指しすぎ。


○ 55銀は抑え込もうという手。
先に銀を打つのは少し損ですが、44歩から64歩同歩54銀を狙えます。

36歩同金36歩には26金とかわします。

34飛なら44歩42金引47銀

後手からの36銀や36歩に注意して飛車を攻めます。

途中26金では46金が普通ですが、同じように進めて36銀とされると

45歩が狙いで後手に食いつかれてしまいます。


○ 46銀打は手厚い手。

後手は36歩同金しかなくて

21玉45歩32金35銀は

44銀や44歩から34歩をみます。どこかで48飛が決め手になりそうです。

21玉のところで44歩は34歩ですし


34歩は55銀

44歩に64歩同歩45歩

先手が好調です。


手の広い問題図ですが、
66角はお手伝い。
35同歩は自然だがもう少し頑張りたいところ。
45歩は一番の急所でどこかで打ちたい手。すぐに打ったら44銀からの攻めが厳しく残りました。
64歩は指しすぎ
55銀は直感的には指しにくいけれど案外有効でした。
46銀は手厚い手。後手からの44歩(先手の45歩に備える)が成立しなければ十分です。36歩同金としたほうが支えに使えるし、48飛と使えるようになりました。

一番の急所は45歩と打てるかです。44歩と打つのが次の候補。どちらにしても4筋が急所です。すぐに打つかほかの手を指したほうがよいかを考えます。
35歩と押さえられればこれも大きな手です。この場合は84飛の横利きがあるのと将来22銀が働いてくることになるので45歩よりはやや劣ります。
居飛車振り飛車の対抗型では玉頭の勢力争いで勝負が決まることがあります。

問題図では後手から35歩と突いたのですが、本来は44歩と指したかったはず。でも歩切れで1歩損では悪いですし、35歩同歩同角でけん制してしまおうと考えたのでしょう。実戦ではそれがうまくいって形勢互角になりました。

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第135回名南将棋大会結果速報

2015-09-27 | 名南将棋大会
今日行いました第135回名南将棋大会(壱)の結果速報です。

A級優勝
青木一さん

伊藤康さん

成田広文さん



B級優勝
葛西直樹さん


おめでとうございます。
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超過激! トラトラ新戦法

2015-09-27 | 将棋本 断捨離
超過激!トラトラ新戦法―ぶっちきりで勝つ
1999年出版、田中寅彦先生の本です。

第1章は 「串カツ囲い」という名称は定着しませんでしたが、穴熊ではなく98玉の形で囲って攻める戦法。大学生のころ攻め方は違いますが同じようなことを考えていて、懐かしいです。
第2章は無理矢理矢倉。さらに居飛穴に組んで矢倉と戦うのもあります。
第3章は棒銀。角換わりで田中寅彦先生の工夫があったのですが、今はこれになりません。無理矢理矢倉からの棒銀もあります。
第4章は後手矢倉早囲い棒銀

どれもそれなりに面白いのですが、少し乱れてからの力量が必要です。知っておいて損ではありませんが、指しこなす道は遠いです。
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20150927今日の一手<その159>;定跡との違いを考える

2015-09-27 | 今日の一手
20150927今日の一手

先月9日の名南将棋大会からOさんとTさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。












昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
駒の損得は先手の1歩損です。
玉の堅さは後手のほうが堅いです。
先手の攻め駒は88角28飛で2枚。
後手の攻め駒はなし。
形勢は互角です。定跡に近いです。

大局観として
定跡との違いをかきます。
45歩の急戦は玉頭銀が嫌なのですが、これは43銀型の三間飛車からの変化です。(多分後手3間)
先手は2枚銀と呼ばれる形で、57銀48銀の形より攻撃力は上がりましたが、金銀の連携が少し悪くなりました。
後手から14歩16歩13香としたので、定跡とは違う形です。四間飛車に45歩急戦の定跡を思い出しつつ、どの変化が得か損か考えてみましょう。
先手は四間飛車に仕掛けるより1手得しています。14歩16歩の交換は微妙で、後手から15角の変化が消えています。代わりに13角が生じている、はずでしたが後手が13香としたため端でだいぶ先手が得しました。
端の突きあいや13香がなくて、64歩74歩まで入っていれば通常の定跡に、と思ったら47銀でしたね。2枚銀の急戦では68金直としているのがほとんどで、銀の位置の兼ね合いでそのほうがいいでしょう。ここで68金直としても後手は64歩くらいですから戻せますが。
45歩の急戦は先手が有利になる変化が多く、13香のこと、後手が手損していることを考えれば先手が有利でもおかしくないです。後手は24同角とする変化で頑張ったほうがよかったかもしれません。


○ 実戦は44歩でした。これは2枚銀の定跡をやめたのですね。形の違いはどうなるでしょうか。

44同銀45歩同銀同桂

88角成同玉45飛

46銀左42飛31角41飛86角成64角

これはやや後手が指せると思います。

先手は46銀左ではなく23角が(45歩急戦の)定跡。

25飛同飛(歩切れです)同歩34角成29飛

48銀の形なら59銀と引き締めて先手有利なのですが、これば微妙。68金右には84桂なのでどう受けるか悩みます。先手が悪いということはないでしょうが。
実戦ても46銀左には25飛で飛車交換できましたから、それなら後手が楽勝でした。

先手の変化として、44歩同銀25歩というのがたまにある(よく失敗する)手筋です。

13香をとがめているようにも見えますが、53銀で後手の飛車先が軽いです。

33角成同桂24歩27歩

これで困りました。27同飛は47飛成から38角ですね。飛車を横に逃げると22飛です。

後手の変化としては45歩に53銀です。

33角成同桂24飛

45桂同桂同飛

後手玉は堅いですが手を作りにくいですから、やや先手が指せそうです。

先手の変化はもう一つ、45歩同銀に33角成

33同桂88角43飛24飛

ここで15角があれば後手が有利なのですが。後手の飛車先は44歩ですぐに止まりますし、先手有利。

先手は24飛とできなければ45桂同桂46銀なのですが、それなら銀の配置が違うので25桂で後手有利。


ということで、44歩同銀45歩の変化を見てきましたが、45同銀33角成同桂88角43飛24飛が先手は一番よさそうです。後手は少し悪くても45歩に53銀とするほうがましです。


△ 2枚銀の定跡は35歩です。

35同歩に44歩とすると

44同銀は34歩でだめ。34銀44歩で、44同飛なら

44同角は後手よし。45歩43飛33角成同飛24飛

これは先手が指せます。

後手は44歩を取らないほうがいいのですが、64歩と待てば45桂

44角同角同飛24飛

23歩11角

これで飛車の取り合いは先手よし。62角44角成同角34飛99角成

32飛成44歩でどうか。何とも言えません。

64歩の代わりに25歩もあり

25同桂44角同角同飛

22角43飛13桂成

これは13香をとがめて先手有利。

2枚銀の急戦定跡は難しい変化が多く、どのタイミングで仕掛けるかが問題になります。高美濃に誘導してからしかけるとか、95歩を早く突き捨てるとか。


定跡のおさらいができました。
先手としては、
43銀型の三間飛車なら急戦で仕掛けられる。
47銀としないで48銀のまま45歩から仕掛けたかった。

後手としては
42銀のままで仕掛けさせるのが後手三間としては最善。
14歩16歩は善悪あり。
13香は悪手、12香は場合によるが45歩の急戦なら不要。
(四間飛車なら46歩には54銀)

実戦のアヤで定跡とは部分が違ってしまい、仕掛けた結果もひっくり返ってしまうこともあります。定跡そのままなぞって理解するより、少し違う形でどちらが有利か考えてみると理解が深まることでしょう。

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武市流力戦筋違い角の極意

2015-09-26 | 将棋本 断捨離
武市流力戦筋違い角の極意 (プロの将棋シリーズ)
2003年出版武市先生の本です。

武市先生は筋違い角のスペシャリスト。筋違い角の本は少ないので貴重です。この本が一番いろいろな形を取り上げています。ただし振り飛車にする形だけ。
大昔は角換わりの途中で筋違い角を打ったのですが、これはうまくいかないとすたれました。
そのあとこの本のような76歩34歩22角成から45角とダイレクトに打って34の歩を取り、四間飛車にするのが出てきました。
8/5に書いた筋違い角と相振り飛車―ライバルに勝つマル秘作戦 (森内優駿流棋本ブックス)がそのあとで、16角と引いて居飛車にする戦法です。

棋理からいうと、序盤の歩得は価値が高いのですが、角を手放したのが問題。持久戦にして3筋の歩を伸ばすようになれば筋違い角がよくなります。後手はそれまでに攻めの形を作って戦えるかの勝負です。

問題はどれも先手番の戦法であること。後手番でも使えるなら私も採用してもいいのですが。
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