話がかなり戻るのですが、初手から76歩34歩75歩42玉
先手は66歩と止めるのだと書いたのですが、その理由は78飛だと88角成同銀45角があるからだと。
この形は常套手段の76角の受けが利きません。ただし58玉 (68金よりも優る) 27角成
馬を作らせておいて、74歩同歩55角33桂74飛
という乱戦になる形があります。私は後手を持った経験があって、(ここで何を指したのか思い出せませんが) うっかり82角成同銀72飛打を食らった覚えがあります。後手はこの筋を受けるのですが、73歩あるいは92飛とするところです。73歩ならば34飛32金
32金の所では22銀や32銀もありますが、32金のほうが無難です。36歩22銀38金26馬
ここで従来は37桂として、54歩77角53馬・・・と進んで互角です。でもAIに聞いてみると35飛だと。
後手は飛を取ると35同歩~34歩で桂頭を攻められます。代わりに何を指すかが難しいですが、54歩に37角 (左に引くのもある) 同馬同金
37同桂ならば44角~35角同歩36歩で、さらに乱戦になるところです。金で取れば少し落ち着いて、62銀75飛44歩76飛
52金35歩43金右
ここで26飛としても、24歩 (同飛は25歩) ~23銀と銀冠に組まれて、まだ互角です。77銀 (77桂もある) 24歩34歩同金35歩同金36金
この図の評価値は+150の先手ペースです。34金35歩45金34歩25桂同金同歩37桂27角
こう進むと評価値は+234で先手良しです。
戻って
36同金のほうが最善のようで、36同飛27角86飛45角成61角
83角成を防ぎにくいので、51金83角成同飛同飛成94角
67角成があるので、94同竜同歩82飛
この図の評価値は+221の先手ペース。
乱戦の手将棋なので、これが定跡だとは言えませんが、途中の
37桂ではなくて35飛があるので先手ペースで進むようです。
よって後手はこの変化を選ばずに、先手に石田流本組か升田式石田流に組ませて戦うほうが良いでしょう。